ACの技術を背負ってゲヘナで風紀委員のサポートする 作:ファーロン信者
グリッド086。ACVIではルビコンにある巨大建造物、グリッドの一つで、ACの武器・パーツ生産もやっているドーザー*1RaDの本拠地である。ここ、ゲヘナ自治区郊外に作ったグリッドは俺の自宅兼、特兵部の拠点と化しており、日々色んな機体が出たり入ったりしている。
「ボス、風紀委員から特兵部に応援要請が入ってる。ヘルメット団の対処中とのことだ」
「ヘルメット団か……エクドロモイを出せ」
「了解した。エクドロモイに出撃命令を送信」
俺のことをボスと言ってきたのは、俺が作ったAIだ。名前は決めておらず、単に『助手』と呼んでいる。このAI、俺は意識して居なかったのだが、何故か声と言いセリフと言い、チャティ・スティックに似てる、ていうかそのものだ。
話は変わるがご存じの通り、ゲヘナの治安は特に悪い。不良やチンピラがうろついてるのは日常で、爆発するのも日常なのだ。『温泉開発部』や『美食研究会』なんかはゲヘナでもトップクラスのテロリスト。そこに温泉があると思ったら市街地だろうと爆破してるし、美食研究会は不味いと言う理由で飲食店や食堂を爆破したり高級食材を奪ったり等ロクなことをしていない。さらにどちらも自治区外でトラブルを起こすこともあるため、現地の治安維持組織に対処を任せざるを得ない事態になることもしばしばある。
さて、俺は自室で特兵部としての活動もしながら、同時に風紀委員会の仕事もこなす。たまにヒナと一緒に執務室で仕事をすることもあるのだが、基本的には俺がやれそうなのをとりあえず半分くらい貰って、ここグリッドにある俺の自室で作業していることが多い。重要なものはヒナとかに任せて、俺はその他の仕事を受け持っている状態だ。正直、先ほど言ったゲヘナ特有の治安のクソ悪さによる特兵部の出番の多さも相まって頻繁にグリッドを動き回る特兵部の兵器を見るのはある意味リラックスにもなるのでちょうど良い場所だ。
「カタフラクトが帰って来たか……あれ?さっき暴動の対処で出動してたよな?」
「多連装ミサイルの一斉射とガトリングを掃射しながらの突撃で短時間で制圧していた」
「……ウチはバルテウスと技研勢が相当目立っている感じがするけど、カタフラクトも凄まじいな。流石地上最強の特務機体」
そんなことを助手と話しながら手元の書類を捌く。
支援兵器が風紀委員の支援に出たり逆に支援任務から戻って来たりで行ったり来たりする支援兵器を目の保養にしながら作業を進めること1時間。少し疲労も溜まって来たところでちょっと休みを取ろうとしたところ、俺のスマホに電話が掛かる。
「もしもし」
「レイヴン委員長補佐?」
電話を掛けてきたのは風紀委員会の行政官の天雨アコ。服装が服装なだけに
「アコか、どうした?」
「ヒナ委員長から伝言を任せられていまして」
「ヒナからの伝言?」
「ええ、仕事が落ち着いていたら温泉開発部の鎮圧を手伝ってあげて欲しい、とのことです」
「温泉開発部の鎮圧か、OK……ヒナは今はどこに?」
「美食研究会の対処をしています」
「美食研も相変わらずか。分かった。温泉開発部が暴れてる位置の情報をこっちに送ってくれ。あと対処してる子たちに俺が来ることも伝えてくれ」
「分かりました」
そう言って俺は電話を切り、助手に話しかける。
「助手!!温泉開発部の鎮圧の支援に向かう!!!アコから目標の位置情報を受け取ったか?」
「確認した」
「OK、カタパルトの電源をオンにしろ!!!それから
「了解した、ボス」
一通りのことを助手に伝え、俺は自室の近くに保管しているパワードスーツを装着し、カタパルトに向かう。
