異世界に転移したのは日本だけではなかった~SCP財団日本支部召喚~ 作:M6A1(晴嵐)
感想にてちょくちょくご質問を頂きます。似たような質問が増えてきましたので、一度質問をまとめ、改めてQ&Aを作成しお答えしようと思います。
今後も質問には可能な限りお答えします。気になることがあれば些細な事でも構いませんので、お尋ねください。他の読者様も気になると思いますので。
それでは本編をどうぞ。
―パーパルディア皇国海軍第3艦隊 戦列艦アディス
「敵艦発砲!」
まだ我が艦と敵艦は20km以上離れている、にも関わらず敵は発砲した。
艦長は副長に話しかけた。
「奴らはまだ20kmほど離れているのに砲を放ち、一体何のつもりだ?報告にあったと言われる威嚇射撃か?」
懲罰艦隊の報告書は(一応)海軍にも伝えられていた。(最も信じた軍人はほぼいなかったが)
「全く理解出来ません。敵の砲の射程が我らより長かったとしてもあまりにも離れすぎています」
だが、微かに嫌な予感がする。
今までの戦場では感じなかった死の予感。
艦長が指示を出す。
「面舵いっぱい!念のために回避こうど…」
だが、それ以上は言えなかった。
HEAA-MP(多目的対アノマリー用榴弾)がアディスに直撃、SCiPを無力化するために作られた砲撃に耐えられるわけもなく一撃で爆散した。
―パーパルディア皇国海軍第3艦隊 旗艦ディオス
「戦列艦アディス轟沈!敵の攻撃は砲撃によるものと判明!射程は20km以上!たった1回の砲撃で命中させています!」
「な、なんだと!?砲の射程が20km以上もあるというのか!?我が方の10倍以上…しかもたった1発で命中!?動目標に対する命中率は、距離2kmで発射した我が方の100倍もあるのか!」
「敵の砲はたった1発で戦列艦を沈められる威力がある。純粋な火力では認識以上の開きがあるのかもしれない!」
幹部たちは敵の強さに対して純粋に驚くとともに、戦列艦で戦うには難易度があまりにも高すぎる艦の性能差に絶望する。
議論を交わしている間にも、ディオスに続き5隻の戦列艦がそれぞれたった1発で轟沈している。
「間もなく竜騎士155騎が敵上空へ到達するもよう」
「頼んだぞ…」
提督アルカオンは竜騎士による攻撃に望みを託した。
―第3艦隊所属 竜騎士団
「見えたぞ!」
海上に鳴り響く轟音を元に捜索していた竜騎士団は水平線上に艦影を認めた。
敵艦は今までに見たことが無いほどの大きさと常識外の速さで動いており、彼らの緊張は頂点に達する。
軍は友軍から20km以上離れているにも関わらず、砲撃により友軍を沈めている。
あの途轍もない速さで飛び着弾する「光の矢」は使用されていないようだ。
既に自分たちの帰るべき竜母は撃沈されており、自分たちはワイバーンロードが力尽きた後、海上に不時着するしかない。
竜騎士団長は覚悟を決めた。
「全軍突撃!日本軍を滅せよ!」
魔信が使えないためこの言葉は届かなかったが、皆同じ気持ちであった。
自分たちは最強の竜騎士団であると実力を信じ、彼らは艦隊最前線のはつづきへ向かった。
が、次の瞬間彼らの意識は失われることとなった。
艦隊後方に展開していたF-056のAMRAAM(中距離空対空ミサイル)により、パーパルディア皇国の栄えある主力軍の中でも花形の竜騎士団、ひとたび立てば7つの軍を滅ぼすと言われた、第3文明圏最強の部隊は壊滅した。
―第3艦隊 旗艦ディオス
「りゅ、竜騎士団全滅したもよう。敵艦に被害確認されず…」
沈黙する艦橋、誰もが絶望しなす術がないと理解し始めていた。
「戦列艦マルタス、レジール、カミオ、ターラス轟沈…」
絶望的な通信士の声と爆発音だけが艦橋に響く。
歴戦の獅子である第3艦隊提督アルカオンでさえ、額に汗を浮かべ沈黙している。
