Blue Skies give me so much hope. 作:あーねむ 草の民
「CASにあたっていたヴァイパー7-1が被撃墜。イグラ持ちが隠れていたようです。ビーコンと位置情報報告を僚機の7-2から受けています」
「…CSARは?」
「パイロットは市街地のすぐ横に着地しています。ヘリを派遣するとなると、イグラに撃たれる可能性が」
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「ヴァイパーが落ちた!」
誰かが叫んだ。身を委ねるブラッドレーを小銃弾が掠める音の中に、微かに爆発音が混じった気がした。東の空を見れば、黒煙を引いて墜ちてく何かとパラシュートが。
『MANPADSか。とっとと制圧しないと航空支援も呼べないぞ!』
無線で誰かが叫んだ。建物を制圧した契約戦闘員が道路に停まるIFVに合流する。分隊は揃った。敵の火力は小銃とRPGのみで、車両はいまだに出てきていない。F-16がBMPを撃破してからはこちらの優位が続いている。十数人のコントラクターを纏い、2両の米国製歩兵戦闘車が瓦礫と砂、アスファルトを踏み締める。
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ブラッドレーのエンジン音は内臓まで響き渡り、決して気分の良いものではない。もちろんこの場所も。厳しい日差しに野球帽を被り直し、保持するM16A3を構え直す。
中東某国。軍をやめてから金に釣られてやってきた場所は、よりにもよって[こんなところ]だった。自分は本国勤務で基地を警備していただけだ。遠くでやってる戦争なんて無縁だったって言うのに。いざ軍を辞めてみれば、就ける職なんて碌なものがない。結果、まるで軍みたいな規模の民間軍事請負業者に応募した。
「今にしてみれば、それが運の尽きだったな」
そんな呟きも、鉄の怪物の唸り声がかき消し、砂の街に消えていく。
「どうした。自分で仕事を選んだんだろ?」
前を歩く、サングラスをかけたコントラクターが振り向く。彼は一昨年まで東欧にいたそうだ。ドイツ連邦軍として、ランブイエ和平合意に基づいた派遣だったと、彼はレーションを流し込みながら語っていた。
「そう言うもんじゃないのさ。職場が思った通りじゃないのなんて、よくあるこったろ?」
「ちげぇねぇ」
ドイツ人らしくない豪快な笑い(これも私のステレオタイプかもしれない)に辟易とすると、彼は前に向き直った。
「コンタクト12時!瓦礫の奥に!」
突然彼が叫ぶ。咄嗟に膝立ちになり、ライフルを構える。右目でアイアンサイトを覗き込み、左目で索敵。既にドイツ人のMINIMIが弾をばら撒き始めている。左目が人影を捉える。ヤシのような木の後ろ、コンクリート片が積もった山を遮蔽にこちらを見ている。手には特徴的な__
RPG-7。
「見えた!木の後ろの瓦礫だ!」
敵を認めたらしい味方が発砲を始める。自分も撃つが、そう当たるものではなかった。
一際大きな銃声が鳴る。同時に敵が倒れ込み、RPGを路上へ放り出した。暴発。地面を滑るように発射された弾頭は偶然にもこちらへ。
「クソが!こっちに来るぞ!」
と思ったところで爆発。アスファルトに穴を穿った形になる。どうやら放置されたバイクに当たったらしい。あのバイクにあったIEDの嫌疑も晴らしてくれた。
「点数を上げたのは誰だ?」
誰かがそういうと、後ろにいたアジア人が手を挙げる。
「俺がハージーの頭を吹っ飛ばしてやったぜ」
スコープのマウントされたM14を持った彼は誇らしげに声を出した。
「最初に見つけたのは、俺なんだがな」
ドイツ人が忌々しげに選抜射手を見る。サイトもマウントされていない分隊支援火器では正確な射撃は難しいだろう。
そんな会話をしながらも警戒する。
「前進再開だ」
ブラッドレーが再びうなりを上げて動き出す。無線は新しい報告を流していた。
待ってる人がおられたかはさておき、間がかなり空いてしまいました。
再開してやるぞあーねむ。