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時は過ぎ四月。雄英の制服を見に纏ったミミックは別の緊張で震えていた
「ほらミミック!笑って笑って!」
「ス、スピリット、これでいいの?」
「ぃよし!いい笑顔じゃん!!3!2!1!」
パシャリと取られた写真は、ニコリと笑ったミミックと、背景には朝焼けの海辺で、高校生活最初で最高の写真がそこにあった。
「うん!良い!」
『スピちゃん後でポルにも見せてー!』
『あーしも!』 『あたいもー!』
「とりあえずみんな戻って、私そろそろ行かないと」
いつになってもポルターガイストとツインズの2人はムードメーカーでありみんなの癒しである。
「よし…行くよ!雄英に!!!」
入試以来の雄英だが、相変わらず門の大きさにビビり散らかす。しかし入試と違って今はもう雄英生であり、立ち止まる時間も前よりかなり短縮された。
「えーと教室は…A組か」
壁に掲げられた新入生名簿の所を見る。名前の横に1-Aと書かれており、その教室に向かう。5分ほど歩いただろうか、Aと大きく書かれたドアを見つける
『大きいわね』
『こりゃ重そうやな。蹴飛ばすか』
『幽霊絶対やめて』
『ジョーダンやん』
ミミックが引き戸に手をかけると、意外とすんなり空いて拍子抜けである、が
「…誰も居ないや」
『そりゃ始業の1時間前ですよ。居る方がおかしい』
ジンに冷静に突っ込まれるが、まぁよく考えても1時間前に居る人は確かにおかしい。そう思って机に座った途端にガラリとドアが開いた
「む。既に1人居たか。ぼ…俺は私立聡明中学校出身の『飯田天哉』だ!」
「私は市立椿中の須藤萌豊です。よろしく」
「須藤君か…あ!そういえば君!0ポイントの仮想敵に向かって1発殴りを入れていたな!あれは見事だった!」
「あ、あれは私…というか、私の個性というか…」
返答を濁すミミックに飯田は首を傾げる。これからクラスメイトになる人だしと、ミミックは腹を括って話し始めた
「私の個性は『模倣』。自分の中に居るゴースト達を操れたり、自分が真似したり出来るんだ。でもちゃんとそれぞれ弱点はあるし…いや、無い子も居る。でもみんないい子だよ?」
その話をすると飯田は固まる。あれ、もしかして幽霊系とか苦手だったのかな?
「あのー、飯田くん?」
「…いや、個性なら有り得る話だ。大丈夫…」
(その反応多分ダメな人だな?)
飯田はぎこちなく席に座る。ミミックは申し訳ない気持ちになりつつも席につく
『ミミック。あのメガネ絶対堅物じゃね?』
(そうかも知れないけどそういうのは思うだけだよスピ)
『そーだけど、あーゆーのって髪もプライドもガッチガチに固そうじゃない?』
(だとしたらちょっと面倒だけどね。聡明中って確かエリート校だし、頭も良いんだろうなぁ)
『ミミックはずっとジンに答え教えて貰ろてるからなぁ。1種のカンニングやで』
(しょうがないじゃんジンが教えてくるんだから)
『入試もそうしましたからね』
(ジン頭良すぎるからテストヌルゲーだよ)
ゴースト達と雑談していると、また扉がガラッと空く。そこには肘がゴツめの男子が居た
「あれ、割と人いないんだな。俺は瀬呂範太!よろしくな!」
「俺は私立聡明中学校出身の飯田天哉だ!よろしく!」
「須藤萌豊です。よろしくお願いします」
一応初対面なので敬語を使うが、後にレイスに『敬語じゃなくても良かったんじゃない?』と突っ込まれるが今は気にしないでいた。
「よっと、須藤だっけか?よろしくな」
「よろしくお願いします」
「…えいやっ!」
『!?コラポルター!出るでない!』
あまり暇が好きじゃないポルターガイストはこっそり実体化し、鬼の静止を聞かずに瀬呂の筆箱を教室の隅まで吹っ飛ばした。
「うおっ!?俺の筆箱が飛んでったぞ!?てか誰君!?」
「あ!?ちょっとポルター!迷惑かけちゃいけないって言ったでしょ!?」
「だって暇なんだもーん…ツイちゃん達も寝ちゃったしさぁ…」
ぶーと頬を膨らませ拗ねるポルターガイスト。ミミックは注意しつつ瀬呂の筆箱を拾いに行く
「ごめん瀬呂くん。うちの子が…」
「いやいいよ。全然大丈夫」
「え!お兄ちゃん遊んでくれるの!?」
「ちょっとポルター…!」
「いいよいいよ、俺元気な子と遊ぶの好きだから。何して遊ぶ?」
わぁいわぁいと喜ぶポルターガイストと、それに対してニコニコと笑いながらポルターガイストと遊ぶ瀬呂。それを見てミミックは苦笑していた
『あの兄ちゃんに救われたな』
(ホントにそう。瀬呂くん優しくてよかった)
時間は過ぎ、HRの時間になりそうな時刻、しかし担任は一向に来なかった
「ポルター、そろそろ終わり。また帰ったら遊んであげるから」
「えー…はぁーい」
多少いじけながらもミミックの中に戻るポルター。まだ数人立っている人は居るが、担任らしき人の姿はミミックからは見えなかった
「お友達ごっこしたいなら他所に行け…ここはヒーロー科だぞ」
ここにいる全員が(なんかいる!?)と心の中で叫ぶが、寝袋に入った根暗そうな男はモゾモゾと立ち上がると教室に入ってきた
「はい静かになるまでに8秒かかりました…時間は有限。君たちは合理性に欠くね」
『なんやアイツ。気味悪いな』
『これで担任だったら面白いね』
「担任の『相澤消太』だ。よろしくね」
サブが呟いたことは見事に的中し、相澤と名乗る担任が教壇に立つ。そして寝袋の中から何かを取りだした
「早速だが…これ着てグラウンドに出ろ。須藤、お前は
「は、はい!!」
その後着替えるのに手間取ったミミックは少し遅れてしまい、相澤に怒られるのであった。