サイバーパンクと青春記録   作:水面どり

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書き直しに書き直しを重ねて生まれました。

違和感や質問、ご指摘があれば是非教えていただけると幸いです。


42話 メインジョブ 『悪友/CHIPPIN‘IN』 15

俺とワカモ先輩の発砲を合図にでもしたかのようにミネとツルギは左右に分かれて行動を開始した。 挟み撃ち、なのだろうか?

いや、どちらかと言うとお互いに狙っている相手が違うのだろう。

 

「ツルギがワカモ先輩、爆弾ナースが俺か」

 

確かにこの二人、事態の沈静化という目的は一緒なのだろうが優先度は違うようだ。

 

ツルギはこの事件の早期解決を狙って首謀者であるワカモ先輩の拘束、爆弾ナースは俺以外に眼中はないと言わんばかりに熱烈なアプローチをかけて来ている。

 

「俺本当に何も知らないんだけどなあ!」

 

「後輩、ツルギを止めなさい」

 

嘆く俺にピシャリと命令を下すと先輩は次弾を装填しながら走りミネへと発砲。 盾で防がれたがそのまま狙撃位置である2階へと駆けて行った。

 

「逃がすかああああああああああ!!!」

 

俺は先輩を追いかけようとするツルギと肉薄し、近距離の撃ち合いへと興ずるように見せかける。

 

「ツルギさん、今援護に!?」

 

「おせぇんだよ」

 

俺はサンデヴィスタンを使用してミネへと発砲。 ライオットシールドで防がれるが・・・・・・

 

「弾道コンプレッサ」

 

それも織り込み済みだ。

 

ミネの盾に防がれた弾丸は俺を背後から襲いかかるツルギへと吸い込まれた。 予想外の被弾にタタラを踏む。

 

「真っ直ぐな子は嫌いじゃない。 わかりやすくていい」

 

そしてツルギの癖が悪い方向へと傾いた。

ツルギは不意打ちを受けた時のために被弾した際、その衝撃と位置から相手の場所を割り出して即座に迎撃するように鍛えられていた。 つまり

 

「っ!?」

 

ツルギは跳弾点、ミネへと銃口を向けてしまった。 当然発砲するつもりはなく、即座にVへと向けられたがその一瞬が有れば十分だ。

 

「そらよ!!」

 

一瞬の隙を突いて完全展開したゴリラアームという戦車にすら穴を開ける暴力がツルギの鳩尾へと叩き込まれ、無人のミリタリーショップへと吹き飛ばした。

 

当然このダメージには意味がない。 どうせ吹き飛んでる間に回復し終わってるだろう。 意味があるのは吹き飛んでいる時間だ。

 

「頭数を減らすとしよう」

 

ツルギが戦線離脱してる間に蒼森ミネにダメージを与える。 盾を構えて向かってくる彼女にマロリアンを数発放ち、ツルギが吹き飛んだ方向とは逆に走り始める。

ミネも何発か散弾を放ってくるが大した効果は出てない。 何発か掠めるがツルギよりも威力は大分少ないように感じた。

 

「同じ型の武器になのに、こんな威力に差が生まれるのか」

 

もしくは戦闘スタイルが違うのだろうか? ツルギが被ダメージを無視して突っ込む超攻撃型なら、今相対してる相手ミネはシールドを持った防御型なのかもしれない。

 

・・・・・・シールドを持っているはずなのに超攻撃的なピンクのチンチクリンは例外だろう。

 

「比較対象が悪いかもしれないが」

 

盾とショットガンで突撃する様はアビドスの小鳥遊ホシノを彷彿とさせたが、流石にアレと同レベルというわけではないようだ。

ホシノ級の強さの生徒はやはり少ないのだろう。 流石にキヴォトスもそこまで出鱈目ではない事にホッとする。

 

「あんなのがポコジャカ居たら仕事なんねぇしな」

 

ホシノは鋭く、本当に嫌なタイミングでショットガンをぶっ放してくる。

 

カーネイジGUTを放ち反動で後ろに引きながら距離を保つ俺に対し、盾を斜めに構えて無理やり威力を軽減させ、逆に盾に伝わる衝撃を活かしてクルリと回ってゼロ距離射撃を敢行してきた。

