サイバーパンクと青春記録   作:水面どり

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勢いで書いたので修正が入るかもです。


4話 クレド01

「で? 君はなんでこんな夜中にゴーストタウンを彷徨いていたのかな〜? おじさんに教えてくれないかな?」

 

そう言いながらショットガンを俺の額に当て、引き金に指をかける目の前にいるおじさんを自称するピンク髪。 相当警戒しているらしく、どうやら俺を尋問するつもりのようだ。

会話から察するに、どうやらこの辺りは彼女のテリトリーのようで、そこに身も知らずの俺がやってきた、という状況らしい。

 

だがこの程度の修羅場、幾らでも潜ってきている。 まずは舐められないように軽く挨拶だ。

 

「おっと、ここじゃあ人にものを尋ねるのに銃が必要だったのか。 俺も銃を突きつけながら一軒一軒尋ねれば良かったな! いやー失敗失敗、ただ水が欲しかっただけだったのだが」

 

そう煽ってみるも、現在俺は足が動かす事ができず、拳銃を構えるべき両手も地につけてる状態だ。 状況はかなり不利、会話でどうにか乗り切る以外の選択肢はない。

 

さあ、どうでてくる?

 

『本当のことを言え』と、高圧してくるパターンか?

それとも一応は同調の姿勢を見せつつ、更に探りを入れてくるのか?

それとも尋問のプロフェッショナルがやってくるまでの一通りの質問を機械のように繰り返すのか?

なお、一番最悪なのはメイルストロームがよくやる『めんどくさいからぶち殺す』である。 コレだけは絶対に引いてはいけないジョーカーだ。 いくら蘇生可能な予備心臓でも頭をショットガンで粉々に吹き飛ばされたら復活のしようがない。

 

思考を止めるな、今はどうにかサイバーウェア復活までの時間を稼げ、復活したらサンデヴィスタンと光学迷彩を同時起動して、ゴリラアームのパワーに任せて目の前の少女を拘束して情報を吐かせる。

 

 

 

 

 

「え? 水が欲しかっただけなの?」

 

 

 

 

 

煽ったのにも関わらず、そうキョトンとした表情でこの少女は銃を下ろしていた。

 

は? いや、何で銃下ろしてんだお前? 尋問するんじゃないのか?

 

今までにないパターンに思わず、考える事をやめ、呆けてしまう。

 

そんな俺を放っておきカバンを下ろしたかと思えば、屈託のない笑顔で水筒を俺に突き出してきた。

 

「はい、おじさんのでよければどうぞ」

 

……水筒をスキャンする。 毒物はなし。

 

「……疑わないのか?」

 

思わず感情をそのまま口にしていた。

 

「疑うって何を?」

 

「いや、だから、もっとこう、本当の狙いは何だとか、何処からやってきたとか、仲間はいないのかとかさ!?」

 

「あるの? そういうの?」

 

「いや……ないけど」

 

「じゃあいいじゃん」

 

クソっ、何だコレは、まるで俺が子供みたいじゃないか!? いや、それともそういう作戦なのか!?

 

「じゃ、じゃあ、最初の警戒は何だったんだよ!? ショットガンなんて物騒なもん突きつけやがって!」

 

「いやーごめんね。この辺り不良がたまに屯しててね、てっきり君もそうなのかと。 それにあまり深く疑ってもなかったんだよ、ヘルメットも被ってないし」

 

と、特に考えた風でもなく、あっけらかんと答えた。

 

「へ、ヘルメット!? それだけでか!?」

 

だめだ、疑えば疑うほど段々馬鹿らしくなってくる。 ナイトシティの常識がまるで通じない。

 

はぁ、と大きなため息をついたその時

 

 

 

 

 

 

ブォンブォンブォンブォンブオオォォーーーン!!!!

