剣咬の虎に入った青年 作:氷結界の龍トリシューラ
今回はギルドメンバーの歓迎?を受けるフリス君です。
「フリス様、休憩ですよっ、休んでくださいっ」
「ん?あ、はい分かりました。」
汗だくのユキノが未だに1人稽古を続けているフリスを止める。
現在ギルドの裏庭で
にも関わらずフリスは少し離れた所で1人で体術の稽古を続けていた 。皆へばっているなかフリスだけは汗ひとつ掻かずに蹴りを放っていた。
フリスが空に向かって蹴りを放つとその蹴りで地面が揺れ、大気が震えた。空の雲が吹き飛び天気が曇りから快晴へと変化してしまった。
「っ、てめえ、目障りなんだよ新人の癖に大人しくしてろよ。」
様子を見ていたギルドメンバーの1人がフリスの方へ向かって行く。それに続いて他のメンバーも立ち上がった。
「ドーベンガルさんにまぐれで勝ったからって図に乗るなよ。」
「新人の癖にユキノさんに手を掻けて貰いやがって」
「1日で採用とかあり得ねえから出ていけよ。」
「目障りだから消えろ。」
「俺達以外の奴が即日入れて貰うなんて気に入らねえな」
「アンタに恨みはねえけどなんか気に入らねえんだよなあ。」
10人程の
剣咬の虎に入るのは簡単なことでは無い。厳しい審査の元適正がある魔導士だけが残れるのだ。だから、フリスのように即採用されることは基本なかった。
入って直ぐにジエンマに認められたフリスを彼らは快く思っていなかったのだ。特にスティングは変な感覚を味わった為尚更機嫌が悪かった。
その場にいるメンバーの大半に睨まれたフリスは彼らに向き直った。
そして、彼らにこう言った。
「全員で掛かってこい。そして一撃、喰らわせてみろ。そしたら出て行ってやる。」
あろうことか彼らを挑発した。その言葉にスティング達の怒りが頂点に達する。それまで静観していたローグやルーファス等も立ち上がりフリスに向かって行った。
「聞き捨てならないな」
「舐めんじゃねえぞ、新入り」
「今の言葉、記憶したよ」
各々フリスに詰めよって行く。
「うわ、
「フローもそう思うー」
様子を見ていたスティングとローグが連れている猫のエクシードレクターとフロッシュもフリスのボコボコにされる未来を想像し同情する。
「「「「ぶっ殺す」」」」
一斉にフリスに攻撃するメンバー達
「影竜の斬撃っ!」
「白竜の鉤爪っ!」
まずはローグとスティングが攻撃する。剣咬の双竜と呼ばれる2人は影と光を纏って腕と脚を振る、
が…
「があっ!」
「ぐあっ!」
「スティング君っ!!」
「ローグっ!!」
2人の攻撃はフリスに当たらず、代わりにその背中と腹に重い一撃をくらい吹き飛ばされ、気を失いそうになり地面を転がる。2人のエクシードであるレクターとフロッシュが駆け寄る。
「っ!120mm黒雷砲っ!」
「
オルガの黒い雷が飛んで来た。同時にフリスの足元からルーファスが炎を吹き出そうとする。
しかし…
「
パキイイイイッ
炎が地面から吹き出ること無く、ルーファスごと辺り一面が凍りつき、氷の結界がフリスの周りを囲った。結界がオルガの雷をガードする。そして、
「氷壁一斉乱射」
「ぐあああっ!」
役目を終え?分解された氷の壁がオルガに向かって一斉に飛んで行き激突し、オルガは硬過ぎる氷を受け吹き飛ばされる。
そして凍結していたルーファスの凍りを解除するとルーファスはバタリと倒れた。フリスとしてはルーファスにだけは集団戦に持ち込まれたら厄介だと本能で感じ、早々に倒したのだ。
「っ!
