装者の男女恋愛が見たいッ!戦姫絶唱シンフォギア SLS   作:ふみー999

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どうもふみー999です。
投稿遅れて本当に申し訳ありません!
風邪ひくは、休日に予定が立て込むはで時間が取れず……
次回は頑張って早く仕上げたいですね、頑張りますとも!!
それでは今回もお付き合いください!どうぞ!


第41話 Cambia:鞘の意地

薙刀を構えてにらみつける流生に対してフィーネは不愉快さを隠すことなく淡々とした表情を保っていた。にらみ合いが続く中で弦十郎が語り始める。

「調査部だって無能じゃない。米国政府のご丁寧な道案内でお前の行動には気づいていた。後は燻りだすため、あえてお前の策に乗りシンフォギア装者を全員、動かしてみせたのさ」

「陽動に陽動をぶつけたか。食えない男だ。だが、この私を止められるとでも?」

「応ともッ!ひと汗かいた後で話を聞かせてもらおうか?」

飛びかかろうとする弦十郎を前に、流生は手を挙げてそれを制した。どうしても戦う前に確認しなければいけないことがあったのだ。

「了子姉、一つだけ聞かせてくれよ。あんた深を、姐さんをどう思っていやがった?」

 顔に影を落とすようにうつむいたまま流生は尋ねる。

(私さ、了子さんには感謝してんだよね。そりゃ、ギア纏うまで血反吐吐きまくったけど。おかげで今ノイズと戦えている。それに、誰かも助けられる。そんな力をくれたのはあの人だからな)

トレーニング後に何気ない会話の中で屈託なく笑っていた奏の顔が脳裏に浮かんだ。

(先生ですか?確かにずぼらなところもありますけど……優しい人ですよ。教え方もああ見えてうまいですし。先生のためにも早く成果を上げたいですね。……揶揄われるから面と向かっては言えませんけど)

 ラボに顔を出した時に、了子を褒めて、照れるのを誤魔化すように笑った深の顔が浮かんだ。

「仇にも気づかず、与えられたおもちゃで踊るサマは滑稽だったな」

 思い出した二人の顔は純粋に了子姉に感謝した、慕っていたものだった。それを目の前にいるこいつはせせら笑って侮辱した。流生は静かに大きく息を吸い込んだ。

不思議な感覚だった。吐き出す息と共に自分の思考が朝霜の降りる湖のように次第に冷たく澄んだものになっていくのが分かった。

「そうかよ……。やっぱ叩き殺すつもりで行かせてもらうぞ、了子姉……いや、フィーネ」

凍り付いた殺意を纏って無動作で飛び出す流生。遅れて弦十郎が続く。流生はフィーネに肉薄すると低姿勢から足払いを繰り出す。

フィーネは足を上げて後ろに飛び退きその攻撃を避ける。しかし、そちらに気を取られれば、流生の後ろから弦十郎が飛びかかり、大振りの拳でぶん殴ってきた。

「フンッ!」

「何ッ!?」

弦十郎の一撃をぎりぎりでフィーネは避けるが、拳の衝撃波だけでネフシュタンの鎧がひび割れた。そこに間髪入れずに流生はばね仕掛けのように体を起き上がらせ、薙刀による突きをフィーネの顔面を目掛けて迫らせる。

とっさに飛び退いて避けるが完全には避けきれず、頬に切り傷がついた。即座にネフェシュタンの効果で傷は修復されるが忌々しいことに変わりはない。フィーネは怒りを込めて鞭を振った。

「肉をそいでくれる!!」

「栖ッ!!」

 飛んできた鞭を薙刀で流生が払いのける。そして流生の頭上を飛び越えた弦十郎が刹那にフィーネへと肉薄。渾身のアッパーカットがみぞうちに深く刺さり、フィーネの肺から空気が抜けた。そのままの勢いで吹き飛ばされフィーネは地面へ倒れこむ。

