サイバーパンクと青春記録   作:水面どり

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偽物の連邦生徒会長・・・・・・!?

ワカモ「まーた後輩ですか」

V「冤罪冤罪超冤罪!?」

というか第二部も書く場合はそもそもV消えますけどね。 存在とか記憶とか、多分。

V「え??」


60話 サイドジョブ 『いつか、きっと/BABY』 1

「帰ってきて早速で悪いけど、市場調査の報告を聞かせて貰おうかい」

 

夕刻、ユウカちゃんとのドタバタ騒ぎを終えた俺はオーナーの元に成果を告げていた。

 

「まず結論から言おう。 ミレニアムの連中はブラックマーケットから撤退した。 ついでに生徒を騙して戦力増強を狙う連中の掃除もした」

 

「一石二鳥の結果だね。 ミレニアム連中が売ってた武器とかは回収できてるだろうね?」

 

当然、一言で答えながらオーナーの仕事机の上に様々なパーツを寄せ集めたような機能性に富んだ銃を置いた。 擬似科学部のトラックの中にあった物を拝借した物だ。

ピクリ、と猫耳を動かして顎に手を置いて考え始めたオーナー、そして机の下へと手を伸ばした。

 

「V、あんた一杯食わされたね」

 

「? 一体何の事を・・・・・・」

 

オーナーが取り出したのも一丁の銃だった。 しかし俺が持ってきた物とはまるで別物だ。

機能美のある真っ直ぐなフォルム、それにピタリとハマるような銃身にマズルアクセサリー、上部マウントに設置されたドットサイト、アンダーマウントも整備され状況に合わせた汎用性も確保されている。

 

「銃床も人間工学に基づいた反動吸収機構、それでいて重量が偏らないバランス配分・・・・・・」

 

俺のチグハグな銃とオーナーの完璧に計算され尽くした銃、とても同じ生徒が売ったとは思えなかった。

 

「上手く撹乱させられたってことさ、あんたもアタシもね」

 

「つまり擬似科学部は自分たちでも知らない内に囮にされていたのか」

 

擬似科学部がブラックマーケットで大安売りしてる裏で何者かがプレミア価格で少数で販売してた、と・・・・・・?

 

いや待て、金儲けが目的ならもっと大規模で売るはずだ。

 

「そうだろうけど、それだけじゃないだろうねぇ」

 

俺の考えを肯定するようにオーナーは頷きながら、一枚の紙を取り出した。 コイツは、売上のグラフか? しかもブラックマーケット全体の?

 

え、怖。 何でオーナーそんなの持ってんの。 この人ブラックマーケットの首根っこ掴める位置にいるの? 金融関係握ってるって事は好きなタイミングでブラックマーケットを崩壊させられるの? ヤバすぎだろ。

 

「ちょっとした古株特権みたいなものさ」

 

ただ長くブラックマーケットにいるだけで手に入れられるわけがないのは一目瞭然だ。 古いグラフではなく最新のグラフだからだ。

 

オーナーは誤魔化す気満々のようだ。 俺も別に詳しく聞きたいわけではないのでスルーする。

聞いたら最後、とんでもないことに巻き込まれそうだ。

 

「・・・・・・それで、このグラフが何を示すんだ?」

 

オーナーは咥えていたキセルを外し、灰色の息を吐く。 煙で撫でられる猫髭が回ったキセルに揺らされ一点を示した。 そこは前日に比べても金の動きが激しかったのだろう、グラフの動きが跳ねまくっていた。

 

「アンタがここにきた翌日だ。 その日、金の動きが激しすぎる」

 

「・・・・・・・・・・・・あん?」

 

思わず怪訝な顔になる。 眉間に皺がより、顎に手を添えて少しばかり思案に耽る。

 

何故俺が来るとブラックマーケットの金の動きが激しくなる? 別に俺はブラックマーケットで大きな買い物はしてないし派手に暴れ回った記憶はない。

 

ワカモ先輩とオーナーの依頼でカイザーの輸送車を襲ったせい? いやそれもない。 輸送車の中身は市場に流してないし、全てオーナー預かりになったはずだ。 多少は動いてもこんなに激しく乱高下するわけない。

 

少し考え方を変えよう。 顎に当てていた手を顳顬に添える。

 

そもそも話の源流はミレニアムの銃がブラックマーケットで流通を始めたことだ。 おそらくあのグラフはそれを示している代物。

であれば、だ。 俺が来たタイミングと同時にミレニアムが販売を始めていたことになる。

 

ただの偶然・・・・・・いや、偶然じゃないとしたら?

