どうも、時計仕掛けの花のパヴァーヌ編2章の前にカルノバグの兎編1章を挟む事にした結果ストーリーチャートが大幅に狂ってしまい、再編が確定してしまったノーマルヒューマンです。
「何事も、オリチャーで進めるのは、止めておけ・・・地道に計画を立て、その通りに事を進める・・・うんざりするが、それこそが"出来る"人間だ。」 (by、V.III)
...言われてますよ。オールナントカさん。(責任転嫁)
―――完全な想定外だった。
一難二難切り抜けて、やっとのことで「鏡」を奪取。その後に訪れた
「ふぅ・・・このまま終われると、思ったぁ?」
まさか、最後の最後でこんなイレギュラーが発生するなんて――否、想定はしていた。
「ゲーム開発部の部室の位置から想定できる逃走ルートは全て把握済み・・・だというのに、そのどれもが外れ・・・」
作戦開始のタイミングで考えていた。可能性として、彼女の取りうる選択肢として、確かに存在していたではないか。完全に失念してしまっていた。
「なら、ここに来るなんて容易に想像がついたよ・・・」
夜空を見上げていた視線が、ゆらりとこちらに注がれる。捕食者どころではない、あらゆる分別を持たない殺戮者の如き眼差しが。
「せ、先生?どうしたの?確かに知り合いだけどさ、ネル先輩じゃないし、一人なら早く突破しようよ!・・・ちょっと見たことない目つきしてるけど!」
モモイの声に反応する余裕はない。私は必死に思考を回し、この場を如何にして切り抜けるかを考える。
「標根イサネです!この人、これまでとは雰囲気が違い過ぎます!」
「こ、このタイミングで・・・!しかもアリスの言う通り様子がおかしい・・・!」
アリスに名前を呼ばれた少女――イサネは見る者に生を感じさせない凍り付いた表情はそのままに、溜息と共に更に言葉を続ける。
「・・・随分と、面倒な依頼を受けたものだと我ながら思っているよ。」
―――その眼差しと表情に似合わない疲れたという感情を隠しもしない声色。
「でもまぁ・・・もうどうだっていい。」
屋外でかつ銃撃もしていないのにも関わらず辺りに濃い硝煙の匂いが充満する。恐らくこれはイサネの放つ圧によってそう錯覚しているのだろう。反射的に鼻を塞ぎそうになるが、意識してそれを抑えつつ考えを巡らせる。
(本格的に手詰まりになってしまった。アリスの不意打ちがあったさっきと違ってヴェリタスやエンジニア部の応援は望めない。そして相手はC&Cのエージェント達と同等かそれ以上と思われる実力。生半可な実力では太刀打ちすら出来ない。)
勿論ゲーム開発の皆が頼りない訳ではない。むしろそれぞれの連携力の高さはキヴォトス全体で見てもそうそういないだろう。しかし、今回ばかりは相手が悪すぎる。
(くっ、何処で選択をミスった・・・?)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ふえぇ・・・」
ユズが恐怖のあまり顔を青くしながらぺたりと床に尻もちをつく。
「・・・し、死んじゃうかと思った。」
「ユズぅぅぅぅぅうう!!!」
「ユズちゃん凄い!おかげで命拾いしたよ!」
モモイとミドリが机の下から飛び出し、ユズに駆け寄る。アリスと先生も二人に遅れて机の下から這い出る。
「ち、力になれて、良かった・・・」
「凄いね、よく頑張ったよ。ユズ。」
そう話すユズの声はまだ若干震えている。元々の対人能力の低さで美甘ネルというミレニアム屈指の「怖い人」とそれも半分戦闘態勢の状態に一対一で話したのだ、暫く恐怖は抜けないだろう。だが、ユズの度胸のおかげでこうしてネルに捕捉される事なく鏡を手に入れる事が出来たのだ。ファインプレーという言葉では称賛が足りないだろう。
「そ、それより、アリスちゃんが持ってるのが・・・」
ユズの視線がアリスの手に持つ機械に向けられる。アリスはユズの言葉を受け、手に持った機械を皆に見える様に差し出す。