「グッ……完全聖遺物を退けるッ?どういうことだ……」

「知らいでか!飯食って映画見て寝る!男の鍛錬はそれで充分よ!」

「特撮でも可だ!」

 フィーネの疑問に弦十郎は拳を構え直して啖呵を切った。その後ろで流生も薙刀を構え直すのだった。

「なれど人の身である限りは!」

 即座にフィーネは腰に装着したソロモンの杖を手にする。いかに二人の戦闘能力が高かろうとノイズが相手である限り生身の人間に対抗する手段はない。

「させるかよ!」

 

影縫い

 

フィーネの目的に即座に気づいた流生が太もものポケットから二本、平棒手裏剣をフィーネの影に向かって叩き込む。するとフィーネは縫いつけられたように動きを止めた。その隙に流生は肉薄し、ソロモンの杖を薙刀ではじき飛ばす。

「貴様ァ!!」

同時に拘束していた手裏剣が影から外れ、フィーネは目の前にいる流生を攻撃すべく鞭を振り下ろす。薙刀では間合いが近すぎる。流生は薙刀を自ら手放した。そして華を手で包み込むように胸の前で構えると迫りくる鞭を受け流し、掌底をフィーネに叩き込んだ。

「おら!梅花の型ァ!」

「グハァ!」

 流生の掌底はフィーネのみぞうちに深く刺さり、内臓を揺らしてフィーネをよろめかせた。数歩下がったフィーネに止めを刺すべく弦十郎が突貫する。

「ノイズさえ出てこないのなら!」

 勝機。隙を見せたフィーネに弦十郎は拳を振り切って飛び掛かる。流生も、緒川も、弦十郎の一撃が入る。そう確信した。だが——

「弦十郎君!」

「ッ——!」

 フィーネは弦十郎の名前を呼んだ。普段と変わらない櫻井了子としての呼び方で。

 それだけで、弦十郎に隙が出来てしまった。

「ッ!?」

「司令ッ!」

「おっちゃん!」

未来と緒川と流生の動揺し、それぞれの反応を見せる。目の前にはネフェシュタンの鞭によって腹を貫かれ血反吐を吐いた弦十郎が宙づりにされていた。

「てめぇ!おっちゃんを離せ!——ッ!?」

 流生が弦十郎を助けようと流生が動き出そうとした瞬間、フィーネは宙づりにした弦十郎ごと流生目掛けて鞭を振るう。避ければ弦十郎が死ぬ、そう判断した流生は避けきれず弦十郎を抱きかかえるように鞭の餌食になり、そのまま壁に叩きつけられた。

「ガハッ!」

 壁にクレーターが出来る勢いで叩きつけられ流生の肺から空気が一気に抜ける。壁にぶつかった反動で体が跳ね、そのまま落下する途中にフィーネの鞭によって身動きが出来ないように体を拘束されてしまった。

「主の前では虚勢を張っていたようだが、貴様まだクリスにやられた傷が癒えていないだろう?」

「ゴフッ!グアアアアッ!てめえ……」

 フィーネが拘束する鞭を締め上げ流生の脇腹を圧迫すると流生は苦悶の声をあげ口から血を吐いた。それでも流生はフィーネをにらみつける。

「このまま痛めつけてもいいが、時間が惜しい。とっとと失せろ」

 そう言うとフィーネは鞭を振りかぶり拘束した流生を壁目掛けて投げつける。身動きが取れない流生はそのまま壁に叩きつけられる。壁は破壊され十数枚の区画の壁が破壊されたであろう音が鳴り渡った。

