剣咬の虎に入った青年   作:氷結界の龍トリシューラ

12 / 18

書ききれなかった。

今回も他のギルドはサクッと終わらせて頂きます。




ユキノの戦い

 

その後、バトルパートが進んで行った。

1試合目は大鴉の尻尾(レイヴンテイル)クロヘビvs蛇姫の鱗(ラミアスケイル)トビー・オルオルタ。

 

試合開始と共にトビーは毒爪を振るいその猛攻が続くも、クロヘビは全て躱す。そんな中、試合中にトビーが持ち出した妙な賭けが成立。クロヘビの本名とトビーの秘密について負けた方が勝った方に教えるという賭けが成立した。試合はクロヘビ有利に進み、トビーは遂にダウン。

 

クロヘビは秘密を聞く、トビーの秘密とは

 

「靴下、片方見付からないんだ~、3年も探したのに~」

 

泣きながら言うトビーの胸元には靴下がぶら下がっているのだが。クロヘビはトビーの胸元を指差す。それに気づいたトビーはこんな所にあったのかと感動する。お前いい奴だなと言うトビーに対してクロヘビは手を伸ばす。試合後の健闘を讃える握手だと思ったトビーも手を伸ばすが、その手をすり抜けて胸元の靴下を破り捨てた。トビーは泣いていたがクロヘビは背を向けて戻って行った。

 

(…新しいの買わないのか…)

 

大鴉の尻尾(レイヴンテイル)はさておきトビーのボロボロの靴下を見てこう思ったのはフリスだけでは無いだろう。

 

 

第2試合四つ首の番犬(クワトロケルベロス)バッカスvs妖精の尻尾A(フェアリーテイル)エルフマン・ストラウス

 

試合前からバッカスは"俺が勝ったらエルフマンの美人姉妹のミラジェーンとリサーナを一晩貸せ''と言う。エルフマンはこれに憤り、成り行きで賭けを受ける羽目になる。

最初はやはりバッカスは強く、酒を飲んで無いのにも関わらずエルフマンは一方的にやられる。エルフマンも魔物の魂を身体に取り込んでおり、全身摂収(テイクオーバー)魔物(ビースト)に変身し反撃するが、バッカスに攻撃は当たらず、逆に攻撃されボロボロになっていく。それでも根性で耐えきり何とか立ち上がり、バッカスにこう言って退ける。

 

仔犬(パピー)だ。俺が勝ったら大会終わるまでお前らのギルド名四つ首の仔犬(クワトロパピー)にしろ。」

 

エルフマンの挑発にバッカスは鼻で笑い承諾。どうせ俺には勝てねえと酒を飲み出し一気に攻撃した。

しかし今度は攻撃したバッカスの腕がボロボロになった。エルフマンが変身したのは硬い鱗を持つリザードマン。エルフマンの身体を攻撃するバッカスとそれを受けるエルフマン。意地のぶつかり合いに勝利したのは()()()()()だった。

 

第3試合妖精の尻尾B(フェアリーテイル)ミラジェーン・ストラウスvs青い天馬(ブルーペガサス)ジェニー・リアライト

 

「(通路にいた人だ…。)」

 

ミラジェーンを見て昨日の午前中を思い出すフリス。

試合が始まるがまさかの両者合意の上でのグラビア対決になる。負けた方は週刊ソーサラーの雑誌でヌードを晒すという賭けの元で。

 

実況の3人が《ドレス》、《スク水》、《眼鏡っ子》、などのお題を出し、それに合わせて服装を替える2人を実況席の3人が判定をし、その得点を競い合う。

抜群のプロポーションを持つ2人は様々な服装に着替え、観客を魅了する。

と、そこに様々なギルドの女性達が乱入し、自慢のプロポーションを見せつける。妖精の尻尾は乱入した人数も多くやはり豪華だ。

 

「おお、すげえぞっ」

「…ああ(…目を放せ無いな…)。」

「ちょっと!、フリス君は見ちゃ駄目ですよ。」

「ユキノに怒られるー、」

 

フリスの横でドーベンガルがガン見している。フリスもつい見てしまい、レクターに注意される。

 

「(…ユキノの水着姿…)」

 

ジェニー達を見ながらフリスは普段クールな先輩の水着姿を思い浮かべた。正直見たいが、乱入しようものならマスタージエンマに何を言われるか。

その後の入り乱れたグラビア対決だが、蛇姫の鱗(ラミアスケイル)のマスター、オーバが乱入したことにより強制終了となり、乱入組は退場した。

 

