装者の男女恋愛が見たいッ!戦姫絶唱シンフォギア SLS   作:ふみー999

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どうもふみー999です。目標としていたところよりも短いですが思ったより文字数多くなってしまったので投稿します。
ベルサイユのばら見てきました~50年前の作品ですけど名作は色あせないんだなぁと2回見て2回泣いてきました~
やっぱアンドレが好きなんですよアンドレが。
ちなみに流生のキャラ考えるときのモデルの一人がアンドレだったりします。
幼馴染兼従者キャラ、いいですよねぇ~そんな流生が活躍?する第15話どうぞ!


第15話 Scat:妹

深と未来の言葉に励まされた響はその日の放課後、流生が入院している病室に押しかけていた。流生はベッドを起こして誰かのお見舞い品であるリンゴやバナナをむしゃむしゃと食べていた。

「もうそんなに食べて大丈夫なんですか?」

「食べないと力が出ないからな。いつまでもこんなところで寝てもいられないし。」

しっかりと咀嚼し口の中のものを飲み込むとペットボトルの水を一気に飲み干した。響にも勝るとも劣らない健啖家であった。ペットボトルをテーブルに置くとパンッと勢いよく両手を合わせる。肋骨数本を折った人とは思えなかった。

「ご馳走様した。それで、俺に何を頼みたい?」

「え?」

「迷いの消えた目をしている。やるべきことが決まったんだろう?」

流生は響が何かを言う前に頼みごとがあることを見抜いていた。

面食らった響だったが、すぐに頭を下げ、頼み事を流生に告げた。

「はい!私に修行をつけてください!」

「修行?」

「はい!流生さんならすごい武術を身に付けていると思ったんです。私を鍛えてくださいっ!」

勢いよく響はもう一度頭を下げて懇願する。流生の戦闘を今まで見てきている。その中でずば抜けた格闘センスを見せていた。守りたいものを守るためには響自身が強くなる必要がある。そして強くなるには彼に教えを乞う事が最善だと響は考えたのだ。

「……」

ベッドの上であごに手を置いて熟考する流生。返事が返ってくるまで響は頭を下げたままでいた。数十秒そうしたままでいたが、やがて流生が息を吸う音が聞こえた。

「分かった。俺に教えられること全部叩き込んでやる。」

「はいっ!よろしくお願いします!」

承諾されたことを喜びながら響は顔をあげる。

「ところで、立花さんは特撮は好きかな?」

「はい?」

唐突な質問に響の頭の上に?の文字が浮かぶ。流生はそんな響を見て不敵に笑うとどこからともなくトライアングルを取り出していた。

「つまりは、『特撮の中に修行あり』だ」

「言ってること全然わかりません!」

チーンと乾いた綺麗な音色と響のツッコミが病室内に響いた。響は何のことだかさっぱりわからず困惑するのみだった。

 

 

 

 

その日から流生による修行が始まった。修行はまさに苛烈で厳しいものだった。

走り込みや筋トレといった基礎体力の向上は基礎として、そのうえで様々な特殊訓練が行われた。具体的には——

「全身に激気を漲らせろ!腰を落として一気に突き進むんだ!」

「はいッ!」

ある日は、重りが入った雑巾を使って体育館の雑巾がけを数時間続けた。

「ほら、もっとへそに力を入れてドーンと気持ちを入れて打ち込むんだ!」

「はいッ!」

ある日は山間部にある神社で巨大な太鼓をひたすら鬼のように打ち込み響かせ続けた。

「立花ぁ!!逃げるなぁ!!逃げるんじゃなぁい!!打ち込んで来い!!」

「師匠ぉ!!さすがにこれは無理ですってぇぇえぇぇぇ!!!!イヤアアアア!!!!」

ある日は全身ぼろぼろになるまでジープに追い掛け回されたのだった。

 

 

 

 

「ほ、本当に殺しに来てた……死ぬかと思った……本気で目が血走っていた……」

ジープ特訓が終わった後、響の目は虚ろを見つめており、もはや生気が無くなっている様子だった。疲れ果てた様子で肩はぐったりと落ち、足取りもおぼつかず、口から半分魂が抜けていた。

そんな様子の響と流生は弦十郎の自宅を訪れていた。

「よし、とりあえず次の特訓だ。」

弦十郎から渡された鍵で扉を開けて中に入る。流生は広い家の中を淀みなく歩いていき、響がその後に続く。そして二人はある一室に入った。そこには大きなモニターとオーディオそして向かい合う棚には大量のDVDが収納されている15畳ほどの部屋だった。

