透き通った空に浮かぶ星 作:哲学の階司書補
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シャーレの先生は、ミレニアムでゲーム開発部の問題を解決した後は、何でも屋として様々な学校の生徒のところを訪れて、実績を積み重ねていった。
とはいえ、いちばん多いのはミレニアムで、次いでサンクトゥムタワーの一件で関わりを持った生徒がいるトリニティ、その次にゲヘナなどなど、と言った具合だ。
そんな中やって来たひとつの依頼。それはモモフレの布教を手伝って、というもの。
モモフレのことをよく知らない先生は、アロナに手伝ってもらいつつ、その情報を集めていく。
なんとも絶妙なデザインのキャラクターが多く、特にペロロは、なんというか、人を選びそうだな……などと考えていた。
ともかく、最低限の知識は仕入れられたので、シャーレの先生は依頼主、阿慈谷ヒフミに会ってみることにした。
待ち合わせの場所に、それはもう分かりやすい、特徴的なバッグを背負った生徒が1人。
『初めまして、ヒフミさん……であってるよね?』
「あっはい、先生、ですよね。今日はよろしくお願いします!」
『モモフレンズの布教ってことだったけど、誰に布教したいっていうのはあるの?』
「えっと……その、ペロロ様について熱く語らう相手が欲しいんです! でも、友達は『私にはちょっと合わない……かなぁ』って目を逸らされるしで……」
『ペロロ……あぁ、あのカバ、じゃなく鳥かぁ』
モモフレの中でも特に個性的なキャラクターが好きということで、そこらに同じ推しの人が居るかといえば、なかなか難しそうだ。
「あはは……みんな最初はカバと間違うんですよね。立派な羽にキュートなクチバシが着いてるのに。でも! ペロロ様推しの人なら、ペロロ様のなんたるかを共有できると思うんです!」
興奮気味に話すヒフミ。その度にバッグのペロロの舌がバルンバルンと跳ねる。
『とりあえずこの周辺の人にペロロを知ってる人が居るか聞いて回って、ダメそうならまた考えよっか』
「はい! ペロロ様推しを見つけるため頑張ります!」
3時間粘ったが1人もペロロ推しとは出会えず。
集合したのがトリニティで、ヒフミのことを知っている人も居て、その人の友達にも聞いてもらったりしたが、残念ながら結果に終わってしまった。
「ま、まだやれます! ペロロ様のためなら、私、あと数時間は戦えます!」
『それでも疲れただろうし、作戦会議も兼ねて、ちょっとカフェでお茶しようか。私が出すからさ』
未だ興奮気味なヒフミを落ち着けるためにも、2人はカフェに入っていった。
ヒフミは紅茶、先生はコーヒーを注文する。飲み物が来るまでの間、先生はタブレットでモモフレンズのイベントについて調べていた。ライブや脱出ゲーム、モモフレオンリー同人即売会などポツポツとイベントは開催されるようだ。その中でもペロロに絞って調べてみると、少し先になるが、ライブイベントがあるようだ。そこで同志を見つけてもらうのが早そうではあるが……
『ヒフミはモモフレンズのイベントには行ったりしないの?』
「あはは……行くんですけど、興奮で友達作りの事はさっぱり頭から抜けちゃって」
『じゃあ……私も一緒に行くよ、ライブ! それならライブ終わった後に忘れてないか確認できるし』
「良いんですか!? えへへ、誰かと一緒にイベントに行くのは初めてなので、とても楽しみです!」
『私もここのイベントに行くのは初めてだから、楽しみだね』
そんなこんなで、スケジュールを合わせた2人。このライブがどれほど大きな影響を及ぼすか、2人はまだ知らなかった。
そう、定期試験とダダかぶりだったということに……
当日、ライブ会場で合流した先生とヒフミは、それはもう楽しんだ。ペンライトも買って、会場限定のペロログッズも買って。
同じレベルのペロロ様推しと意気投合していくつかのグッズを交換したり。
ヒフミのペロ活史上、一番の充実度だったのは言うまでもないだろう。
しかし、帰りの電車、ヒフミがモモトークを確認すると、みるみると顔を青くしていく。
「あ、あはは……定期試験、今日でした……1週間後と思ってたのに……」
『ま、まあ、多分追試があるはずだから、その時ちゃんと点数取れるように頑張ろう』
有頂天だったヒフミも、それを嬉しそうに見ていた先生も揃ってどんよりした気持ちで帰ることになったのだった。
それは先生が悪いね、私だったらそんなことしないのに……
それじゃあ(補習部に)入れるね……
先生の「」を『』に変更しました。