装者の男女恋愛が見たいッ!戦姫絶唱シンフォギア SLS 作:ふみー999
ちっくしょ~チェンソーマンを後二年早く読んでいたらこの物語ももっとあれこれ入れられたのにぃ(暗黒微笑)
さて、ギアマニ大阪公演の抽選が発表がありましたが、皆さまはいかがだったでしょうか。チケットを入手できた方々は当日ぜひ楽しんできてください!
残念ながらゲットできなかった人は、本編を見てもう一度フォニックゲイン高めましょう!俺もそうします!!
仙台公演はぜってえ行くからなあああああああ!!
「クリスちゃぁ~ん!!ありがと~絶対に分かり合えると信じてた!」
「この馬鹿ッ!引っ付くな!こいつがぴーちくぱーちくやかましいからちょっと出張ってきただけだ!」
増援に来てくれたクリスに対して響は走って近づいて行くと思いっきり抱きしめて頬ずりをし始めた。そのハイテンションな様子にクリスは赤面しながら響を引きはがそうと力を込める。
「とにかく今は連携してノイズを」
「勝手にやらせてもらう!邪魔だけはすんなよな!」
「ふぇ!?」
翼の冷静な声掛けにクリスは響を振り払うと我先にとノイズに向かって突貫、両手のクロスボウでの迎撃を始める。
クリスが放った無数の矢が空中にノイズの花火を無数に上げさせて行く。
「空中のノイズはあの子に任せて私たちは地上のノイズを」
「ッはい!」
その苛烈さに感心して口を開けていた響に翼が指示を出す。二人もまたそれぞれの力を持ってノイズの殲滅を始めた。
響が拳を突き出す。翼が剣で薙ぎ払う。そしてクリスがガトリングをぶっ放す。有象無象のノイズは塵芥のごとく殲滅させられていく。
それでも、空高くにいる飛行型ノイズから三人が殲滅する速度以上の数のノイズが降下させられていた。
やがて、それぞれ動き回っていたクリスと翼が回避のためにビルに飛び乗ると背中同士をぶつけ合う形でかち合った。
「何しやがる!すっこんでな!」
「貴方こそいい加減にして!一人で戦っているつもり?」
「私はいつだって一人だ。こちとら仲間と馴れあったつもりはこれっぽっちもねえよ!」
「くッ」
同じ相手と戦っていても共闘をまるでしようとしないクリスの態度に翼は顔をしかめる。クリスもまた、拳を上げてとげとげしい表情を崩さなかった。
「確かにあたしたちは争う理由なんてないのかもな。だからって争わない理由もあるものかよ!この間までやりあってたんだぞ?お前だってあの腰巾着共々、あたしに大怪我させられてんだ。そんなあたしのことを簡単に許せるのかよ?憎いんじゃねえのか!そんなに簡単に人と人が——」
「できるよ、誰とだって仲良くなれる」
翼に怒鳴り散らすクリスの振り上げられた手を響はそっと量の手で包んだ。突然のことにクリスは面食らって響を見つめる。
すると響は片方の手を伸ばして翼の手を引いた。右手に翼の、左手にクリスの手を握って響は静かに語り始める。
「どうして私にはアームドギアが無いんだろうってずっと考えていた。いつまでも半人前は嫌だなって。でも今は思わない。何もこの手に握ってないから二人とこうして手を握り合える。仲良くなれるからね」
「立花……」
分かり合えると花のような笑みを浮かべる響を翼はまじまじと見つめる。そして手にしていた剣を地面へと刺し立てた。