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「ヒント、そもそも売るのは唯のついでだとしたら?」

 

「あ? ・・・・・・あー? え、そういうこと?」

 

なら偶然だったのは擬似科学部のマーケットガードへの販売の方だったのだろう。 ならコレ幸いと囮役に仕立て上げたのか。

 

「ミレニアムの完成銃を売っていた奴の目的は俺だったのか」

 

俺が擬似科学部関連で動き出すのをずっと待っていたのだろう。 だがそこで意図せぬイレギュラーが現れた。

 

「早瀬ユウカの乱入」

 

セミナーとして表向きは動けない彼女、誰にも何も言わずに此処に来たのは想像に難くない。 知っていたのは、ハスミという正義実現委員とシャーレの先生だけだろう。

 

だから少量しか売れなかった。 いや、売っていたが買い戻したのだろう。 そして取引の痕跡を、ブラックマーケットで活動した証拠を可能な限り迅速に消した。

 

さて話をまとめよう。

 

黒幕は擬似科学部を囮として利用し、イレギュラーが起きた際の即時撤退を判断できる柔軟性、いやこの場合は合理性を持っていた。

そしてミレニアムの完璧な状態の銃を売り飛ばすことができる手段を持っている。

最後が早瀬ユウカをイレギュラーだと判断する人物。

 

「だいぶ絞り込めたな」

 

「ミレニアムのセミナー、もしくはその関係者だろうね」

 

オーナーはそう言うが、俺は更に的を絞れていた。

 

間違いなくミレニアムの頂点に立つ存在、調月リオだ。 彼女は何の目的があってかは定かでないが、ブラックマーケットで金儲けの算段を仕組んでいたのだろう。

だがそこへ擬似科学部を追うユウカと俺がやってきた。

調月リオはこのイレギュラーに即断で撤退を判断。 痕跡を消して難を逃れたと思っていたのだろうが・・・・・・ブラックマーケットの魔の手にしっかり足取りを握られていた。

 

「・・・・・・消したと思った証拠がよりにもよってオーナーに握られてたのか」

 

だがそのおかげで調月リオの目的が判明した。 それは俺、テロリスト『銀銃のV』の調査、そしてブラックマーケットという市場におけるミレニアム銃器の相場と価値の調査。

 

「ったく、いろんな連中に目をつけられたな」

 

ミレニアム生徒会セミナー、トリニティのティーパーティー、三大校の二つに睨まれてる状態だ。 後はゲヘナも加えたら役満じゃないか。

 

「V、小競り合い程度ならともかく、間違ってもミレニアムに喧嘩売るんじゃないよ。 今マーケットガードと縄張り争いしてるウチにそんな余力はないからね」

 

「ああ、気をつける」

 

とそこへ、ガチャリと扉が開いた。 音に反応して振り返ればそこには黒いヘルメットを被った生徒がいた。

いきなりノックも無しにオーナーの部屋へと入れる生徒など一人しか思い当たらない。

 

「先輩か?」

 

コクリと頷いてからヘルメットを外すと、艶のある綺麗な黒髪が顕になった。 熱が篭っていたのかヘルメットの下につけられた狐面を外して軽く汗を拭っていた。

 

「ふぅ・・・・・・ただいま戻りました。 とりあえず教授に関してはしばらく問題は起こらないように脅してきました」

 

説得じゃなくて脅してきたのかよ。 しかも隠す気がさらさらない。

 

いや、冷静に損得勘定ができる先輩のことだ。 寧ろ一方的に脅さないと手を引こうとしない相手だったのだろう。

 

ナイトシティにもそういった手合いはゴロゴロいた。 なんだったら話なんてできず、いきなり大暴れする奴も珍しくない。 サイバーサイコシス予備軍のギャング、メイルストロームがその筆頭だ。

 

「随分イカれてるように見えたロイスはまだ交渉できるだけマシな奴だったんだな」

 

ミリテクに騙されて最終的には殺し合いに発展してしまったが、俺がもっと上手く立ち回れば別の未来もあったのだろうか?

 

 

 

その場合はミリテクの連中がお前もメイルシュトロームも諸共に消しにかかってただろうな。 お前は企業とギャング、どっちを敵に回す気だよ。

 

企業

 

即答かよつまらねぇ

 

 

 

 

・・・・・・なんだろう、どこかで汚い妖精が手に負えないと言わんばかりに首を横に振るったような気がした。 一応首筋に触れてレリックの有無を確認するが、当然ない。 なら気のせいだろう。

 

「後輩? 大丈夫ですか?」

 

「すまん、ちょっと考え事してた」

 

ボーっとしていた頭を振るって現実に戻る。

とにかく教授の事もミレニアムの事も今は手を出さなくていい。 それよりもブラックマーケットの問題に注力すべきだ。

 