 

とバイクの集団が砂煙を巻き上げながら、こちらをヘッドライトで照らしながら囲んできた。

 

「うへ、また来たよ……」

 

バイク集団の中で一番でかいバイクが止まる。 それを運転していた奴が座席とバイクの頭に足を乗せて身を乗り出した。 そいつの頭には紫色のヘルメットが被られており顔は完全に覆い尽くされ、しまいにはそのヘルメットの上に何故かメガホンが取り付けられている、というファッションの意味を取り違えたとしか思えない見た目だった。

 

「ヘルメットってアレかよ……」

 

「うん、アレ」

 

「おうおうおうおうおう!!! 女二人で夜デートとは随分お楽しみじゃねぇかよ小鳥遊ホシノさんヨォ!!!」

 

うるさい。 声はメガホンでクソでかい、周りのバイクのエンジン音もけたたましい上に、パラリラパラリラ喧しい。 となりの小鳥遊ホシノと呼ばれた少女も耳を抑えて嫌そうな顔を浮かべて『うへー』と言っている。

 

「今度こそ、この辺りは!!!! このアタシたち!!!! イケイケヘルメット団がイタダクゼエエエエエエエェェェェーーーー!!!!!」

 

「「「「「「「「「「ふぅぅぅぅぅぅーーーーーーーー!!!!! リーダーかっこいいいいいいいいいい!!!!!!」」」」」」」」」」

 

 

 

 

 

「えーっと、一応聞くけど、お仲間?」

 

「なわけねぇだろ。あんなダセェ連中」

 

ピシリ、と空気が止まった。

 

今までパラリラなっていたミュージックホーンは止まり、メガホンからの威勢のいい声は止み、ぶーんとバイクの悲しい音だけがこの空間を支配していた。

 

「だ、ださ、ださくないし!? 全然バリバリなうでヤングでバカウケだが!?」

 

「リーダー! メガホン切れてます!!」

 

「あ!? いや!? ゔゔん!!」

 

リーダーと呼ばれたメガホン頭が裏でコソコソした。 おそらくメガホンの設定を弄ってるのだろう。 その間に俺たちはジェスチャーで会話していた。

 

 

 

あれがさっき言ってた不良か?

 

うん、近隣住人から五月蝿いからどうにかしてくれって頼まれたんだよ。

 

 

 

と、設定を終えたのか再びバイクから身を乗り出したリーダー。

 

「ださくねぇええええし!!!! 超イケイケだしいいいいいーーーー!!!!!」

 

その声は何故かめっちゃ野太かった。 もうデスメタルだった。 設定を完全にミスっている。 俺は手を頭に当てた。

 

「「「「「「「「「「ふうううううううううううーーーーー!!!! いけいけぇぇぇぇーーーーーー!!!!!」」」」」」」」」」

 

それでもお構いなしにスーパーやかまし空間再起動。 もうこんなのに付き合いたくないと考えてると、ホシノも似たような表情を浮かべていた。

 

「今回は!!! 前回の反省を踏まえて!!! このバイクをもってきたぜえええええええ!!!!」

 

どんどんぱふぱふ!!

 

「一応聞くけど、それで何するつもり?」

 

「はっ!! そんなの当然!!!! 小鳥遊ホシノ!!!! お前のそのショットガンのリーチから逃げつつ!!!! こっちが一方的に撃ち続けるためだぜえええええええ!!!!」

 

「「「「「「「「「「ひゅうううううううううーーー!!!! リーダーインテリィィィィィィ!!!!」」」」」」」」」」

 

今すぐ全世界のインテリに謝れ。

 

だが理には叶っている作戦ではある。 ショットガンの最大の弱点は射程距離の短さだ。 バイクを追いながら銃撃されるなど溜まったものではないだろう。

じゃあ逆に逃げて誘い込むかと言われれば、それもまた厳しい。 理由はあの喧しさだ。 ショットガン対策と言ってくるからには、そうそう近寄ってくることはないだろう。 つまり程々の距離を取られて、あの喧しいのに四六時中追い回されるということだ。 そんな事されたら、俺なら間違いなくサイバーサイコを発症してしまう。

