DAL Wボイルダー外伝 デート・ア・ストライク 鳶一エターナル・美紀恵スターライト 作:天音/IA
Area AST駐屯地
「なるほどねぇ、機密情報だだもれね」
「新型リアライザ、アシュクロフト?」
美紀恵は燎子から聞いたことのない兵器の名前を聞いたためもう一度聞き直した
「美紀恵には話してなかったわね。随意領域の出力を左右させる脳波を増幅させて
通常の顕現装置では再現できない強力な随意領域とそれをコントロールできる。
つまり、これを使えばだれでも強くなれる顕現装置よ」
「単独での精霊の殲滅は今までの顕現装置ではできなかった.....でも、これさえあれば」
折紙の言葉に美紀恵は驚いて大きな声を出した
「えぇ!?じゃあ、ASTが精霊を仕留めたっていうのは嘘なんですか!?」
「まぁ......真那も精霊殺したってちやほやされていやがりますが、本当の
意味で殺してはいねーんですよ。世界一の魔術師と言われるうちのエースぐらい
でいやがりますかね。精霊を今の装備で殺せるのは」
燎子はガッと拳を握りしめ気合をいれるようなポーズを取って話した
「でも、アシュクロフトさえあれば、私達本来の活躍ができる!明日の搬入は
絶対に成功させるわよ!!」
「そんな事情があったなんて知りませんでした......私も明日の護衛任務、頑張ります!」
「あぁ......大丈夫、美紀恵はこの作戦には参加しなくていいから、自宅待機してていいわよ」
美紀恵はショックをうけたような動揺をし、燎子に対してバタバタと慌てながら言った
「わ、私が新人だからですか!?おっちょこちょいでも頑張ります!」
「......実力がない人が無茶をすると貴女だけではない、他の人にも迷惑がかかる」
「察しがわりーですね、戦力外通告でいやがりますよ」
「そ、そんな......!」
美紀恵は涙目をしながら折紙と真那に訴えかけた。ここまで来て自分の弱さというもの
を感じるほかなかった。折紙はその姿を見てかつての「彼」の姿を思い出しながら
美紀恵の眼を覗き込むように真剣に訴えた
「一年前、私は実力がない状態で無理やり任務に同行した。その結果、
私の義理の叔父は精霊に殺された。私は貴女にそのような運命を背負わせたくない。
私はその時悟った。今強くなければ戦場においてお荷物でしかない。
今の貴女がまさしくそれ。不安要素は一つでも排除しなければならない。
待機を命ずる」
「っ!!」
「美紀恵!?」
美紀恵は涙目になりながら、この場から扉を思いっきり開けて、勢いよく閉めて
走っていった。燎子は止めようとしたが折紙は隊長である彼女に関わらず
肩をつかんだ
「放っておいたほうがいい。あの子には時間が必要」
「それもそうね......さ、気を取り直して作戦を練りましょう」
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Side 美紀恵
「岡峰の一族は完璧でなければならない」
そのような言葉を昔から何回も聞かされ続けていた。だけど、私は
期待に応えられるほどの実力はなかった
小学校高学年のころ、学校の成績をお父様に見せていた。当時の私は体育が苦手で
いつも1ばっかりとっていた。
他の成績も苦手な科目だと中の上ぐらいの成績で収まっていた
得意科目は最高評価だった覚えはある。まずまずのできだと私は思っていた
「......これ以上勉学に励んでも無駄だろう。金輪際成績を見せなくてよろしい」
私は必死だった。お父様に認められる人の役に立つ人間になる。そのような
気持ちで一生懸命物事をやってきた。ダメダメでも私はそばに置いてもらえるように
頑張ってきた。
しかし、ある日、お父様は私に対して告げ口をした
「もういい、お前に期待をかけた私が愚かだった。岡峰家の恥さらしめ。
もはや私から言うことはあるまい。二度と岡峰に近づくな」
私は、絶望でいっぱいになった。私はこれから先どういきていけばいいのだろうか
そのような気持ちを持って、私の叔母の家に引っ越すことになったのだ
その後、私は何処かしら穴が空いたような毎日を送っていた。
あの火災が起きるまでは
Side out
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Area 公園
「はぁ......」
美紀恵は公園のベンチでジュースを握りながら落ち込んでいた
「やっぱり私はどこへ行っても、いつになっても役立たずなのでしょうか」
「うわぁぁ!危ない、危ないのだ!」
すると、目の前に綺麗な紫の髪をした少女が自転車に乗りながら、ベンチの