流生は部屋のブルーレイプレイヤーに自分が持ってきたDVDを入れ再生する。

すると画面には赤青黄色のカラフルな戦隊ヒーローが映し出されていた。

「いいか、ヒビの字。君に足りてないのは戦闘スタイルの確立だ。アームドギアが出せないんだったら徒手空拳で敵をぶちのめしていきゃいい。今からこれを参考に見様見真似で模倣するんだ。ただし!大頑頑拳とか、大分分脚とか人体の構造的に真似できないものは無視でいい!」

「んゴクッ……押忍ッ師匠!!」

お互い、特訓している内に呼び方がいつの間にか変わっていた。魂を飲み込んだ響は人が変わったように熱く語る流生(師匠)の言葉に気合を入れ直す。そして返事をするとDVDを見てアクションの模倣を始める。

流生はその様子を後ろからじっと見守っていた。すると玄関のチャイムが鳴った。どうやら誰かが訪れてきたようだ。

「俺が出てくる。ヒビの字は続けていてくれ。」

流生は響にそう言い残すと玄関に向かった。玄関の引き戸を開ける。

「……深、おうどうした?」

「お疲れ様です。響ちゃんが特訓しているって聞いて。これ差し入れです。」

外には深が一人で立っていた。深は軽く頭を下げると流生に持ってきた紙袋を差し出す。中身はスポーツドリンクとバナナなどの軽食が入っていた。

「あぁ、ご丁寧にどうも。でもそっちはいいのか。確か発信機の解析をしていたはずだろ?」

流生が尋ねると深は眉間にしわを寄せた。そして首を横に振る。

「だめでした。最後に反応があった地点に発信機に使用していたナノマシンの残滓が残されていました。おそらくその場で破損したのでしょうね。詳細は今検査にかけています。」

まだまだ改良が必要だったかと深は悔しそうにため息をついた。しかし、流生は深の発言に違和感を覚えた。

「破損した?相手に破壊されたって考えるのが筋じゃないか?」

「あり得ないですよ」

流生の疑問を深はすぐに否定する。自分の作った代物によほどの自信があると言った様子だ。

「あの発信機はCD(・・)を作る過程で確立したアウフヴァッヘン波形を操作する技術によって作った代物ですよ。肉眼でとらえることは不可能です。もし仮に認識できたとしてもマーキングを解除するためには、鍵となる正反対の波形を照射するしか方法がない。あの短時間でそれを理解し解析できたとは考えられません。」

深の説明を聞いて流生は口元に手を当てて考える。深の説明からして部外者であるあの少女が原理を知っているとは考えにくい。そして戦った感覚から自分で解析して解除する能力があるとは考えられなかった。だとするなら考えられるのは……

「まったく、うまくいかないな……」

流生が思考の海に潜っていると深が苛立ちを絞り出すような声でつぶやいていた。深の口元は固く結ばれ、眉間のしわが濃くなり、目は怒りが燃えていた。

「殺気が漏れてるぞ。落ち着け」

流生が静かにそう言うと深はハッとした様子で自分の眉間に手を当ててほぐす。そして大きく深呼吸をした。

「……どうですか、修行の方は?」

深は話題を変えるべく家の奥にいる響の様子を伺う。流生も深の言葉に乗っかり話題を変える。

「あぁ、崖の上から岩を落としながらクライミングさせたり、立てなくなるまでひたすらに組手でボコボコにしたりしてみたんだが……」

「コンプラ大丈夫ですか?」

かなりドンびいた様子で深は半開きになった眼で流生をにらむ。こいつに任せて大丈夫なのかという不安がひしひしと流生には伝わった。

偉大な先人たちがこなしてきた修行だというのに一体何が不服なのか。流生は深のジト目を軽く受け流しながらそんなことを考えていた。

「筋がいいよ。呑み込みも早い。ありゃ天賦の才だな。聞いたぜ、お前がけしかけたんだって?」

響に対する賞賛は素直なものだった。からかうように流生が尋ねると深の顔から少しだけ険がとれた。

「答えを見出したのは彼女自身です。僕は少し背中を押しただけですよ。」

「そうかい……だが、危うさも見て取れる。」

流生は賞賛だけではなく素直な感想も口にした。以前の弦十郎が言ったように今まで戦いのない平穏な日常に過ごしていたとしてはあまりにも戦闘に対して尻込みすることがなさすぎる。特に誰かを救おうとするときにはまるで躊躇やためらいがない。それは流生の目にも歪に見えた。

