禁止級の超絶クソ強カードに転生したけどメインデッキに入れてくれない。 作:ガトー
雰囲気で書いてるからガバあるかも。
どんなに強いカードでもデッキに入ってないと意味がないの、わかる?
売られたファイトは買うしかない。この世界の不文律である。
大体のトラブルがファイトで解決するための理。
これは、デッキにどんなトラブルがあっても適用される。
——— ちょっと!その気色悪いスピリットをこっちに送り込まないでくださいっ!
——— うるせぇ!俺の精霊パワーが受け取れないってのか!
俺は、デッキと揉めていた。
まず、カードはデッキに居ないと役に立たない。これは先述した通りである。俺は卓越したカードパワーがあるので多少なら物理的な干渉も出来るが、本領を発揮するのはデッキに居るからこそである。
つまり、今の俺にはデッキのカードの差し替えや、ドローするカードを創造する程の無法は働けない。
そして、俺の属性は黒。
青白デッキは回すに少々相性が悪いのだ。
——— 先っちょだけ!先っちょだけ黒くなってくれれば良いから!
——— いーやーでーすーっ!私には既にマスターがいるのですっ。不貞なんて働けませんっ!
クソッ、ファイトが始まってしまう。
とりあえず力尽くの精霊パワー全力注入!
デッキをシャッフル、ライフゾーンセット。
初期手札をドロー。ファイトレディ!間に合った!
「先行はオレが貰うッ。ドロー!………。」
出たよ、言ったもん勝ち先行ドロー。俺、この文化嫌いなんだよね。ジャンケンしようぜ?
「…………。エナジーをチャージしてターンエンドだ。」
ん?赤髪君のデッキは赤ドラ速攻だったはず。
1エネ帯のカードが無いとは思えないが……手札事故か?……いや、まだわからんな。
「俺のターン、ドロー。」
こっちは盛大に事故ってますがね!!!
やる気がない、というよりボイコットですよ、これは。
勝つ気がないとか、俺に勝たせないようにしてるとか、そういうレベル。
「エナジーをチャージしてターンエンド。」
初手で出来ることはエネチャージのみ。
「オレのターン、ドロー。
エナジーをチャージして、《動物刑事-捜索者 わん子》をプレイ!」
アニマルデカ?!?!?!緑が中心のテーマでは!?
いや、彼のファイトを見たショップ大会はしばらく前だ。あの後、デッキを握り変えてる可能性も大いにあるな。
わん子はCIPでサーチを持っている。軽量サーチにイラストアドまで付いた優秀なカードだ、浮気する気持ちは正直わかる。
「わん子は場に出た時、デッキから仲間を呼ぶぜ!オレはデッキから…………仲間を手札に加えずにターンエンドだ!」
?!?!?!(2回目)
このタイミングでわん子の効果を放棄っだと!?!?
まさか。彼は曲がりなりにも大会優勝者だぞ?なにか意図がある筈だ。
「俺のターン、ドロー。エナジーチャージしてエンド。」
ダメだ。まったく動けない。
「オレのターン、ドロー。エネチャージから《ドラゴン・パピー》をプレイ」
やっぱり赤ドラか?
パピーは自身を使って後続ドラゴンのコストを軽減する効果。エナジーの分割払いによって重量級ドラゴンが早期に出されるのは脅威だ。
基本のデッキコンセプトは変わってないのか?そうすると先程のわん子は何故……?
「そして、わん子で攻撃!」
わからん。わからんが、立ち回りは速攻デッキのそれだ。事故ってる今は、この1枚の手札がありがたい。
「応手はない、ライフで受ける。ライフチェック……このカードは手札に加える。」
「オレはこれでターンエンドだ!」
「ドロー、エネチャージ。《吸光の深海亀》をプレイしてターンエンド。」
ようやくカードがプレイできた!
亀は攻撃が出来ない。が、壁性能は高いので数ターンは保つ筈だ。せめて大型ドラゴンが着地するまでは保って欲しい。
「オレのターン、ドロー。エネチャージ。《天使の聖域》をプレイ。」
今度は白!?!?
いや、弱くはない。決して弱いカードではないんだ。自軍全体バフの強カードと言っても良い。けど、赤の速攻にタッチで入れるカードじゃないでしょ?!?!
主人公になる為にはそんなデッキを回し切らないといけないの!?販促の都合だったりする?正直辛くない?
「わん子とパピーで攻撃!」
正直な話をすると、急にバフを盛られたこっちが辛い。さよなら、亀さん。儚い命だったよ。。
「どちらの攻撃も深海亀で受ける。撃破された深海亀を墓地へ。」
流石にこの打点のライフ受けは許容出来ない。ジリ貧だね。
「ドロー、エネチャージ。《深淵の不定形》をプレイ」
ようやく動くは墓地利用の不定形くん!
