透き通った空に浮かぶ星   作:哲学の階司書補

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先生が1人、先生が2人……

「私は残りの全員と戦ったっていい」

 

「風紀委員長ちゃんの思惑的にも、それはやめといた方がいいかなぁ〜」

 

 ヒナとの戦闘をホシノに譲ったシロコだったが、やっぱり戦いたいようで、シュッシュとシャドーボクシングをやってみせる。

 わざわざ廃校寸前相手に委員長自ら出張ってきたのは、他の委員を休ませたいというのもあるのだろう、と思ったホシノは、どうどう……とシロコを落ち着ける。

 

「そうしてくれると助かるわ。あと……うちの不良がちょっかいかけてたみたいね」

 

「気にしなくていい。準備運動にもならなかった」

 

「跡が残らない程度に伸しただけだから、外交問題には発展しないかなーと思ったんだけど、もしかしてまずかった?」

 

 その一件のせいで逆に欲求不満なシロコと、一応アビドスの代表としてやってきたから、正当防衛とはいえ少し気にしているホシノ。

 

「問題ない。むしろ不良共が静かにしてた理由がわかって安心。……応接室に案内するわ。チナツは私と同行、アコはさっきの戦闘記録を私の端末に移しておいて、あと万魔殿への報告もお願い。イオリは他の風紀委員と同じく休んでもらっていいわ」

 

 テキパキと部下たちに指示を出していくヒナ。ホシノも人の上に立っていると言え、対策委員会はほぼ家族のようなノリなので、その様子を興味津々に見ていた。

 

「それじゃあ着いてきて」

 

 まじまじと見詰められることに、なんだか気恥しさを感じたヒナは、そそくさと応接室へと2人を案内した。

 

 

 

「いやぁ悪いね〜、お茶まで出してもらっちゃって」

 

「ん、美味しい」

 

「早速本題に入るのだけど、2人は『先生』とどういう関係なの?」

 

 ヒナは気になっていたことを率直に聞く。チナツの報告とは違う、キヴォトス人もびっくりな戦闘能力をした先生……。

 

「うへぇ〜、関係かぁ。アビドス対策委員会の顧問で〜」

 

「先生が標、私たちは旅人。迷える時の星であるから、だっけ」

 

「やっぱり、アビドスに向かった記録は無いですし、『先生』は、私はみんなの先生だよ! みたいな感じじゃないんですか?」

 

 うーん、と首を傾げるチナツ。ホシノとシロコは顔を見合せては首を横に振る。それもそのはず、2人の言う先生とはビナーのことで、チナツが思い浮かべている先生はシャーレの『先生』だから。

 

「……もしかして、先生は2人いる? ホシノとチナツが言っている先生像が全く一致しない」

 

「風紀委員長ちゃんは随分と『先生』にご執心だねぇ」

 

「なっ、ちがっ……わないわ。チナツの方の『先生』は、連邦生徒会長の置き土産、超法規機関であるシャーレの顧問。各学校へと介入が出来る以上ゲヘナとして知っておかなければいけない」

 

「で、おじさん達の先生のことも気になってると」

 

 少し頬を赤らめ、取り乱しそうになったヒナを横目にちびちびとお茶を飲むホシノ。そうしながらも、どうすればアビドスの知名度に繋がるかを考えていると、シロコがひとつの提案をする。

 

「先輩、風紀委員長をお茶会に誘おう」

 

「お茶会……確かに、先生に会うなら間違いないし、ゲヘナの風紀委員長を招待した実績にもなるね。今聞いたと思うけど、アビドスとして、お茶会に風紀委員長を招待したい。どうかな」

 

「急な誘いだけど、是非行かせてもらうわ。アビドスの先生の事も気になるから」

 

「日程は〜……たまにはおじさんがやるかぁ〜」

 

 対策委員会で共有されている予定表は大体空いた時間に戦闘演習を詰め込んだ戦闘狂仕様となっているが、どうせビナーもお茶会に参加するのだから、その時間を使えばいい。

 

「この日と、この日、あとはこの期間かな」

 

「わかった、後でアコに確認させておく」

 

 その後、シロコが帰りに不良に絡まれたら大人しくさせていいかを聞いて、むしろ頼むなんていう返事を貰って、気分よく解散となった。

 

 

 

 後日、風紀委員会の報告では、何故か、何故か知らないが、気絶した不良の山がその日作られたらしいことがわかったとか。

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