残るはミラジェーンとジェニーのみ。

2人の最後のお題は《戦闘形態》となった。

何やら自信満々のジェニーが変身。まあ、普通の戦闘服だ…

…ジェニーは審判をしている実況者3人の好みを聞いており、3人共若い娘が好みだと聞いていた。つまり彼らはより若いミラのヌードが見たい為、最後にはジェニーが勝利する事になっていたのだ。

そしてミラも変身したのだが

 

「ふえ?」

 

何故か最強の魔人シュトリの姿になっていた。困惑するジェニーにミラは

 

「私は貴方の提案した賭けを承諾した。だから貴方は力の勝負を承諾して欲しいわ。」

 

そして、一撃でジェニーをダウンさせる。本来の勝負のルールなので文句なしの勝利だった。

 

「ごめんね、生まれたてのジェニーの姿楽しみにしてるね」

「いやあああああっ!!」

 

ミラは片手を上げて去って行った。残されたジェニーは大泣きしていたが。

 

 

 

そして…残るギルドは

 

「さあ、本日の最終試合っ!人魚の踵(マーメイドヒール)カグラ・ミカヅチvs剣咬の虎(セイバートゥース)ユキノ・アグリア」

 

 

剣咬の虎(セイバートゥース)応援席ー

 

「ユキノの出番ー、」

「遂に来ましたね。うちの出番が。フリス君っ、て、あれ、フリス君?」

 

レクターが振り返るとフリスは居なかった。

 

 

 

剣咬の虎(セイバートゥース)選手席ー

 

「まったく、随分と追い上げられてしまったね。」

「 誰かさんのせいで競技パート2点だからな。」

「クス、」

「っ!…」

「スティング様…」

 

ルーファスとオルガの煽りにスティングは眉をつのらせる。彼の味方のローグが席を離れており、ユキノがいるとはいえ、競技パートでバッカスとクロヘビに敗北したスティングは肩身が狭い。こんな事なら医務室にいれば良かったと思う。

 

そこにある意味スティングが追い詰められた原因の青年が剣咬の虎(セイバートゥース)の選手席に入ってきた。

 

「お、フリス来たのか。」

「フリス様…」

「スティングを煽っていたところだよ。」

「…止めろ、アレは俺のせいだ。」

「んなことねえよ、」

 

選手席に来たフリスだが、あまり良い感じでは無い。

 

「フリス様、スティング様も…大丈夫です私に任せてください。」

「ユキノ、気負い過ぎるな、俺の失態まで気にかける必要は無い。」

「いいえ、任せてください、必ず勝ってきます。」

 

そう言って得点を見るユキノ。

今の剣咬の虎(セイバートゥース)は22pt。対して大鴉の尻尾(レイヴンテイル)は26pt、妖精の尻尾(フェアリーテイル)Aが同率の22pt。その他のギルドはそれ以下だ。ここでユキノが勝てば剣咬の虎(セイバートゥース)は1位をキープ出来る。

 

「そうか、悪いな。その…全力でいってくれ。」

「そうだ、分かってるよなユキノ。このチームにいるって意味を。」

 

フリスとスティングの言葉にユキノは前を向く。

 

剣咬の虎(セイバートゥース)。最強のギルドの一員として必ず勝利する事です。」

 

フリスとスティングの失態の挽回、ではなく最強ギルドとしての誇りを背負ってユキノは場に出ようとする。

 

「ユキノ、」

「ひゃっ、は、はいっ!」

 

が、フリスがユキノの肩に手をのせた。ユキノが振り替えるとフリスがユキノの顔を上から覗き込んでいた。その顔の綺麗さに思わずビクンとするユキノ。そんなユキノにフリスは小さな声で言う。

 

「その、ありがとう、俺達をフォローしてくれて。」

「え、ええ。」

「それで、これは後輩の俺の願望なんだけれど。」

 

フリスはユキノの耳に囁く。

 

「その皆、()()()なんかして盛り上げている。

だけど…ユキノ、()()はちゃんとした人だから対戦相手と賭け事なんかやらないと信じてる。」

「ふぇ?」

 

フリスの言葉にビクンとするユキノ。実は会場を盛り上げる為に()()()()()()()()()対戦相手と賭けをしようとしていた。()というとんでもなく重たいものを賭けようと…。ユキノに構わずフリスは続ける。

 

「その、俺も、ユキノ()()の純粋な試合を…

ユキノ()()の試合を見たいから、だから試合は…

()()()()()()()()()()()()()()

「え、ふぁ?」

「ユキノ()()なら出来ると思う。お願いします。」

 

フリスは一礼するとそのままユキノの顔を見る。ユキノの眼をじっと見るフリス。

 

「っ!わ、分かりましたっ!見せてあげます、フリス様に私の強さをっ!」

「本当に?ありがとう、ユキノ先輩っ」

「ちゃ、ちゃんと見てるんですよっ!」

 

