Blue Skies give me so much hope. 作:あーねむ 草の民
そうですか…
午後2時、格納庫のシャッターが開き、視界に光が溢れ出る。眩しいのでヘルメットのバイザーを下ろし、ついでにHMDをーの動作を確認する。スタートアップの手順はほとんど完了しているため、空に上がったらMFD(多目的ディスプレイ)の設定をするだけで済む。
無線設定を基地管制塔に合わせ、連絡を行う。
「こちらヴァイパー7-1、タキシング許可を」
自分のコールサインを言い、発進許可を求める。無線特有のざらざらとした音と共に、管制官らしき若い男の声が聞こえる。
『ヴァイパー7-1、こちらコントロール。タキシングを許可』
その声を聴きながら、エンジン出力を少しあげて格納庫から出る。キャノピー越しに空が見える。雲一つ無い青空。キャノピーの枠が少なく、視界がいいと言うのもF-16が好きなポイントだ。ただINSのアラインにだけ数分の掛かるのは何とかならないものか。
滑走路に向け標識と無線に従い進んでいく。機体が転倒しないようにゆっくりと曲がらねばならない。そうこうしているうちに、滑走路にたどり着いた。後ろに2番機のホウェットストーンが控えているので急いで飛ばなくてはいけない。
「コントロール、ヴァイパー7-1。離陸する」
『ヴァイパー7-1、コントロール。グッドラック』
激励の無線と手を振る整備士たちの姿を横目に、エンジンスロットルを一気にあげ、離陸する。徐々に加速していき、浮遊感を感じる。
「ギアアップ」
ランディングギアを格納し、飛び立つ。AOA20度で上昇していく。
無線によると後続のヴァイパー7-2も滑走路に着いたらしい。8000ftまで上がり、1度姿勢を水平に戻す。MFDの設定をし、左MFDに兵装情報を、右MFDにレーダーを表示する。
『こちらヴァイパー7-2、7-1の7時につくぜ』
「1了解。だいぶ不機嫌そうだったな、2?」
『あの司令のおっさんが嫌いなんだ。まぁなんだ、仕事はするさ。お前の周りを飛ぶだけだがな。』
AMRAAMとサイドワインダーを吊り下げた2番機が、後ろから近づいてくる。今回の仕事は迎撃機がくる可能性がある。そこでUSMI側はSEAD機に護衛機をつけた。FOCが東側諸国から戦闘機を提供されているからだ。同じようにSAMやAAAも大量に貰ってるらしい。それを今日破壊するわけだが。
一面荒野。北を正面としている自分たちにとって左側、つまり西には山脈がある。これを使ってSAMを回避するといいだろう。
「2、そろそろ射程に入る。離脱して後方空域で待機せよ」
『2、コピー。旧式のクープなんかに落とされんなよ』
「意外とあるからなぁ。湾岸戦争しかり、モガディシュしかり」
『モガディシュはちげぇだろ。まぁいいや、2、離脱する』
後ろを見ると、2番機がブレイクして西側遠ざかっていく。
「さぁ、勝負だ。増槽投棄。」
特徴的な音と共に、RWRがレーダーの感知を知らせる。ディスプレイに映るのは[6]の文字。つまり2K12、「SA-6クープ」示している。現在高度15000ft、HARMでレーダー発信元をロック。HUD上に射程を示す長い縦線が示され、その中央上に現在の距離を示す矢印が浮かぶ。射程は十分。
「ヴァイパー7-1、レーダースパイクSA-6。マグナム」
発射コールと共に機体からミサイルが射出される。しばらく斜めに登ったそれは、モーターを停止させ敵航空基地へ下降を始める。
瞬間、機内のRWRがけたたましく鳴る。赤く光る警告灯には『launch』と書いてある。ミサイルがくる。
「ヴァイパー7-1、ディフェンディングウェスト」
言い切る前に操縦桿を倒し、左へブレイク。クランクの要領で北からのミサイルから垂直に、西の山脈へ逃げ込む。この間にチャフを2秒間隔で撒き続ける。
山脈へ着いた。谷を縫うように南へ飛び、敵のレーダーから遮蔽をとる。警報が鳴り止んだ。恐らくSAMは外れる。HARMが命中したか確認するため、敵基地周辺に潜伏する味方偵察部隊に連絡をとる。無線を地上部隊周波に合わせ、
「アサシンズ3-6、こちらヴァイパー7-1。BDAを頼む」
少し間を起き、ざらざらとした雑音の後に歓喜を孕んだ声が聞こえた。
『こちらアサシンズ3-6、命中!命中!敵車両炎上中!レーダー車の1S91がやられたんだ。ミサイル発射機はただの鉄屑だぜ!』
「7-1了解、大声出して見つかるんじゃないぞ。アウト」
念には念を。自機を東へ向けて山脈を出て、敵のレーダー効果範囲だった空域に機体を晒す。RWRに反応はない。この基地に戦闘機は配備されていないようだが、他はどうかな。
『こちらヴァイパー7-2、レーダーに反応あり。3機のMIG-29だ』
「7-1了解、距離は?」
『2、敵編隊距離60マイル』
「1了解。とっととずらかるぞ」
南に機首を向け、スロットルをあげる。山脈に沈みつつある西陽が、荒野と2羽の鉄の鳥を赤く染め上げている。
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F-16の無駄のない感じが好きなんですよね。