「はいっ、これが人類と世界を救う、私達の新たな武器・・・鏡です!」
「や、やっと・・・」
「お祝いは後にして、急ごう!ネル先輩が戻ってきたら今度こそ終わり!」
改めて鏡の獲得に湧く一行だったが、モモイの一声で現実に引き戻される。そう、まだ作戦中だ。いくらユズがネルをいなしてくれたとはいえ、鏡を取って無事に帰ることまでが作戦だ。
「この先には戦闘ロボットがたくさんいる・・・気を付けて!」
「そうだね、まだ任務は終わってない!」
そうして各々が戦闘準備に入る。ここからヴェリタスの部室まで向かうためにはまず差押品保管室の近くをうろつく戦闘ロボットをどうにかする必要がある。
「私達の目的は鏡じゃなくてG.Bible!早く、ヴェリタスの部室に行かなきゃ!」
「後方は私が担当します。先生、指示を!」
「うん、任せて。ここからの移動ルートも既に組み上がってるから。だから皆で、無事に部室まで戻ろう!」
モモイの「さっすが先生!」という声を背に受けながら、先程頭の中で組み上げた移動ルートに沿って一行は移動を始める。
差押品保管室を出て廊下を進み、途中で徘徊しているロボットを破壊していく。いくら戦闘用に組まれたロボットと言えど、C&C並みに強い訳では無い。せいぜい不良生徒を数の暴力で押し潰すのが関の山だ。廃墟に現れたロボット兵の様なゲームで言う無限湧きの様な数でなければ何の問題もない。
「モモイ、そこ突き当り右!後その先にロボットが数体!ミドリと合わせて撃ち落として!」
「「了解!」」
廊下の突き当りの所でモモイが飛び出し、そのすぐ後ろにミドリが続く。曲がった先にたむろしているロボット数体に向けて銃撃。完全な不意打ち攻撃にロボット達は抵抗の余地すら無く機能を停止する。
「アリス、前衛に寄って。後ろからロボット達が来てる。まだロボット達の探知圏外の筈だからここはこのまま逃げおおせよう。」
「はい!」
更に進んでいくと後ろからロボットの駆動音が人の居ない静かな廊下に響く。アリスはポジションを先生の後ろからモモイ達の居る前衛に移動。最後尾となった先生が曲がり角に入ったことで完全に発見の可能性を断つ。
「ここで外に出よう。」
「え?どうして?」
「多分まだ生徒会の捜索網が部室近くにいる可能性が高い。だからここで一度外に出て時間を稼ぐことで捜査網を攪乱するよ。おそらく発見が遅れればそれだけ焦りが出て勝手に動き出す所が出てくる筈だから。」
ミレニアムタワーの低層にて、非常口から外に出る事を提案する先生。モモイがその提案に疑問を抱くが、その疑問に丁寧に答える。そうして非常口に辿り着き、ロックの掛かっている扉をハレがハッキング。扉を開けて外に出る。
「アリス、後ろをお願い。さ、皆、風に飛ばされないようにね。行くよ!」
アリスを再び後方の警戒に置き、非常用階段を下りていく一行。外部の監視カメラを乗っ取ったハレが逐一外にセミナーの生徒が居ないか報告を入れる。
『この先にセミナーの部隊は居ないね。屋内の状況はまだ確認してないけど、多分大丈夫。』
「ありがとう。ならこのまま進もうか。」
こうしてひたすら階段を下る事数分、一行は漸く地上に足を着ける。
「あぁ~、疲れたぁ~!」
「皆、よくここまで頑張ってくれたね。あと一息だよ。」
「はい、急ぎましょう・・・!」
改めて肉眼でも索敵を行い、夜の暗闇の中でアスファルトを踏みしめて進んでいく。
「・・・そろそろ、生徒会の捜索網にも穴が空いている頃かな?」
「どうですか、ハレ先輩。」
誰もいない真っ暗な外を歩き、一先ず人目につきにくい場所についた一行はハレに内部の様子を尋ねる。ハレの方も電力の復旧によって再稼働した監視カメラに早速ハッキングを仕掛けた様で、すぐに返答が返ってくる。
『すごいね、正に先生の言う通りだよ。一部の待ち伏せをしていたセミナーの部隊が動き出した。動きの様子から見ても恐らく独断だろうね。』
