装者の男女恋愛が見たいッ!戦姫絶唱シンフォギア SLS   作:ふみー999

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どうもふみー999です。
ガンダムXのHGを作っていたら原稿書くのが遅れ、投稿が遅くなってしまいました。
ごめんなさい!!

本編どうぞ!!


第2話 Lament:祈る拳、轟く

ぎゅっと握った拳 1000パーのThunder

解放全開…321 ゼロッ!

 

 響が高々と胸の歌を歌い始めるのと同時に三人は戦闘を始めた。

「おりゃああ!!」

 クリスは両手に構えたボウガンをノイズ目掛けて乱射。その超密度の矢の雨を前に数多のノイズが灰へと変わっていく。

「ハッ!セイッ!ヤッ!」

 クリスの一斉射撃を躱した少数のノイズが列車に接近する。しかし、待っていたと言わんばかりに響のアクロバットな攻撃がノイズを打ち倒していった。

 ノイズもひるむことはなくねじれた槍の形へと変化すると、対空砲火を行うクリス目掛けて突撃する。

「ハァッアア!!」

 そんなノイズに向かって横薙ぎの一撃を響と深がそれぞれのノイズ目掛けて拳を振るう。

 響の渾身の一撃に殴られたノイズはその場で炭化し消し炭となった。

 一方の深の拳を食らったノイズは体の一部を灰に変えながらも吹き飛んでいく。

 

最短で 真っ直ぐに 一直線

伝えるためBurst it

 

 

 少しくぐもり雑音交じりの響の歌声が深から発せられ戦場に響く。深の拳は確実にノイズを捉え、吹き飛ばした。だが、攻撃を食らったノイズの一部が炭化してボロボロと崩れ始めるだけでまだ動けるようだった。

届けぇ!

そうなることを分かっていたように、すかさず深は追撃を入れる。そして今度こそ、完全にノイズを打ち倒した。

「始まったか——」

 管制室に流れる響の歌を聞きながら弦十郎はメインモニターを油断なく凝視していた。モニターには作戦行動中の響、クリス、そして深の姿が映し出されている。

 画面を埋め尽くさん限りのノイズたちは、今まさにクリスが放った散弾の雨を食らって瞬く間に殲滅させられていた。

そんな鉄火場、クリスと響から少し離れた場所で深は向かってくるノイズに対して戦闘に慣れていないことが隠しきれない拳を繰り出していた。さながらシンフォギアを身に纏ったばかりの響のようだった。

「深君の同調率(レゾナンス・レート)、現在52.93%で安定。響ちゃんとのリンク、同調回路ともにオールグリーン!」

「やはり上がり切らないか」

 管制を行っている朔也の報告を聞いて弦十郎は渋い顔をする。

 CDは特定のシンフォギアのデータを基盤として、その歌をもってフォニックゲインを高め装甲としている。シンフォギアの歌の力を引き出せば引き出すほどに出力と性能を向上させる特性を持っているのだ。

 同調率(レゾナンス・レート)はその指標。現在の深がどれだけ響の歌の力を引き出しているかをパラメーターで表示したものだった。そして現在の出力は約半分。

「やはりまだまだ課題は山積み、というわけか」

 実験段階からCDの同調率はどうあっても半分程度にしか上がらない。唯一まともな戦闘が可能な(・・・・・・・・・・・・)深であってもだ。

「まるで半月だな……上弦、ならばよいのだが」

 月の光に似た黄色い光を身に纏う深の姿を改めて弦十郎は見つめる。法衣を思わせる装甲、それは聖者が着る祭服か。それとも生贄を包んだ聖骸布か。

 その力は今後どうなっていくのか、弦十郎は見定めるように目を細めるのだった。

 

「何故私でなくちゃならないのか?」

 

 響はまた一体のノイズをムーンソルトを繰り出して屠る。その横を別のノイズが抜けていった。そのノイズは深へと突貫する。

迫りくるノイズの一撃。深はとっさに腕を交差して防いだ。しかし、威力までは抑えきれず後方へと弾き飛ばされてしまう。

「おい!押されてんじゃねえか!やっぱり無理してんじゃねえぞ!」

「大丈夫!?」

 片膝をついてなんとか衝撃を抑え込んだ深の元へと、すぐにノイズを打ち抜いたクリスと響が心配して駆け寄った。

「大丈夫。まだ、ほんの小手調べだよ。CDの本領発揮はここからさ」

 差し出された響の手を取って立ち上がると、深は二人の前へと一歩歩み出す。そして再び、左腕に装備されたCDを顔の前へと掲げ、右親指をその側面へと押し付ける。

武装展開(アームド・オン)