 

攻めれば攻めるほど逆に攻撃を受け、消極的になれば盾をしまって一気に仕留めにくる。 正しく戦闘の天才、俺みたいな土壇場でようやく実力者に成れた奴とは大違いだ。

 

「一体誰と比べて!」

 

「さて、誰だろうね」

 

悠々と散弾を避ける俺を必死に追いかけるが、やはりスピードの差がある。 距離を詰めれないままミネは俺のマロリアンの射撃を一方的に受け続けた。

 

「射程距離が、遠い・・・・・・なら!」

 

俺がミネの放つ散弾を避け切ると、盾を構えその後ろへと完全に身を隠したのだ。

 

「諦めたのか? いや、なんだ・・・・・・?」

 

ミネを中心に紫色に渦巻く何かを肌が感じ取る。 嫌な予感がする。 まるでツルギが赤黒いオーラを纏った時と同じような感覚だ。

 

「コレが神秘なのか」

 

シャーレ、アビドス、正義実現委員会と戦ってきて俺も少しずつだが神秘を認識できるようになったのだろう。 だが自身の成長を喜んでいる場合ではない、身構えるのが先決だ。

 

「なんでもあり神秘・・・・・・何が出ても驚く気はねぇぞ」

 

いつでも発動できるようにサンデヴィスタンをスタンバイモードにする。 マロリアンをリロード、装填した分も含めて残り2マガジンと数発。

ミネもレバーアクションを回すような動作によるリロード、スピンコックを終えた。 そしていよいよ神秘が最高潮の高鳴りを見せる。 あたり一面が紫色の霧のような物が湧き、ミネへと集中する。

 

「誇りと信念を胸に刻み!」

 

背中から生えた青空のような翼が開かれ、ミネが一歩、力強く踏み込む。

 

「最後の、その瞬間まで!」

 

その衝撃にショッピングモールの床が割れ、赤い稲妻が辺りを駆け抜け俺へと眼光が向けられる。

 

「戦場にーー

 

翼が弓を絞らせたようにしなり、神秘が解放され、

 

ーー救護の手を!!!」

 

 

 

蒼森ミネは宙へと跳んだ。

 

 

 

「はああああああ!!?」

 

ありえない跳躍だった。 跳んだミネは2階すらも余裕で跳び越える高さまで飛翔し、十分に距離をとっていた俺の頭上を舞っていた。

 

「強化足関節でもそんな跳ばねぇぞクソ神秘!!」

 

あんなデカい盾とショットガンを持って生身の体であそこまで跳べるわけがない。 どう考えても神秘由来の出鱈目だった。 何が出ても驚かないと言ったが、まさか機動力特化の俺の最高高度を超えるジャンプをするなんて誰が予想できるか。

 

「サンデヴィスタン!」

 

だが俺にはコレがある。 安心と信頼のサンデヴィスタン、逃げにも回避にも攻めにも使える万能の基幹システムである。 確かに面食らったものの、別に回避ができるのだからなんの問題もない。

 

加速した世界でミネから十分距離を離し、マロリアンを構える。 確実に仕留めるためにサンデヴィスタンも余裕があるうちに解除した。 コレでチェックメイトだ。

 

「・・・・・・おいおい、なんでこっち見てんだあの女」

 

しかもご丁寧に盾をコチラに突き出すような体勢だ。

 

まるで、そうまるで・・・・・・

 

「ふっざけんなよ」

 

あそこから俺へと追尾できるとでも言わんばかりに

 

「救護!!!!」

 

どう考えても自然落下ではありえない角度、初速を持って、蒼森ミネは隕石と化した。

 

直撃を避ける為にダッシュで距離を取ったが、落下した衝撃波が神秘を伴って俺を覆った。

 

 

 

サイバーウェア動作不良、機動力低下。

 

 

 

蒼森ミネの衝撃波を受けた直後に異常が生じた。 足に上手く力が入らない上、サイバーウェアが動作不良となり回避能力が著しく減少した。 皮膚下サイバーウェアであるキチンにも異常が生じ、アーマー値が機能しない。

 