「差押品保管室前で一度完全に見失ったんだ、後は発見を遅らせるだけで統率は崩しやすくなるからね。」
先生が導き出した作戦は確かに相手の陣容の穴を突いていた。予測通りいつまで経っても現れる事の無いゲーム開発部に業を煮やした一部の部隊はふらふらと勝手に動き出し、網を自ら崩してしまっている。
「さて、外にいる事を察される前に移動しようか。」
「よし!これで漸くG.Bibleを開く事が―――」
建物の陰から一行が道に出たまさにその時だった。闇夜の沈黙の中に銃声が響き、これ以上は行かせないとばかりに先頭にいるモモイの足先に複数の銃痕が列になって刻み込まれる。
「うわぁっ!?あぶないっ!!」
足元スレスレを穿つ正確な射撃によって足を踏み出していたモモイがつんのめりそうになる。
「モモイ!?」
「お姉ちゃん!?」
先生とミドリの声が重なる。そして銃撃の数秒後、モモイの数m先の地面に着地する人影がある。それは着地の姿勢から立ち上がると、こちらに顔を向けずにキヴォトスの街灯のある中でも星が煌く透き通った夜空を見上げる。ミレニアムの夜を照らす街灯に照らされた灰銀色のストレートヘアが光を反射し、夜空を見上げる横顔も合わせてその様は何処か幻想的にも見える。
「・・・やぁっと、見つけた。」
夜空を見上げていた人影が、ぼそりと呟く。見た事のある外見とよく知っている声に、先生の脳裏に埋没してしまった一人の生徒の影が強烈にフラッシュバックする。
――標根イサネ。
その生徒は手に持ったスぺクトラM4ベースのサブマシンガンを左手から右手に持ち替え、今度は先生たちにも聞こえる様に言葉を発する。
「ふぅ・・・このまま終われると、思ったぁ?」
時間にして数十分の割には随分と長く感じられた回想から現実に意識が帰還する。
(そうか・・・読まれていたのか。この動きを、私達が外に出て捜索網を攪乱するという目的も。)
取り敢えずこの場を切り抜ける策を考える時間を稼ぐべく、背中を伝う冷や汗の気持ち悪さに耐えながら口を開く。
「や、やぁイサネ。見ないと思ったら、こ、こんな所に居たんだね。」
「・・・」
取り敢えずイサネがここに居る事を今日初めて知りましたという風に装っての挨拶。しかし、当のイサネの表情は人形のように動かない。・・・というか声が届いているのかも分からない。
「先生!そんなこと言ってもイサネには分かんないって!だってあの目見てよ、洗脳でもされてるんじゃないの!?ユウカ・・・なんて恐ろしい事を!」
「当該生徒、標根イサネの検索結果・・・出ました。ブラックマーケットを中心に首輪付きの名で活動する傭兵バイトです。受けた依頼の成功率はほぼ100%、ブラックマーケットの防衛隊すらも相手にならない程の実力を持ち、余りにも一方的に敵を殲滅させるその様から【万物の天敵】という二つ名で呼ばれています。」
「えぇっ!?イサネさんって、あの天敵なの!?」
アリスの話すイサネの検索結果に、ミドリが驚愕する。それもそうだろう、イサネの二つ名である万物の天敵という名はミレニアムでもかなり有名だ。C&Cと同じように数々の裏組織を単騎で壊滅させたというその逸話が、C&Cとどちらが上なのか、もしくは彼女もC&Cのメンバーなのではないかと様々な憶測が出回っている。それに加えて天敵は元ミレニアム生という出所不明の噂も相まってミレニアムに所属する生徒の内、天敵という傭兵バイトの存在を知っている生徒は結構多い。
さてどうするか。先生が目の前に立ち塞がったイサネに頭を悩ませている中、ゲーム開発部の皆も最後の最後に立ちはだかったあまりに大きな壁に軽く絶望しながらも、それでも目的を果たさんとそれぞれが愛銃を構える。
ゲーム開発部、ヴェリタス、エンジニア部合同で行われた鏡奪還作戦の、最後の戦闘が始まろうとしている。
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先生たちの前に立ち塞がる少女――標根イサネは、凍り付いた表情の裏で内心かなり喜びと闘争心に溢れ返っていた。
