剣咬の虎に入った青年   作:氷結界の龍トリシューラ

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競技パートは飛ばさせて頂きます。

今回は妖精の尻尾と大鴉の尻尾の戦いがメインです。



…フリス君はまだギルド魔導士としては新人です。




無謀な介入

 

 

剣咬の虎(セイバートゥース)応援席ー

 

「……(黄道12門の星霊をあんなに…)」

「これはこれは、ユキノさんより多くのレアな鍵を持った魔導士がいるとは意外でしたねー、

ま、実力は大したこと無いけど、」

「フローもそう思ーう。」

 

フリス達は妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士ルーシィ・ハートフィリアとその星霊が大鴉の尻尾(レイヴンテイル)のフレア・コロナと戦う姿を見ていた。

 

ルーシィは既に3体の黄道12門星霊、天蠍宮スコーピオン、金牛宮タウロス、巨蟹宮キャンサーを召喚していた。

 

 

 

 

ーー

 

ドムス・フラウ闘技場に本戦出場ギルドが出揃った所で、まず最初にプログラムの説明が始まった。

 

大魔闘演武の期間は計5日間。

 

最初の4日間は競技パートとバトルパートが行われる。

 

競技パートは各チームがそれぞれ1人選出。

出された内容で1位は10点、2位は8点、3位は6点、4位は4点、5位は3点、6位は2点、7位は1点、獲得し、8位又は失格は0点となる。

 

バトルパートは1日4試合行われる。

大会運営側から各チーム選手が1人ずつ選出され、闘技場で30分間戦う。基本的に1対1の戦いだが、4日目は2対2のタッグバトルが行われる。

 

勝ったチームには10点、負けたチームは0点、引き分けの場合は両者に5点が入る。

 

 

 

ルール説明が終わった所で競技パートが始まる。

1日目の競技パートは隠密(ヒドゥン)という競技だった。

闘技場に巨大な街迷宮が現れる。

選出された選手は持ち場に分散され、選手と瓜二つのコピーが迷宮内に大量に現れた。

他のチームの本物を探し、本物に攻撃を当てれば1点、間違えてコピーに攻撃した場合は1点減点、他の選手の攻撃を受ければこれまた1点減点というルールだった。

 

 

剣咬の虎(セイバートゥース)からはルーファスが選出された。ルーファスの記憶の造形魔法と彼の記憶力を駆使して、殆ど力を使わず上手く立回り、競技パートを1位で通過した。

 

結果は

 

1位 剣咬の虎(セイバートゥース)

2位 大鴉の尻尾(レイヴンテイル)

3位 蛇姫の鱗(ラミアスケイル)

4位 青い天馬(ブルーペガサス)

5位 人魚の踵(マーメイドヒール)

6位 四つ首の番犬(クワトロケルベロス)

7位 妖精の尻尾B(フェアリーテイル)

8位 妖精の尻尾A(フェアリーテイル)

 

となった。

 

2チーム出場した妖精の尻尾(フェアリーテイル)のグレイとジュビアは大鴉の尻尾(レイヴンテイル)の男ナルプティングに執拗に攻撃され、上手く立ち回れず最下位と7位となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、バトルパートとなった。

 

第1試合、

妖精の尻尾(フェアリーテイル)A ルーシィ・ハートフィリアvs 大鴉の尻尾(レイヴンテイル) フレア・コロナ

 

睨み合う2つのギルドから2人の女性魔導士が選出された。

 

試合開始と共にルーシィはスコーピオンを召喚し、砂嵐をフレアに向けるが躱される。続けてタウロスを召喚、スコーピオンの砂嵐を斧を振って巻き上げ、フレアを吹き飛ばした。

 

吹き飛ばされたフレアもやられっぱなしでない。自由自在に自身の長い赤髪を操り、灼熱に燃える髪の毛で狼を作り、ルーシィに直接攻撃する。それに対しルーシィはキャンサーを召喚し、狼(フレアの髪)を切り刻んでしまう。

 

だが、フレアは髪を伸ばしルーシィの足を捕らえた。そのまま振り回し地面に叩きつける。それに対しルーシィは装備していた鞭でフレアの脚を捕らえた。

 

2人は互いを空中で振り回した。フレアの燃える髪がルーシィのブーツを溶かす。

 