「またマーケットガードが怪しい動きしてたら探ってみるよ」

 

「頼んだよV。 それとコレが今回の報酬、受け取りな」

 

オーナーから差し出された黄色いカードを手に取り、表示されてる数字に目を通すが・・・・・・ピクリと眉が不愉快そうに動いてしまう。

 

「・・・・・・ちょっと報酬が少なくないか?」

 

「そりゃアンタ、今まで割った皿の代金とツケにしてた料理の代金分引かれてるからね」

 

ガックシと項垂れてしまう。 まだまだ素寒貧生活は抜け出せそうにないらしい。

 

「V、金が欲しけりゃ働きな」

 

そうして俺はまたウェイトレスとして働くのであった。

 

因みに先輩は厨房担当だった。 テロリストの癖に料理ができるらしい。

 

 

 

 

 

ブラックマーケットは迷路である。 DUやトリニティ、アビドスに隣接してる浅い場所は誰でも出入りできるが・・・・・・奥にはそう簡単に辿り着くことができない。

 

「えっと、此処を曲がって・・・・・・大きなアンテナが設置されてる建物が見えたから一旦戻って・・・・・・工事してる脇にある路地裏にまた入って・・・・・・廃墟を潜り抜けて・・・・・・つきました!」

 

その理由は頻繁に行われてる工事のせいである。

T字路だった場所が完全な行き止まりになったり、目印にしやすいアンテナや鉄塔が違う位置に移動していたり、最近頻発してる縄張り争いが原因で崩壊した建物のせいで今まで繋がってなかった道が発生したり、と一週間も過ぎれば完全に別の道順に変貌してしまうのだ。

 

しかも油断していれば不良生徒に鴨葱として狙われてしまいかねないので、警戒心も強めなくてはならない。

 

そのためミレニアムの秀才、早瀬ユウカすらも迷子になってしまったのだが・・・・・・

 

「Vさん、今日こそ見つかるといいなぁ」

 

ブラックマーケットの奥地である中央区、隠す事もなく堂々とトリニティ制服を着た生徒がまるで庭でも歩くみたいな感じで捜索を続けていた。

 

モモフレンズなるキワモノキャラクターを模したリュックと手に持った独特なデザインが目立つクーラーボックスを揺らしながらブラックマーケットを『ガンガンいこうぜ』する少女、阿慈谷ヒフミであった。

 

「三つの学区に面した浅い所では見つからなかったので、多分中央区だと思ったのですが・・・・・・全然見つかりません」

 

あたりをキョロキョロと見渡すが当然目当ての人物は見つからない。 このまま当てもなく探し回るのは愚策だろうか、とダメ元で人に聞いてみる。

 

「あのー、すみません」

 

ヒフミが声をかけたのは、アルバイトの休憩中なのだろう生徒だった。 メイド服を着て店の脇でヤンキー座り、疲れ切ったような何処か憂いた面持ちで空を見ていた。 

 

「ん? 今は休憩中なんだけど・・・・・・って、トリニティの生徒?」

 

トリニティ制服を見て不思議そうな表情を見せる彼女に、ヒフミ自身も珍しいと感じてしまう。

ブラックマーケットを出入りするような生徒は基本的に不良であり、自分の縄張りに入るトリニティ生徒は厄ネタか降って湧いたボーナスでしかないからだ。 狙うような視線は当然として、次点で罠を警戒するのが普通だ。

 

「トリニティの生徒がなんでこんな場所まで? 迷子・・・・・・は検問所があるせいで無理だし、自分の意思できたのか? 帰れるのか?」

 

本気で心配してるのか、はたまた警戒心を表に出していないのか、ヒフミを上から下へとじっくり観察してくる。

 

「汚れは全くない、じゃあ無理矢理誰かに連れてこられたわけじゃない・・・・・・なら誰かの連れか?」

 

「え、えっと・・・・・・その、Vさんを探してて・・・・・・」

 

「あ、Vさんの知り合いなの?」

 

ダメ元という自覚はあったのだろう、ヒフミはおずおずと遠慮でもするかのように絞り出した言葉は幸運にも状況を好転させた。

 

「なら店に入りな。 あの人も今は働いてるはずだから」

 

顎で示されたのは不良メイドが働いていただろう飲食店、名前は『レストラン』であった。

 

「レストラン、ですか?」

 

「あーうん、そのまま過ぎて変わってるよね・・・・・・ウチらだってもうちょいどうにかしたらと思うんだけど、オーナーが絶対名前は変えないの一点張りでさ」

 

ヒフミはお礼を告げて、店の前で立ち止まる。

 

ただの飲食店なら気軽に入って行けるのだが、いかんせん場所が場所だし相手が相手だ。 少なくとも多少の心構えは必要だろう。

 

