剣咬の虎に入った青年   作:氷結界の龍トリシューラ

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フリス君は序盤は大会には出ません。

まあ…、その内頑張って貰います。

大魔闘演武はそこそこ改変しようと思います。






クロッカス街へ…

 

クロッカス街

 

大魔闘演武前日となり、ミネルバ・オーランドを除く剣咬の虎(セイバートゥース)のギルドメンバーは全員この街に来ていた。

 

大魔闘演武が開催される為に街は賑わっており、出店が至る所に開かれていた。花の都と言われるだけあって、花壇も多く至る所に花が飾られていた。

 

街にいる人々はギルドマスタージエンマ及び剣咬の虎(セイバートゥース)の面々が視界に入ると道を空けた。

 

「おいおい、優勝候補が来たぞ、」

「おおっ!、剣咬の虎(セイバートゥース)だ。」

「今年もあいつ等が優勝だな。」

人魚の踵(マーメイドヒール)のカグラも強いけどチーム全体じゃあ剣咬(セイバー)の方が上だな。」

「他のギルドが可哀想だよな。特に万年最下位の何だっけw」

妖精の尻尾(フェアリーテイル)だよ。あいつ等今年も出るみたいだぜ。懲りねえな~」

 

 

剣咬の虎(セイバートゥース)の評判はやはり良い。人魚の踵(マーメイドヒール)にも1人強い女剣士がいるが出場メンバーが全員強かったのはここ数年だと剣咬の虎(セイバートゥース)だけだった。

 

「スティング~!!かっけえーっ!」

「ローグ様~っ!!」

「おお、双竜のスティングとローグだ。」

「今年も出るのか、あいつ等強いよな~。」

「俺はオルガが一番強いと思うけどなっ、あの雷の威力ときたら。」

「知識量と手数ならルーファスに敵う奴は居ねえけどなっ、」

「ルーファス様素敵~っ!!」

「オルガ~っ!!今年も派手にやってやれ~っ!!」

 

 

すれ違う人達がスティング達を見て騒いでいる。ルーファスは女性に人気なのか黄色い声援が多い。

 

 

「そういえば、1人足りなくねえか。」

「ミネルバだろ、今回は出ないのか?」

「出ないくらいが丁度良いさ、これで少しは他のギルドにも勝ち目が出てくらあ」

「誰が代わりに出るんだろうな。」

「あの銀髪の娘じゃないか、同じ列にいるし、結構可愛いな~」

「服装も一際目立ってるな…」

 

同時に今回例年演武で暴れているミネルバがいないことに首を傾げており、誰が出るのか気になっている様子だった。

 

 

「ふっ、やっぱりスティング君の人気は衰えませねっ」

「フローもそう思うー。」

「ん?、ああ、当然さ、今回も俺達が優勝するからな。」

「……。」

 

街の注目を浴びて双竜のエクシードが騒いでいる中、ローグは何かを考え込んでいた。その眼が一瞬列の左側を一瞬見た。

 

 

「ローグ君?どうかしましたか?」

「ローグ?」

「いや、何でも無いんだ、そうだな今年も優勝しないと、な、フロッシュっ」

「フローもそう思う。」

 

ローグは直ぐに視線を戻してフロッシュに微笑んだ。

気持ちを切り替えて今年も優勝すると誓った。

 

 

……ローグの視線の先、列の前方左端、出場メンバーのすぐ近くにフリスはいた。彼のすぐ隣にはユキノもいる。

 

 

 

「…?」

「……」

「(………)」

 

フリスは完全に沈黙したユキノが気になっていた。ユキノは元々そこまでお喋りでも無いが、それでもここに来るまでにメンバーと時々、談話していたのだった。それが今は全く話さない。

 

ユキノの表情は固かった。この街に入ってからずっと無表情だ。

 

…正確には街の人達が注目し始めて騒ぎ始めたあたりから…

 

 

 

 

(……期待…(プレッシャー)…か……)

 

 

多分観衆からのギルドへの期待(プレッシャー)が原因だろうとフリスは思った。それもそのはずユキノは今回仕事で出張中のミネルバの代わりに恒例メンバーと共に出場するのだ。

 

フリスは知らないがミネルバは剣咬の虎(セイバートゥース)の中で双竜達4人を凌ぐ最強の魔導士である。

 

出場メンバーの魔導士としての能力を見るとユキノはミネルバは愚か他の4人と比べても比べて数段劣る。星霊の鍵を奪われると格闘術しか使えない…

 

 

 

 

(…私なんかがミネルバ様の代役を出きるでしょうか…)

 

 

 

クロッカスに入り、観衆の声を聞いてからユキノは緊張感で押し潰されそうになっていた。ユキノにとって憧れていたギルドに入り、その名を背負って大会に出場出来るのは素晴らしい事だった。

 

事実自分がメンバーに選ばれた時ユキノは高揚していた。あの剣咬の虎(セイバートゥース)の出場メンバーに自分が選ばれた。ギルドの名の元大会で活躍出来る日が来る。

 

そして、大会にで活躍している自分を見て貰いたい人がいた…

 

例え…その可能性は薄くとも…

 

 

ユキノが幼い時に生き別れた彼女の姉…

ゼレフ教に捕らわれて連れて行かれた…

 

可能な限り、捜索はした、ゼレフ教の噂が蔓延する場所を出来るだけしらみ潰しに探したけれど見つからなかった。

 

最初は強かな姉が死んだとは思えなかった。けど、探して行く内に一向に見つからず、もう会えないんだという現実がユキノにも分かって来てしまった。

 

…でも……もし生きていれば…きっと…どこかで………

 

 

 

(っ!…私ったら…駄目、駄目っ!)

 

 

頭を振る。姉の事は一端忘れようとした。

 

 

大会に意識を向ける…

 

また、不安が押し寄せる…

星霊魔導士であるユキノは星霊抜きの自分自身の力量の程を自覚していた。少しでも補う為にギルドの格闘訓練に熱心に打ち込んだりとユキノなりの努力はしていたのだ。

 

それでも不安は消えない。

 

 

 

 

 

 

ふと、隣を歩く青年がユキノの眼に映る。1週間前に偶然出会い、ユキノがギルドに誘った人物。

自分はおろか、今いるメンバーでも中で戦闘においては最大の戦力となる人。

 

……フリスがギルドに入った時出場メンバーは既に登録した後だった。フリスが少しギルドに来るのが早かったら恐らくフリスが出場メンバーに選ばれていただろう。

 

事実、今かユキノ達の前を歩いているジエンマは不機嫌そうだった。 それでも強引にメンバー交代をしなかったのはフリスを出さずとも勝てると思っているからだろう。

 

しかし……

 

もしユキノが()()()()()()()()()()()()……

 

 

ユキノは不安で押し潰されそうだった。それでも気を張って出ないといけない…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





今回はクロッカス街に入りました。
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