禁止級の超絶クソ強カードに転生したけどメインデッキに入れてくれない。   作:ガトー

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勢いって大事❤️


第3話

 

 

 

絶賛盗難被害中、なう。

いやー、困っちゃうね。まさか俺が盗まれるとは思わなかったわ。

 

あれからの俺はファイターちゃんと悪くない関係を築くことが出来ていたと思う。

ファイターちゃんが外出してる間に俺は相性の良いカードやコンボを並べておいて、帰ってきたらプレゼンタイム。

並んだカードを一通り眺めたファイターちゃんは俺を蓋付きの豪勢な箱にそっと仕舞う。

これが最近のルーティンである。

 

箱には白属性の匂いが染み付いててちょっと居心地は悪いが、わざわざ俺の為に用意してくれた箱だ。悪い気はしない。

 

そんな関係に落ち着くまではそりゃもう紆余曲折があったもんだ。

何度も捨てられそうになったし、破かれた事も一度ではない。それが今では俺専用の箱まで用意して貰えるようになったんだから大分仲良くなれたと思ってる。

 

それにしてもあのドラゴンの小娘は調子乗りすぎだ。メインデッキに入れて貰うに飽き足らず、専用にデッキを調整して貰うとは強欲の限りである。ズルい!俺もデッキに入りたい!!俺の方が先輩だぞ!!!

 

失礼、取り乱した。

 

まあ贔屓する気持ちもわかる、わかるよ。

そもそも精霊付きのカードって珍しいし、アイツはその中でも格の高い奴っぽい。

そんなレアカードが自分のデッキピッタリの属性で現れたら運命感じちゃうよね。

実際、デッキを弄ってからのファイトはグンと安定感が増したらしい。

……伝聞調なのは俺がいつも留守番担当だからだ。別に泣いてはいない。

 

俺だって強いからな???

メチャメチャ強い精霊付きのカードだからな???

 

 

まぁそんな感じでジェラシーを燃やしながらワイワイやってた矢先の事である。

 

窓が割れる音がした。

 

俺はいつも通り箱を抜け出して、机の上にカードを並べて悩んでいた。

確かその時は……緑のエネ加速をテーマにコンボを考えてたっけか。

 

え、俺とのシナジー?

ないよ、そんなの。毎日やってればネタだって尽きるさ。

で、窓が開いて侵入者が現れた時、俺は閃いた。

 

賊を華麗に撃退すればファイターちゃんに褒めて貰えるのでは???

 

超名案じゃん?

賢い俺は賊へと華麗に飛び掛かった!しかしカードの身では人間様にフィジカルで勝てないのだ!!!現実は非情である。

 

引っ掴まれた俺はそのままドナドナされたのであった。以上、回想終わり!

 

で、今絶賛盗まれた身ですが、よくよく考えてみたらコイツら見る目があるのでは?

だって普段日の目を見てない俺の事を探し出して、犯罪も厭わず連れ出したんだぜ?

 

いやー。人気者は困りますなぁ!!!

 

 

———————————————

 

 

緊急事態が発生した。私が帰宅すると窓が割れて———いや、窓なんてどうでもいい。

 

机の上にあの憎き死神が居ない。ここ最近では初めての事だ。何度手放しても翌日には机の上に居た。破り捨てても帰って来た。

店長の伝手を辿って専門家に相談し封印を試みたけど何の効果もない。精霊によって清められた封印櫃も、ただのカードストレージ同然の扱い。

そんなカードがいきなり消えたのだ。

 

割れた窓、土足で踏み荒らされた痕跡。

そして最近活動が活発になっている闇のカード結社の噂。

 

直接の被害といえば机の上が散らかるくらいだったから油断していた。

アレは紛れもなく闇のカード。狙われる余地はいくらでもある。悪用されれば世界の命運に関わる代物だ。

 

まずは店長に連絡しよう。然るべき対応を取らなければ。

 

……一応、封印櫃の中を覗いておくか、念の為……。

やっぱり居ないな。




カード関連のトラブルに遭った場合は近隣のカードショップに通報すると良い。
大抵の場合、店長はその手のトラブル経験が豊富である。
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