皇国の頭脳マータルの考えた作戦も、列強ムー相手ならば十分効果があっただろう。
しかし百発百中の長射程砲と1発で戦列艦を沈められる威力のある砲弾、そして途轍もなく早い装填速度、あまりにも反則すぎるではないか。
作戦は全くの無意味となり、撃沈が続く。
敵を皇国の魔導砲の射程距離に収めようとすると、最大船速で40分以上かかってしまう。
敵との相対速度を利用すればもっと早く到達出来るだろうが、戦場で甘い期待はするものではない。
あんな正確無比な砲撃を40分近くも避け続けるのは不可能だ。
「…くそっ!」
皇国主力が皇都の目と鼻の先で、戦力を残し降伏や撤退が許されるわけがない。
アルカオンは覚悟を決めた。
「全軍に進攻してきた日本軍への突撃指示を出せ!皇国海軍の意地を見せつけろ!」
各船の風神の涙が輝き、風を発生させる。
その風を帆いっぱいに受けて、最大船速で敵に向かい加速する。
しかし、味方艦はなおも轟沈し続ける。
面の様に薄く展開した皇国海軍、その面に突き刺さる棒のように護衛艦隊が進攻する。
護衛艦隊が通過した半径15km圏内の戦列艦は次々と粉砕、轟沈し、残骸と化す。
「日本軍、我が艦の正面に来ます!」
パーパルディア皇国第3艦隊旗艦 ディオスに、護衛艦 はつづきが正対する。
その距離は間もなく20kmに達するだろう。
「左に針路をとり、日本軍と距離を取る事を進言します!旗艦が指揮能力を失う訳にはいきません!」
幹部の1人がアルカオンに上申する。
「ならん!針路そのまま。皇国主力の旗艦が引いてはならんのだ!」
「し、しかし!」
「敵艦の砲、我が艦に指向中!」
「提督!早く針路を変えるべきです!」
「ならん!」
アルカオンが吼えたと同時に見張りが悲鳴のような声で報告をする。
「敵艦発砲!」
「砲弾が来るぞ!取り舵いっぱい!」
艦長が指示を出し、操舵員が舵を切った。
直後、はつづきの放った砲弾が命中、パーパルディア皇国第3艦隊旗艦 ディオスは、猛烈な爆炎と共に、船体が木端微塵となり、轟沈した。
―パーパルディア皇国 海軍本部
海将バルスは港を眺めていた。
続々と出航していく、皇国の主力である海軍第1、2艦隊。
早船により、第3艦隊はおそらく日本の艦隊と既に戦闘していると予想される。
作戦会議室には海軍幹部が集まり、海図を睨んでいた。
もちろんこの中には皇国の頭脳マータルもいる。
戦況が分からないため、作戦を練る事が出来ずにいる。
「現場の判断に頼るしかないのか…」
部屋は沈黙に包まれる。
―護衛艦隊 旗艦じゅんよう
刻一刻と変化する戦場の状況が艦橋に伝えられる。
今のところ作戦は順調に推移しているが、港から続々と出てくる物量は十分脅威である。
「針路上に敵が多すぎる!まだ500隻以上もいるのか」
護衛艦隊の四方八方どこにも敵艦が存在し、特に前方には完全に展開しきれていないため半密集隊形500隻がいる。
だが、まだ作戦の想定内である。
「上手いこと港から引きずり出したな…潜水艦隊へ連絡、攻撃用意」
―パーパルディア皇国海軍 後方10km地点 海中
「艦長、作戦司令より攻撃用意、とのことです」
「そうか、全艦装填出来ているな?」
そう話すのは潜水艦隊 旗艦 うしおの艦長 島津だった。
「はい、人工衛星の方も準備出来ています」
「よし、トマホーク発射用意!目標、敵海軍本部。終末誘導、人工衛星によるGPSに設定」
「了解…設定完了、いつでも撃てます」
「攻撃開始」
微かな音と共に、発射管からトマホークが飛び出す、その数6。
海上まで浮上したそれらはロケットブースターにより急加速すると、海軍本部に向けて飛翔していった。
―エストシラント港
港でとある職員が掃除を終え、帰ろうとしていた。
彼の名はシルガイア、今は臨時職員として働いているが、実は海将バルスと同級生であり、学生時代はライバルとして競い合っていた。
