異世界転移ニッポン「…あれ?これ帰れるんじゃね?」 作:(休止中)サン少佐
共和国北部国境地帯に位置する"フェレンツ属州"は、幾度となく越境を繰り返す"フェレンツ諸氏族"に悩まされて来た。しかしながら、近頃は諸氏族による侵入も減少しつつある。
そんな中、同・属州の行政官"アルベール"は、共和国〈元老院〉からの召還命令を受け取った。
「…中央への帰還を…これほど嫌に思った事は無いな。」
通常ならば喜ぶべき事だろうが、アルベールの顔にはハッキリとした"不快"が見える。
片田舎の属州…それも異民族による侵入が絶えない戦場から、華々しい中央に帰還出来るのに。
「
「十中八九、死刑でしょうな。」
…半年ほど前。国王が主導した"平和的外交"や"貴族への課税"などの改革に反対した元老院は、遂に民衆を従え挙兵。革命によって国王は幽閉された。
…しかしながら、近頃は元老院で
「…閣下。もう一つ、重要な知らせが…。」
アルベールは顔を引きつらせながら、「…良い知らせか?」と聞いた。
「何とも言えません。…フェレンツの事です、こちらの衛星写真を御覧ください。」
彼はそう言って、封筒から数枚の写真を取り出す。
一枚目の写真は、森林地帯に佇む遺跡(の様なもの)が写っており、もう一枚には巨大な工場が写っている。
「…これは一体?」
「我が国の偵察衛星が撮影した衛星写真です。
…問題は、二枚とも同じ地点で撮影されている事でしょうか。
アルベールは耳を疑った。その理由は言うまでも無く"その期間"である。
…3週間で工場を建設した術は皆目検討も付きませんが、
彼等を駆り立てたのは間違いなく我々です。」
「一体何が起きているのか…説明してくれ。」
…
「〈ド=ブリュメール将軍の北伐〉以来、フェレンツ諸氏族による侵入は著しく減少しておりました。我々は之を〈北伐〉の成果とばかり考えておりましたが…。」
数年前。共和国の将軍〈ド=ブリュメール子爵〉は、度々不法越境を繰り返すフェレンツ諸氏族に〈共和国の断固たる決意〉を見せるべく、諸氏族の住む北フェレンツ地方の征服事業を開始した。
…しかし実際の所、〈"戦争"と"拡大"〉を訴える元老院に〈自らを処刑すべきでない理由〉を証明する、そう言う理由もあったのだが…。
「それは〈北伐による成果〉と言うよりかは、〈諸氏族の結束〉が
「…注視すべきだな。」
中央での大虐殺に、異民族の侵入。
列強たる〈共和国〉は内憂外患を迎えていた。