 CDが回転を始めると呼応するように深が纏っている装甲が発光を強め、フォニックゲインが蛍のような淡い光となって周囲にあふれ出していく。

 そして、深が両腕を広げると、その光は両腕に引き寄せられるように集まり、徐々に実体を形成していった。

 深の腕に現れたのは拳だった。それも深の身を包んでいる鎧のような神聖なものではない。加工されていない装甲版で覆われた(かいな)。あまりに武骨で、深の身の丈ほどはありそうなくらい巨大な機械仕掛けのガントレットだった。

 物質化が終わるのと同時に深は両腕を下ろす。すると、ガンッと鈍い音を立てて列車の屋根にガントレットが落ちる。その時の音と、凹んだ屋根からかなりの重量があるのが伝わってきた。

その腕を構える深に危機を察知したのかノイズの群れが深のもとへと群がろうと動き始めた。

 

道無き道…答えはない

 

 迫りくるノイズを前に深は極めて冷静に、半身となり巨大な拳を構える。すると拳からエンジンがかかったような駆動音が響き始めた。

 チャージが済むよりも前に数体のノイズが深に襲い掛かろうとする。このままでは拳の臨界に間に合わない。しかし——

 

君だけを守りたいだから強く

 

 迫りくるノイズは深を襲う前に立ちはだかった響の拳によって粉砕された。響が動くと分かっていたように深は微動だにせず拳に力を込め続ける。やがてその力が臨界を迎えた。

飛おおべええええええ!!!!

咆哮と共に深は拳を突き出す。すると、装備されたガントレットは後方にバーニアを吹かして深の腕から離れた。そして、単独でノイズの群れへと飛んでいく。

 

響け響けハートよ熱く歌うハートよ

 

即ち、空中へ繰り出されたロケットパンチはノイズの群れを横薙ぎに通り過ぎた。後に残ったノイズたちは連鎖爆発を起こしていく。ガントレットは弧を描くように飛び、再び深の手元へと戻る。手に収まるガントレットの勢いに負けて深はバランスを崩しのけ反っていた。

「ととっ、もう一発!」

「こっちもおまけだ!」

 よろけながら飛ばした深のロケットパンチに合わせるように、クリスもまた、自身のアームドギアを巨大なクロスボウへと変化させる。

へいきへっちゃら覚悟したから

 

そのクロスボウから放たれた巨大な4本の矢は左右それぞれのロケットパンチを追従、ノイズのはるか上空まで行くと数多の針へと分離、下空にいるノイズに雨の如く降り注いだ。

 

GIGA ZEPPELIN

 

 針地獄の雨はノイズを撃ち漏らさず大爆発を引き起こす。だが、爆発の中を一筋の青い光が高速で飛びぬけていった。

「ッ!?」

 見ればそれは、他のノイズと比べても二回りも大きく、そして戦闘機のような横に平たい形をしたノイズだった。

「あいつが取り巻きを率いてやがるのか!」

 三人はそのノイズをにらみつける。クリスは即座に腰のミサイルボットを展開、全弾を打ち出した。

「うぉおおおお!!」

 

MEGA DETH PARTY

 

 数多のミサイルが戦闘機ノイズに狙いを定め一直線に向かっていく。それをノイズは難なく回避行動を取り、爆風の合間を縫ってクリス達へと急降下してきていた。

「だったらぁ!!」

 

BILLION MAIDEN

 

 負けじとクリスもアームドギアをガトリングに換装、高密度の弾幕を展開する。空を走る対空砲火の雨、ノイズは避けきれないと判断したのか、形状を変化させた。横に長かった飛行形態から、菱形へ。その姿は突貫形態とでも言うべきだろう。全面に固い装甲を身に着けたノイズはクリスの弾幕をはじきながら列車への距離を詰めてくる。

「クリスちゃん!」

 弾幕では倒しきれない。そう判断した響は右手のガントレットを引き絞るとクリスの前に飛び出した。

「深君!合わせて!」

「了解だよ!」

ロケットパンチを拳に回収した深が響の後を追い、二人同時に戦闘機ノイズへと目掛けて飛び掛かる。

「はぁあああ!!!」

「うおおおお!!!」

 二人は渾身の拳を真正面からノイズに叩きつけた。しかし、ノイズは巧みにも二人の拳を自身の傾斜を利用して受け流し再び上空へと逃げて行ってしまった。

「逃がすものか!」

 振り向きざまに深は再びロケットパンチを繰り出す。拳が出せる最大出力を持ってノイズの背中を捉えかけた。それでもノイズは横に急速回転することで背面からの攻撃を鮮やかに回避してみせる。