見つめられたユキノはアワアワと顔を赤らめて、フリスから眼を反らす。そしてスウっと呼吸を整えると凛とした表情で会場に向かって行った。

相手は人魚の踵(マーメイドヒール)最強の魔導士、カグラ・ミカヅチ。長い黒髪を下ろし、腰に一刀を添えた女剣士が向かい側から闘技場中央に歩いてくる。

 

「(…無駄足だったかな。)」

 

闘技場の中央に向かうユキノの後ろ姿をフリスは見ていた。

…万が一会場の空気に流されたユキノが、賭けを持ち出してしまうかもしれないと思い、釘を刺しておいたのだ。が、よく考えればユキノが賭けるものなど無いと思った。それでも…

 

「大丈夫さ、うちがバトルパートで負けるわけねえ。」

「見物だな、」

「じっくり拝見させて貰おう。」

「…。」

 

本当に期待してるのか面白がってるのか分からない、彼らの声を聞きながら、フリスはユキノの対戦相手を見る。正直、強そうだ…

 

「(…多分勝てない…)」

 

フリスにはあの剣士にユキノが勝てる姿が想像出来ない。

 

 

 

 

 

闘技場ー

 

 

「(フリス様にバレてた…。)」

 

ユキノは先程のやり取りを思い出していた。彼女の内心もとい、フリスの悪い予感は合っていたのだ。

 

「(っ!…そうだ、フリス様を安心させてあげないと、)」

 

ユキノは対戦相手のカグラを見ながら考えていた。目の前の女剣士の実力はよく分からないが、大抵の相手に最強ギルドの自分が負けるはずが無いとは思っている。

 

「試合開始っ!」

 

試合開始の合図と共に一礼する。相手もそれに応えた。

 

「あの…試合前に良いですか、」

「…?、何か、」

 

ユキノの様子にカグラは驚きながらも返す。ユキノは胸元から1本金の鍵を取り出す。

 

剣咬の虎(セイバートゥース)の前に立ったのが貴方の不運…。この勝負、勝たせて貰います。」

「!!」

 

ユキノの鍵が光る。

 

「開け、双魚宮の扉、ピスケスっ!」

 

鍵が光る。リュウグウノツカイを遥かに越える巨大魚が2体召喚される。観客が盛り上がる中、それぞれ白と黒の身体で宙を舞い、観客は驚く。そしてピスケスは地上にいるカグラ目掛けて突進する。

 

その突撃をカグラは跳んで軽々と躱す。その後もピスケスの猛攻は続くがやはり当たらない。二体の巨大魚の突進をカグラは最小限の動きで躱していく。

 

カグラの動きを封じ込め無い限り、ピスケスの攻撃は当たらない。ユキノはもう一つ金の鍵を構える

 

「開け、天秤宮の扉、ライブラ。」

 

光と共に出てきたのは両手に秤を持った女性。そのポーズに観客が湧く。ユキノも黄道12門を2体同時に開門出来る。ライブラは重力操作が出来る。

 

「ライブラ、敵の動きを封じて」

「了解」

 

合図と共にライブラはカグラの周囲の重力のレベルをあげる。カグラの身体が重くなる。

 

「ピスケス、」

 

動けないカグラに上からピスケスが突撃する。カグラの周りが光った。

 

「っ!」

 

ピスケスの攻撃は当たらなかった。急にカグラが天に向かって上昇していったのだ。跳躍したにしては何かがおかしい。

 

「ライブラ、敵の重力を横方向に、」

「了解」

 

違和感を感じながらもユキノの指示でライブラが重力を操作するとカグラが横に吹き飛んで行った。そのまま闘技場の石像に激突し押し付けられた。完全に張り付け状態だ。そのままピスケスで攻撃するが…

 

「え、」

 

ピスケスが急に止まった。そして、徐々にその巨体が曲がっていく。何かが掛っている。ライブラは目を見開く。ピスケスの身体が闘技場に向かって…、

 

「っ!ピスケス、戻ってっ!」

 

闘技場に落下する前にユキノはピスケスを戻した。お陰で下にいたライブラは潰されずにすんだ。

 

「…重力を操作出来るっ!…」

 

今の攻防でカグラが重力を操作出来る事に気づいたユキノ。その隙にライブラの重力を自分の重力操作で解除したカグラが降りて来た。

対するユキノを護る星霊はライブラのみ。

 

「っ!私に開かせますか。13番目の門を…」

 

ユキノはそう言って黒の鍵を取り出す。彼女の最後の切り札を召喚しようとする。

 

しかしユキノにも敗北が迫っていた。

 

 

 

 

 

 






なんか収まらなかった。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。