ヘタレとポンコツのB級ランク戦   作:黒霧春也

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2話・レッツゴー、逃走中!

 転送時間になったのでランダム転移。

 俺・桐沢悠治が転移された場所は南東エリアであり、バックワームのマントを翻しながら屋根に登る。

 すると目に映るのは一面白銀の雪が降り積もる展示場Bエリアだった。

 

「アイツらやりやがったな……」

 

 ある意味で予想通りの天候・雪。

 積もっている雪は30センチほどでトリオン体なら遅くはなるが走れないわけではないが。

 俺の戦い方的にメタられた感じがするので、内心で苦笑いを浮かべながらオペレーターの凛花に通信を飛ばす。

 

『レーダーを見る感じ他の部隊は動き始めたよな』

『ええ、ここから近い相手を狙っていくの?』

『そうだな……』

 

 ここから一番近い相手がコチラに近づいてくる。

 そうなると動きがバレている可能性もあるが、バックワームを着ているのでレーダーには映ってないはず。

 なら不意打ちのチャンスだと思い、メインのアステロイド(突撃銃)を起動しながら建物内に戻る。

 すると薄緑色の隊服をきたツンツンヘアーの少年・笹森が左右を見ながら走ってきたので、外からはマジックミラーになっているので後ろに向いた瞬間にM4・パトリオットのトリガーを引いていく。

 

「なっ、しまった!?」

 

 サブトリガーをバックワームからサイレンサーに切り替え、俺の姿がレーダーに映る前の数秒間の間。

 こちらの射撃音がゼロになるサイレンサーを起動しながら、アステロイドの弾丸が笹森の体を勢いよく貫く。

 何発かは集中シールドに止められたが、威力に振った弾丸はイーグレットレベルの威力があるため、並のトリオンレベルが使うシールドなら数発で砕ける。

 その結果、笹森のトリオン体にヒビが入って周りに煙が舞う。

 

『笹森君がベイルアウト。ウチに点が入ったけどコチラに二つの丸が近づいてくるよ!』

『いつものパターンでいくぞ』

『了解!』

 

 俺はサブにバックワームを着直した後。

 右手のM4パトリオットはそのままに、メイントリガーのスロットをダミービーコン(試作)に変更。

 丸っこいソフトボールみたいな球体を数個置いた後、中央部分にある大きな展示場に向かっていく。

 その時に足跡がつくが、他の部隊は合流を優先しているみたいで動きやすい。

 

「少しきついな」

 

 いつもと違って雪に足跡が残る。

 そう思っていると左奥からキラッと光ったので、俺はメインに装備しているシールドのエネルギーを集中させて狙撃を防ぐ。

 

「おいおい、コッチの動きがばれてないか?」

『そりゃ見渡しのいい展示場Bならこうなるわよ』

「だろうな! っと、追加で点が3つコチラに来てない?」

『嵐山隊か林道隊かわからないけど頑張って逃げてね』

「このヤロ!?」

 

 ひとごとだと思いやがって!?

 ただコチラも中央にある展示場に到着したので扉を蹴り壊して中に入っていく。

 その時にガシャリと音がして振り向くと、灰色のジャージにハーフパンツ……追加で孤月バックワームを装備している身長150センチほどのツインテールの少女・林山隊のアタッカーである加賀由香(15歳)と目があう。

 

「「あ」」

 

 互いに一瞬固まった後。

 俺は冷や汗をダラダラと流しながらバックワームを解き、メインのアステロイド(突撃銃)のトリガーを引く。

 すると加賀はフルガードをしながら壁際に逃げたので、追いたい気持ちが湧き上がる。

 ただ俺が使うM4パトリオットの装填数は18発なので、俺は打ち切ったタイミングでリロード。

 

『つっ!? 後ろ!』

「そっちか!」

 

 展示場に入ったタイミングで襲われるとは。

 レーダーを確認して見えない相手がいる方向へアステロイドを放っていくが、相手の方が早かったのか隠密トリガーであるカメレオンを解除してフルガードでコチラの弾丸を防いだ。

 

「やっぱり一筋縄では行かないわね」

「でも今はボク達の方が有利だよ!」

 

 林山隊の双子アタッカー、加賀由香(15歳)とストレートカットで顔立ちが整っている茶髪の少女・加賀柚子(15歳)

 アタッカーとしての能力はソロではそこまで強くないが、連携となると東隊の2人並に強くなる。

 そのためあんまり会いたくない相手なので、俺はサブトリガーのメテオラを起動する。

 

「悪いけど今はお前らと戦うつもりはない!」

「ちょっ!? 可愛い少女相手に逃げるつもりですか!?」

「当たり前だろ!」

 

