ようこそ支配者がゆく教室へ   作:藤村凛

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主人公はホワイトルームで獲れられなかった知識や常識は、ホワイトルーム脱出後の放浪期間と坂柳家で得ています。
坂柳家により知識・コミュ力・常識を得た!


探検。そして支配の第一歩へ

生徒会室を出てから、上級生の教室を見に行く。目的は自分の常識の擦り合わせだ。ちゃんとした学校に行ったことがない以上、俺は上級生という存在と関わったことがない。その上受験勉強もしたことない。受験シーズンの3年生には興味があった。

 

上級生のフロアを歩きながら教室を見る。するとおかしな点に気づく。

「上級生の座席数が少なくないか?」

1つのクラスだけであれば特殊事例であるが、2年も3年も全てが明らかに座席数が40より少ない。

「それに3年生も少し様子がおかしい気がする。とても受験生の雰囲気には思えない。」

余裕そうな顔をしているか、暗そうな顔をしているかのどちらかだ。3年の4月では異様な光景なのではないか。

「と言っても小説の中と比較しただけで、実物を見たことがないからな。何とも言えん」

そう考えこみながら歩いていると人にぶつかった。

「痛っ!」

「あ、すみません。考えごとをしていて・・」

そう言って顔を上げると金髪のイケメンがいた。

 

「お前、見たことない顔だな。新入生か?」

「はい、1年Bクラスの橘優里です。」

「俺は2年Aクラスの南雲雅だ。新入生がなんでこんなとこにいるんだ?」

そう言って彼はこちらを訝しそうに見つめる。

「この学校に姉が入学していて、挨拶のために来たんです」

「そうか、橘、、お前の姉って橘茜先輩か?」

やはりお姉ちゃんは後輩にも知られているのか。当然だな(シスコン)

「そうです」

「そうか、俺も生徒会副課長だから関わる機会が多いんだ。一応連絡先交換しとこう」

連絡先を交換した後

「副会長だったんですね。俺は書紀になりましたのでこれからよろしくお願いします」

 

すると南雲先輩の目つきが変わった。まるで獲物を見つけたかのような笑みを浮かべている。

「へえ、、入学初日に生徒会入りか。面白いやつだな、ほれ」

南雲先輩から10万pt送られてきた。

「先輩、これって・・?」

「生徒会入りの祝い金みたいなものだ。気にするな」

目をつけられたのだろうか。

「ありがとうございます。それでは失礼します」

 

あの先輩はおそらく同類に近いな。人を見下す支配者の目をしていた。

「これから先関わらずにはいられないだろうな」

 

 

気づいたら日が暮れかけでいたので、夕飯を調達しようとコンビニに行く。

「コンビニも久しぶりだな。有栖にお世話になってから全く使わなくなったからな」

と懐かしんでいるとふと思い出す。

「有栖、、ヤベっ、放課後会う約束してた!!」

生徒会に行った後校内探検をしてたらすっかり忘れていた。完全なすっぽかしである。

「これは明日有栖にどやされるな・・」

なんてため息をつきながら商品を見ていると1つのコーナーが目に入る。

 

「無料商品、月に3度まで・・?」

毎月10万支給だとするとおかしい。無料商品があること、そしてその商品が月初めであるにも関わらず、幾つも取られた形跡があることだ。毎月10万はなさそうだな。

そう考えつつ無料商品を手に取る。

「シャンプー類確保はでかいな。あとは飯だけ買って帰るか」

 

寮の自室へ着きベッドにダイブする。今日の出来事だけでもわかる、この学校は普通ではない。

「いきなり10万円の支給、なのに存在する無料商品、そして明らかに減少している上級生の数・・」

この学校の情報をもう少し詳しく調べる必要がありそうだな。

 

 

翌朝、学校に着いた俺はBクラスに行く前にAクラスへ行く。そして恐る恐る教室内を除くと、後ろから声をかけられた。

「あらあら、か弱い少女との約束をすっぽかした優里くんではありませんか。おはようございます」

「おはよう、有栖。 ・・・怒ってる?」

すると有栖は笑顔で杖で俺の足を攻撃し始めた。

 

「いいえ、怒ってません、怒ってませんけども。優里くんの連絡先もわからないし、Bクラスにいないし誰も行き先知らないしで、面倒だったなんて思ってませんけど!」

「めちゃくちゃ怒ってるじゃん」

「フン!」杖で強攻撃

「痛っって!ごめんなさい、埋め合わせするから」

杖の攻撃が止む。

 

「わかればいいんです。連絡先交換しますよ。それと、今日の放課後は付き合ってもらいますよ」

「あい・・」

こればっかりは頭が上がらない。有栖には強くでれないのだ。

 

教室に入り席に着くと、神崎から声をかけられる。

「橘、昨日の放課後Aクラスの坂柳がお前のこと探していたぞ」

「ああ、それについてはさっき謝り倒してきたとこだ」

そして神崎の連絡先を持っていなかったことに気づく。

「そういえばまだ神崎と連絡先の交換していなかったな」

神崎と連絡先を交換して、今日の授業がはじまった。

 

放課後、流石に2度目はないのでAクラスへ行き有栖を迎えにいく。

「有栖、待たせたな」

「ええ、待ちましたよ。24時間」

「悪かったって」

そう言いながら有栖と歩き出す。

 

「で、どこに行くんだ」

「とりあえず、1年の他クラスを見に言ってもよろしいですか」

同じことを提案するつもりだった。やはり有栖も何かしら気づいているのだろう。

「いいぞ、俺もそのつもりだったしな」

1年のフロアを歩き、他クラスの生徒の様子を見た。

 

