異世界転移ニッポン「…あれ?これ帰れるんじゃね?」 作:(休止中)サン少佐
―――半年後。白銀に染まる日本列島。
東京都霞が関…
猛烈な風雪に見舞われた東京だったが、之は転移の影響もあった。
転移後の日本の東に位置する寒帯大陸性気団〈ハイドン高気団〉は、
…それはさて置き…先月中旬の事。日本国外務省の駐在〈王国〉代理公使が王国外務省に招致された。目的は〈日本のヴァルツゥルム協定への正式加盟〉についての打診であり、王国が協定に関する詳細情報を提供する為に、"特使"を派遣したい旨も伝達された。
…なお、招致されたのが特命全権大使では無く代理公使であるのは、〈王国〉側が『上級王陛下(王国の国家元首)に大使を派遣すると言う行為は
一種の君主崇拝なのか…"皇族や王族に外国人を近づけるのは無礼"と言うのが、こちらの世界では"常識"らしい。
…
そして今日。日本国外務省庁舎に王国外務省のシュナイデル特使が現れた。
『ヴァルツゥルム協定の批准に伴って、準加盟国の恩恵である〈自由貿易に関するヴァルツゥルム協定〉*1は引き続き参加出来、新たに〈相互独立保障に関するヴァルツゥルム協定〉への参加が自動的に行われます。もし貴国が何らかの勢力による侵攻を受けたならば、加盟国は参戦の義務を負う事となります。…当然ながら、
"高野"外務大臣に対するシュナイデル特使による説明は、外務省の逢田政務官による通訳を通して行われた。
言語の翻訳には2年の歳月を要したが…少なくとも身振り手振りで会話する時代は終ったのだ。
『―――上級王陛下は、
この共栄によって、我々はさらなる高みを目指す事が出来るでしょう。』
そこまで聞いて、高野外相は、「…シュナイデル殿、一つ聞きたい事があるのですが。…
日本以外にも準加盟国は存在する。
…その殆どは加盟国の属国や保護国であるが、幾つかは加盟国に相応しい様な大国(日本からの視点であるが。)も在る。何か思惑があるのでは…と考えざるを得なかった。
するとシュナイデル特使は、一瞬だが顔を引きつらせる。
『上級王陛下には高次な考えがあらせられる。…それとも、陛下の招待を無碍にするおつもりで?』
「…!いえ、決してその様な事は御座いません。」
…異世界の価値観は未だ掴めない。何が無礼に当たるのか、何が礼儀なのか…。
…
数週間後、ヴァルツゥルム協定の参加は"諸外国との関係改善"や"大国との独立保障"など大きな利点があるとして閣議決定された。