そして、円心力で吹き飛ぶ2人。

 

互いに大したダメージは無かった。ここまでの戦いはルーシィが少し優勢だった。

 

だが…

 

 

立ち上がったフレアは急に地面に燃える髪を突っ込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

剣咬の虎(セイバートゥース) 応援席ー

 

 

「ん?」

 

フリスは疑問に思う。フレアの赤髪の魔力が対岸の観客席の方に伸びているからだ。その場所は…

 

「……!?」

 

その光景にフリスは驚いた。

 

試合に戻ると、何故かフレアから眼を離したルーシィ。そこに急にフレアがルーシィを攻撃した。

今度は一方的に攻撃している。燃える赤髪でルーシィを捕らえ、地面に叩きつけ、鞭のように打ち付ける。ルーシィは反撃しない。観客にはルーシィが一方的にやられている光景が映る。

 

「……。」

 

フリスは眼を閉じる。そして、眼を開くとその眼は暗い青(ダークブルー)に光っていた。

 

 

 

 

 

 

闘技場ー

 

 

「(アスカちゃんっ…!)」

 

フレアの攻撃を受けながらもルーシィは反撃出来ずにいた。理由は脅迫。フレアの燃える赤髪が妖精の尻尾(フェアリーテイル)の観客席に伸びていたからだ。

その髪の先はまだ幼い子供のアスカに向けられていた。

 

 

「くく、声を出すな、魔法を使うな、

さもないと分かるよな…いくら頭の悪い金髪でも…」

 

フレアはルーシィを攻撃しながらもしっかりと意識をアスカに向けた。ルーシィは何も出来ない。

 

…大鴉の尻尾にウェンディを襲撃され、グレイも競技パートで執拗に狙われルーシィは怒っていた。絶対に勝つと意気込んで試合に望んだ。

 

勝てそうな試合だった。ズルさえなければ自分が勝っていた。

それなのに人質を取られて、何も出来ない。

ルーシィの目の前で嘲笑うフレア。

 

 

「くくくく、あーははははははっ、

 

…ん?

 

、う、うわあああああっ!!!」

 

 

「え、?」

 

嗤っていたフレアが急に地面に投げ出された。地面から長い髪が飛び出した。

 

 

「なっ!、はっ!、はあっ!?、何なのっ!?」

 

急に投げ出されたフレアは何が起きたのかわからない。それはルーシィも同じだった。が、慌てて客席を見る。そこに髪は無かった。

 

 

「!?、っ!よく分からないけどっ!チャンスっ!」

 

アスカの無事を知ったルーシィは即反撃を開始した。倒れたフレアは髪を伸ばそうとするが、キャンサーを召喚され瞬く間に切られる。

 

そして…

 

 

「開け!双児宮の扉!ジェミニ!!」

 

呼び出したのは自分と同程度以下の魔力を持つ人をコピー出来るジェミニ。ジェミニはルーシィに化ける。

 

…何故かバスタオル1枚の姿の…。

 

 

 

「何よ!その格好ー!」

「仕方ないよ、コピーした時の格好なんだから」 

「そうだった、お風呂上がりに…」

 

裸のルーシィ(ジェミニ)に男性客は物凄く盛り上がってる。

 

恥ずかしかったが、そのままジェミニと手を合わせ魔力を高めて詠唱を始める。

 

 

「天を測り天を開きあまねく全ての星々、その輝きをもって我にその姿を示せ…」

 

その詠唱を聞いて、青い天馬(ブルーペガサス)のヒビキは口元を緩める。自身の力で発動できるようになったルーシィを賞賛する。

対するフレアは怯えて防御すらできない。

 

詠唱が完成する。

ルーシィの最大の魔法

 

彼女のギルドの誇りをかけた一撃

 

 

「全天88星…光る…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大鴉の尻尾(レイヴンテイル)選手席ー

 

 

「フレアめ、使えん奴だ。」

「マスター、どうしますか、このままだと負けですよ。」

 

ナルプティングの問いにアレクセイは結論を出す。

 

 

「オーブラ、あの女の魔力を消せ、」

 

命令されたオーブラは無言で魔力を込める、ルーシィに照準を合わせた…

 

 

 

 

 

 

 

闘技場ー

 

 

 

 

「ウラノメトリア!!!」

 

ルーシィの最大の魔法、ウラノメトリアが発動された、亜空間から現れた色とりどりの星々の一撃にフレアは何も出来ずに倒れた。

 

「決まったー、ルーシィの大技が決まりましたー!フレアダウン!!、

勝者妖精の尻尾(フェアリーテイル)A!