この世界におけるグリッド086には俺が増設した設備が備わっている。それがグリッド外縁、中層部と下層部にAC・大型兵器用とパワードスーツ用でそれぞれ1基ずつ、計2基で1セットとして数箇所したカタパルトだ。本当はグリッドの一番上にある、ミッション『海越え』で621を中央氷原に送り出した『カーゴランチャー』を使いたかったのだが、大陸間移動用のものを使うのはオーバースペックすぎると感じた。そこで、俺が態々一から設計したものが、ACfAのVOB、ヴァンガード・オーバード・ブーストを模したものと、カタパルトだ。カタパルトは最初のミッション『密航』で621が着陸したグリッド135の物の設計図が頭の中に入っていたので、そこにVAB装着用のクレーンと、VABの格納スペースを増設した構造になっている。複数設置している理由は、出来るだけ最短距離で行けるようにしたためだ。
カタパルトに着くと既にクレーンにはVABが吊るされていた。
「VABとカタパルトの準備は出来ている」
「OK、そんじゃ定位置に行く」
俺はパワードスーツを装着した状態でカタパルトの上に立つ。助手の指示に従って足を定位置に置き、カタパルトの射出機構が俺の足を固定する。そして俺の背中に巨大なブースター、VABが装着される。それを確認したのち、俺は前傾姿勢となり、射出に備える。
「ボス、準備完了だ。いつでも射出出来る」
「OK、さっさと射出しろ。さっさと暴れたいし、風紀委員の子たちも待ってる」
「了解した。いつも通り舌を噛むなよ、ボス。VAB点火、カタパルト、射出」
その瞬間、カタパルトによる猛烈な加速が繰り出される。そして体が宙に浮くと共にVABの推力が乗り、さらに加速する。
「ボス、このままオペレーターも俺が担当する」
助手のその言葉に強烈な加速Gで顔をしかめながらも返事する
「それじゃァ頼んだ!!助手!!」
俺は強烈なGに顔をしかめつつも笑みを浮かべながら*3、温泉開発部と風紀委員が交戦している現場へ超音速で向かうのであった。
カタパルトで撃ちだされてから5分もしないうちに、目的地が見えて来た。
「速いな、目的地も遠いから一応VABで来たんだが……まァ2000km/hも出ればそりゃァ早く着くか」
「ボス、まもなくパージする。通常戦闘準備してくれ」
「OKだ、助手!……メインシステム、戦闘モード起動ッ!!!」
いつものように視界がコーラルによって赤く染まり耳鳴りがするも、直ぐに落ち着く。
「VAB使用限界、パージ」
VABがパージされる。脚部ブースターを目一杯前に吹かし制動しつつ、温泉開発部の軍勢目掛けてガトリングを乱射し、マルチロックでミサイルも撒く。
「うわぁ!」
「な、なんだ!?」
驚く温泉開発部を横目に着地。ガトリングで数人無力化しつつ、風紀委員のところへ向かう。
「意外と早く着いたね委員長補佐!!」
「イオリか、そりゃァ飛ばして来たからな!!!とりあえずお前らはある程度引いた位置から攻撃しろ!!!前には出るな、巻き込まれるぞ!!」
「了解!!」
風紀委員にそう指示した後、アサルトブーストを吹かす。
ちなみにさっきのは銀鏡イオリ。詳細は省くが後に先生の変態行動*4の被害者になりやすい人物である。
アサルトブーストを吹かして再び温泉開発部に肉薄する。ガトリング、6連ミサイル、時に蹴りも入れてどんどん蹴散らす。が、さすがは原作でもゲヘナ屈指のヤベー連中。ガトリングと6連ミサイルだけで対処できない、というほどではないし、ある程度引いた位置から風紀委員の子がガンガン撃ってくれてるとはいえ、やはり数が多い。
(このままやっても良いけど……一気に吹っ飛ばすか)
俺はガトリングと6連ミサイルを撒きながらアサルトブーストで一気に突撃。この際温泉開発部からの迎撃はコーラルアーマーで防いで一気に突っ込む。そして背部のジェネレータ*5とかが収められている部位のハッチが開き、スパークが起きる。一部の温泉開発部は距離を取ろうとするが時すでに遅し。大規模なパルス爆発で近くに居た温泉開発部を吹っ飛ばす。
