装者の男女恋愛が見たいッ!戦姫絶唱シンフォギア SLS   作:ふみー999

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どうもふみー999です。
ギアマニ、まさかの11月開催ですね~。私はその日仙台でオフ会の予定だったので行けなさそうです~
うおおおおどうしてそこ被るミラクル起きるのよ!?

そんなこんなでカディンギルの名を知った二課、どう動くのか。どうぞお付き合いください!


第39話 stretta:塔に集う

 フィーネの根城での一件から一時間後、弦十郎と流生は二課本部へと戻ってきていた。クリスから提供された情報の共有、及び今後の対策について話をするために装者二名へも連絡を入れる。

≪はい、翼です≫

≪響です≫

「収穫があった。……了子君と深は?」

 連絡を入れ数コール待つとすぐに翼と響の顔がメインモニターに表示された。弦十郎は端的に用件を二人に伝え、友里にこの場に来ていないもう二人の所在を確認する。

「了子さんはまだ出勤していません。朝から連絡不通でして。深君もこちらのコールに反応しません」

「……そうか」

弦十郎は顎に手を置いて険しい表情を作り考え込む。すると響は不安げな声音で尋ねてきた。

≪あの……深君、連絡つかないんですか?≫

 弦十郎が顔を上げ画面を見るとモニターには眉をひそめてこちらからの答えを待っている響が映っていた。そんな響に弦十郎がどう答えようかと考えていると横から流生が話し始めた。

「昨日夜中にこっそり二課に来ていたみたいだからな。今頃爆睡してんじゃねえか?あいつ一度寝るとなかなか起きねえし」

≪師匠……≫

「心配すんなよヒビの字。後であいつのことは俺が引っ張り出してくっから」

後頭部を無造作に掻きながら流生は響を安心させるように口角を上げ笑みを作った。響はそんな流生の姿を見て一応の納得をしたのか不安げにしかめていた表情を緩めた。そして、気持ちを切り替えるように努めて明るい声を出す。