「AとBは真面目な生徒が多そうでしたが、CとDはやんちゃな生徒が多いですね。放課後でも少し騒がしいです」

「ここまで顕著だと何か意図を感じるな」

「そうですね、上級生の方も回りますか?」

「いや、そこは昨日回った」

すると有栖は少し頬を膨らませた。俺が先に回ったことが不満だったんだろうか。

「そうですか、ではこれからカフェでゆっくり聞かせてもらいますね」

 

カフェに着いて有栖が話し始めた。

「では昨日優里くんが何をしていたか聞かせてもらいましょうか」

こっちは尋問される側ですか__

姉と再会し、生徒会に入ったこと。上級生の座席数が明らかに少ないこと、3年生が受験生の雰囲気かないこと。コンビニの無料商品。昨日わかったことを有栖に報告した。

 

「そうでしたか。非常に有意義な情報ですね。こっちはホームルームで来月も10万貰えるか先生に聞いたら、その質問には答えられない、と言われました。」

「とりあえず、来月10万もらえないことは確定だな」

有栖も同意する。

「支給額に影響を与えそうなことに検討はついているのか?」

「生徒の実力で評価すると言っていたので、、授業態度やテストの成績でしょうか」

1日でそこまでの検討をつけているとは、さすが有栖だ。

 

「教室にある監視カメラの量からして、授業態度が厳しく見られているだろうしな」

「ええ、今朝に今言ったことをクラスに伝えたので、クラスのリーダーに近づいたと思います。」

「近づいたってことは他にもリーダーになりたいやつがいたのか」

「ええ、葛城くんという保守的な考えそうな方が」

 

保守的か、有栖と対峙してるなら可哀想だな。苛烈でドSな有栖は保守的思考にとっての天敵みたいなもんだし。

「優里くん、今変なこと考えてませんか?」

鬼畜ドSと考えただけで反応するのはなぜだろうか。

 

「Bクラスの方はどうだったんですか?」

「うちは一之瀬帆波一強だな。善良な学級委員長タイプだ」

「優里くんはリーダーにならないのですか?」

 

__見抜かれてる。

1年一緒にいたからだろうか、有栖は俺の歪んだ価値観を見抜いてる節がある。特に追求はされていないが。

「そんな怖い顔しないでください。私も似たようなものですからわかりますよ」

__これだから天才は、、

「情報提供して発言力を増してからだな。1ヶ月後あたりでクラスを掌握したい。」

「私の予定より早いじゃありませんか。私は2学期あたりのつもりですから」

やろうと思えばすぐに掌握できるのにな。対抗馬を即潰すのではなく、嬲ってから潰すのは有栖の癖だ。

「優里くんも嬲らないのですか?」

「凡人にそんな余裕はないんでな。早いとこ勝負をつける。1ヶ月後を楽しみにしててくれ」

「ええ、期待しています」

 

入学してから1週間が経った。クラスで話すのは神崎、柴田、一之瀬くらいだろうか。友達少ないな。情報収集もあらかた終わった。上級生に張り込んでいると情報を漏らすもんだな。

得た情報をまとめると、

・毎月の支給額はクラスポイントに依存

・クラスポイントは授業態度や成績によって変動。

・クラスポイントが大きく動く特別試験がある

・Aクラスが優れていて、Dクラスが1番劣っている。

とりあえずこんなものか。あとは有栖がチェス部の先輩から賭けでポイントを巻き上げたらしい。鬼畜ロリめ。

これらの情報を使ってクラスでの発言力を高めよう。まずは明日の朝のHRからだな。

 

翌朝

「それじゃあ朝のHRは終わりでーす」

星之宮先生がHR終わりにしたところでみんなに聞こえる声で質問する。

「先生、来月に支給されるポイントは10万ptですか?」

すると先生は驚いた後に答えた

「その質問には答えられないな〜」

「ではポイント変動の評価基準を教えてください」

すると先生は少し黙る。

「___その質問にも答えられないな。橘くん、放課後職員室に来てね。」

「わかりました。ありがとうございます。」

星之宮先生は教室を出て行った。

 

「おい橘。どういうことだ」

後ろの神崎から聞かれる。

「みんな少し聞いてほしい。先生が来月も10万ptもらえると断言しなかった以上、来月の支給ポイントは10万ptでない可能性が高い。何だったら減ると思っている。」

 

そういうとクラスに動揺が走る。

「ポイントが減る原因は授業態度だと思っている。根拠は教室の監視カメラと授業中の先生の態度だ。このクラスはうるさくはないが多少の私語や、スマホいじったりがあった。それでも授業中に先生が注意することはなかった。」

皆が見上げて監視カメラを見る。

 

「そして決定的だったのは俺が先生に見えるようにわざとスマホをいじったら、先生は注意をせずに手元に何か書き込んでいるように見えた。おそらく授業中で減点要素を数えている。だから授業中の私語とスマホいじり、居眠りは極力控えてほしい」

__まあ信じられないだろうな。クラスで全然喋ったことないやつがいきなりしゃしゃり出たんだから。

 

「私は橘くんの意見に賛成だよ。元々毎月10万も貰えるのは怪しいと思っていたし、説得力もある。だからみんなも協力してほしいな!」

一之瀬が俺の意見に賛同する。するとみんなも「まあ、一之瀬が言うんだったら、、」のような感じでクラスで賛同を得た。

 

「橘すごいな、俺も10万貰えないと考えていたが、あそこまでの説得力はなかった」

神崎が俺を褒めてくる。印象は上々だな。

 

__放課後、星之宮先生に色々問い詰めて答え合わせしますか

 

 

 

 

 

 

 




所持金約35万pt
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