ルーシィ・ハートフィリア!!!」

 

ルーシィの一撃で勝負が決まり、妖精の尻尾(フェアリーテイル)Aに10pt追加された。

 

 

 

 

大鴉の尻尾(レイヴンテイル) 選手席ー

 

「なっ!、オーブラっ!!何をしているっ!!あの女の魔力を消せとっ!!」

 

激昂するアレクセイがオーブラに掴みかかり、オーブラはグラグラと揺れる。

 

「キキキッ」

「何だっ!」

 

オーブラの肩に乗っているエクシードがアレクセイに何かを伝えようと指を指していた。

 

その先には…

 

 

剣咬の虎(セイバートゥース)だとっ…」

 

アレクセイの視線の先には剣咬の虎(セイバートゥース)の応援席にいる青年…

フリスがいた…

フリスの眼が暗青に光っており、魔法を発動していたのは確実だ。オーブラの魔力をガードされたようだ。

 

 

「く、くそっ!剣咬の虎(セイバートゥース)まで味方につけていたとはっ!」

「「ひぃっ、」」

 

激昂するアレクセイにビビるクロヘビとナルプティング。

 

「まあ、良い…本作戦さえ成功すれば…」

 

アレクセイは妖精の尻尾(フェアリーテイル)Bチームの選手席を見る。その視線の先には……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

剣咬の虎(セイバートゥース)応援席ー

 

 

「(あまりこういう事はしたく無いのだが…)」

 

大鴉の尻尾(レイヴンテイル)の脅迫と介入を防いだフリスはため息をついた。今回の件で完全に大鴉の尻尾(レイヴンテイル)に目をつけられてしまった。

 

 

「(ま、仕方無いな…。

星霊が気になるし…、ユキノも多分見たかっただろ…)」

 

ルーシィの星霊魔法。彼女は今回だけで黄道12門の星霊が4体も召喚していた。その上、腰を見ると他にも金の鍵が6本、合計10本も持っており、ユキノの星霊と合わせて黄道12門が全て揃う。

 

きっとユキノもルーシィの星霊と魔法が気になっていただろう。そう思ったフリスは本意では無いがルーシィを助ける事にしたのだ。

 

幸い、フリスが能力を使った事は大会側にはバレず、証拠も残らなかった。

 

 

 

 

 

だが…

 

 

 

 

「…しまったっ!」

「フリス君っ!?」

焦って急に得点を見るフリス、妖精の尻尾(フェアリーテイル)Aチームの得点が10ptと表示されていた。

 

それを見たフリスは、

 

剣咬の虎(セイバートゥース)選手席、スティング達を見る。そして、先程の試合の最後の魔法を思い出す。

 

 

 

星々の超魔法()()()()()()()

 

果たしてこの魔法に無傷でいられるメンバーが剣咬の虎(セイバートゥース)にフリス以外にいるだろうか。フリスは出場メンバーの実力の程を知っている。白竜の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)のスティングは光に耐性があるかも知れないが…

 

 

(っ!…勝たせ無ければ良かった…)

 

バトルパートの10点は大き過ぎる。妖精の尻尾(フェアリーテイル)Aを見ると勝利に盛り上がってる。恐らくルーシィは妖精の尻尾(フェアリーテイル)の出場選手では弱い方だ。残りのメンバーに剣咬の虎(セイバートゥース)が勝てるかというと…

 

大鴉の尻尾(レイヴンテイル)を勝たせるべきだった。自分達には関係無いのだから。

フリスは自分の軽率な行動を恥じた。妖精の尻尾(フェアリーテイル)大鴉の尻尾(レイヴンテイル)の争いに介入した事を後悔した。

 

 

 

 

 

 






フリス君失敗しましたね、
まあ、先輩のユキノさんが最後までルーシィの試合を見られたからセーフかな?

フリス君は強くても新人だから仕方無いです。
けど、その分頑張って貰います。
先輩達も頑張って貰うけど…




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