 

小鳥遊ホシノもそれを理解したのだろう。 さっきまでの屈託のない笑みは消え失せ、ゲンナリとしていた。

 

この娘が不憫な目に遭うのは、何となくだが許せなかった。 見ず知らずの人間に何の不純物も入っていない水を差し出せる奴なんて、ナイトシティにはいなかった。 だからなのか、今は彼女を助けたいと思えた。

 

「……小鳥遊ホシノ、だったか?」

 

「ん、なに? ここはおじさんに任せて君は早く逃げて。 拳銃一丁じゃアイツらの相手は出来ないよ」

 

自分が襲われそうになっているのにも関わらず、小鳥遊ホシノは俺を逃がそうとしてくれてる。 本当にいい奴だコイツは。

 

「俺は傭兵だ。 見合った報酬が有ればどんな戦闘だってやる」

 

「えー、えっと? 別におじさんは大丈夫だよ? 確かに手間はかかるかもだけど、負けはしないからさ。 おじさん、こう見えて超強いんだよ」

 

「じゃあこれは水の礼だ。受け取れ」

 

俺はそう言うと、マロリアンアームズを携え、意思を持って立ち上がった。

 

サイバーウェア、完全回復。

 

クールダウン、全て完了。

 

「ひゃっはああああああああああ!!! このアタシのインテリパワーで潰れてしまえええええええええええええ!!!!!」

 

汚い濁声が聞こえてくる。 通常のバイクの音が二人乗りで5台迫ってくる。 その後ろから大きいバイク、リーダーと呼ばれた奴が1台。 合計6台と11人

 

囲っていたバイクが一気に唸り、俺たちを轢き潰そうと迫ってくる。 それにも構わず、マロリアンアームズの残弾数を確認しながら前に歩く。

 

「君!? 何やってんの!?」

 

「そうかそうか、ならテメェからくたばりなああああああああ!!!!!」

 

そして俺はマロリアンアームズを自分の顔の前に持っていき、呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「サンデヴィスタン」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『『『『『『ダン!!!』』』』』』

 

銃声が同時に六つ鳴ったように聞こえた。

 

そして

 

全てのバイクが大破した。大きいのも小さいのも例外なく。

 

「なんだとおおおおおおおおおおおおお!!!!!!?????」

 

全てのバイクの燃料タンクが撃ち抜かれたのだ。

 

周りを全て爆炎に変えた俺はマロリアンアームズを回しながら腰にしまい。 引き攣った顔をした小鳥遊ホシノへと近づく。

 

「奇遇だな、俺も超強いんだ」

 

そうしてホシノの横を転がる水筒を手にし、口に運び、背を向ける。

 

「君、何者?」

 

背後からそう尋ねられた。

 

ここはナイトシティではない、俺の知名度もゼロだろう。 だから仕事を貰えるように宣伝しなければならない。

 

 

 

 

「V、傭兵のVだ。戦闘で人が入用なら呼んでくれ」

 

 

 

 

 

それだけ告げ、俺は砂漠に侵食されたゴーストタウンを後にした。

 

アビドスジョブ 『死んだ街』

・ヘルメット団を撃退する

 

ジョブ完了

 

「あ! バイク!!」

 

メインジョブ 『目覚め』

・車を確保する(任意) 失敗




アイコニックその他『小鳥遊ホシノの水筒』

Vが初めて出会った生徒から貰った水筒。 彼女との縁は間違いなくナイトシティで育ったVを良い方向へ成長させるだろう。

「V、お前は他所に行ってもまた女とハプニングか? 凝りねぇなお前も」

部屋に飾る事ができる。

貴方はどれくらい知識がある?

  • サイバーパンクは名前だけ知ってる
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  • サイバーパンクは雰囲気でプレイ済み
  • サイバーパンクはガチでやった
  • サイバーパンクで知らないことなど何もない
  • サイバーパンク? なんそれ?
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