≪分かりました……。なら、後は了子さんですね!でもでも、了子さんならきっと大丈夫です。何が来たって私と深君を守ってくれた時のようにどかーんとやってくれます!≫

≪いや、戦闘訓練もろくに受講していない櫻井女史にそのようなことは……≫

≪うぇ?司令とか了子さんって人間離れした特技とか持っているんじゃないんですか?デュランダル移送の時、爆発から私たちのことを守ってくれましたけど……≫

 自信満々に了子の無事を信じる響の言葉を翼が否定する。そのことに不振がった響が以前の出来事について重ねて問いかけようとすると了子からの通信が入った。

≪や~っと繋がった。ごめんね~寝坊しちゃったんだけど通信機の調子が良くなくって≫

 いつも通りの軽い口調。特に何かがあった様子には聞こえない了子の声を聴いて弦十郎は眉をひそめる。そして表示されているSOUND ONLYの文字をじっと見つめた。

「……無事か了子君。そっちに何も問題は?」

≪寝坊してごみを出せなかったけど……何かあったの?≫

≪よかった≫

 安否確認ができたことに響が安堵する。一方の弦十郎は険しい口調のまま話を続けた。

「ならばいい、それよりも聞きたいことがある」

『せっかちね。何かしら?』

「カディンギル、この言葉が意味することは?」

 弦十郎からの質問に了子は一瞬押し黙った。やがて答えが返ってくる。

≪……カディンギルとは古代シュメールの言葉で高みの存在。転じて天を仰ぐほどの塔を意味しているわね≫

「何者かがそんな塔を建造していたとして、何故俺たちは見過ごしてきたのだ?」

≪確かにそう言われちゃうと……≫

 弦十郎の問いかけに納得したように響が合いの手を入れ指を口元に当てて考え込んだ。

「だが、ようやく掴んだ敵の尻尾。このまま情報を集めれば勝利も同然。相手の隙にこちらの全力を叩き込むんだ。最終決戦仕掛けるからには仕損じるな」

≪了解です!≫

 弦十郎はそれ以上追及することはなく発破をかけて話を終わらせた。気合の入った返事をして響と翼の通信が切れる。

≪ちょっと野暮用を済ませてから私も急いでそっちに向かうわ≫

「了子君」

≪何かしら?≫

 通信を切ろうとする了子に対して弦十郎は険しい声音のままに問いを重ねる。その目は一瞬の動揺も聞き漏らすまいと真剣なものだった。

「昨晩、深が2課に来ていたようだが会ったか?」

≪……えぇ、会ったわよ。謹慎中なんだから早く家に帰れって話してそれっきり≫

「何か変わった様子はなかったか?」

≪う~ん、特に何かあったりはしなかったと思うけど……≫

「……そうか、とにかくなるべく急いで来てくれ」

≪はいはい、りょうか~い≫

 手を振っている姿が目に浮かぶような軽い声を最後に了子からの通信が切れる。それを見届けた後、他のだれかに話を聞かれないようにするかのように、流生は弦十郎の隣に歩いてきた。

 その様子を弦十郎が一瞥するが、気にせず流生は先ほどまで響たちの顔が浮かんでいたモニターをにらみつけている。

「決戦前だ。ヒビの字に今は……余計な心配はない方がいいでしょうよ」

 弦十郎からの視線に言いたいことが何なのかを読み取った流生が低い声で答える。弦十郎は腕を組み、流生と同じ方を見つめた。

「すまんな」

 短く感謝を伝える。流生は拳を強く握りしめ震えさせた。

「おっちゃん……あの人が本当にそうなのだとしたら深はもう……」

「まだ諦めるには早い」

 弦十郎は流生に目を向ける。すると流生も弦十郎を見た。今にも飛び出していきそうな怒りを静かに瞳に宿していた。

「深も、何度も死地を乗り越えた男だ。そう簡単にはやられんと信じている。だから流生、今は——」

「自分の為すべきことを為せ。確かに頭に血が上っちゃいますがそこはき違えるほど取り乱しちゃいませんよ」

 落ち着かせるために伝えようとしていた言葉が先に流生から出てきて弦十郎は少しだけ目を丸くする。しかし、すぐに弦十郎も切り替えて静かにうなずく。

「ならばいい。とにかくカディンギルについての情報を集めるぞ」

「御意」

 それだけ言うと二人はそれぞれ仕事にとりかかった。

 

 

 

 

「カディンギル……誰も知らない秘密の塔……」

「検索しても引っかかるのはゲームの攻略サイトばかり……」

 弦十郎から聞いた情報をもとに響と未来は何かしらの手掛かりはないかとスマホで調べたり、頭を悩ませたりしていた。だが妙案など浮かばず唸り声をあげている。

そんな中で突然、通信機からけたたましいアラームが鳴り二人の間に緊張が走った。

「響です!」

 すばやく、通信に出ると険しい流生の声が聞こえてきた。

≪飛行型の超大型ノイズが4体出現した。現在は都心部に向けて進行している≫

「被害状況は?」

≪今はまだ皆無だ。ただ気になるのは進行方向に東京スカイタワーがある≫

「スカイタワー?……カディンギルってまさか」

≪察しがいいな。あそこには二課の活動時に使用している映像や交信といった電波情報を統括制御する役割を担っている。まさしく塔、敵が狙ってくるのも妥当っちゃ妥当だろうよ≫