「流生君!!」

 緒川の絶叫が響く。しかし、破壊された壁の向こう、その砂煙の中から流生が立ち上がってくることはなかった。

「抗うも、覆せないのが定めなのだ」

 立ち上がってこない流生に吐き捨てるようにフィーネはそうつぶやくと血だまりに倒れ伏した弦十郎のポケットをまさぐり通信機を強奪する。

「殺しはしない。お前たちにそのような救済など施すものか」

 弦十郎の通信機を端末にあてがうと最奥部へと続くエレベーターの扉が開く。フィーネはその中へと消えていった。

「司令!司令……ッ!」

「流生さん!」

 倒れた弦十郎のもとへと緒川が、壁の向こう側へと投げ飛ばされた流生の方には未来がそれぞれ安否を確認するべく駆け寄っていった。

 緒川は即座に弦十郎の腕をとって体を支えて起こす。ここではろくな治療もできないため司令室へと運ぶためだった。

「未来さん、流生君は?」

「流生さん!……ここは?」

 冷静でいようとする中で弟分の安否への心配が隠しきれていない声音で緒川は未来に尋ねる。未来も流生を案じて瓦礫の向こう側を覗き込む。砂煙が晴れると広がっていたのは何かの実験室だった。残った壁のホワイトボードには様々な計算式が書かれており、部屋の中には様々な計器が置かれていた。その中央に大小さまざまな配線が張り巡らされた台座が鎮座しており、その上には一つの円形の装置が置かれていた。

「ッ!」

未来が実験室に呆気に取られていると、土煙の中から瓦礫を押しのけて手が出てきた。そしてその手は台座の上の装置を鷲掴みにしたのだった。

 

 

 

 

 二課司令部本部は緊張に包まれていた。モニターには今まさしくクリスによる一撃で超巨大ノイズ三体が撃破された様子が映し出されている。その様子を見ていたあおいだったが、司令室の扉の開閉音を聞き振り返る。

「司令ッ!?」

「応急処置をお願いします!」

 そこには負傷した弦十郎を担いだ未来と緒川の姿があった。あおいはすぐに弦十郎をソファーに寝かせると包帯を使って傷の応急手当を始めた。

「本部内に侵入者です。狙いはデュランダル!敵の正体は……櫻井了子ッ」

「そんな……」

 焦りを隠せないまま緒川はコントロールパネルを操作する。彼の口から発せられた事実に朔也は驚きを隠せなかった。

「響さんたちに回線を繋ぎました」

「響!学校が、リディアンがノイズに襲われているの!——ッ!?」

 未来が響たちに現状を伝えようと叫んだ瞬間、司令室の照明が消えた。

「なんだ!?」

「本部内からのハッキングです!こちらからの操作を受け付けません!」

「司令室からのメインコンピューターへのアクセス、完全に切り離されました!」

「電力低下!予備電源に切り変わります!」

 次々とオペレーターたちから悪い報告が焦った口調で飛び交った。

「……こんなこと了子さんしか……」

 ジャミングを受け、徐々に制御を失う自身のコントロールパネルを見て朔也がつぶやく。

「……響」

 混乱状態にある司令室の中で未来のつぶやきはかき消されてしまうのだった。

 

 

 

 

 二課本部最深部、深淵(アビス)へと降り立ったフィーネはデュランダルを前にコントロールパネルを操作していた。今まさに、本部へのハッキングを済ませ外部からの干渉一切を遮断せしめたところだった。

「目覚めよ天を衝く魔塔。彼方から此方へ現れ出でよ」

次いで、カディンギルの起動プロセスに入る。デュランダルからのエネルギー供給安定、全体へのエネルギー伝導率問題なし、発射プログラム正常。システムオールグリーン。

プログラムの最終確認を済ませたフィーネは最後の仕上げとしてこのメインコンピューターが掌握されないようにプロテクトをかければ準備は全て終わる。

「……」

 そこまで終わったところでフィーネは後ろを振り返った。物思いにふけるように、あるいは何かをぼんやりと探すかのように目を細める。最深部であるここは普段から誰かが立ち入ることはない。そのため当然人の気配はない。まして遺体が転がっていることもない。

フィーネは上を遥か彼方地上にまで伸びているエレベーターシャフトを見上げた。ここにいないのであればどこかに引っ掛かっているのか。だとしてもあの高さからの落下だ。どのみち助かる道理はない。

そんな意味のないことを考えていると上空から何かが落ちてきた。 

「栖ッはあああ!!!」

「なに!?」

驚きながら鞭を構え、上空から落下してきた流生の一撃をかろうじてフィーネは受け止める。そして振り払うと流生は空中で一回転してそのまま軽やかにフィーネの間合いの外に着地した。