ほうに突っ込んできたのであった
Butterfly
しかし、それは男のような人の機械的な音声と共に随意領域の防壁
が少女ごと自転車を包んで浮かびあがらせ、ゆっくりとおろした
美紀恵の周りにはパタパタとロボットの蝶が飛んでいた
そして、その後を追いかけるようにパーカーの少年が肩で
息をしながらぜぇぜぇと狼狽したような素振りを見せていた
「フィリップ、助かったのだ!」
「礼には及ばないよ、自転車壊されて、琴里ちゃんにどやされるよりマシだからね
キミも大丈夫だったかい?」
「えっと、確か二人は隣のクラスの転校生の......」
「おぉ!お前はさっかぁのときの!」
「確か、君も三組の転校生だったね、名前は確か......岡峰美紀恵。
岡峰教諭の従妹だと聞いている。僕は園崎フィリップ。そして
この少女は......」
「夜刀神十香だ!」
「ふぅ.....隣いいかい?」
「あ、はい!」
ふんすと鼻息を噴出させて自慢げに話している美少女とは別に物静かにしそうな
知的な少年が本を片手にベンチの隣に座った
「あの、お二人方はなにをしていたんですか?」
「僕は、十香ちゃんの自転車の練習に付き合わされているだけさ」
「フィリップ!今日こそは乗りこなしてみせるぞ!この自転車に!」
そういった十香は自転車を立たせるとサドルの上に乗っかった後
また公園周りを一周すべく漕ぎ始めた
「全く.....少しは僕の身にもなってもらいたいものだ......」
「たいへんそうですね......」
フィリップはバックからタオルとスポーツドリンクを飲んで一息ついた
あとに、美紀恵が気になって話しかけてみた
「そういう岡峰美紀恵は、何をやっているんだい?」
「え、いえ.....ちょっと考え事を......って流石にフルネームで
呼ばれるのはやめてください」
美紀恵は悩みの種である。岡峰と呼ばれるのは何処かしら気に入らなかった
のかそのように口を開いたのだった
「じゃあ、美紀恵ちゃん、そんなに落ち込んで悩みでもあるのかい?」
「その、私、ずっと役立たずって言われてきたんです。そんな自分を
変えたくて、やっと憧れの仕事についたんですが......失敗
ばかりでそこでも役立たずって言われ.....私って誰からも必要と
されていないんですかね......?」
「......ふむ」
「すみません、おかしいですよね。知り合って間もないのにこんな話......
でも、誰かに聞いてほしくて、でないと私......」
フィリップは涙を流しながら涙声で話す美紀恵に対して顎に指を置いた
後、ゆっくりと口を開いた
「君は本当にそう思うのかい?」
「えっ?」
「自分がこの世界に必要であるか否かという選択は自分で決めるものだと」
フィリップは自分の記憶を確かめるかのように空を見上げていた
「僕は、確かに人に必要とされていた。だが、それは道具としてだった」
「え.....?」
「人間という内面を必要とされず、ただひたすら上の命令を淡々と処理していた
だけだった......そう感情も人間性も.....僕という存在が朽ちていく
そのような未来しかなかったんだ」
「そんな......!それってフィリップさんがかわいそうじゃないですか!」
「ある時、僕の恩人とその仲間が僕を牢獄から助け出してくれた
そして、僕の恩人はこう告げたんだ.......僕の罪は選択しなかった
罪だと」
空を見上げた後に本を見下ろすフィリップは近くにある水道で
火照った顔を冷ましつつタオルで顔をふいた
「.......」
「必要とされている、されてないのは決めつけられるものじゃない。
本当の意味で必要とされている仲間と共に歩きたい。その願いに無欲に手を
伸ばさなかったのが僕の罪さ。そして、それに値する相棒や仲間を見つけることができた。
美紀恵ちゃん、君にもいるんじゃないのかい?そのような大切に思う相棒を」
「私の必要とされている仲間......相棒......!」
美紀恵は一人の相棒と思える仲間、折紙のことをうっすらと思い浮かべると
美紀恵は顔が明るくなった
「大丈夫のようだね」
「あ.....ありがとうございました.....!なんてお礼したらいいのか!」
「別にいいさ。僕も少しは考えさせられたからね」
美紀恵はフィリップに手を握りしめた後、ペコリとお辞儀をする
その後、美紀恵は公園から笑顔で走っていった
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(そうですよ!なんでこんな簡単なことを考え付かなかったんでしょう!