学生時代はバルスの方が自分より少しだけ勝っていた、今はその差は圧倒的なものとなってしまったが…
ふと、彼は違和感を覚え海を見る。
海面すれすれの低空を何かが6つ猛烈な速度で近づいてくる。
直感であれは海軍本部への攻撃だと認識した。
咄嗟に大事なライバルであり、友でもある彼の身を案じ本能的に叫んだ。
「バルス!」
同時に海軍本部は猛烈な閃光に包まれ、轟音が鳴り響いた。
装飾が施され威厳を放っていた海軍本部は跡形もなく崩れ落ちた。
ここにパーパルディア皇国海軍は完全に海軍全体の指揮能力を失った。
―潜水艦 うしお
「人工衛星より映像受信…目標の破壊に成功」
「作戦司令へ通達、第1目標の破壊に成功。ただいまよりエストシラント港への攻撃を開始する。全艦トマホーク発射始め!軍港を灰燼に帰せ!」
8隻で構成された潜水艦隊から計48発のトマホークが発射される。
圧倒的破壊が港に迫る。
―エストシラント港
港では、全員が崩れ落ちた海軍本部を見て啞然としていた。
これは現実なのか…とても信じることが出来ない。
それはシルガイアも同じだった。
と、嫌な気配を感じ海を見ると、先ほどの物体が迫って来ているではないか、それもさっきの数倍の数が。
「…やばい!」
彼は急いで走り始めた。
幸い帰ろうとしていた為、荷物は手元にあるし、出口は近い。
彼が近くの建物の陰に入った瞬間、轟音が響く。
それも何十という爆音が連続して聞こえる。
彼は港を出てもなお走り続け、近くの丘に登り港を振り返る。
港では連続して爆発が起こり、桟橋や砲台、弾薬庫など全ての施設が壊れていた。
それでも容赦なく攻撃は続き、爆炎が吹き上がる。
煙が晴れた頃には、港は影も形も残っていなかった。
「……」
シルガイアは言葉を失った。
エストシラント港は潜水艦隊8隻から放たれたトマホーク144発により、文字通り灰燼に帰した。
―少し時を戻し、空母じゅんよう
「潜水艦隊より入電、第1目標の破壊に成功、エストシラント港への攻撃を開始する。とのことです」
「了解、こちらもけりを付けるぞ。艦載機、対艦クラスターミサイルは換装出来ているな?」
「もちろんです」
「艦載機発艦!クラスターミサイルにより、敵艦隊を攻撃せよ!並びに全護衛艦へ、対艦仕様にプログラムされたSAMの発射許可を出す!敵艦を全撃滅せよ!All Weapons Free!」
「…それ言いたかっただけですよね?」
「人生で一回は言いたいじゃないか」
石井はそう言いながら笑った。
ミサイルの嵐が海上に巻き起こる。
護衛艦から、艦載機から、様々な光が輝き、皇国海軍は爆炎と言う名の花火を上げる。
護衛艦隊の総攻撃により500隻いた艦隊のうち、470隻が撃沈。30隻は今後を見据えて撃沈されなかった。
今海戦で、パーパルディア皇国海軍は750/780隻を失い、海軍本部とエストシラント港が消滅。
だが、この程度ではまだ終わらない。
軍事行動破壊作戦(subversive campaign protocol;SCP)は始まったばかりだ。
分けわからん新兵器(対艦仕様SAM、対艦クラスターミサイル)が登場していますが、こちらは近々投稿する設定集(兵器)にて解説します、少々お待ちください。
新しく資料(10話)を先週投稿しました。宜しければご覧ください。
今後のパーパルディアは?
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原作通りに敗北
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更に大敗北を喫す
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