「なんていうか、パチンコ玉に髪の毛括りつけただけのお粗末な武器だけで、ノイズに特攻していったどこぞの誰かを思い出す危うさだ。」

ため息をつき、頭を掻く流生。目を開けるとそんな流生を深は再び静かににらみつけていた。

「……その話、響ちゃんの前ではしないでくださいよ」

深からの視線を流生はそらさず、まっすぐに見つめ返す。流生の頭の中に約1年半前の出来事が思い起こされていた。

冷たく降る冬の雨の静かな匂いと硝煙の香り。

ノイズと翼の戦闘で破壊された街並み。

自作の使えない武器一つで戦場に乗り込んできた同年代の少年をぶん殴った時の手の感触。

家族を奪ったノイズが、何もできなかった自分が許せないと吠える少年の慟哭。

弦十郎や了子に二課に入れろと食い下がった、今目の前にいる男の剣幕。

「やっぱりお前が二課に入った時のこと、彼女に話してないんだな。」

思い出したあの日の深の目が今の深の目と一瞬ダブって消えた。深は流生の言葉を聞いて目を伏せる。

「これからも、言うつもりはありません」

「勝手に消えたんだろう?全部教えてやるのが筋なんじゃねぇのか?」

そんな様子に流生は目を細めて苦言を呈する。

それに対して深は、そうかもしれませんねと力なくつぶやいた。しかし、その後、流生を見つめて言葉を続けた。

「それでも、僕は彼女にそんな弱いところは見せたくない。」

「それは男としてか?」

その質問が意外だったのか深は一瞬目を見開いた後、質問の意図を理解し苦しそうな表情をする。自分の考えが図星だったと理解した流生は再びため息をついた。できればあたってほしくなかったものだが、と。

「健全じゃねえぞ、それは」

後ろめたそうに視線だけを流生からそらす深。流生はそんな深の様子を気にせず続ける。

「あの子は立花響だ。」

深が、一人の男として響に不甲斐ない姿を見せたくないと言っているのであれば、流生は彼に何も言うつもりなどなかった。しかし、深が響に向ける視線は恋慕のそれではない。友情のそれでもない。そう流生には映っていた。一番近いのは——

「彼女は、お前の妹じゃねぇ」

一番近いのは、家族に向ける情だ。

「……」

図星を突かれた深は目を見開いた後、顔も完全に流生からそらしてしまう。そして、失礼しますとだけ言って頭を下げるとそのまま立ち去って行ったのだった。

そんな深の後姿を見送って流生は声を上げながら自分の後頭部を軽くたたいた。

「だーーー。余計なこと言ったかもな」

あの様子では深自身も自覚している様子だ。であるのならばわざわざ指摘してやるのも野暮だったかもしれない。

「師匠?どうしたんですか?」

流生が頭を掻いていると廊下の角からひょこりとこちらの様子を伺うように響が顔を出してきていた。流生は振り返り、ほんの少しだけ考えてから口を開く。

「何でもねぇよ。ほらこれ、深からの差し入れだ」

深自身が話したくないと言っていた話題については触れることなく、流生は響に深の差し入れが入った紙袋を渡した。

「え?深君来てたんですか!今どこに!?」

深の名前を聞いた瞬間、響は嬉しそうに目を輝かせて玄関口を覗く。しかし、その場に深の姿は見つけられなかった。

「残念ながらまだやることがあるんだと。修行頑張れってさ」

「そう、ですか」

流生の説明に明らかにしゅんとなって落ち込む響。

(少なくともヒビの字側からは想われてんだよなぁ)

明らかに落胆している様子の弟子を見て冷静に流生は響と深の関係性を推察する。

そして、深が去っていった表門を見つめた後、紙袋を持ってしゅんとしている響の背中を軽く叩いた。

「ま、がんばりな」

「?はい!」

恋路を頑張れという意味も込めたが響は理解していなかったようだ。単に修行を頑張れという意味でとり修行に戻っていった。

色々抱えている後輩と弟子。とりあえずは弟子の恋路を応援してやろう。そんなことを考えながら流生は響の後に続くのだった。

 

 

 

 

流生との修行が終わった夜。響は二課の廊下を一人で歩いていた。手には弦十郎から渡されたレポートが入った封筒があった。研究室に詰めている深に届けてほしいとお使いを頼まれたのだった。

やがて深の研究室が見えてきた。扉は締まっている。

「……よしっ」

昼間は会えなかったのだ。それもあってか自ずと修業とはまた違った気合を入った。響は研究室の前のガラスで自分の姿を見る。髪や服が乱れていないか確認すると研究室の扉をノックした。

