透き通った空に浮かぶ星 作:哲学の階司書補
柴関ラーメンビナー襲撃(普通にラーメン食って帰っただけ)の翌日。ホシノは黒服のところへ、アヤネはノノミと一緒に買い物。セリカは今日もバイトへ。シロコとビナーは、アビドス郊外の砂漠で対峙していた。
「先生、私を強くして」
「ホシノに行ずるのは殊勝だが、焦りが見て取れるな」
「ホシノ先輩に、置いていかれたくないから」
食い気味にシロコが答える。
あの一件以来、ホシノはさらに強くなった。背中をずっと追いかけて、いつか横に並べるように。そうやってトレーニングしてきたのに、一気に置いていかれてしまった。それで焦るなという方が無理がある。
「私は魔法使いでは無い。然し、星を標に踏み出す一歩は確かにお前を育てるだろう」
「……っ!」
殺気を感じ、シロコが飛び退く。ビナーの手から放たれた妖精は、当然のように足元を破壊する。
立ち込める砂埃。
お互いの視界は潰れているはずなのに、ビナーは的確にシロコに狙いを定め攻撃を続ける。
しかし、ギリギリで避けることが出来るように調整されており、これは修行なのだとシロコは察する。
「反撃して呉て構わないよ」
「言われ……なくとも!」
ビナーは1歩も動いていない。動かない的だというのに、狙いを定める隙を与えてくれない。用意された攻略法は、回避しながらの攻撃。若しくは、銃床を用いた近接戦闘。
少しでも回避を疎かにすれば命中してしまうようなギリギリを狙った攻撃に対し、シロコが選んだのは回避の後隙を攻撃に回すこと。
初めは回避で手一杯で、攻撃しようとして被弾することもあった。しかし、時間が経つにつれ、命中は不安定なものの攻撃する余裕が生まれてきつつあった。
シロコの息が上がってきたところで、少しの間攻撃が止む。
「次はもう少し人間らしく行こうか」
ビナーがそう告げると、攻撃が今までの妖精に、鎖が追加される。これも直線的であることは変わらないが、シロコの目線を見て動きを予知する形で射出される。
「うぅ……! 動きが、読まれてる」
攻撃が激しくなるまで1拍あったとはいえ、仕組みを理解しなければ未来予知にも思えるその鎖に、シロコは何度も被弾してしまう。
2種類の攻撃は目視で狙いが分かるとはいえ、それはビナーが敢えてそうしているから。
相手から放たれた銃弾だけを見たところで、その攻撃の狙いを測ることは叶わないだろう。
その後も鎖に意識が向きすぎてしまい妖精に被弾したり、どちらに動けばいいか混乱してしまい両方に当たってしまうなど、あまり良い結果は残せなかった。
「今日はここ迄としようか。余り無理はしないように」
ボロボロになり、銃を支えにやっと立てているシロコと、銃弾を何発か受けたものの、ものともしていないビナー。
「シロコ先輩、大丈夫ですか? 先生にお願いされたので、途中からですが戦闘の映像を記録しておきました。後でデータ共有しておきますね」
「はぁ……ふぅ…………うん、助かる」
完全にオフの格好でホログラムに映るのはアヤネ。買い物の途中だったがビナーから連絡があり、記録用ドローンを手配していた。
何とか息を整えたシロコは既に踵を返し学校へと向かっていたビナーを追いかけるのであった。
学校に戻り、シロコがシャワーを浴びている頃。
データ共有とドローン整備のために学校にやって来ていたアヤネは、机に突っ伏し溶けているホシノと、その前にある書類の山に困惑していた。
「あの、ホシノ先輩。この書類の山は……?」
「これはね〜、カイザーに奪われてた土地の権利書だねー。うへぇ、こんなことになってるだなんて、おじさん知らなかったよ」
「カイザー、土地の権利書? あの、さっぱり話が見えてこないんですが……」
「問題を知る前に解決しちゃった話とはいえ、気にしない訳にも行かないよね〜。おじさんも手伝うからさ、暴いちゃおっか、昔のアビドス生徒会のやらかしとカイザーの悪事を」
なお、この権利書の山は、検査のために黒服のところに行っていたホシノが、そこで手渡されたもの。
「ようこそホシノさん。これはほんのお気持ちです、ぜひ受け取ってください」
と、封筒を渡され、中身を確認したらこれだ。宇宙ホシノになっていたところを黒服に撮られたのは一生の不覚らしい。
戦闘描写難しすぎるんですけど、みんなどうやってるんだ、となりました