ヘタレとポンコツのB級ランク戦   作:黒霧春也

3 / 3
3話・メタを貼られた状態でソロがB級中位で生き残るのはほぼ無理ゲーでは?

 10月10日・B級中位のランク戦ラウンド2(現在の得点)

・嵐山隊、0点、2デス(木虎・佐鳥)

・桐沢隊、1点、0デス

・諏訪隊、1点、1デス(笹森)

・林山隊、1点、0デス

 

 ーー

 

 戦況は人数が多い林山隊が有利ではあるが、俺を追いかけ回しているせいでその有利さが薄れている気がする。

 なので孤月で斬りかかってくる双子へ、揺さぶりをかけていく。

 

「2人がかりで俺を狙うのは卑怯じゃないのか?」

「そう思うならさっさと斬られて死んでください」

「流石にそれは嫌だな」

 

 サブにセットしているメテオラの時間差射撃で爆破しながらひたすら逃走するが、双子は執念深く追いかけてくる。

 なので林山の射撃に注意しながら中央展示場内を逃げ回っていると、目の前のゴミ箱の影からキラリと光りが見えたのでメインの集中シールドを貼ったのだが、綺麗にぶち抜かれて左腕が飛んで行った。

 

「ぐっ!? イーグレットで俺の集中シールドは抜けないはず……」

「それがわかっているからアイビスを用意したんだよ」

「ははっ、これはやばいな」

 

 直撃は避けたが左腕の肘の下が吹き飛んだ。

 そこから黒色の煙が漏れており、使えるトリオンがどんどん減っていく。

 しかも今回の場合は外に逃げても深い雪で足跡が着くから隠密トリガーであるカメレオンも効果が薄い。

 そうなると今回の場合は詰みっぽいので、俺は中央ホールで立ち尽くす。

 

「こりゃ年貢の納め時かもな」

「そう思うならさっさと死ね!」

 

 アイビスを消してアステロイド(突撃銃)を持つ林道。

 しかも反対側からは双子が孤月で斬りかかってくるので、俺はメインのシールドで弾丸を防ぎながらサブでメテオラを起動。

 そのままヤケクソ気味に周りにはなった後、バックワームを起動して林道の方に近づく。

 

「あいつどこに!」

「ここだが?」

「つっ!? しまった!」

『トリオン体活動限界、ベイルアウト』

 

 逃げれないならせめて相打ちに持っていく。

 俺は林山の死角になる場所からサイレンサー&アステロイドを放ち、咄嗟に貼ったシールドから外れる足を攻撃。

 体勢が崩れたところにトドメを刺すように残った弾丸を放ち、なんとか林山をベイルアウトに持っていく。

 

「後は2人から、ってしまった!」

 

 アイツ、やりやがったな。

 後は頑張って逃げるだけ、そう思っていたが足にワイヤーが絡まって動けない。

 そのため双子から放たれた旋空孤月をまともに受け、俺はそのままベイルアウトする。

 

「最初に桐沢先輩を見つけてくれた美里ちゃんには感謝だね」

 

 やっぱり最初の狙撃は相澤だったのか。

 ベイルアウトの光に包まれながら、俺は思わずため息を吐きたくなるのだった。

 

〈ラウンド2の結果〉

・嵐山隊、4点(加賀姉・諏訪・堤・相澤)&生存点2=6

・桐沢隊、2点(笹森・林山)

・諏訪隊、2点(佐鳥・加賀妹)

・林山隊、2点(木虎・桐沢)

・・生き残りは嵐山・時枝

 

 ーー

 

 試合が進み。

 結果的に今日は嵐山隊の勝利に終わったが、俺は隊室で花梨と共に実況席にいる3人の感想を聞いていく。

 

