禁止級の超絶クソ強カードに転生したけどメインデッキに入れてくれない。 作:ガトー
俺は、アルベードに妙な勘違いをさせてしまったらしい。
曰く、あれだけ強引にハジメテを奪っておいて、責任も取らず他のカードに手を出すとはなんたる事か、と。
そりゃ同意もなしに無理やり精霊パワーをブチ込んだのは悪かったと思ってるが、カード同士の機微はよくわからない。まるで貞操を奪われたかのような反応だったぞ、あれは。
とはいえ、この手のトラブルって大抵男が悪いんだよね、知ってる。
ミズキちゃんに凄い目で見られながら、謝り倒して宥めすかして、何とか誤解を解いたのだ。
で、俺が今何をしてるかって言うと、お詫びの品の選定中。
誤解とはいえ、とんでもない顔をしてたからな。フォローはしておいて然るべきだ。
「こちらがアルベード様にお送りする品の候補ですかな?」
相談役はもちろん、いつもの神官長である。
「《エナジー・ジュエル - ルビー》、サファイアにエメラルドまで……。錚々たるカード達ですな、どれも一枚で屋敷が建ちますぞ。」
そりゃな。エネ加速の中でも伝説級のカードだ。ドラゴンは財宝が好きだし女性は光物が好き。どうだ?このチョイスは。
「落第です。色恋沙汰の誤解を招いたお詫びにしては高価過ぎて下品ですな。まるで手切金のようですぞ」
あー、そんなつもりでは無かったんだ。あくまでもお詫びのつもりで渡したい。良いアイデアはあるか?
「ふふ、今後とも仲良くしたい。その気持ちがあるならば、アルベード様とシナジーのあるカードをお送りしてはいかがですか?自分の事を考えて選ばれた贈り物であれば悪い気はしないでしょう。」
そうかな?……そうかも。
けど、俺が選んだカードで納得してくれるか?
「それこそ杞憂でしょう。我が主はカード間のシナジーを考えるのが得意でしょう?それに、私は主以上にカードを愛している存在を知りませんよ。」
そこまで言われると照れる。
しかし神官長の言う通り、カードへの愛は他の奴らに負けないからな。アルベードを最大限に活かすカードを探すぞ!
「さて、私は素敵なカードケースと包装紙でも探しておきますね。」
ありがとな、よろしく!
じゃあまずはアルベードの効果のおさらいからだな。
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——— マスター、曲者ですッ!
久々の学校。入院中はユウ君がこまめにノートを持って来てくれたから授業は何とかなった。カードが絡まなければいい奴なんだ。
久々に会った友達からは「髪染めた?」なんて聞かれたけど、曖昧に誤魔化した放課後。
「貴様が、闇の巫女だな?」
久々のカードショップに顔を見せないとね、なんてユウ君と話をしながら学校を出ると白装束の不審者に声をかけられた。
神官長さんが言ってた通りだ。強い力は様々な者を呼び寄せる。
「誤魔化したって無駄だぞぉ?お前からは闇のカードの匂いがプンプンするからなぁ。」
くっ、デッキはまだ調整が甘い。今日ショップに行って弄ろうと思ってたから戦えるレベルじゃないのに。
「ミズキちゃん人気者っスねー。わくわくしてきたっス」
なんでユウ君は、見学に回ろうとしてるの。ちょっとは当事者意識を持って?
「しらばっくれるなッ!闇のカードの匂いがするのはお前だ。カードを出せ、さもなくば痛い目を見るぞ。」
「え、ボクっスか?」
……なんか勘違いしてない?
けど、今の私よりユウ君の方が戦える筈。
ゴメン、任せたッ!
——— ■■ッ!!!■■■ ■■■■ーッ!
「闇のカード、やはり貴様が。」
「えっ?!どういう事っスか?」
——— ケヒッ…ヒッヒヒヒッ……。
「クソッ。まさか2枚も従えてるとは……!」
とりあえず家に連絡しとくから!
そいつの相手は任せたよ!
「とりあえずファイトっスか!?ファイトすれば良いっスね!?」
——— システム、戦闘モード起動。迎撃を開始します。
——— ファイトの内容に特筆すべき所はなく、ユウ君のデッキがブン回って圧勝した。