「
他のメンバーも次々に魔法を放つがフリスに攻撃は当たらず一撃で返り討ちに合う。皆が倒れて行くなか何とかスティングとローグが立ち上がる。
「っ!ドラゴンフォースっ!!!」
「スティングっ!行くぞっ!!!」
フリスを強敵と認めた2人の滅竜魔導士は出し惜しみせず、究極奥義ドラゴンフォースを発動させる。
「白竜のホーリーブレスっ!!!」
スティングが広範囲のブレスを撃つが、
「
「スティングっ!!」
「ぐあああっ!!」
フリスが放った青い光の魔力を纏った結晶の巨槍にてホーリーブレスは霧散しスティングに槍が直撃っ!スティングは倒れた。しかしフリスの後ろからローグが腕を振り上げる。
「影竜の連雀閃っ!」
影がフリスを攻撃しようとしたが、
「なっ!!!、いないっ!!!」
「がはっ!」
フリスはそこにおらず、ローグの攻撃は立ち上がった他のギルドメンバーに当たる。
「後ろだ。」
「がっ」
いつの間にか後ろにいたフリスはローグに一撃を喰らわせてローグは今度こそ気絶した。
「っ!クソっ!雷神の荷電粒子砲っ!!」
立ち上がったオルガがフリスに向かって黒雷の塊を撃つ。
「
黒雷をフリスの閃光が切り裂きその中からフリスがオルガの眼の前に現れた。そしてその腕でオルガの首に一撃を喰らわせる。
「がっ、はっ、……」
オルガはその攻撃で意識を暗転させた。
そして、立っているのはフリスと……
ユキノだけになった。
「…もしかしてやるのか」
「全員と言いましたよね。」
「そうだな。」
構えるユキノにフリスは迎撃の体制をとる。
そして、ユキノはフリスに蹴りを放った。その蹴りを難なく避けるフリス。ユキノは続けて正面突きを打つがその腕を取られて一瞬でフリスに背負い投げされる。
ダメージが無いように加減し、仰向けに倒れたユキノの顔を上から覗き込みフリスは手をかざす。勝負を決める為に催眠魔法をかけるつもりだ。
「悪く思うな、眠って貰う」
「っ!、はあっ!!」
しかし突如ユキノは頭元のフリスの両手を掴む。フリスは驚いて動きが止まった。
そして、
「せいっ!」
「ぐっ!」
ユキノの脚がフリスの顔を蹴り抜いた。フリスは仰け反る。そしてその勢いでユキノは立ち上がった。
一撃が入った。
ユキノと向き合うフリス。が、降参の意図を込めて両手を上げた。
「…約束だ。じゃあな。」
そのまま背を向けて歩き出そうとするフリス。だが、
「待ってっ!」
背後で声が掛かる。ユキノがフリスの眼をじっと見詰めていた。
「居て。」
ユキノはそう言って両手でフリスの手をとった。心なしか少し泣きそうだった。フリスはユキノのそんな姿を疑問に思いながら見ていた。が、この状況についフッと笑いが込み上げる。そして、ユキノの手を握り直した。
「負けたよ、やるじゃないか。」
「フリス様、…んっ、んふふっ、ああっ、あはははははっ…」
そう言って笑うフリス。それに安心した様子のユキノ。緊張が解除されると同時に表情も緩みつい笑いが込み上げて来てしまった。急に今の状況が馬鹿らしくなってきたのだ。
そもそもユキノがフリスをギルドに誘ったのに即出ていかれるなんて馬鹿みたいだ。
(フリス様が手加減してくれたのに、私ったら……ああっ、)
ユキノはつい先ほどの勝負を思い出して向きになっていた自分を少し恥じらう、
目の前のフリスは1㎜も気にしてないが、ユキノはフリスの顔を見て安心していた。
「く、くそ。」
「がは、負けた。完敗だ…」
「つよ、過ぎる」
倒されたが、手加減されていた他の
そんな中スティングも目を覚ます。
「…こんな…馬鹿な…」
「スティング君っ!」
レクターがスティングが目を覚ましたのが分かり、一先ず安心する。
(
ローグは倒れたまま、悔しさを噛みしめた。
その後、フリスが魔法で回復させ、
その日の残りの訓練でフリスの相方志願者が殺到したのは言うまでも無い。決まらない中スティングは真っ先に攻撃し、未だに加減が上手くないフリスの一撃で気絶した。それを見ていた他のメンバーは潮が引くように離れて行った。
結局フリスはユキノと組む事になり、彼女の有り難みを思い知った。
いかがでしたか、
剣咬の虎のメンバーとフリス君を戦わせて見ました。
フリス君強いですね。
そのフリスに一撃を喰らわせたユキノさん格好いい!