異世界に転移したのは日本だけではなかった~SCP財団日本支部召喚~ 作:M6A1(晴嵐)
今年中にパ皇戦終わらせようと思ってたんですが、もしかしてこれ間に合わない…?
というか、まだ開戦もしてないな(´・ω・`)
では、本編をどうぞ。
フェンの港では海保が好意の視線を向けられていた。
中には職員に手を振ってくれる人もいる。
軍祭に来ていた人たちには海保も海自も同じだと思っていた為、仕方のない事だった。
とはいえ、これほど好意的に見られるのは初めてのことだった。
「お、外務省のお偉いさんが来たぞ」
一団が焦りの顔を浮かべ、こちらに急いで向かってくる。
「エンジン始動!」
……
「?どうした、エンジン始動!」
……
「…エンジン起動しません」
「な…原因は?何処が故障している?」
「不明です…」
ワイバーンの火炎導力弾によりいなさのエンジンは故障、起動できなくなっていた。
業者でなければどうしようも出来ない。
一団が到着する。
「エンジンが動かない!?」
「はい、おそらく先ほどの戦闘のせいかと思われます」
「護衛艦に曳航してもらうことは?」
「港が浅く出来ませんし、錨を上げる事も出来ません」
「自衛隊にボートで迎えに来てもらい、船を残すのは…」
「新世界技術流出防止法 に引っ掛かります」
議論は白熱するが、いなさが動かない事に変わりない。
結局、本国の指示を仰ぐことにしたのだった。
政府の決定は、こちらへ向かってくる艦隊の迎撃だった。
理由は、覇権国家の多いこの世界では積極的外交も大事だと判断されたためだった。
ただし、パーパルディア皇国と国交を開設出来ていないため、撃沈しないようにとのことだった。
迎撃には第16護衛隊のはつづきが向かう事になった。
―フェン王国西側150km
この海域にフェン王国王宮直轄水軍13隻が哨戒していた。
理由は、パーパルディア皇国と戦争の可能性があるためである。
警戒に当たっている艦隊は、フェン王国の中でも精鋭を揃えており、比較的経験の浅い者は軍祭に参加している。
フェンの水軍は木製の船に、効率の悪そうな帆を張っている。
フェンには魔石がないため、文明圏の船に使われている風神の涙が作れず、機動力は悪い。
機動戦を行う際は、船から突き出ているオールを用いて全力で漕ぐ。
船には火矢を防ぐための盾が等間隔に並び、敵船体を攻撃するためのバリスタが横方向へ3機ずつ設置されていた。
火矢を放つための油の壺も、船上に配置されている。
この艦隊を束ねている旗艦 剣神は、他の船に比べて一回り大きく、艦首には1門だけ大砲が設置されている。
水軍長のクシラは西の水平線を睨んでいた。
剣神の艦長が話しかけてくる。
「軍長、パーパルディアは来ますかね…」
「先ほどワイバーンロードの編隊が我が国へ向かっていった。必ず来る!」
「勝てますかね?」
「例え相手が列強でもタダではやられんよ。我が艦隊はかなりの精鋭揃いだしな。それに…」
そう言うとクシラは艦首の魔導砲を見る。
「あれを見よ!文明圏でのみ使用されていると言われる魔導砲と呼ばれる兵器だ!球形の鉄の弾を1km近く飛ばし、船にぶつけてそのエネルギーで破壊する。これほどの兵器を船に積んだのだ!」
クシラはそう話す。
部下の前で不安は口に出来ないが、クシラは知っていた。
列強には砲艦と呼ばれる、船ごと破壊できる超兵器が存在することを。
この事はフェンでは軍機とされ、一部の者しかしらない。
おそらく砲艦というのは、このフェン王国最強の船、剣神のように文明圏に存在する魔導砲と呼ばれる魔導兵器を船に積んだものだろう。
しかも、そんな最強クラスの船が列強では普通に存在すると思われる。
クシラは頭の中で、来る列強パーパルディア皇国との戦闘に備え、フル回転を始める。
(どうすれば勝てる……)
「艦影確認!数22!」
マストで見張りをしていた者が大声で報告する。
(!!ついに来たか!)
