透き通った空に浮かぶ星 作:哲学の階司書補
多分落ち着くので、またゆっくり書いていきますわよー
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Twitterもエゴサしてるので、見てるよ!
満腹なのか、とてとてと歩く目玉鳥。
少し離れたベアトリーチェの頭部まで移動すると、ペリペリと頭の羽を剥がしていく。こぼれ落ちた眼球は脚を生やして祭壇の裏へと消えていく。
剥がれた羽は折り重なり、胸を赤く染めた小鳥へと変化する。
小鳥はパタパタと羽ばたき、ビナーの肩に止まる。
「随分と久しいね。世界の淵、外との境界を祭壇が開いたか」
頬に頭を擦り付ける小鳥の頭を指で撫でるビナー。
目玉鳥も食事に満足したのか祭壇の裏に消えていった。
残されたのは、目玉鳥が口を付けなかった頭部、知識の源とも言える脳。
「ビナーさん。あなたのおかげで、私は未知と出会うことが出来ました。私の中の浦和ハナコは、今すぐにでもあの頭を喰らい、知識を収穫しろと訴えています。でも、そうしたら、きっと私は補習授業部には戻れないでしょう。"浦和ハナコ"では無くなってしまうから」
「お前は今漸く、退屈を受け入れたんだね」
「……はい。目に映るものがつまらない物でも、"浦和ハナコ"にとって、補習授業部はかけがえのないもので。それに、アズサちゃんの戻るべき場所であり、きっと、私の戻るべき場所でもあるから」
「それが、先生がお前に齎した光、という事なのだろうね。ハナコ、再び私を求めるのならアビドスを訪れるといい」
途端、ただでさえ暗かった空間に闇が降りてくる。視界に入るのはランプ。そして、目。
とてとて、というにはあまりにも大きすぎる足音。
そこには大きな鳥がいた。
「お前も久しいね」
ビナーが手を伸ばし撫でると、気持ちよさそうに沢山の目を閉じる。
恐ろしくも、どこか暖かなランプの光が辺りを照らす。
「その子達は、一体何者なんですか?」
ハナコはビナーに問う。その子、と表したのは、どこか自分に似た雰囲気を感じたから。鳥の姿でありながら、それは、人のようであったから。
「人より産まれ、人に依るもの。最も深き川が流れる黒き森に住まうもの。お前は聡いから、気付いているだろう、井戸の蠢きに」
大きな鳥は、ビナーから離れると、大きく口を広げベアトリーチェの残骸を胃の中へと収めていく。
血は祭壇に吸われ、肉は鳥に食まれ、最早そこにベアトリーチェがいた痕跡は残されていない。
「結局、都市の病なき所からはその程度か。事実を知ることもまた、好奇心を満たしてくれる。それは、お前の飢えを抑えるひとつの術になるだろうね」
「事実の確認、知恵の実践……ふふふ、何だか本当に先生みたいですね。セイアちゃんからもそう呼ばれてるみたいですし」
「直接教え導く事はないのだけれどね」
小鳥、大きな鳥、ビナー、ハナコという、何とも奇妙な隊列で、2人と2羽はアリウスを去る。
そして、ベアトリーチェ死亡による事実上のアリウス崩壊を知ったセイア、ヒナは、スクワッドの協力を得て、散らばることになるであろうアリウス生の回収に乗り出すこととなった。
次回各勢力がどうなったか整理して、そのあと掲示板の予定