ようこそ支配者がゆく教室へ   作:藤村凛

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主人公のクラスはBとDで迷いましたがBにしました。Dだとムーブがほぼ龍園なので、、


入学。そして感動の再会へ

学校の敷地前に止まったリムジンから降りると少なくない視線を感じた。

「有栖、手を」

「ありがとうございます」

 

ここでエスコートしないと有栖が不機嫌になってしまうので、視線に晒されながらもエスコートする。有栖は銀髪美少女ロリだ。しかも俺も成長期に十分な睡眠を取れていないせいで身長が低い。おまけに銀髪であるため銀髪ロリショタ兄妹とか思われてそうだ。

やや注目を浴びながらクラス発表の掲示板へと進んでいく。

 

「優里くん、代わりに見てきてくれませんか」

「任せて。人混みは危ないからな。有栖は端の方で待っててくれ」

綺麗に人をかわし掲示板の前に着く。

「坂柳は・・Aクラスか。そして橘は・・Bクラスだな。よし戻ろう」

戻りながら周りの人間を見ているが1つ気づく。

「この入学者たち、美少女が多いぞ。恋愛する気は無いが目の保養にはなりそうだな。側に置くやつも美少女に越したことはないし」

 

_この男、意外と面食いである__

「有栖、戻ったぞ。有栖がAクラスで俺はBクラスだ。」

「あら別のクラスになってしまいましたか。寂しいですね」

「そうだな。クラスは違うが困ったことがあったらなんでも言ってくれ」

有栖を見ると何故か固まっている。

「おい有栖、いくぞ」

「ええ、行きましょう。__突然デレるのは良くないです(ボソッ」

学年の廊下に着く。

「じゃあ有栖、またな」

「ええ、また放課後に」

有栖と別れた後にBクラスの教室の扉に手をかける。

「初めての学校、それなりに楽しめるといいんだがな」

そして教室の扉を開けた__

 

教室に入ると既に半分以上の生徒がいて数人で会話する者、1人でいる者それぞれいた。自分の座席を確認して席に向かうと、後ろの席にイケメンが座っていた。目があったから声をかける。

「橘優里だ、よろしく」

「おお、神崎隆二だ。よろしく」

返答してくれたのでファーストコンタクトは成功だ。当たり障りのない会話をしていると先生と思しき女性が教壇に立った。

「はーい、みんな入学おめでとう。Bクラス担任の星之宮知恵でーす。この学校の保健医やってるからいつも職員室か保健室にいまーす。この学校はクラス替えがないから3年間一緒だよ、よろしくねー」

 

ゆるふわ系か、教師はお堅い人だと思っていたから想像と違うな。

自己紹介を終えた星之宮先生はプリントと端末を配布していく。

「大体のことはプリントに書いてあるから大事なことだけ説明するね。まず今配った端末はスマートフォンの機能を持った学生証だよ。この端末が身分証明、連絡、電子マネー決済を兼ねているから絶対に無くさないでね。この学校では支払いが全て電子マネーのポイントになります。まずはみんな端末のポイント残高を確認してね。」

 

そう言われてポイントを確認すると、10万ポイントだった。クラス内がやや淀めくと、

「このポイントは1ポイント1円の価値があって、毎月一日にポイントが放り込まれます!

新入生のみんなには今10万ポイントが振り込まれているはずだから確認してね。このポイントで学校の施設の利用や買い物ができるけど、卒業後には使えなくなっちゃうから気をつけてねー。」

いきなり10万ポイントを手にしたためクラス中が浮かれ、騒がしくなった。

「額の大きさにみんな驚いたかな?みんなにはそれだけの価値があるって判断されたんだよ。質問がなかったらこれでホームルームは終わりだよ__。特になさそうだね、30分後に体育館で入学式が始まるから遅れないようにね。」

そう言って星之宮先生は教室を後にした。

 

「10万円の価値があるなんて本当か?入試もそんな難しくなかったぞ。周りを見てもほとんどが凡の才覚だぞ。」

「価値」に執着している優里にとっては、凡人に毎月10万が振り込まれるなんてあり得ないと考えていた。__何か裏がある、そう考えていると、

 

「はーい、みんなちょっといいかな。これから3年間一緒なわけだしみんなで自己紹介しない?」

通る声で綺麗なピンク髪の少女がクラスメイトに向けて発言する。特に反対もなさそうなのを確認してから、

「私は一之瀬帆波です。中学は陸上部で、趣味はお菓子作りです。3年間よろしくねっ!」

完璧な自己紹介にみんな拍手する。

__このクラスのトップはこいつだな__

そう確信しつつ、他の生徒の自己紹介を聞き流す。目についたのはクールな感じの神崎隆二、活発そうな網倉麻子、ダウナーな姫野ユキ、サッカー少年の柴田颯、これくらいだろうか。あとは似たり寄ったりだな。そんな中自分の番が回ってきた。

「橘優里だ。趣味はチェスと読書。3年間よろしく」

 

体育館に向かう途中、監視カメラがやけに多いのが気になった。この監視カメラの多さはホワイトルームを彷彿とさせる。

「神崎、この学校やけに監視カメラが多いが、これって普通なのか?」

気になって神崎に尋ねると、神崎は驚きながら周囲を見渡した。

「本当だな。この監視カメラの量は異常だな。普通の学校でこの量はあり得ない。」

「だよな、何かしらの理由があるのかもな。」

そう話しつつ体育館へと向かう。

 

入学式が始まったが、まあ退屈であった。校長の長話に知らん来賓の挨拶。そう飽き飽きしていると、生徒会の挨拶の番になった。袖から眼鏡をかけた男子と小さいお団子の女子が出てきた。その女子を見て俺は驚愕した。

 