 空を切った拳を回収しつつ、深と響は列車の屋根へと再び戻ってきた。

「おかしい、ノイズの思考パターンが明らかに上がっている」

「そうなの!?」

 響が驚いたように聞いてくるのに対して、深は上空を高速で動き回るノイズを見失わないよう目を凝らす。

「うん、本来のノイズはただ人を殺すために終始する単調な行動パターンしかできないはずなんだ。でも、あの動きは目的遂行のために制御されているものだよ……ソロモンの杖以外にそんなことが出来る聖遺物があるとでもいうのか……?」

「ごちゃごちゃ考えんのは後だ!くっそ、あん時みたいな空を飛べるエクスドライブモードならこんなやつに一々おだつくことなんてねぇのに!」

 攻撃の手を休めて考察に入った深にクリスは文句を言いつつ、迎撃を続ける。

「……ッ!ク……ク、クリスちゃん!深君!」

「あ?」

「え?」

 迎撃と考察に夢中になっていた二人に響は焦り上擦った声を出して前方へ意識を向けるよう叫んだ。二人が振り返るとそこには目前まで列車の屋根ギリギリの高さしかないトンネルが近づいていた。

「「「うわああああああ!!!!!」」」

 三人は異口同音に悲鳴を上げる。あわやこのままではトンネル上部の硬い岩盤に叩きつけられる。その直前に響はクリスを抱き上げ、自身の足元を蹴り壊して列車の中へと避難したのだった。

「ギリギリセーフッ」

「あ、危なかった……ありがとう響ちゃん」

 深もまた、ぎりぎり響が作った穴をすり抜け響の隣に着地していた。腕の武装は一度解除している。

 クリスは響の腕の中から起き上がると礼を述べ、ノイズへの決定打がないことへ苛立ちを見せている。

「わりぃ、助かった。くっそ、攻めあぐねるとはこういうことか」

「あ!そうだ!」

「何か閃いたのか?」

「師匠の戦術マニュアルで見たことがある!こういう時は列車の連結部を壊してぶつければいいって!」

 そんなクリスの隣でポンと手を叩いた響の提案を聞き、クリスは頭を抱えてため息をついた。

「はぁ……おっさんのマニュアルってば面白映画だろ?そんなのが役に立つものか。大体、ノイズに車両をぶつけたってあいつらは通り抜けてくるだけだろ?」

 物体をすり抜ける能力を持つノイズを相手に物量攻撃は効果が薄い。誰もが知っている常識を説いたクリスを相手に響はより一層、得意顔になってむふ~と息を零した。

「ふっふふ~ん、ぶつけるのはそれだけじゃないよ!」

「ん?」

 響のしようとしていることが理解できないクリスは眉をひそめる。その隣で顎に手を置いたまま話を聞いていた深はようやく顔を上げた。

「……なるほどね。確かにそれならいけるかも」

「んだよ、この馬鹿の考えていることが分かったのか?」

「でしょでしょ!いや~深君なら分かってくれると思っていたよ~」

 自分の作戦が以心伝心したことが分かった響がブンブンと手を大きく降って喜びを表す。一方で、深は冷静なまま響の方へ体を向け直した。

「でも——、それをやるなら、今回は僕が見せ場をもらってもいいかな?」

「ほへ?」

 思いがけない返答が深から返ってきた響は一瞬呆けた顔をする。そんな響に深は自信に満ちた微笑みを返した。

「切り札を使ってみるよ。二人とも援護をお願いできるかな」

 その会話の後、三人はすぐに最後尾の車両を繋ぐジョイント部分へと訪れていた。

「急いで!トンネルを抜ける前に!」

 響が急かすのを聞きながら、クリスは連結部分をボウガンで破壊する。

「ありがとう、クリスちゃん!」

「ホントにこんなんでいいのかよ?」

「あとはこれでッ!」

深と響はクリスに礼を言うと、車両同士の間に入って後方車両を蹴って押しだした。切り離された列車がゆっくりと後方へと進んでいく。それを見届け、トンネルが終わったタイミングで深が列車から飛び降りる。その後に響も続いた。

