禁止級の超絶クソ強カードに転生したけどメインデッキに入れてくれない。   作:ガトー

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第4話

 

 

ン゙ッン゙ン゙ッッッ!!! ソリティア ギモッヂィイイイ !!!!!

 

失礼、俺です。

やっぱりデッキはブン回すに限りますな。

固まってた肩(?)や腰(?)がほぐれてる感じがするもんね。

 

俺発動、俺(2枚目)回収。俺発動、俺(1枚目)回収。無限ループって怖いね。

コンボパーツを捲り終えたら墓地回収した髑髏茸でエネ産んで、はらわたループから名匠でライフ焼却!

 

俺TUEEEEE!!!

 

うん、またなんだすまない。

俺自身を発動するたびに力が湧き上がって来るからテンションが安定しない。少し落ち着くまで、今まであった事を話そう。

 

ファイターちゃんの部屋で賊に捕らわれた俺は、神殿?的な施設に着くと盛大な出迎えを受けた。

黒フードの集団が一斉に頭を下げて出迎えるのは壮観だったね。だって俺カードだぜ?

ちょっと頭のおかしい集団にしか見えなかったよ。

……いや、カード窃盗団だからおかしくて当然か。

 

そうして施設の中を最奥まで進むと、殊更に豪華な台座の上に置かれた。

一段高い場所に据え付けられているから建物の中が一望できる。

数十人の黒フード達が地に伏せて俺の事を見ていた。

 

あー。着任の挨拶的なのが必要な奴?

そんなのいきなり振られたってすぐには思いつかないって。

適当に一言喋ってお茶を濁すか。

 

よっこらせっと。この角度なら全員から見えるか?

 

ン゛ン゛ッ

———この度の大義、褒めて遣わす。

 

会場が沸いた。

 

あれ?????????

想像してた感じと大分違うんですが。

新入りが何言ってんだwwくらいのリアクションを求めてたのに何この反応。

泣き始めちゃった奴までいるし。怪しい格好したおっさんが抱き合って涙を流す姿とか誰も求めてないって。

 

カードが浮かび上がって挨拶するなんて非常識にも程がありません?そこに関するツッコミもない感じです?

なんか黒フード達の見た目も相まってカルト教団にしか見えないけど大丈夫かコイツら。

 

つーか挨拶終わったし座っていい?まあいいや座っちゃえ。

この台座結構座り心地良いね。持って帰って良いかな?

 

うわ、そこの人興奮しすぎて過呼吸になっちゃってる。隣の人気づいてやれって。俺じゃ何もしてあげられないよ、カードに何求めてんだよ。

 

そんなバタバタがようやく落ち着いてきた頃合い。

3人の黒フードが近づいて来て俺の前に跪き、懐からカードの束を恭しく差し出した。

 

デッキの献上か?いや、これデッキじゃないな。どれも1枚足りないから全部紙束だ。

え、枚数?俺カードの精だからな、見りゃわかるさ。

 

で、俺に紙束を捧げて何が起きるんです?

さっきからコイツら動かずにこっちを見てるし。

 

デッキのレビューが欲しいって事?

そんなデッキですらない紙束じゃファイトに使えないよ?あと一枚追加してから出直してきな?……あと一枚、……追加……。。??

 

ああ!

俺が入るのか!!!

 

そこに3びき黒フードがおるじゃろ?

すきなファイターをえらぶんじゃ。

 

って事だろ!!!???

ついに俺の強さを世に知らしめる時が来たんですね。

 

俺が浮かぶ、観衆がどよめく。

 

黒フード(左)、キミに決めた!

今、新たな伝説の始まる時!

パイルダー、オン!!!

 

今ここにデッキは完成した。

闇が吹き出し、辺りが暗くなり。しかし周囲のボルテージは最高潮だ。

 

選ばれなかった黒フードは後ろに下がり、デッキを持った別の黒フードが歩み出てきた。

 

ふーん?俺のお披露目会って奴?

こんな大勢に囲まれてると気合い入っちゃうねぇ。俺の速度に着いてこれるかな?

 

いざ、ファイト開始!!!

 

 

———————————————

 

 

店長に連絡を入れた私は、対カード犯罪課の刑事さんと共に、カード結社のアジトまで来ていた。

 

「レッカ!なんで居るの!?」

 

訂正。刑事さんだけじゃなくてレッカとユウ君も居た。

 

「へっ、水臭いぞミズキ。事件に巻き込まれたんなら力を貸すぜ。」

 

「そうですよミズキちゃん。闇のカードとの戦いなんてレアイベント、呼んでくれないなんて友達甲斐がないっス。レッカ君なら実力に問題はないだろうって店長が連絡してくれたンスよ?」

 

刑事さんも頷いている。レッカの実力は知っているけど、店長のお墨付きなら心強い。

 

———マスター。あの死神の気配が近いです、お気をつけて。

 

———わふっ。そこの建物からおねーさんに染みついた闇と同じ匂いがするわんっ。

 

この犬耳少女は刑事さんのカードの精霊だ。ちょっと絵面が犯罪チックだけど実力は道中で散々見た。同行に文句はない。

 

「よし、準備はいいか?………突入!」

 

デッキを握り、覚悟を決めて扉を潜る。

惨憺たる光景に目を潜めた。

 

そこかしこに散らばるエレメンタル達の死骸。実体化しているそれは、相当なスピリットが注ぎ込まれたファイトの証。

ここで行われたのが尋常なファイトではない事が一目でわかる。

 

そして骸を覆うようにビッシリと生えている醜悪なキノコ。

 

「髑髏茸……ッ!」

 

あの死神がいつも隣に侍らせていたカードだ。家のストレージに山ほどある。

 

この先にアイツがいる。

 




カード犯罪が発生した場合、因縁のあるファイターが現場に同行した場合の方が事件の解決率が有意に高いことが知られている。
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