手にぶら下げていたクーラーボックスに目をやる、そこに入っているのはお礼の品であり本来なら渡すべき報酬。

 

「お礼は必ずすると言いましたからね」

 

よし、と意を決して自動ドアを潜るとそこには・・・・・・

 

 

 

「いらっしゃいませー⭐︎」

 

 

 

やたら高い声と引くついた口元で出迎える恩人の姿があった。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えっと」

 

余りの光景に言葉が出ない。 そしてVも出迎えた相手がヒフミと理解した直後に銅像が如くピシリと硬直している。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・その」

 

気まずい。 相手の見てはいけない一面を見てしまった。

 

だがヒフミも此処まで来て何もせずに帰るわけにもいかない。 取り敢えず当初の目的を果たすことにした。

 

「コレ、つまらないものですが」

 

「あ、これはどうもありがとうございます」

 

Vがらしくもなく畏まったようにアイス入りクーラーボックスを受け取ると、厨房の方から噴き出すような笑い声が聞こえた。 Vがそこへ視線、いや殺気を飛ばした。

 

「怖い怖い・・・・・・ふふふ」

 

まるで怖がってないような、どう考えても微笑ましげな笑い声に怨みがましい目を向けてると今度はヒフミも笑い出してしまった。

 

「・・・・・・あー、取り敢えず座ってくれないかお客様?」

 

困ったように絞り出した言葉に頷き、Vに案内されるままテーブルに着く。 メニューを手渡され「注文が決まったらボタンで呼んでくれ」と思い出しながら辿々しく説明する様にまた笑いそうになってしまう。

 

「・・・・・・冷やかしなら帰ってくれ」

 

「あ、あはは・・・・・・でも想像していたより、ずっといい人そうで安心しました」

 

「・・・・・・ったく、あまり困らせることばっか言わないでくれ」

 

Vが逃げるように去ろうとした時、スカートの裾を掴まれてしまった。 なんだと思い振り返ると、そこには先ほどまで安心したような少女はおらず、真剣な表情を向けるヒフミがいた。

 

「どうした?」

 

Vは立ち止まりヒフミに向き直った。 言いたい事でもあるのか、モゴモゴと口を動かすがうまく言葉にしづらい様子だ。

 

「・・・・・・Vさんって、あの、人に化けたVさんなんですよね」

 

「ああ」

 

やはり、と思い続く言葉を待つ。 Vはトリニティで大事件を起こした張本人だ。 トリニティを母校とするトリニティ生徒として、阿慈谷ヒフミとして言いたい事がたくさんあるのだろう。

 

自然とヒフミの席の周りから、他のアルバイトの不良の姿はいなくなっていた。 厨房の奥からチラリとワカモが顔だけ出すが、直ぐに引っ込めた。 コレはあの日ヒフミと出会ったVが向き合うべき事だから。

 

ゴソゴソとバックを探るヒフミにVは覚悟を決める。 あのバックから拳銃が飛び出して眉間を撃ち抜かれても文句は言えないのだから。 あの騒動でヒフミの大切な人が傷ついた可能性もあるのだから。

 

スッと、Vの前に構えられた。

 

だがしかし、それは黒い拳銃ではなく、一枚の紙だった。

 

 

 

『モモフレンズイベント開催!! 一緒にトリニティの復興を盛り上げようキャンペーン!! (モモフレンズトリニティ制服人形はお一人様一点のみの販売とさせていただきます)』

 

 

 

「Vさん一緒に行きましょう! 誰にでも化けれる貴方なら6人分確保できます!!」

 

 

 

スッゲー目をキラッキラに輝かせるヒフミに全員がひっくり返った。

 

「ヒフミちゃんアンタ大物だよ」

 

Vの発言に転んだ不良も鍋をひっくり返したワカモすらも頷いた。

 

 

 

サイドジョブ 『愛のジェットコースター/LOVE ROLLERCOASTER』

・D.U地区でヒフミに話しかける。

・生徒の生体情報を集める(任意)←追跡中




ミスズちゃん・・・・・・ごめんね、おいたわしい生徒なのにごめんね・・・・・・

ミスズ「あの、なんでそんなに謝るので?」

詳しくは言えないけど本当にごめんね。

ミスズ「あの、怖いのですけれど!!?」

ACT5 超頑張ってね

V・ワカモ「ニッコリ」

ミスズ「オワタ」





サイドジョブ名がタイトルと最後が違うのは仕様です。 タイトルがスズミ編、最後がハスミ編です。

貴方だったら、どっちのルート? 対策委員会編

  • アロナの依頼ルート
  • ヘルメット団依頼ルート
  • どちらも選ばない、便利屋ルート
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