深は大きく深呼吸をして瞳を閉じた。そして、CDを装備している左腕を胸の前へと持って行く。

「……よしっ」

 自分の心が落ち着いていることを確認した深は目を開き、右手をそっとCDへ添える。

「深君、へいきへっちゃらだよ!いざとなったら私が何とかするから、大船に乗ったつもりでドーンとやっちゃって!」

 緊張した面持ちの深を応援するべく、オーバーな身振りで響は自分の胸を叩いた。深の表情が少しほころぶ。

「ありがとう。心強い———行くよ」

 そう言うと深は響の方を向いていた顔を正面に向き直し、添えていた右手を動かしてCDのボタンを長押しする。

 

gungnir Maximum

 

 CDから電子音声が響き渡り、深が身に纏う装甲が、武装展開の時以上に強い発光を始めた。

最大出力(フル・ボリューム)ッ!」

 声紋認証を済ませると同時にCD側面を撫でるようにして回す。深の手に先ほどと同じ、巨大な機械仕掛けの腕が装備される。しかし、それだけでは終わらない。

深は巨大な両手を祈るようにして顔の前で組み、そのまま前へと突き出した。

 すると、機械仕掛けの腕は金属がこすれるような音を立て、火花を散らしながら形を変化させていく。

 現れたのは極彩色に光る巨大な砲身だった。

 

 

例え命 枯れても 手と手繋ぐ 温もり

 

「出力70%に固定。フォニックゲイン、充填開始」

 響の歌に呼応するように、周辺からフォニックゲインの粒子が集まる。砲門の装甲から見えるコンデンサーローターが徐々に速度を速めて回転し、砲身内へと吸収したフォニックゲインをエネルギーとして蓄積させていく。

「充填率、80……90……100!」

 臨界へと達した砲身が溜め込んだエネルギーに苦しむような音と振動を響かせ始める。それはこれから消えゆく者共を憐れむような、甲高い悲鳴だった。まるで失われて逝く者たちへの哀歌。

「目標、超高機動型ノイズ!姿勢制御固定ッ!」

 深の腰からまっすぐに地面へと物質化した光がスタビライザーとして突き刺さり展開される。

 

ナニカ残し ナニカ伝い 未来見上げ

 

 発射準備が整うのと同時に、列車をすり抜けた高機動型ノイズたちご一行が姿を現した。

「———発射(fire)ッ!!」

 掛け声とともに収束された荷電粒子がトンネル内を白く染め上げながらノイズ目掛けて最短で、まっすぐに、一直線に、全てを貫いて突き進んでいく。

「くッ……!これはッ……想定以上にッ!!」

 あまりの反動にスタビライザーだけでは支えきれなくなった深の体がズズズッと地面を滑り、吹き飛びそうになる。響はすぐに深の背中に回り込み、背中を支えて抑え込んだ。

 吹き飛ばされそうになりながらも深たちが放ち続けた眩い光。その光に飲み込まれたノイズたちが跡形もなく灰すらも残さずに消え去っていく。

 

凛と立ってきっと花に生まれると信じて…

 

 砲撃が終わった後にはノイズの群れはおらず、高熱に溶けたトンネルだけが深たちの目の前に存在していた。

「閉鎖空間で、相手の機動力を封じたうえ、遮蔽物の上から重い一撃。それにしたってなんつう威力だ。あれを……模しただけのことはあるってことかよ」

 クリスは戦慄し、見開いた眼を閉じることを忘れてその光景を見つめ続けていた。特に、ノイズの群を一撃で屠った深が構える砲身に視線が行く。三か月前に自分を撃ち落とした古代文明の意匠が施された砲身。全てを飲み込む破壊の一撃を放った、極小の荷電粒子砲。

その名は——

 

Ka Dingir Lament

 

 かつて月を穿たんと築かれた名は、今は静かな祈りとなって深の傍らに在った。

 




最後までお付き合いいただきありがとうございました。

ロケットパンチ、いいよね。ロマン砲、いいよね。ということで深君のCDは男の子のハッピーセットでお届けしました!
気に入っていただけたでしょうか?

ガンダムXに脳を焼かれている私が書くのでこうなるのも致し方なしなのかもしれません。
ちなみに、CDの形状は魔進戦隊キラメイジャーの変身アイテム『キラメイチェンジャー』を、深の装備は仮面ライダーライブをモデルにしております。

それでは次回もお付き合いいただければと思います。
お気に入り登録、評価、感想、心からお待ちしております!!
お願いだから感想をください~~~執筆という砂漠を進む私に感想をいう水をお恵みください。
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