「深君、弦十郎さんから預かりものがあってきたんだけど」

「……」

扉越しに声をかけたが返事がなかった。留守にしているのだろうか。

そう考えていると自動ドアが開いた。中に人の気配もある。

「お邪魔します……わぁ…なんか頭のよさそうな空間…」

遠慮しながら響が中に入るとそこには様々な実験道具が置かれていた。机の上にはアルコールランプで熱せられた不思議な色の液体が入ったフラスコや顕微鏡、どう使うのかわからない高そうな機械などが所せましと置かれている。壁のホワイトボードには様々な計算式が書かれている。奥の棚には大量の資料が整理整頓された状態でしまわれていた。部屋の中には様々な計器が置かれており、それらはパソコンに接続されていた。そのパソコンからひときわ大きな配線が奥の台座に繋がっている。その台座の上には一つの円形の装置が配線に繋がれて置かれていた。パソコンに表示されたグラフは数秒ごとにピッピッと音を立てながら変動していた。そのパソコンの前の椅子に深く腰掛けて深がうつむいていた。どうやら眠ってしまっているようだった。モチもその膝の上で丸くなって寝ていたのだった。

「……深君?」

響は小声で深に話しかけ肩を優しく揺さぶってみるが起きる様子はなかった。優しい月の光のような瞳は瞼に閉ざされて見ることができない。叢雲のような髪が顔にかかっており、普段は大人びて見える深だったが寝顔は年相応に幼く見えた。しかし、その寝顔には疲労がうかがえた。そんな深の寝顔を響は何も言わずじっと見つめる。

(寝顔初めて見るなぁ……ちょっとかわいい)

「今なら唇だって奪えちゃうわねぇ~」

「わひゃぁ!?」

響が深の顔を夢中で眺めていると突然耳元で囁かれた。突然の囁きとその内容に驚いてしまい響は素っ頓狂な声を上げで飛び跳ねる。びっくりやら恥ずかしいやらで顔が熱くなるのを感じた。

「りょ、了子さん!?」

声がした方向を見ると毛布を持った了子が自分の人差し指を口元に充てて静かにするようジェスチャーをしている。ただ、目元はいたずらが成功したことを喜ぶようにウインクしていた。

「ごめんなさいね。この子、例の少女の追跡とネフェシュタンの鎧の解析で忙しくて丸二日徹夜した後なのよ。」

ついさっき寝たばかりなのと言いながら了子は深とモチを起こさないようにそっと毛布を掛けてあげた。そして、深の目にかかった髪の毛を優しくはらう。

「……」

そんな了子の様子を響はじっと見つめていた。前々から思っていたことだが、やっぱり二人の距離が近い。なんというか深い情のようなものを感じる。

(まさか、男女のあれこれ的な情じゃないよねっ!?)

ぐるぐる回る頭を抱えて響は思考の迷宮に入り込んでしまった。了子からは大人の女性の余裕、女性の包容力を感じる。やはり男の子はそういった母性的なサムシングに弱いのかも……

もう一度了子と深の方に目をやると眠る深を了子が温かい目で見守っていた。

(……いやいやいやいや、何もない。あくまで二人は師弟なだけでそういうあれじゃない。)

そうだ、そうに決まっている。だからさっきから二人の背景に見えるふわふわしたシャボン玉みたいなエフェクトは私のたくましい想像力が生み出した妄想の産物にすぎないんだ。

(消え去るがいいッ!私の不純な妄想力!!私をからかってくるのは正妻の余裕的な物じゃないんだ!!今ここで想像力を解き放たなくったっていいんだ!!)

「どうしたの?そんなこの世の終わりみたいな顔で頭を抱えて」

響が脳内で一人盛り上がっているとその様子を見た了子が汗を額に滲ませて響を見ていた。大丈夫だろうかこの子はという表情がひしひしと伝わってくるようだった。

「へっ!?いや、なんでもない…です…」

声をかけられた響は思考の迷宮から抜け出して返事をする。したのだが、突然だったことと自分の想像が恥ずかしく声が裏返ってしまった。

了子はそんな響の姿を観察するように顎に手を置き、細めた目でじっくりと響を見つめる。響はなんだか自分の全部が見透かされているような錯覚を覚えた。やがて了子が一度目を閉じてうんうんと何かを納得した様子を見せた。

「響ちゃん、ガールズトークでもしましょうか」

「へ?」

あまりに唐突なお誘いに響はさっきとは別の理由で声が裏返るのだった。

 




最後までお付き合いくださりありがとうございました。

原作では弦十郎に師事していた響でしたが今作では流生に弟子入りします。(だって弦十郎が戦っているところみてないですしおすし)
アクション映画見て強くなるなら特撮見て強くなってもいいはずだ!!
響が習得するのが八極拳から激獣拳になったことくらい些末な問題些末なことよ…

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