 スカイタワーと先ほどの塔という言葉が結びついた響の様子に上出来だというように流生は小さな笑みをこぼした。

≪今そっちにヘリを向かわせた。それに乗ってくれ。お嬢もすでに現場に向かっている≫

「分かりました。すぐに現場に急行します!師匠も避難誘導気を付けて」

 気持ちを引き締めて戦場へ向かうであろう流生にも激励の言葉を伝える。しかし帰ってきたのは予想外なものだった。

「悪いが今回俺は別行動だ」

「え?何か他にあったんですか?」

 通信越しに聞こえていた流生の足音が止まる。それから真剣な口調で返事が来た。

≪ちょいと野暮用だ。たいしたことじゃねえから気にすんな……お嬢を頼むぞ≫

最後の一言に特に圧を感じていると流生からの通信が途切れてしまった。

「響……」

 そんな響と流生の通信の様子を見ていた未来が不安そうに響に話しかけてきた。響は微笑みを浮かべて未来の方に振り返る。

「平気、私と翼さんで何とかするから。だから未来は学校に戻って」

「リディアンに?」

「いざとなったら地下のシェルターを開放してこの辺の人たちを避難させないといけない。未来にはそれを手伝ってほしいんだ」

「う、うん。わかった」

 響の言っていることに納得した未来は緊張した面持ちのまま頷き返す。そんな様子に響は申し訳なさを感じて眉をひそめた。

「ごめん、未来を巻き込んじゃって」

「ううん、巻き込まれただなんて思ってないよ。……あの廃工場で深さんが言っていたんだ。自分にできることをしたい。響が戦うなら、それを支えられるように。響が一人で背負わないでいいように、できる戦いをしたいって」

「深君が?」

 罪悪感を覚えている響を励ますように未来は響の言葉を否定して、あの燃え盛る廃工場で聞いた深の言葉を響に伝えた。

 その言葉を聞いた響は目を丸くしていた。

「うん、そしてそれは私も同じ気持ちだから。だから響が帰ってくる場所を守って待っている」

「未来……ありがとう」

 驚いていた響だったが未来の言葉に微笑を浮かべて頷き返した。そんな響に未来は見送りの言葉を投げかける。

「無事で帰ってきてね。文化祭誘うんでしょ?」

「うん!……誘えるかな……?」

「ほらそこでへたれない。一緒に誘い方考えてあげるから。しっかり気張りなさい」

肩を落として自信を無くす親友の背中をポンッと叩いて押し出す。わわっと若干バランスを崩して数歩歩いた後響は振り返って再び微笑みを浮かべる。もうそこに緊張の色は見られなかった。

「分かった。その難題に比べたらノイズなんてちょっちょいのちょいだね。じゃあ行って来るよ」

買い物に行くような声音で響は未来に別れを告げると走り出す。未来は響が見えなくなるまでその背を見送るのだった。

 

 

 

 

「さて——」

響との通話を終えた流生は二課のとある一室に訪れていた。すばやくパスコードを打ち込みドアのロックを解除する。薄暗い室内に入り、照明をつけるとそこにはおびただしい数の銃やナイフ等、様々な武器が保管されていた。

 部屋の隅のロッカーの前で上着を脱ぎ、ハンガーにかけて中に仕舞いこむと、防弾ジャケットを取り出して羽織り、ファスナーを上げる。手足にプロテクターを身に着けると金具をロックし着心地の良い場所にずらす。軽く手首足首を動かし、動きを邪魔しないか確認する。

太もものポケットには平棒の手裏剣を計10本収納した。次いで腰に手榴弾を2つ、スタングレネードを2個括りつける。防弾ジャケットのポケットには予備の圧縮薙刀を二振り装備する。

そして、ハンドガンをケースから取り出し、マガジンに問題なく全弾入っていることを確認。ハンドガンのスライドを引き、弾丸が問題なく装填されているのを確かめる。

「こいつは……」

 腰のホルスターに仕舞おうとしたところでふと、視界の端にあるものが目に留まった。それは一丁のリボルバーだった。通常のリボルバー拳銃よりも一回り大きく、鈍い光を放ちその存在を主張していた。まるで自分を選べと告げているかのように。

 S&W M500、50口径の超大型リボルバーにして、ここぞという時に深が愛用していた拳銃。

「……お前も戦いてぇよな?」

それだけ呟くと手に持っていた銃をケースに置き、M500をホルスターに装備する。

「罠だとしても……か」

 先ほど司令室で弦十郎がつぶやいた言葉を反復する。そして、立てかけてあった業物の薙刀を担ぐように持って部屋を出た。

来る時よりも重くなった足を淀みなく動かして流生は廊下を進んでいくのだった。

 

