神スキル!!!! 4人目のきょうだい? 作:Yunoyusa
「はぁっ、はぁっ、ただいま!」
おれ、神木朝陽は、急いで玄関に駆け込んだ。
「おかえり~……って、どうしたの!?」
ハル兄が驚く。ハル兄──若月春斗は、おれたちきょうだいの親が海外にいる間の保護者。おれたちのいとこだ。
おれが突然女の子を抱いて帰ってきたことに驚いている。
そしてハル兄の後ろにはまひると星夜もいた。
「さっき、チョロルチョコ買いに行ったとき……車にひかれそうになってて……」
「えっ、大丈夫だったの!?」
「うん。でも意識がなくて……どうしよう!」
「じゃあとりあえずソファーに寝かせて! まひる、星夜!」
ハル兄が指示する。
「わかった!」
「了解」
2人がすぐに動く。おれはとりあえず星夜に女の子をわたすと、チョロルチョコをお菓子入れに入れ、すぐに戻った。
「う……」
ソファーに寝ていた女の子が苦しそうにうめく。
「ん、ここは……?」
目を覚ましたようだ。よかった……。
「起きた!?」
ハル兄がすぐ反応する。こういうときに頼りになるのはハル兄だ。
「……誰、ですか?」
「おれは神木朝陽。こっちはまひる、星夜、いとこのハル兄だよ」
「あ、私は……、………」
「え、なんて?」
「……思い出せない、です」
……え? どういうこと?
「もしかして、記憶喪失だったり……!?」
まひるが言う。
「……その可能性もあるな…」
星夜が続ける。
「とりあえず、何か持ってないか探してみます」
……この子、自分の記憶がなくて不安なはずなのに、とても冷静に見える。
「あ、ポケットに……あった!」
この子がポケットから取り出したのは、 1枚の紙だった。
「……メモでしょうか?」
「なにか書いてあるの?」
ハル兄が聞く。
「えっと、……これは……生年月日? 20X3年11月29日らしいです」
「それ、おれのひとつ下だ! つまり10歳、小学5年生か」
「あと他にも書いてあります」
女の子はそういうと、その内容を読みあげた。
この子を見つけた皆様へ
この子に名前をつけてあげてください。
また、この子を預かってあげてください。
戸籍や学校の転入などの手続きはしなくても問題はありません。
それでは、また、しばらくしたらお手紙を差し上げます。
「……だそうです」
「いろいろと必要な手続きをしなくていいって…どういうことだろう……」
ハル兄が考え込む。
「とりあえず、名前決めてあげない?」
と、まひるが提案した。
「そうだな、そうしよう」
と星夜が続ける。
「でも名前って言われても……あ、『夕華』とかどう? 夕日の夕に、華やかっていう字の。星夜、まひる、朝陽って、みんな時間帯の名前だし、髪の色もなんとなく夕方っぽいでしょ?」
「あ、それいい!」
「『夕華』……いいですね! そうしましょう」
「じゃあ決定! よろしくね、夕華!」
「はい。よろしくお願いします、皆さん」
夕華はそう答えると、さっきのメモ(兼手紙?)を持ち上げた。するとその下から、
「あれ……これ、マイナンバーカード? あと生徒証! 他にもいろいろ必要なものそろってる!」
おれたちの苗字『神木』と、いまさっき決めてあげたはずの『夕華』の字、つまり『神木夕華』としっかり書かれたあれこれが出てきたんだ。
「え、なんで!?」
「普通に苗字が神木ですが……」
「それは……まあオレたちが引き取ったから神木になってもおかしくはないけど……今の一瞬で何が起こっていたんだ……」
それぞれまひるが困惑し、夕華は……感情が読みにくい……で、星夜はありえないことに頭をかかえてる。
「とりあえず、夕華は神木家の一員になったってことだよね?」
ハル兄が言う。
「うん、きっとそうだよね! ね、星夜」
「あ、ああ……そうだな」
「じゃあ、名前も決まったし……夕華、ようこそ神木家へ!」