Blue Skies give me so much hope.   作:あーねむ 草の民

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 定期考査?知りません知りません。私はもう、いいのさ…(悟り)


On the ground3

 東から上りくる太陽が地平線を乗り越え、空に現れる。差し込む光は砂で覆われた不毛な大地を照らす。そこにあった軍事基地さえも。

 

 朝、壁の上部にある小さな窓から差し込む光で目が覚める。ベッドから体を起こして、伸びをする。朧げだった意識が徐々に覚醒していき、世界がはっきりとした輪郭を取り戻す。部屋には時計の規則正しい音のみが響いている。

 

「…ふぁ」

 

 やや硬めのベッドから体を起こし、時計を見る。時計は午前6:23を指し、まだ予定の起床時間より早いことを示す。しかし、基地の人達はもう起きて働いている。自分も起きるべきだと脳が信号を流し、ベッドから立つ。部屋にある洗面所で顔を洗い、歯磨きをする。

 両親は生きているだろうか。あれじゃ生きている可能性はかなり低いだろう。記憶が蘇る。皆んなで平和に暮らした日々、母に起こされた朝。思い出すと苦しい。洗面所の鏡には涙が映っていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 人々が行き交う通り、その両端には砂埃に塗れた廃墟のような建物が並ぶ。通りに溢れる人々は皆市民のように見えるが、ゲリラも紛れ込んでいるだろう。その人流の真ん中を、USMIの社章が付いたハンヴィー達が堂々と通る。

 

「こちらゲイト6-4、ポイント7を通過。異常なし」

 

『コントロール了解、巡回を継続せよ。応答不要、アウト』

 

「はぁ、めんどくさそうに喋るなぁこいつ」

 

 無線を担当するロッカーは塩対応を決め込む基地の無線手に助手席で悪態をつく。窓の外には大量の人がおり、前方の群衆は渋々と言った様子で道を開けていく。

 

「そーだ、どいてくれどいてくれ。これじゃ邪魔でパトロールにもならん」

 

 運転席の壮年の兵士が面倒だという顔をして呟く。この状態で爆弾テロを喰らいたくはないなとロッカーは顔を顰める。

 

「なぁギブ。これって俺らいい的なんじゃねぇのか?先頭車両だぜ?」

 

「そうだなロッカー。ただもし撃たれても、運が良ければカラシニコフを持った馬鹿を上の50口径が吹っ飛ばしてくれるかもしれねぇ」

 

「RPGだったらどうする?こいつにAPSなんてねぇぞ?」

 

「そん時は逃げるさ」

 

「ちげぇねぇ」

 

 そう言って2人は笑う。目は外を見て、警戒を怠らないまま。

人が減ってきた。周りを歩く人間が明らかに少なくなっている。違和感を感じたロッカーは人々を注視する。いそいそと家に入る人、その場から離れようと路地裏に入る人。

 

「くそ、何か変だ。ゲイト6-4より全車、全周警戒」

 

 車両上部にあるOGPKが左右に動き、銃座につく兵士が四方八方へ12.7mmの銃口を向ける。車両は気持ち速度を上げ、大通りを駆け抜ける。角を曲がり、急に停車する。

 

「あぁ今度はなんだギブ」

 

「バリケードだよクソッタレ」

 

 角を曲がってすぐのところに、大通りを完全に封鎖するように建てられた即席バリケード。自転車やタイヤなどの雑多な物を積んでいるようだ。

強行突破しようものならIEDがあるかもしれない。迂回するしか方法はない。後部座席の方を向き、銃座に声をかける。

 

「ネイト!何か見えるか!?」

 

「いえ、何もいません!」

 

 機関銃手から報告を受ける。

 

「ギブ、迂回して行くぞ。ゲイト6-4から全車、バリケードを迂回して基地へ戻る」

 

 戦闘になる前に撤退する方がいいと考えたロッカーは迂回し、基地に戻ることにした。ロッカーの車両がターンを始めた、その瞬間。

 突然ロッカーの背後で、何かが落ちる音がした。銃声。座席越しに後ろを見ると、銃座にいたネイトが車両の中に転げ落ちたようだ。ヘルメットの正面に穴を開けて。

 

「狙撃だ!!急げ、来るぞ来るぞ!!」

 

「ターン終わった、行くぞ!」

 

 バックミラーを見ると、バリケードの奥にある2階建ての建物、その2階に人影が確認できた。

 

「6時方向、RPG!全車、RPG!バリケードの向こう建物2階!」

 

 バックミラーに白い煙が映る。空気を切り裂き、バリケードの真上を通った弾頭が、ロッカーの車両に続いてターン中だった2号車の、フロントガラスに突き刺さる。

 爆発。背後で2号車が爆発するところをミラー越しに見たロッカーは動揺する。

 

「6-5ダウン!!他の車両は急いでターンしろ!」

 

「ロッカー、周りを見ろ!」

 

 窓から外を確認する。左右の建物から人が出てくる。屋上を人が駆けていく。全員AKを持っているのが見える。

 

「誰か50口径につけ!!」

 

「自分が着きます!」

 

 後部座席にいた若い兵士がM4を席に置き、銃座に上がる。

 

『こちら6-6、囲まれています!どうしますか!?』

 

「着いてこい、とっとと脱出する」

 

 ロッカーは努めて冷静になる。この街は入り組んでいて、路地が多い。

地図を開き、道を確認する。弾丸が車体に掠る音が聞こえるが気にしない。

 

「大通りを南下する。こっから2本目の十字路で左折しろ」

 

「オーケーロッカー。信じてるぜ相棒」

 

 混沌とした迷走が始まる。




 市街地…車両隊…迷走…うっ頭が(蘇る1993年のモガディシュ)
定期考査で死にました。試験範囲が違うって…話が…違うっすよ…
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