剣咬の虎に入った青年 作:氷結界の龍トリシューラ
宿を出たフリスは、自由になった為、華宮メルクリアス付近を散歩していた。
「ん?」
角を曲がった所で気づいた。女の子が倒れていた。近くにはレクターやフロッシュと同じ形の白い猫も倒れている。即座に駆け寄った。
「おい、大丈夫か、しっかりしろ」
フリスは青髪の少女を揺する。息はある、脈を確認する。……非常に弱っていた。
「魔力欠乏症か……」
少女も猫も魔力欠乏症の症状を煩っていた。
…フリスは知らないが
「とりあえず、回復……」
フリスは手から青の魔力を注ぎ込んだ。「んっ」と少女が、苦悶の声をあげ、眼を覚ました。
「んっ、痛っ、あれ、私はどうして……」
「まだ動くな、運んでやるから、安静にしてろ。」
「っ!シャルルっ」
少女は猫を視界にいれるなり動こうとするがフリスは制する。
「大丈夫、今、回復させるよ、」
シャルルと呼ばれた猫にも魔力を注ぎ込む。その眼が開いた。
「っ…」
「シャルルっ、」
「っ…ウェンディ…」
少女、ウェンディとシャルルは抱き合う。フリスはそれを見て安堵する。
…後ろに腕を隠しながら…
「あの、ありがとうございますっ」
「助かったわ」
「気にするな、」
動けるようになったウェンディとシャルルがフリスに礼を言う。
「けど、時間過ぎてしまったわね。」
「ど、どうしよう…」
「用事があるのか、俺の事は良い。もし動けるなら、早く行った方が良い。」
何やら焦った様子のウェンディを見てフリスは行くように諭す。
「あ、あの名前は?」
「名前?ああ、フリス・スウェード…」
「フリスさん、ですね、私は
「私はシャルルよ。
貴方、魔法使えるみたいだけど、何処かのギルド魔導士なの?」
「ん?ああ、そうだな、俺は
「
「確か、現最強ギルドの…」
フリスのギルドを聞いて驚く1人と1匹。
「っ、とりあえず戻ろう、ウェンディ」
「そうだね、あのっ、ごめんなさい、私達急いでて、いつかお礼します、」
「気にするな、じゃあな、」
フリスに礼を言うなりウェンディとシャルルは駆け出した。
それを見送るフリスは彼女達の姿が見えなくなると自分の腕を見る。
「…………。」
フリスの左腕から不自然な光が漏れていた。
フリスの腕の一部が青く光っていた。それは結晶のような何かの鱗であり、明らかにアクセサリーではない、
(まあ、数分すれば戻るだろう。)
この程度の状態異常を治す分には問題無いが、片足を失う程のものだとフリスの腕全体が鱗と化し、精神の制御が効かなくなってしまう。当然戻るのにも時間がかかる。
そして、全身に鱗が浸蝕すると…
フリスの治癒魔法…
それは、魔力を消費すれば相手を回復出来る天空魔法ではなかった…
フリスは意識を外に戻した。
(何か待ち合わせでもしてたのか…)
残されたフリスは上を見る。時計塔が0時24分を指していた。
「まさかな…」
あんな少女が大会に出るはずが無いとフリスは思っていた。
一方、ウェンディとシャルルは彼女達を探していたリサーナと合流した。
「ウェンディ、シャルル、無事で良かったっ」
「リサーナさん、」
リサーナはウェンディとシャルルを抱き寄せて無事を喜んだ。
「リサーナさん、あの、私…遅れて…」
「ん?ああ、大会ね、エルフ兄ちゃんが代わりに行ったわ、だから心配しないで、」
「そ、そうですか。」
「ウェンディは悪くないわ、これには事情があるの」
「事情?」
責められると思っていたウェンディにエルフマンが出たと安心させるリサーナ。ウェンディは少しホッとする。
シャルルは今日起きた事をリサーナに説明した。
「黒い何かに襲われた?」
「ええ、それで魔力が空になってね。」
「そうだったの!大丈夫なのっ、何処かの病院で休まないと!」
魔力が空になったと聞いたリサーナは焦った様にウェンディの肩を両手で持つ。
「落ち着いて、ほら、今は無事よ、倒れていた所を知らない男に助けられたの、」
「そ、そうなんだその男の人は?」
取り敢えずホッとするリサーナ。
「置いてきちゃったわ、確か…」
「
「
「そうだった。その人、回復魔法を使えるみたいなの。」
「そっか、そっか、後でその人にお礼しようね。」
同時刻、フリスのギルドメンバー達、
妖精の尻尾は…どうしようかな…