「せっかく拾った命だというのに。つくづく死にたいようだな?」

「るっせぇ、んなわけあるか。途中で電源落ちてエレベーターが動かなくなっちまったもんでね。こうすんのが手っ取り早かったんだよ」

 無理やり口角を上げて軽口を叩く流生を見れば、息も絶え絶え、口と腹からは血を流しこちらを睨む目も濁りつつあった。誰がどう見ても死にかけだ。

「哀れな男だ。そうまでして天羽奏に成りたいか?」

 そんなボロボロの流生を嘲るようにフィーネが問いかけると流生は表情を硬くする。図星を突かれたのだと思い、挑発を続けた。

「なんの力も持たず、風鳴翼の足手まといにしかならないお前が目指すものが、復讐も、自分の命も何も得られない馬鹿な女とはな。お前も天羽奏も随分と安い命だな?」

 激高し、無策に飛び掛かって来るかと思ったが流生はゆらりと体を起き上がらせただけだった。

「……姐さんを馬鹿にしてんじゃねえよ。んでもって姐さんを安く語るな、この変態痴女」

 呆れた様子で逆にこちらを馬鹿にしたような口調で流生はフィーネを睨む。そして自嘲気味に笑い得物を構えた。

「お前の言う通り、確かに俺はなりたかったよ。お嬢の隣に居るあの人に。けれどな、今は違う。お嬢は俺を誇りに思うと言ってくれた。俺が俺のまま、俺にできる戦いをしたことを誇れと言ってくれた。惚れた女が認めてくれたんだ。だから、最後まであがくだけだ、俺にできることでな!」

 その余裕そうに見せる表情が、惚気るように語るその啖呵がフィーネにはひどく不愉快なものに感じられた。だから、戯れもなくフィーネはソロモンの杖を取り出してノイズを召喚する。

「興覚めだな。ならば、貴様はノイズと戯れて意味のない戦いで散るがいい」

 フィーネがそう言い放つのと同時に、出現した複数体のノイズが一斉に流生に向かって飛び掛かった。結果は見るまでもない。シンフォギアを持たない流生ではノイズに対抗する手段などない。あんな啖呵を切ったとしても無様に死ぬのが道理だ。

 フィーネは興味を無くしたかのように流生に背を向け、途中だった端末の操作を続けようとした。

 

 

Amenohabakiri Load

 

 

「……采声」

 

 

音割れした電子音声と流生のつぶやきが鳴ったかと思えば、フィーネの横を何かが飛び去って行った。正面の壁を見れば、ノイズが一体壁にめり込み徐々に炭化していっている。

「勝手に終わらせた風にしてんじゃねえよ。本当の戦いはこれからだぜ?」

 死んだはずの流生の声が聞こえて、フィーネが振り返る。するとそこに先ほどまでいたはずのノイズは一体も残らず消え失せ、流生一人だけが立っていた。

 

わがよ誰ぞ常ならむ」と 全霊にていざ葬る

 

その風体も先ほどまでと異なっていた。血に濡れたライダースーツの上から金属のような、布のようになった光のフォニックゲインで構成された羽織を身に纏っている。しかし、その羽織は不安定さを表すかのように所々が妨害電波の影響を受けた映像のように、輪郭がぶれ、姿が明滅している。左手首には円状のデバイスを装着しており、そこから全身に稲妻が走っており、パチリパチリと発火するごとに流生は苦悶の表情を浮かべていた。

「CD!玩具にすらなっていないプロトタイプを持ち出してきたのか!」

 驚嘆の声をフィーネはあげる。CD、深が独自に開発を進めていた対ノイズ兵装、FG調律伝達式装甲カンビアドライバー。しかし、未完成品なのだ。シンフォギアが奏でる旋律を完全にチューニングしきれていない今の状態では本来の性能の6割も出せない。また、使用者を守るバリアコーティングの出力が低く、ノイズの炭化能力を完全に防ぎきることは不可能だった。現に流生の手を見てみれば、ノイズを殴ったのだろう右の拳がただれ、骨が見えてしまっていた。