空いたその手をクリスへとそっと差し出し見つめる。手を握れとその眼は訴えていた。
クリスは翼の意図を察すると頬を赤らめ、躊躇うように手を動かした。
そうして、ゆっくりと上げられたクリスの手を翼は強く握る。クリスはその瞬間驚いたように手を離した。
「うっこ、この馬鹿に当てられたのか!?」
「そうだと思う。それに貴方も」
「……冗談だろ」
翼の言葉を否定するようにクリスは顔を背けてつぶやいた。そんなクリスの姿を響が微笑ましく見つめる。先ほどまでとは異なり、三人の間に穏やかな雰囲気が包んでいた。
しかし、その安寧は続かない。空気を読まない大型ノイズが三人の頭上をゆっくりと旋回し影を落としていった。
三人はその姿を見上げ、意識を戦いへと切り替える。
「親玉をやらないとキリがない」
「だったらあたしに考えがある。あたしにしかできないことだ。イチイバルの特性は長射程広域攻撃、軽くぶっ放してやる」
「まさか、絶唱?」
クリスの提案に響が不安そうに尋ねる。拳を掲げたクリスは呆れて答えた。
「馬鹿、あたしの命は安物じゃねえ」
「ならばどうやって?」
「ギアの出力を引き上げつつも放出を抑える。行き場のなくなったエネルギーを臨界まで溜め込み、一気に解き放ってやる!」
翼の疑問に自信満々にクリスは答えた。確かにその方法ならば今いる大型ノイズも、多数いる小型ノイズも一気にせん滅することが出来る。しかし、この方法には致命的な問題がある。
「だがチャージ中は丸裸も同然。これだけの数を相手にする状況では危険すぎる」
チャージ中のクリスが一切動けず、反撃もできないことだ。翼がそのことを懸念すると響がなんてないように答えた。
「そうですね、だけど私たちがクリスちゃんを守ればいいだけのこと!」
「ッ!」
響の言葉にクリスはハッとして驚き、翼はその通りだと頷く。そして響と翼はそれぞれがノイズを倒すためにビルの屋上から飛び出していった。
(憎しみの消し方……んだよ、こんな簡単なことだったのかもな)
ふと、いつかの夜に深と出会った時のことが思い出された。あの時あいつに尋ねた戦いを続ける憎しみの消し方。響と翼の態度からその答えが今なんとなく分かったような気がしたのだ。
「頼まれてもいないことを……あたしも引き下がれないじゃねえか!」
クリスの口角が自然と上がる。先日まで命を懸けてやり合っていたというのに今こうして背中を預けられることに安堵している自分がいた。そして、そのことを決して悪くないと思えている。
その思いをクリスは歌に乗せた。それに呼応するかのようにイチイバルのエネルギーが急速に高まっていく。
肘鉄、ハイキック。群がるノイズを前に響は一歩たりとも退かない。
(誰も繋ぎ繋がる手を持っている。私の戦いは誰かと手を繋ぐこと——想い、想われる。そんな誰かとのつながりを作っていくこと。そうだよね?深君——)
自分の心の真ん中にある戦う理由を再確認する。そしてそれを教えてくれた大切な人の顔が思い浮かんだ。
真向、逆袈裟、次いで一文字、研ぎ澄まされた剣が翼の眼前を切り開いていく。
(砕いて壊すも、束ねて繋ぐも力、立花らしいアームドギアだ。流生、貴方案外誰かに何かを教えるのが得意なのではないか?)