(ははっ、ゲーム開発部と真っ向から戦える日が来るなんてね・・・それもこんなに早く。)
そう、イサネはエンジニア部の部室でゲーム開発部を見てからというもの、常々彼女らと戦ってみたいと感じていた。
(天童アリス、驚異的な身体能力に明らかに戦闘用に設計されたと思しきその身体。そして何よりロボットの類なのにも関わらず人と全く同じ自我のようなものを持つという戦闘用ロボットにしては随分と破綻した設計。)
――実に、興味深い。
ゲーム開発部というより天童アリスのその身体性能に興味を持ったイサネ。これまで数々の戦場を駆け、気づけば戦闘狂と呼ばれる程に戦いに引き込まれてしまったその精神にとってアリスとの戦いというものは正に腹を空かした肉食獣の目の前に吊るされた餌の様なものだ。
(シャッター閉鎖や停電が起きて滅茶苦茶になった時はとんでもない事に足を突っ込んだものだと思っていたけど・・・結局こうしてアリス含めたゲーム開発部と戦えるなら悪くない。)
ゲーム開発部一行が差押品保管室にいた時、イサネは一度オペレーションルームに戻り、全ての監視カメラで一行の動向を追っていたのだ。そう、あくまでもイサネの任務はセミナー襲撃の犯人を捕まえる事であって鏡の有無は関係ない。なので既に鏡を取られたとしても逃げ切る前に捕まえればいい。
そうして屋内の監視カメラに時間経過でもゲーム開発部の姿が映らない事を認めたイサネは即座に彼女らが外にいると結論付け、こうして単独での奇襲に至ったのである。だが、最高の餌をぶら下げられたイサネにとって、そんな下らない過程の話などはなんだっていい。
――早く。
―――早く目の前に居る人形と戦わせろ。
イサネの心が吼える。牙を剥き出しに、口から唸り声を漏らしながら血塗れの獣が爛々と光る瞳をギラつかせながら血に飢える。そう、硝煙薫る
戦場は整った。さぁ、天童アリス、その実力を見せてみろ。完全にスイッチの入ったイサネが言葉もなく一歩踏み出そうと足に力を入れた時、イサネのハーネスベルトに固定されていた無線機が音を発する。
『イサネ、聞こえる!?私よ!』
「っ!?・・・ユウカ?」
一歩踏み出しかけた体が固まる。一体何の用だろうか、今目の前にセミナー襲撃犯を捉えた以上に何か大事な要件でもあるのだろうか。戦いを邪魔された苛立ちを抑えようと努力しつつ、目の前のゲーム開発部に目線を向けたまま無線に応じる。イサネの応答にユウカは続けて話始める。
『イサネ、生徒会襲撃犯の追跡は中止にして!セミナーの部隊も撤退しているわ!』
「は?なんでだよ。」
ユウカから告げられた作戦中止の言葉にほぼ反射で荒い言葉を返すイサネ。解放された苛立ちにより、怒気を帯びたその声に無線越しのユウカも僅かに言葉を詰まらせながら理由を話す。
『その、セミナーが作戦の中止、撤回を命じたからよ。』
「あ?セミナーは君だろ、何言ってんだ。漸くゲーム開発部と先生を捕捉したんだ、些細なことで戦いの邪魔はされたくない。」
『セミナーと言ってもセミナーの会長直々の命令よ。会計の私がそれに反対する権限は今持ち合わせて無いわ。』
セミナーの会長。要するにミレニアムサイエンススクールの生徒会長の命令という訳だ。戦いの昂揚に水を差された事によって急激に発火しかけたイサネの闘争心が急激に冷えていく。しかし、それとは逆に心の中の苛立ちはその火種を大きくするばかりだ。
「セミナーの会長?この作戦に参加もしないくせに後々になって一丁前に命令だぁ?・・・はぁ、全く何処の企業の真似よ。」
『その、会長・・・リオ会長は自ら動くことが殆ど無くて。普段の業務も会長権限が必要でないものは大体会長抜きで回してるから・・・』
ユウカが申し訳なさそうにイサネに謝罪を入れる。それを聞き、イサネは自分がキヴォトスに来る前の世界で好き勝手していた企業の事を思い出す。