 言ってしまえば、今の流生は大けがを負う代償にようやくノイズを倒せるようになっただけであり、身体能力向上もシンフォギアと比較すれば雑魚と言ってよいものだった。

 このままノイズをぶつけていればいずれ消えるろうそくの残り火、そう判断したフィーネは冷静さを取り戻し、再びソロモンの杖を構えようとした。

 

Amenohabakiri Maximum

 

 しかし、フィーネが構えるよりも先に流生は居合のように左腰の前で両手を交差させCDのスイッチを押した。

 

運命の悲劇の過去を 強く…強くなればいつか斬れると

 

最大出力(フル・ボリューム)

 音声入力に反応したCDからフォニックゲインが放出され形を作り始めた。やがて収束し形を成したそれは、鞘に納められた一振りの剣だった。

 

何故か…何故か…何故か? 涙など要らぬのに

 

 その剣の柄に流生が手を置いた刹那、フィーネの視界から流生が消えた。

「グカッ!?」

 そして即座に自分の腹に衝撃が襲い、フィーネは上空へと打ち上げられた。何が起こったのか理解するより先に眼下を見下ろせば、今まさに上空に向かって飛び上がろうとしている流生の姿が見えた。

 

迸れ!この命尽きるまで 共に見た夢が叶う時まで

 

「貴様ァ!ッ!?」

 反撃を試みようとした瞬間に流生の姿が目の前に移動してくる。そしてさらに一撃、身を切り裂き、さらに上へと押し上げられた。

 

奏で合ったあの日々を取り戻さん 鬼火の制裁にて

 

「これは、まさか天羽々斬の絶唱特性!?貴様そこまでッグガッ!?」

 さらに壱撃、弐撃、参、肆、伍、陸、漆、捌、玖、拾。絶えず防げぬ神速の刃を流生は叩き込みフィーネをさらに上へ上へと打ち上げていく。

 

いざ飛ばん…背負った怒濤の羽根 断罪の天空に舞いて

 

 

「栖っ!破あああああああああああああああああ!!!」

 しかし、一撃を繰り出すごとに流生もまた血を吹き出し全身の筋肉と骨が悲鳴を上げていた。それを気合で押し殺し更なる連撃を喰らわせる。デュランダルから引き離し、地上にまで出ればそれでいい。

 

確かめよう 同じ場所にはいられない…だから

 

 そこまで行けば、後はこの歌、本来の歌女がどうにかしてくれるだろう。俺の戦いは、そこまで繋ぐことだ。

「うおおおおおおりゃああああああああ!!」

 数千の剣撃を叩き込んでようやく天井が見えた。渾身の力を込めて最後の一撃を放つ。

 

戯れるには飽きた 否、の藻屑と消えよ

 

自分の体を押し付けるように全力を振り絞った一撃を持ってフィーネを押しつぶし、天井をぶち破って地上へと飛び出した。

 外はもう日が落ちていて夜になっていた。辺りはノイズに破壊されたのだろうが瓦礫の山と化していてかつてのリディアンの面影はなかった。

 そんな瓦礫の山の中に三人の人影が見えた。流生のよく知った人たち、戦った相手の雪音クリス、弟子の立花響、そして——

「お嬢……」

 決して見間違えることはない。最愛が、風鳴翼がそこにいた。翼は飛び出してきた流生に驚いたように目を見開いている。そんな翼と目が合って流生は微笑む。全身を襲っていた痛みすら一瞬消えたような気がした。

「すまねえ、後は頼んだ……」

 遠く離れて聞こえるはずのないほどの上空からの投げかけ、けれども流生にはその言葉が翼に届いた気がした。

「流生ぃい!!!」

 落下の浮遊感が身を包む。薄れゆく意識の中で流生は自分を呼ぶ翼の声を聞いたのだった。

 




最後までお読みいただきありがとうございました。
いや~ついに出せました本作オリジナルアイテムCD!本当なら2期から出す予定でしたが、プロトタイプであがくのかっこよくね?と思い至り急遽流生君に使ってもらいました!自分の歌ではないので歌詞にノイズが走る演出割と気に入っています。

次回もどうぞお付き合いください!
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