後輩の成長に笑みがこぼれる。それを導いた幼馴染に頭の中でからかうように声をかけた。
チャージが完了する。
「「託した!」」
二人の声に答えるようにイチイバルが形態を変形させてゆく。
腰の装飾が展開し方へと移動、超巨大な四発のミサイルが展開され、スカート部位から小型ミサイルが両サイドへ発射準備を完了する。そしてダメ押しに両手のガトリング。
全砲門一斉射撃、腰から展開された小型ミサイルの群れが空中でさらに小さなミサイル群を射出、空を覆う複数の小型ノイズの群れを襲う。
ミサイルの襲撃から逃れたノイズもダメ押しのガトリングの弾によって撃ち落とされてゆく。
そして、4発の巨大ミサイルが上空高くを滑空する巨大ノイズに向けて突き進んでゆく。
全弾命中、3体のノイズが巨大な花火へと変わった。
空に灰燼と火花の残光が流れて消えてゆく。それはまるで旅立ちを祝福する祝砲のようなえもいえぬ光景だった。
その光景を最後のノイズに刃を突き刺して翼は見上げていた。
「やったのか?」
「たりめぇだ!」
地上に着地したクリスが自信満々と言った様子で答える。そんなクリスの背中に思いっきり響が抱き着くのだった。
「やったやったー!勝てたのはクリスちゃんのおかげだよ~!」
「やめろ馬鹿ッ引っ付くな!!いいか、お前たちの仲間になった覚えはない!あたしはただフィーネと決着をつけて、やっと見つけた本当の夢を果したいだけだ!」
クリスは響を引きはがすと威嚇する子猫のような剣幕で自分の本心を語る。クリスの夢という言葉を聞いた響はより一層上機嫌になった。
「夢?クリスちゃんの?どんな夢?聞かせてよ~!」
「うるさい馬鹿!お前本当の馬鹿ッ!」
たじろぐクリスに響は再び抱き着く。そんな二人の様子を翼も和やかに見つめていた。
すると、響の通信機に着信が入る。見れば未来からの着信だった。戦闘が終了したことを報告しなければと響は呑気にその通信に出る。
「はい?」
≪響ッ!学校が!リディアンがノイズに襲われ———≫
通信機から聞こえてきたのはひっ迫した未来の叫び声と轟音だった。
「未来?未来!?」
その声を最後に通信は途切れてしまったのだった。
響たちがノイズと戦っているのと同時刻。翼を見送りリディアンに戻ってきた緒川が見たのは地獄だった。巨大なノイズを中心に数多の小型ノイズが学園を蹂躙している。機動部一課の軍人たちが懸命に応戦しているがそれらのほとんど効果がなく一方的に殲滅させられていた。
そんな惨劇の中、緒川は未来の手を引いて3体のノイズから逃げていた。避難誘導中、逃げ遅れた人がいないか探していた未来がノイズに襲われていたのをぎりぎり間一髪で助けたのだ。
「三十六計逃げるに如かずと言いますッ!」
中央棟の長い廊下を駆け抜け二課に繋がるエレベーターへと駆け込む。端末を操作し、ノイズが侵入してくる前に扉を閉めた。しかし、透過してきたノイズが侵入を試みようと入り込んでくる。
「ひッ!」
後数センチ、ノイズの手が未来の眼前へと迫ったところでエレベーターが動き始め、ノイズを置き去りにして降下を始めたのだった。エレベーターの速度が上がり、完全にノイズの追手が無くなって未来はようやく安堵のため息をつく。
緒川の方へと目を向ければ通信機を取り出し二課本部へと連絡を取っていた。通信機から弦十郎の声が聞こえてきている。
「はい、リディアンの破壊は依然拡大中です。ですが、未来さんたちのおかげで被害は最小限に抑えられています。これから未来さんをシェルターに案内します」
≪分かった。気を付けろよ≫
「それよりも司令。カディンギルの正体が判明しました」
≪なんだと!?≫
「物証はありません。ですがカディンギルとはおそらく——」
ひっ迫した状況の中でそれでも緒川が冷静にカディンギルの正体を伝えようとしていたその時だった。
≪どうした!緒川ッ!!≫
エレベーターの天井がとてつもない力によって押しつぶされ凹む。二度三度、同じ衝撃が起こり、とうとう天井に穴が開いた。
「こうも早く悟られるとは……何がきっかけだ?」
轟音と共にエレベーター内部に侵入してきた人物は即座に緒川の首を絞める。天井から入ってきたのは長い金髪を腰まで伸ばし、黄金の鎧を纏ったフィーネだった。
首を絞められ苦悶の声を上げながら緒川は自身の推理を語り始めた。
「塔なんて目立つもの、誰にも知られることなく建造するには地下へと伸ばすしかありません。そんなことが行われているとすれば、特異災害対策機動部2課本部。そのエレベーターシャフトこそ、カディンギル。そしてそれを可能とするのは——」