 

 

 

避難が進み無人となった町に影を落としながら巨大な飛行タイプのノイズがスカイタワーを目指して進軍していた。いや、落としていたのは影だけではなかった。下腹部が展開されるとそこからおびただしい数のノイズが地上へと投下され続けている。地上は瞬く間にノイズの群れに占領されていった。

 

Balwisyall nescell gungnir tron(喪失までのカウントダウン)

 

その様子をヘリの上から見下ろしていた響は即座にヘリから飛び降り聖詠を口ずさむ。

「はあああああ!!」

シンフォギアを身に纏うと落下の勢いを利用して渾身の一撃を巨大ノイズへと叩き込んだ。穿ちぬかれたノイズはやがて爆発を起こし霧散する。

それを見届け、着地を果たした響を取り囲むように溢れんばかりのノイズが迫ってくる。だが、響は冷静だった。遠くから聞き慣れたエンジン音が聞こえてきていたからだ。

音のする方を見ればバイクに乗った翼がこちらに向かってきている。翼はバイクから飛び出し空中でシンフォギアへと換装を果す。

「はぁッ!!」

 

蒼ノ一閃

 

そのまま流れるように周囲のノイズを薙ぎ払い、繰り出された蒼ノ一閃にて頭上の巨大ノイズを狙う。しかし、斬撃は小型のノイズを薙ぎ払うだけに留まり、巨大ノイズまでは飛距離が足りず攻撃が届かなかった。

「相手に頭上を取られることがこうも立ち回りにくいとはッ!」

 歯ぎしりをした翼が忌々し気に叫ぶ。有象無象のノイズをいくら倒したところで生み出している本丸を叩けなければジリ貧になるのは火を見るよりも明らかだったからだ。

「ヘリを使って私たちも空からッ!?」

 上空からの攻撃を仕掛けるべく響が提案した次の瞬間、先ほどまで響が乗ってきていたヘリが爆発を起こして墜落していた。ノイズによって破壊されたのだ。

「よくもッ!」

 叫ぶ翼たちに目掛けて小型の飛行ノイズが体をドリルのように回転しながら攻撃を仕掛けてきた。響と翼はその場から飛び退くと向かってくるノイズを拳と剣で迎撃する。

「流生はなにをしているの!?」

「何か別件があるって!翼さんも師匠が何をしているのか知らないんですか!?」

 流生に雪音クリスとの交戦時にしたように翼自身を打ち上げてもらえれば飛行型ノイズへの攻撃も可能なのではないかと翼は考えた。同じことを立花と行おうとしても、おそらくタイミングが合わず十分な飛距離が稼げないだろう。この場に流生がいないことに不満を表して翼は悔しさを隠そうとしなかった。

「空飛ぶノイズ……どうすればッ……」

「臆するな立花!防人が後ずさればそれだけ戦線が後退するということだ」

 浮かんだ打開策が使えないのであれば別の案を考えるのみ。翼は尻込みする響に発破をかけ向かってくるノイズたちに向かって再び剣を構えた。

ノイズがまさに襲い掛かってこようと落下してきた瞬間。地上からノイズを迎撃するようにガトリングの弾が発射され、ノイズたちを殲滅せしめた。

何事からと翼と響が振り返ると白煙の向こう側に人影が見えた。そして、そのタイミングで弦十郎から通信が入る。

≪助っ人だ。少々到着が遅くなったかもしれないがな≫

「助っ人?」

≪そうだ、第二号聖遺物イチイバルのシンフォギアを纏う戦士、雪音クリスだ≫

翼の疑問に弦十郎は端的に答えた。風が吹き砂煙が晴れる。そこには弦十郎の言葉の通り、深紅のギアを纏ったクリスが両手にガトリングを携えて立っていた。

 




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それでは次回、ついにあの歌が歌われます!
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