 メテオラを4×4×4の64分割で周りばら撒いた後。

 コチラに接近してくる双子を巻くためにカメレオンとバックワームを使って全力で逃走していく。

 

『鬼ごっこみたいね』

『無駄口を言ってないで林山隊からの不意打ちしてきそうな場所を上げてくれ』

『了解!』

 

 ぶっちゃけM4パトリオットを捨てて全力で逃げたい。

 ただ銃を捨てると作り直す時にトリオンが消費するし、不意打ちされた時に対応ができなくなる。

 そのため今はメインをシールドにしながら展示場内を全力で逃走していると、左の廊下から弾丸が飛んできたのでシールドを使って防いでいく。

 

「ちいぃ! やっぱり陰湿相手に不意打ちはキツイか!」

「はっ、これでやられたらNo.3ガンナーにはなってないだろ」

「そりゃそうか! で、ここでアタシと撃ち合いをするのか?」

「まさか? お前の仲間達に追われている中で戦うつもりはない!」

 

 マスタークラスのガンナー&林道隊の隊長・林山瑠奈(17歳)。

 見た目は黒髪ロングで高貴そうな見た目をしているが、本来の性格は豪快で男勝り。

 そのため弓場隊の藤丸さんみたいな扱いになっているが、本人はそこまで気にしてないのか突撃銃片手に追いかけてきた。

 

「ほらほら! 美しい美女に追われるって男として問題だろ!」

「お前だけならともかく双子のアタッカーもいるから戦いたくないんだよ!」

「モテモテでいいじゃねーか!」

「こんなモテ方を好むのは生駒さんぐらいだろ!」

 

 いつもカメラ目線で普段は抜けている生駒さん。

 ただアタッカーランクは5位の実力者なので、戦闘になれば別人のように頭が回る人。

 ウチがたまにB級上位になった時に戦ったが、その時は南沢を落としたせいで執着されて追いかけ回された。

 その時の記憶を思い出すが、今は林山隊に追いかけられているのでフルガードで全力で逃走……。

 

「男なら正々堂々と戦いやがれ!」

「それならせめて4人がかりで攻撃するのはやめろ!」

「だが断る!」

 

 林山が突撃銃で放ってくるアステロイドをフルガードで防いでいくが、流石にシールドの耐久力がやばいのかヒビが入ってきた。

 そのため俺は曲がり角を右に曲がった後、覚悟を決めてアステロイドを放とうとするが。

 

『警戒、林道隊のアタッカー2人が消えているよ!』

「マジかよ!? って、やべぇ!!」

「「旋空孤月!」」

 

 目の前からバックワームを解除しながら伸びる斬撃を放つ双子。

 俺は壁を蹴ってなんとか回避するが、機動力が高い2人は孤月を持ちながら追いかけてきた。

 そのため林山隊の3人と中央展示場内を逃走していると、凛花から通信が飛んでくる。

 

『諏訪隊が嵐山隊の佐鳥君を落としてコチラに向かっているわ!』

『おいおい!? そうなると嵐山隊もコッチに……っと!』

「この距離の不意打ちを回避するの!?」

 

 あ、危ねぇ!

 バックワーム&スコーピオンの不意打ちを仕掛けてきた木虎の攻撃を回避した後、回し蹴りを放って彼女を吹き飛ばす。

 ただ彼女は上手く立て直し、右手に持つハンドガンでアステロイドを撃ってきたのでメインのシールドで防ぐ。

 

「わたしのトリオンじゃ桐沢先輩のシールドを割れない……」

「トリオン8のシールドが簡単に破られたら終わりだろ!」

「ぐっ! ならスコーピオンで!」

 

 メインでアステロイドを放ちながらサブのスコーピオンを起動する木虎。

 ただ少し遅かったのか……いや、経験が足りなかったのか、バックワームで近づいてくる奴らに気づいてなかった。

 

「「旋空孤月!!」」

「なっ!?」

『トリオン体活動限界、ベイルアウト』

 

 林山隊の双子アタッカーから放たれる旋空孤月。

 この一撃をまともに受けた木虎は腹を真っ二つにされてトリオン体にヒビが入った。

 そして木虎のトリオン体は白い光を纏いながら勢いよく離脱していく。

 

「これって漁夫の利だよねー!」

「そうだけど林山隊長の命令である桐沢先輩を落とせてないわね」

「なら速攻でカタをつけるよ!」

「ええ!」

 

 孤月を構えながら突っ込んでくる双子。

 その動き方はB級中位レベルなのだが、連携してくる分かなり厄介。

 なので俺はサブの弾トリガーであるメテオラをばら撒きながら、さっきと同じく逃走するのだった。

 

 

 

 

 

 

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