不味い。 いくらなんでもヤバすぎる。 特にこのタイミング、この時間で動作不良は危険すぎる。 なぜなら・・・・・・

 

「そこだあああああああああ!!!」

 

剣先ツルギが復帰する時間だ。

 

どうする。 サイバーウェアは機能不全で致命的なダメージを受けるのは避けようがない未来だ。 しかもツルギは赤黒いオーラを纏いキャニスター弾級の威力を放ってくるだろう。 あの強化状態ではマロリアンアームズで迎撃したところで意に介されず怯みもしないだろう。

 

幸いにもまだ血液ポンプがあるので戦闘続行はできるだろうが、ツルギとかいう無敵存在相手にこれ以上リソースを削られるのは厳しい状況だ。 弾数も少なく回復なしでツルギ攻略とかいくらなんでも無茶がすぎる。

 

ツルギが両手に持った二丁のショットガンを向け、ミネからもショットガンを突きつけられる。 ミンチより酷い状態になるかもしれない。

 

「スムージーにはなりたくねぇな」

 

「だったら諸共吹き飛びなさい」

 

2階から先輩の声が聞こえたかと思ったら黒い何かが足元に投げ込まれた。 それは四角い箱のように見え、赤い点滅を繰り返し、ガムテープで無理やり固定したアンテナが伸びていた。

 

「「「は?」」」

 

厄災の狐の面目躍如、この女俺がいるというにも拘らずなんの躊躇いもなくC4爆弾を投げ込みやがったのだ。 

 

「えい」

 

そしてなんの迷いもなく起爆の画面をタップしやがった。

 

ミネは咄嗟に盾を構えて防御し、ツルギはワカモの狙いを理解して己が身を考えず俺を捕縛しようとし手を伸ばす。 俺はミネの神秘によりダッシュもサンデヴィスタンも使えない為情けなく地面をゴロゴロ転がって位置を少しだけ調整する。

 

操作を受け取ったC4がピーと電子音を鳴らし、耳と身を劈く破壊の熱と風を齎した。

 

ドカアアアアアアアーーーーン!!

 

俺は吹き飛ばされ、ゴロゴロと転がりながら最後の血液ポンプの起動音を耳にする。 アドレナリンラッシュが起動され状態異常が回復された事により、ミネによって付与されたサイバーウェアの不調が戻る。

 

「よっと」

 

転がってる状態から腕を使って勢いよく起き上がる。 すると2階から俺を吹き飛ばした狐面が顔を覗かせた。

 

「ハンバーグになった気分はどうですか?」

 

「ああ、最高だよクソッタレ」

 

あのままだとツルギに取り押さえられていた可能性もあったので助かったのは事実だが・・・・・・

 

「もうちょい助け方を考えて欲しかったかな」

 

「アレらが銃弾程度で止まるとでも?」

 

先輩が指差した方向にはC4の爆心地付近にいたはずのツルギが起き上がっている姿が有り、その火傷は見る見るうちに再生されていた。

ミネは盾を地面に突き刺す事で耐えており、ノーダメージと言っても過言ではなかった。

 

「・・・・・・バケモノ共め」

 

トリニティには品行方正なお嬢様が在籍してるのではなかったのか。 いるのは文武両道の乙女ではなく、攻防両立のクリーチャーじゃないか。

 

「ワカモ先輩、家具は手に入れたしそろそろ帰らない? 俺もうあんなモンスター共と関わり合いになりたくないんだけど」

 

「今逃げてもツルギに延々と追い回されますよ」

 

・・・・・・確かに。 あの体力お化けが俺たちを諦める前に家具を積んだ輸送車がガス欠になる方が早いだろう。

 

「後輩」

 

妙に圧のかかった呼ばれ方をされる。 まるで有無を言わせないと言わんばかりだ。

 

「全力を出しなさい」




次回『ブレードランナー』

マジでミネ団長が本作のVの天敵すぎて笑う。

貴方はどれくらい知識がある?

  • サイバーパンクは名前だけ知ってる
  • サイバーパンクは動画勢
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  • サイバーパンクはガチでやった
  • サイバーパンクで知らないことなど何もない
  • サイバーパンク? なんそれ?
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