サイバーパンクと青春記録   作:水面どり

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6話 メインジョブ 『目覚め/NO SAVE POINT』 2

この場所に来てから……いや、この世界に来て二日目、俺は現在アビドス自治区と呼ばれている街並みを、ベンチに座りながら死んだ目で眺めている。

 

コーポレートのスーツを着て、電話越しにペコペコ頭を下げるロボット。

 

時計を気にしながら駆け足で走る二足歩行の動物。

 

唐突に始まる不良どもの銃撃戦、頭に銃弾が当たった筈なのに気絶で済んでる非現実的な光景。

 

銃撃戦が始まってもみんな慌てて逃げるような素振りを見せず、遠巻きにするだけの一般市民。

 

「オーケー、わかった、わかったから落ち着こう。 現状を認識したら後は受け入れるだけだそうだろV?」

 

若干早口になりながらも極めて平静を装う。 だがすぐにそのメッキは剥がれたわけだが。

 

「なんでロボットが『生きてる市民』なんだよ!? 生体反応ねぇぞあれ!!?」

 

「しかも動物?! 人の骨格をした二足歩行の動物!!? なんだそれバイオテクニカの人体実験の産物か!!!?」

 

「それに銃撃戦がおきても冷静過ぎる!? 『ああ、またやってんの』みたいなノリで営業再開するのやめようか露店の猫さん!!?」

 

「しかも今、頭撃たれたよな!? なんで『いたた……』って言いながらおでこ抑えてんだよ。 ヘッドショットされたら死ぬかまだ死んでないかの二択だろうが、おかしいだろこの世界!!!」

 

何だこの世界。 人の生き死にが軽いのではない、薄過ぎる。 銃に対する危機意識がまるでない。 銃とは人を殺す道具で子供の玩具じゃないんだぞ。

 

「いったいどうなってんだ……ここは、」

 

凄じい、ナイトシティとはまた別のベクトルでぶっ飛んでいるこの世界に精神が擦り切れていくのを実感する。 朝起きたばかりだと言うのにもう寝てしまいたい欲求が出てきてしまった。

 

「その寝る為の家もねぇのにな」

 

異世界、家なし、銭なし、身分なし、ないない尽くしのスタートだ。

 

目の前の現実に辟易としてしまい思わず空を仰ぎ見てしまう。

 

大気汚染など少しもない澄み切った青い空が広がっていた。

 

「はは、すげぇ綺麗だ」

 

郷に入ったら郷に倣え、だったか。 ワカコさんが口にしていた言葉だ。 それに悩んでいても解決する問題ではない。

 

「慣れるしかないか」

 

よし、スッキリした。

 

「自然を見て心を落ち着けてって、禅の名人のBDみたいだな」

 

結局、あの名人が何言っているのかさっぱりわからなかったな、とナイトシティの思い出を振り返りながらベンチから離れる。

 

「行こうか、天使の輪がついた塔、いやサンクトゥムタワーに」

 

ビルに備え付けられたテレビで情報をある程度集めた俺は、連邦生徒会があるサンクトゥムタワーを再び目指したのだ。

 

 

 

 

 

連邦生徒会管理地域D.U.

 

「どうなってんだこりゃ」

 

管理地域と言う割にはいささか銃声や爆発音が多い。 それも一つ二つどころではない、あちこちから略奪や破壊の音が聞こえてくるのだ。

 

「そういや、連邦生徒会長がいなくなってどうのこうのとか言ってたな。まいったな、身分証の発行でもしようと足を運んだんだが、当てが外れたか?」

 

身分証なしでは家は買えないし部屋を借りられない、メトロすら利用不能、仕事すら就くことができない。

 

こうなったら無法地帯らしいブラックマーケットとか言うところで仕事でも探すか? と考えてる時、遠くから声をかけられた。

 

「おーい!」

 

「? なんだ?」

 

見てみると灰色の制服を身に纏ったマスク女がこっちに向けて、手の代わりに銃を振っていた。 確かスケバンだったか?