「茜お姉ちゃん・・・?!」

 

見間違えるはずがない。彼女は10年前に見た姉の橘茜そのものだ。マイクの前に立った男子が喋らないでいる中、茜は彼の後ろに控えていた。

 

__茜お姉ちゃん、生きてて__

 

自然と涙が出てくる。呆然としていると

 

__目が合った気がした__

 

もう耐えられない。他の生徒が生徒会長が話し始めないことにヤジを飛ばしている中、俺は体育館から飛び出した。

 

「茜お姉ちゃんが生きてた・・また会えた・・」

 

俺は体育館裏で座り込んでいたが、涙が止まらなかった。10年間連絡の1つも出来なかったのだ。生きているかすらわからなかった俺にとっては、茜お姉ちゃんの姿を見て激しく心が揺さぶられた__。

茜お姉ちゃんとまた話せる機会を得たのは僥倖だ。せっかくのチャンスだからこの10年の話をしよう、放課後の予定は生徒会に向かうことに決めた。

「とりあえず入学式が終わるまでここで待ってるか」

入学式が終わり体育館から出ていく生徒に混じって俺は教室へと戻った。

 

教室に戻ると神崎が心配そうに声をかけてきた。

「橘、途中で抜け出してたが大丈夫か?」

「ああ・・ちょっとお腹がSOSを出して緊急事態だったのでな。もう大丈夫だ。」

「そうか、ならいいんだけどな。他の奴らも心配してたぞ」

 

ホームルームが終わると、俺は星之宮先生から生徒会室の場所を聞き出してすぐに向かった。生徒会室に入るとそこには生徒会長と茜お姉ちゃんが座っていた。

 

「茜お姉ちゃん!!」

そう言って俺はお姉ちゃんに抱きついた。

「え・・嘘・・優里!?」

お姉ちゃんは驚きながらこちらを見てきて、目が合った。

「そうだよお姉ちゃん、、10年ぶりだね・・!」

そういうとお姉ちゃんも涙を流しながら抱き返してきた。

「良かった、、無事だったんですね・・」

 

しばらく抱き合っていると生徒会長が声をかけてきた。

「橘、そちらは橘の弟か?」

「そうです堀北くん。10年前に生き別れた弟の優里です」

お姉ちゃんに紹介されたので、生徒会長に挨拶する。

「突然失礼しました。茜お姉ちゃんの弟の橘優里です。姉とは10年ぶりに再会したものでつい・・」

「そうか、それならば何も言うまい。俺は生徒会長の堀北学だ、よろしくな」

生徒会長は挨拶した後言葉を続けた。

 

「橘優里か、入試は満点で運動と面接の評価も高い。ホームスタディでこれだけの成績になるのはにわかに信じ難いな」

生徒会長がそう言うとお姉ちゃんは驚いていた。

「確かに優里は幼少期から利発な子でしたけど・・」

お姉ちゃんが不思議そうにこちらを見てきた。そりゃそうだ。海外に行ってると思っていた弟がいきなり日本にいるのだから。ホワイトルームのことは言えないから、少し濁すことにする。

「厳しい教育施設に預けられたもので・・」

「そうか、何にせよこれだけの成績だ。期待しているぞ」

するとお姉ちゃんが連絡先の交換をしようと言うので2人と連絡先を交換した。

「これは入学祝いです!」

お姉ちゃんに言われてポイント残高を見ると20万ptが振り込まれていた。

「お姉ちゃん、、こんなにいいの?」

「ええ、お姉ちゃんはこれでも結構お金持ちなんですよ」

「ありがとう、お姉ちゃん!」

 

「橘悠里、生徒会に入らないか?お前は優秀だし、橘の弟だから信頼できる」

生徒会長から声をかけられた。お姉ちゃんは驚いているが反対の声は上げてない。

ここは悩みどころだ。お姉ちゃんと一緒にいたいが、クラスの掌握もしたい。

「生徒会に入るメリットってあるんですか?」

すると会長はニヤリとしながら

「この学校において生徒会は特権的な立場だ。学校の運営に携わるから、他の生徒が知れないことを知ることができるぞ」

 

__これは決まりだな。断る理由がない。

「わかりました。生徒会の末席に加わらせていただきます。よろしくお願いします」

「やりましたね、堀北くん!早速優秀な新入生確保です」

会長をお姉ちゃんは嬉しそうにしていた。

「橘、、紛らわしいな。優里は書紀に任命する。橘、、茜と同じ書紀だ。茜に教えてもらうといい」

「茜!!(ボフンッ」

お姉ちゃんが顔を真っ赤にして照れていた。これは楽しい生徒会になりそうだ。

「はい、生徒会書紀としてこれから頑張ります!」

 

 

あの橘茜の弟だから橘優里も善良な人間である。堀北学はそう思っていた。

純粋で昔のようにお姉ちゃん子だと、橘茜は思っていた。

 

重度のシスコンなのは紛れもない事実だった。

しかし彼らは知らなかった。橘優里が持つ歪みを。彼は坂柳家での学習を得て、王道の統治者、暴君の支配者、その両方の要素を獲得していたのだ。クラスの様子を見て王道を選んでいたに過ぎない。

 

彼の持つ大きな歪みの所以か、その仮面は完璧であった。堀北派閥のようで、根の思想は南雲の持つ思想に近い。彼が学校を支配する時、これまでの伝統は打ち砕かれるであろう。

 

 

 

 




橘茜と再会した時の優里の態度は、シスコン丸出しで完全に毒が抜けています。姉に会うために生きていたのですから。

橘茜>>(姉の壁)>>>坂柳有栖>>(恩人の壁)>>一般生徒>>(無能の壁)>>無能生徒
この序列で優里の態度が優しくなります。重度のシスコンですね。

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