これがACVIでのACに搭載できる『コア拡張機能』の一つ、『アサルトアーマー』。俺が前世でACVIをやっていたときにはあまり使わなかったアサルトアーマーだが、近接武器を持った相手へのカウンターやスタッガーさせた相手への追撃等、色々使える。コア拡張には他にも『パルスアーマー*6』と『パルスプロテクション*7』、『ターミナルアーマー*8』があり。俺はパルスアーマーをよく使っていた。なお、パワードスーツは無理やり全部使えるようにしてある*9。
アサルトアーマーで近くに居た温泉開発部を吹っ飛ばしたあと、クイックブーストで急加速、再び300km/h近い速度で高機動戦を仕掛ける。さっきのでだいぶ数が減ったが、続けてガトリングと6連ミサイルを叩き込む。ACVIのガトリング同様、オーバーヒートによって射撃できない時間が生まれるので、時々蹴りも入れつつ、高速で撹乱しながら次々に無力化していく。
そうしてガトリング撒いてミサイル撒いてしてたら気づけば温泉開発部は無力化していた。俺は後のことを伝えるためにイオリたちのところに行く。
「相ッ変わらず数が多いな温泉開発部は」
「あ、委員長補佐」
「お疲れ、イオリ。一応下がらせたと思うがそっちに巻き込まれたのは居るか?特に今日はアサルトアーマー使ったから」
「ううん、こっちは大丈夫」
「それは良かった、捕縛とかは任せても良いか?」
「分かった」
俺は捕縛をイオリたちに任せ、グリッドに戻った。
その後は受け持っていた仕事も順調に進み、16時くらいには風紀委員会の本部に持っていけた。
助手
レイヴンが作ったAI。声や言動などがチャティ・スティックに似てる……というかチャティ・スティックと同じだがチャティ本人ではない。主に特兵部における支援兵器の管理・運用の補助の他、時折レイヴンのオペレーターになったりもする。
支援兵器
レイヴンがキヴォトスで再現したACVIに登場する封鎖機構の特務機体や技研のC兵器の総称。風紀委員会の支援に当たることが多いためこのような名称を持っているが、時折他校の自治区にも居ることがある。有人であるエクドロモイやカタフラクト等は無人化していることが特徴。
エクドロモイ
ACVIのミッション『燃料基地襲撃』と『強制監査妨害』で出て来た封鎖機構の特務機体『エクドロモイ』をレイヴンがキヴォトスで再現したもの。無人化されていること以外は基本性能は変わってない。原作同様近接タイプの『EP型』と狙撃タイプの『PG型』、弾幕タイプの『MG型』があるが、EP型の出番が少なく少数しか作っていない。特兵部の主力の一つで、小型なのも相まって汎用性が高く、特兵部の主力。バルテウス・カタフラクトと並んで作られた数が多い。
バルテウス
弱体化されたチャプター1最後のみんなのトラウマをレイヴンがキヴォトスで再現したもの。武装は原作から変わっておらず、様々なプレイヤーに強烈なインパクトを残した暴力的な数のミサイルランチャーも健在。防御面も原作と同様。特兵部の主力その2。
カタフラクト
封鎖機構の特務機体『カタフラクト』をレイヴンがキヴォトスで再現したもの。武装・性能は無人化したこと以外は原作ACVIと変わっていない。正面のコアMTがむき出しという欠陥を抱えているものの、側面・後部の強固な装甲と高い機動力によって意外とコアMTに攻撃を命中させることが難しい。特兵部の主力その3。
ヴァンガード・アサルト・ブースト(VAB)
ACfAのヴァンガードオーバードブースト(VOB)をレイヴンが再現したもの。AC用とパワードスーツ用がある。一から設計する必要があったためにレイヴンが一番苦労して再現した。その圧倒的速度性能は健在で、AC用、パワードスーツ用共にマッハ2に迫るスピードまで持っていけるほど。代わりに旋回性能が死んでる。流石にコジマ粒子を使うわけにもいかない、というかコジマ粒子が無いので、大出力の還流型ジェネレータを代わりに搭載している。なおVIではオーバードブーストにあたる機能がアサルトブーストのため、名前もそれに合わせている。
あとがきが長くなってしまった。