 

そしてこっち来いと言わんばかりなジェスチャーを受けて、俺は警戒しつつもその不良生徒の所へと足を伸ばした。

 

「一体何のようだよ?」

 

「おう来たか!」

 

そう言うと俺の肩に手を回して、耳打ちするように本題を切り出した。

 

「オメェもこの騒ぎに乗じて暴れに来たんだろ? 連邦生徒会って上から目線でムカつくもんなぁ、って訳であたし達と組まねぇか? 実は襲撃しようと思ってたんだけど、人手が足りなくてよお」

 

「あ? いや、俺は別に」

 

「あーあー! 皆まで言うな、言わなくてもわかってる。 取り分だろ? こんなもんでどうだ?」

 

俺の話をちっとも聞かないこの不良は、指を3本俺の前に立てた。

 

「……因みに単位は?」

 

「万」

 

万か……いくらなんでも低いな。 それで連邦生徒会が管理する地区で騒ぎを起こすのは割に合わな過ぎる。 最悪の場合、連邦生徒会に目をつけられるかもしれない。 だが今は無一文、落ちてたら1エディーでも拾いたいほど金がない。

 

「……流石にそれじゃあ……いやだが、何にしても金がいるし……うーん…………」

 

悩んでる俺に不良生徒は更に反対側の手でピストルを作りプッシュしてきた。

 

「更に好きな武器一個持っていっていいぞ」

 

「乗った」

 

武器と聞いては黙ってられない。

 

未知の世界の武器、新たなアイコニックが俺を呼んでいる!

 

『そんなんだから武器庫がパンパンになるんだよ、冬籠り前のリスかよテメェは』と言う声が聞こえた気がしたが無視した。 あの汚い妖精がキヴォトスにいるはずがない。

 

 

 

 

 

「おーいワカモさーん、連れてきたぜー」

 

「あら、もう見つけたのですか?」

 

しばらく歩くと、そこには不良が10人ほど集まっており、その先に黒い浴衣のような制服をした狐面の生徒がいた。

 

「Vだ、よろしく頼む」

 

「あらあら、スケバンさんが連れてきた割には意外と礼儀正しい人ですね。 それに……」

 

と、スケバンからワカモと呼ばれた生徒は俺の周りを歩きながら、手を顎に当てて品定めをしてきた。

 

「ふむふむ……」

 

「どうだい、リーダーさん? アンタのお眼鏡に俺は叶ったか?」

 

「……」

 

「あれっ? コイツじゃダメっすか、ワカモさん?」

 

そしてピタリと動きを止めたかと思いきや、ギュルンと顔を回してスケバンに向いた。

 

「え、 やばくないです? ここでSSR通り越してUR引きます普通?」

 

「え、えっと?」

 

「ごーかく! 超合格! よくやってくれましたスケバンさん! これなら間違いなく成功できます。 これでダメなら何してもダメでしょうきっと!」

 

「お、おい? ご機嫌になるのは勝手だが、きちんと報酬は払ってもらうからな?」

 

「ええ、ええ、何だったらボーナスもあげちゃいたい程です♪」

 

「ならいいんだが……で、何をするんだ?」

 

俺がそう尋ねると、ワカモは横転した車の上に飛び乗り、銃剣のついたライフルで一つのビルを指した。

 

 

 

「連邦生徒会のビルを襲撃します」

 

 

 

メインジョブ『目覚め』

・連邦生徒会のビルを襲撃する




ワカモの喋り方これでいいのかな?

貴方はどれくらい知識がある?

  • サイバーパンクは名前だけ知ってる
  • サイバーパンクは動画勢
  • サイバーパンクは雰囲気でプレイ済み
  • サイバーパンクはガチでやった
  • サイバーパンクで知らないことなど何もない
  • サイバーパンク? なんそれ?
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