私はいつか折紙さんの背中を守れるようにつよくなればいいじゃないですか!
今の私にもできることはあるはずです!)
「......とは言ったものの......具体的にどうすればいいんでしょう?
せめてテロの実行犯とか探せませんかね......!!」
すると、美紀恵はとっさに電柱の陰に隠れた。そこには、なんと
スカートをはいて、化粧をしてまで女装して歩くオカマを
見つけたのである。しかも、見た目があまりにもおっさんであるため
自分がオカマであると言うこともバレバレである。
「確か、アシュリー・シンクレアを援護したオカマがあのような
人だった気が......!とにかく連絡を......」
連絡を駐屯地に入れようと携帯を探ろうとするがそのままとっさに
外に出て行ってしまったため、携帯を駐屯地に忘れてきてしまって
いたのである
(どうしましょう、駐屯地に戻ろうにしても見失ってしまいます......
危険ですが、私が尾行するしかありません......!)
そういった美紀恵は早速後ろからばれない範囲で尾行を開始したのであった
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Area アパート
「克己ちゃーん、ただいまぁ!」
「やめろ!気色悪い化粧をどうにかしろ!」
「ヤダわね、この化粧はあたしのこ・せ・いっ」
はぁ、とため息を吐きながら男性はコーヒーを飲む
その隣でアシュリーがレジ袋をガサガサと探ると
中から肉まんを取り出して頬張った
「サンキュー、京水」
その隣で目を常時閉じている女性が車いすを操作しつつもヘッドフォンとPC
を顕現装置を通して操作をしていた
「さて、いよいよ明日ね......思ってみればかなりの不備があったわね」
「ったく、だからお前じゃなくておふk.....プロフェッサーマリアに
作戦を頼んどけばよかったものの......」
「なら貴方が作戦練る?克己?」
「はん、俺の作戦はお前らじゃついてこれねぇよ.....今頃あいつは
嘘の情報を流しているな」
「手薄になった基地をそのまま叩くという作戦よね。ぞくぞくしてきたわぁ」
美紀恵はそのことを部屋の外から聞いて危うく声を漏らしそうになった
しかし、すんでのところでバレずにすんでいたのかと思っていたが
美紀恵は背後からの仲間に気づかなかったのだ
「っ!!」
「よぉ」
彼は先ほどまで内部にいたはずである。仲間と会話をしていたためあまり
気にしているようには見えなかった。美紀恵はその時点で誤算を生んでいた
のである。彼女はすでに罠にかかっていたのだ
「なんでって顔しているな?それは簡単だ。俺がお前を尾行していたんだよ。
わざわざお前に気づかれないようにコソコソとな......携帯を握ろうと
したら気絶させようかと思っていたが......とんだ阿保が迷い込んだようだな
......なぁ?岡峰美紀恵?」
「っ!!」
初めて会うのにも関わらず、髪の一部を青く染めた男性の顔を見て
美紀恵はなぜか体の底から何かしらの恐怖を感じてしまっていたのであった。
これが、不死身の強化戦士の頂点と見習いAST隊員とのファーストコンタクト
である。