可能とするのはたった一人。この本部の設計を担当し、各ブロックにまで口出しをしてきた櫻井了子だけだった。
緒川の推理を聞いたフィーネ、了子は上出来だと言わんばかりにほくそ笑む。うまく誘導できなかったことすら面白いと言わんばかりの余裕の笑みだった。
「漏洩した情報を逆手にうまくいなせたと思っていたのだが——」
そのタイミングでエレベーターが本部地下へと到達した。緒川は即座に拘束から抜け出すと懐からリボルバー拳銃を取り出し即座に発砲する。放たれた弾丸は寸分の狂いもなくフィーネの心臓部分へと着弾する。しかし——
「ネフェシュタンッ!うわあああっ!!!」
当たった弾丸はフィーネの皮膚すら貫通することなく潰されそのまま地面へと転がり落ちた。ネフェシュタンと融合しているフィーネにとって、ただの弾丸など玩具にすら劣っていたのだ。
動揺した緒川は即座にネフェシュタンの鞭により拘束され宙づりにされる。
「未来さんっ……逃げて……」
そんな中でも緒川は未来のことを案じ逃げるように声をかける。
「……ッ」
声を掛けられた未来は怯えながらも意を決して隙だらけなフィーネの背中に体当たりをする。しかし、ただの人である未来の体当たりではフィーネの体を揺らすだけでしかなかった。
「麗しいな?お前たちを利用してきたものを守ろうというのか?」
そんな未来の行動にフィーネは緒川の拘束を解き、緒川を地面にたたきつけると、振り返って未来の顎に手を当て微笑む。
「利用?」
「何故二課本部がリディアン地下にあるのか。聖遺物に関する歌や音楽に関するデータをお前たち被験者から集めていたのだ。その点、風鳴翼という偶像は生徒を集めるのによく役立ったよ」
それだけ言い残すと押さえきれない笑い声を上げながらフィーネは廊下を進んでいく。その背中に向けて、未来は震える口を開いて叫ぶ。フィーネの言葉が親友を、その想い人を侮辱するものに聞こえたからだ。それは到底許せることではなかった。
「嘘をついても!本当のことが言えなくても!誰かの命を守るために自分の命を危険に晒している人がいます!私はそんな人を…‥そんな人たちを信じている!」
未来の啖呵にフィーネは怒りを隠さず、未来の頬に二度三度と平手打ちを繰り出す。
「まるで興が冷めるッ!」
倒れ伏した未来を見下ろしてそう吐き捨てると今度こそ、フィーネはデュランダルのもとへと向かうべく廊下を進む。
最下層へと続くエレベーターへフィーネが自分の通信機を翳そうとする。その瞬間、銃声が轟き、フィーネの端末を破壊してみせた。
「デュランダルのもとへは行かせません!この命に代えてもです!」
振り返れば、銃を構えた緒川が肩で息をしながらにらみつけていた。緒川は球切れを起こしたリボルバーを投げ捨てると拳を握り、戦う意志を見せる。
フィーネがうざったそうに振り返り止めを刺そうとネフェシュタンの鞭を振り上げた。
「待ちな。了子」
その時、天井の上から声が聞こえてきた。次の瞬間、轟音を立てて天井がぶっ壊され、瓦礫の山の中から人影がゆらりと立ち上がった。
「私をまだ、その名で呼ぶか——」
フィーネは余裕を崩さず、その瓦礫の中にいる弦十郎に声をかける。弦十郎は拳を構えた。
「女に手を上げるのは気が引けるが……二人に手を出せば
「俺、たち?」
弦十郎の言葉に違和感を覚え、首をひねっていると弦十郎の後ろの廊下からこちらに近づいてくる足跡が聞こえてきた。
「……慎次兄、小日向さんを連れて離れていてくれ」
「流生さん……」
向こうからやってきたのは全身を武装し、薙刀を肩に担いだ流生だった。流生は緒川と未来に声をかけるが、視線をフィーネから決して外さなかった。
「おっちゃんみてぇに俺は甘かねえぞ。姐さんと深の分、きっちりと落とし前つけさせてもらおうか?」
どす黒い声音をした流生が薙刀の矛先をフィーネへと向け静かに弦十郎の隣に並び立つのだった。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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いや、本当に、ここがよかっただけでもいいので書いていただけると執筆寿命が2週間伸びます。
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