不定形君は墓地に居る任意のエレメンタルになれるのだ。強い!
「深淵の不定形を墓地に送ることで、墓地の深海亀を戦場に戻す。」
墓地が充分に肥えてないと選択肢なんてないのだ。残念!
「オレのターン。ドロー、エネチャージ。
わん子とパピーで攻撃!」
カードのプレイ前に攻撃、だと?
つまり、ドラゴンが手札に居るのか?
出てくるとしたら最大8エネのドラゴン。
バフ盛った速攻持ちが降臨する可能性が捨てきれない。
「パピーの攻撃は深海亀で、わん子の攻撃はライフで受ける。2点のライフチェック…………2枚を手札へ。」
亀残しの判断。どうくる?
「ターン終了だ。」
って来ないんかい。
「俺のターン、ドロー。」
——— 私の事、穢しましたね!?許しませんよ!マスターに言いつけてやるんですから!!!あんなに抵抗したのに無理矢理 ———
背に腹はかえられん。
「エネチャージ。プレイ《意識掠奪》。コストは手札支払い。対象、ドラゴン・パピー。」
——— 私を手篭めにするだけじゃ飽き足らず他のドラゴンまで毒牙に掛けるなんて ———
「ドラゴン・パピーの効果発動。自身を墓地に送る事で、手札のドラゴンをコスト軽減してプレイする事が出来る。」
——— ちょっと、聞いてるんですか!
「プレイ《死氷龍 ブライニクル・アルベード・ドラゴン》」
——— おかげ様で全身真っ黒!少しは加減という物を知りなさい!!
それにしても、随分と成長したな。軽減なしで使うのはしんどいサイズだぞ?
——— あなたが!散々注ぎ込んだからでしょうが!!!
よしっ着地成功!打ち消しは飛んで来なかった。
——— あなたに言いたい事は山ほどあります!けれど、この力を与えてくれた事だけは感謝してますよ?
「ブライニクルのCIP効果だ。相手の手札、戦場、墓地のカードをそれぞれ1枚ゲームから取り除く。」
戦場のカードは天使の聖域を選択。全体バフが無ければだいぶ楽になる。
——— ふふっ。闇に呑まれて消え去りなさい。
ノリノリっすね。いや、いいけど。
デカくて硬いCIP除去持ち。いいカードじゃん。
「オレのターン、ドロー。」
形勢はこちらに傾いた、どう出る?
「エナジーをチャージして《精神統一》をプレイ。カードを2枚引くぜ。」
窮地のドロソ、あるあるですね。
それが青のカードじゃなきゃな!それで4色目だぞ???色事故って知ってる?そのデッキ大丈夫???
「そのままプレイ《カタストロフ》。」
アイエエエ!?
カタストロフ!?カタストロフナンデ!?
5色のエネコスト?……ある!
ゲームから取り除かれたカード……足りてる?!
「お互いの手札、戦場、ライフゾーンのカードを全て墓地へ送り、ゲームから取り除かれているカードをお互いのライフゾーンへ一枚ずつ置く!」
強力なリセットカード、どんな状況でもトップの捲り合いに持ち込むカタストロフ。
このカードの真髄は、事前にデッキトップや墓地をセットアップしておくことで発揮されるが、捲り合いに勝てる見込みがあれば充分に生撃ちも可能だ。
「ターンエンド。」
墓地展開は来なかった、首の皮一枚の状況。
「俺のターン……」
トップドローの最善は直接火力。速攻持ちはこのデッキに居ない。壁エレメンタルが来れば万々歳。
今の俺にはカード創造が出来ない。
このドローは……デッキとの絆が試される1枚。
「……ドロー。…………ターンエンド。」
ダメに決まってるじゃんね。
「オレのターン、ドロー!」
さて。赤属性は直接火力も速攻も豊富だが、どう来る?
「《爆炎爆走 ソニックラビット》をプレイ。」
赤のデメリット付き速攻!しかしアレでは……!
「ソニックラビットは自分の墓地に赤以外のカードがある時、攻撃が出来ないぜ。」
赤単速攻なら優秀なカード!やる気は十分だったけど惜しい!周りをもっと見て!
「俺のターン、ドロー!ターンエンド!」
……そんなこんなで壮絶な捲り合いの末、俺は負けた。
一方そのころユウ君は、幹部(神官長)と闇のカードの効果談義で盛り上がっていた。