水平線に艦影が見える。
クシラは望遠鏡で艦隊を覗いた。
望遠鏡を通して見える艦艇は、フェン王国王宮直轄水軍の船に比べ、遥かに大きく先進的だ。
デザインと機動性を兼ね備えたマストに「風神の涙」と呼ばれる魔石から発生している風の魔法により吹き付けられている風を受け、フェン王国の船より速く進む。
水平線から徐々に大きくなる敵艦隊は、フェン王国水軍長 クシラから見ても優雅であり美しく、そして力強い。
各艦の一糸乱れぬ動きから、敵の練度の高さが伺える。
「総員戦闘配置!」
船員が慌ただしく動き回る。
「…思ったより接近が早いな」
彼の想定よりも早く艦隊が近づいてくる。
「…くっ、初弾だ!最初に一番威力の高い攻撃を行い、その後魔導砲を撃ちながら最大船速で突っ込むぞ!」
「了解!全艦に通達!旗艦剣神を最前列とし、縦1列で敵に突っ込むぞ!」
(…頼むぞ)
水軍長クシラは剣神の船首に1門だけ設置された魔導砲に願いを込めた。
―少し時を戻してパーパルディア皇国懲罰艦隊
「竜騎士部隊より報告。アマノキ上空に到着した、只今から攻撃を開始する、とのことです」
「そうか…」
今回の懲罰艦隊の提督 ポクトアールはそう報告を受ける。
今日はフェン王国で軍祭が行われている。
軍祭には周囲の文明圏外国家が多く参加している。
彼らの目の前で攻撃を行うことで、パーパルディアに逆らうとどうなるか今一度分からせなければならない。
そうポクトアールが考えていると、通信士が慌てた様子で報告してきた。
「!報告します!竜騎士部隊との連絡が途絶しました!」
「な、何だと!?一体何が…」
艦隊に衝撃が走る。
ポクトアールは嫌な予感がした。
しかし今回の攻撃は、第3外務局長カイオスの命である。
国家の威信をかけた命を実行しないわけにはいかなかった。
皇国監査軍東洋艦隊22隻は、フェン王国に懲罰を加え、ワイバーンロードを倒し皇国に楯突くものを各国の前で滅するため、風神の涙を使用して帆をいっぱいに張り、東に向かったのだった。
そして現在。
「前方に艦影を確認!フェン王国の艦隊です!」
「竜騎士部隊が全滅している。何か新兵器があるのかもしれない!全艦、相手を列強の艦隊だと思い、全力で取り掛かれ!」
ポクトアールはそう命じた。
艦隊は速力を上げ、フェン王国水軍へと向かった。
―フェン王国水軍
「間もなく敵との距離、2kmです」
「あと1kmで敵の砲撃射程に入るか…」
水軍長クシラの額に汗が滲む。
「最大船速!オールを漕げ!」
太鼓のリズムに合わせ、一定のリズムで各船のオールが漕がれる。
フェン王国水軍13隻は、速度を上げ進む。
「!!敵船が旋回を始めました!」
「何をする気だ?」
敵艦隊が一斉に横を向く。
クシラはその動きの理解に苦しむ。
パパパパ……ドドドドーン!
敵船が多数の煙に包まれたかと思うと、少し遅れて炸裂音が海上に鳴り響いた。
「ま、まさか魔導砲!?この距離で届くのか!?」
文明圏で使用されている魔導砲は、射程距離が1km、現在の敵との距離は2km、まだ倍程の距離がある。
しかも、こちらは船首に1門だけ魔導砲を設置しているが、敵は1隻に比べ物にならない程の数の魔導砲を積んでいる。
ザバン……バシャーン!
敵の砲弾が艦隊の近くに着弾し、水柱が上がる。
(頼むから当たらないでくれ…!)
クシラは神に祈る。
バシャーン……バリ、ドカーン!
剣神の後ろを航行していた船に敵の魔導砲が着弾する。
砲弾が炸裂し、船上に設置されていた火矢に使用する油壺をなぎ倒し、まき散らされた油に引火、爆発炎上する。
フェン王国の精鋭部隊が…練習に練習を重ね、凄まじい鍛錬を積んできた剣術を発揮することなく船上で焼かれ、転げまわる。
「な、なんということだ!」
敵の砲弾は次々と味方に着弾し、多数の船が炎上する。
「少しでも牽制しなければ!魔導砲撃て――っ!」
剣神の魔導砲が轟音と共に球形砲弾を放った直後、敵の砲弾が剣神に着弾し爆発、船上に大穴が空いた。
「これが…列強かっ!」
砲艦の数、1隻当たりの砲門の差、砲の射程距離とその威力、そして船速、どれもが桁違いであり、圧倒的な力の差を思い知る。
文明圏内での規模のみの差で「列強」と名乗っていると、これまで思っていた。
しかし現実は、「質」「技術」においても遥かに凌駕していた。
これでは例え敵が1隻だったとしても勝てない。
水軍長クシラの意識は、剣神の弾薬室への引火と共に、永遠に失われた。
―パーパルディア皇国懲罰艦隊
「フェン王国水軍13隻全艦撃沈しました。我が方の損失0、人員装備共に異常なし」
「…考えすぎだったか」
「敵はやなり蛮族でしたね。魔導砲を1発だけ撃ってきましたが、文明圏国家の使用している、我らからしたら旧式の砲でした。艦隊の遥か前に着弾しています」
「そうだな。針路をフェン王国首都 アマノキへ!」
艦隊は1隻の損失も僅かな被害を出すことなく、アマノキへ迫るのだった。
現在潜水艦の名前を募集中です。
詳細は活動報告をご覧ください。
今後のパーパルディアは?
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