下に無茶振りを強要しながらも何とか成果が出そうなタイミングでいきなり方向転換。記憶を掘り出せばそんな事をする奴らなんていくらでも出てくる。オーメルとか、インテリオルとか、GAとか、正直世界を支配する大企業は何処もやってたと思われる。幸いなことにイサネは完全な独立傭兵だったこともあってかその被害を受けることはあまり無かったが。
「ははは、ふざけやがって・・・キヴォトスに来てもこれかよ・・・」
まさかキヴォトスに来ても企業の面白くもない茶番劇の真似事に付き合わされるとは思いもしなかった。恐らく自分が直接殴り込みに行かない限りこの決定が覆らない事を理解したイサネは、悪態をつきながらを演じながら無線に言葉を投げかける。
「くそったれが・・・了解した、追跡を中止する。」
『ごめんなさい、こっちの都合に巻き込んでしまって。あの、報酬は用意しておくから。』
「報酬・・・?」
報酬。その単語にイサネはピクリと反応する。
『正式に依頼を出していないとはいえ私達は貴方という傭兵を雇ったんだから、報酬を支払うのは当然じゃない。』
確かにセミナーのノアから防衛を依頼され、イサネはそれを受諾した形にはなるのだが、彼女の中ではこれはあくまでも友人の頼みによって動いているという事になっている。要するに報酬を貰うつもりは初めから無かった。仮に正式な依頼だったとしても依頼の達成状況からして報酬を貰うだけの働きが出来たとはイサネ視点到底思えない。
「今回報酬は要らないかなぁ、初めから貰うつもりは無かったし。」
『え?要らないの?』
「うん、要らない。仮にこれが正式な依頼だとしても、目標の達成が出来てない以上どちらにせよ報酬は貰わない。」
イサネの言葉に困惑を隠せないユウカ。イサネはあくまで己の傭兵としての矜持としてあくまで普段通りを通したまでだったが、どうやら万物の天敵の噂話の中に「天敵は稀に報酬を貰う事を阻む」という話は無いらしい。
『でも――』
「いいから。どうしてもって言うならセミナーの会長の私財から払わせて。」
『そんな無茶な・・・はぁ、分かったわよ、報酬の支払いは無しで良いのね?』
ユウカの了承に「じゃ、後処理よろしく。」と返し、無線を切る。そしてふと視点を正面に戻すと、目の前にはゲーム開発部一行と先生がこちらを見ている。ゲーム開発部の皆の顔は緊張に満ちており、明らかに戦闘態勢だ。
「・・・イサネ。話は終わったかな?」
「あぁ、終わったね。」
先生が何故か気まずそうに声を掛ける。イサネはとりあえず手に持っていたサブマシンガンをホルスターに戻し、口を開く。
「・・・行って良いよ。」
「え?イサネ?」
突如目の前に現れて、やばいオーラ全開の状態からいきなり道を譲るというよく分からないイサネの行動に疑問符が浮く一行。イサネはその様子を見ながら踵を返し、一向に背を向けて歩き出す。
(くぅっ・・・!せっかくアリスと戦えるチャンスがっ!!それに先生の力をもっと知れる一石二鳥の機会がぁッ!うぐぐ、くそがっ!うああぁぁぁぁーーッ!!!)
・・・その内心は未練たらたらであり、余りにも情けない心の叫びが吹き荒れていた。
今回思ったより短くなった...何なら最後の締めが納得いかない...(血涙)
誤字報告とっても助かっております。一応完成後に一通り確認するのですが、如何せん筆者は確認が適当な上に投稿前に全ての誤字脱字の修正が出来る訳でもないので、読者様方の誤字修正報告には毎度のことながら助けられています。本当にありがとうございます。
作中でイサネの持っている「スぺクトラM4」というサブマシンガンは、調べたら「シテススぺクトラ」と「スぺクトラM4」という二つの名称で呼ばれているサイトが多く、正式名称どれやねん状態だったのですが、英数字があるほうが武器っぽいだろという事で後者の名前で載せました。
アリスの事を人形呼ばわりしている描写がありますが筆者は今の所こいつはマジでアンチという生徒はまだいません。