『今回の結果は嵐山隊が6点、桐沢隊が2点、諏訪隊が2点、林山隊が2点の結果になりましたが、お二人は今回の試合はどう思われましたか?』

『うーん、まずは林山隊が露骨に桐沢君をメタったところに驚いたね』

『ほうほう。そうなると遮蔽物が少ない展示場Bと天候・雪は上手く行ったのですか?』

『マップと天候は上手くは行ったと思いますが、桐沢先輩が異常に粘ったのと林山先輩と交換になったのが痛かったはず』

 

 マジで林山を落とせたのはヤケクソだったがな。

 というか今回は雪で動きが鈍ったのと、カメレオン対策をされたのがだいぶきつい。

 その辺があったからいつも通りの動きが出来なかったし、ほんとアイツらはいやらしいな。

 

『流石No.3ガンナーという所でしょうか?』

『ま、まあ、おれが同じ条件で戦えと言われた二宮さんが来ない限りは普通に落とされるよ』

『あの状況で粘れるのはA級でもあまりいません』

『なるほど! そうなると林山隊は桐沢隊長に時間をかけすぎたのが敗因だと?』

『そこは微妙なところで、放置すると漁夫られるから今回の方がマジではあるんだよね』

 

 おい、犬かってない。

 お前、めっちゃニヤけ顔で嬉々として話してないか?

 まあでも、ある意味で犬飼の言う通りではあるので、内心で突っ込みながらも黙って解説を聞いていく。

 すると犬飼の右隣に座っている烏丸が真顔のまま2人の会話に混ざり始めた。

 

『まあでも今回は嵐山隊の勝利なので、ソッチの話をするのも良さそうですね』

『ですねぇ。ちなみに烏丸先輩には嵐山隊の勝利はどう見えますか?』

『一つ目は諏訪隊に射程勝ちして押し切ったところです』

『あー、最後の撃ち合いは嵐山隊が射程を使ってゴリ押しましたからね』

『そうです。他には戦況が混乱した分、連携が取れている嵐山隊長&時枝隊員組が中盤以降の流れを持っていきました』

 

 大体は烏丸の言う通りだな。

 そうなるとウチに足りないのは人員だが、ぶっちゃけ当てはあるけど難しい。

 なのでこのままB級中位止まりになる……うん、凛花の表情が沈んでいるな。

 

「ごめん悠治……。わたしが優秀だったら逃げ回る戦い方をしなくてもよかったよね」

「うーん、この戦い方で満足しているし問題はないぞ」

「その言い方だと無理してない?」

「さあな? でも無理をしているのはお前もだろ」

「ははっ、やっぱり気づかれていたのね」

 

 そりゃ小さい頃に転生した時から幼馴染として付き合ってきたからな。

 ボーダーに入ってからも色々あったが、なんだかんだ凛花とやってこれたのは楽しかったしな。

 そう思っていたが本人は思うところがあるらしく、微妙な表情で頷いていた。

 

〈ステータス〉

・桐沢悠治(きりさわゆうじ)

・年齢は17歳(犬飼と同い年)

・誕生日は5月2日

・家族は父親、母親、本人、妹

・隊服は藍色のジャージに黒いズボンのシンプルスタイル

・ランクはB級10位(暫定)

・ポジションはガンナーでランクはNo.3

《トリガーセット》

・・メイン

・アステロイド(突撃銃)、カメレオン、シールド、ダミービーコン(試作)

・・サブ

・バックワーム、サイレンサー、シールド、メテオラ

 ーー

・ステータス

・トリオン8

・攻撃8

・防御・援護7

・起動7

・技術8

・射程3

・指揮6

・特殊戦術5

・トータル、52

 ーーーー

・名前、一条凛花(いちじょうりんか)

・年齢は16歳(主人公と同い年)

・誕生日は12月15日

・家族は、父親、母親、本人、弟、弟、妹、妹

・ランクはB級10位(暫定)

・ポジションはオペレーター

 ーー

・ステータス

・トリオン1

・機器操作7

・情報分析8

・並列処理5

・戦術7

・指揮6

・・トータル、33

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。