異世界に転移したのは日本だけではなかった~SCP財団日本支部召喚~ 作:M6A1(晴嵐)
定時投稿出来ず申し訳ありません。今後も0時に投稿出来なかった場合、12時に投稿します。
それにも間に合わなかったら…どうしましょうかねw
それでは、本編をどうぞ。
財団によるエストシラント港攻撃作戦の翌日の朝、パーパルディア皇国皇都エストシラントの皇城では、緊急御前会議が行われていた。
本来であれば即座に開かれるべきだったのだが、魔信が使えずに情報の収集に手間取ってしまったのだ。
この会議は国の重役の中でもトップクラスのみが参加し、皇国の意思決定を行うもので、今回の議題はもちろん日本(本当は財団)の対策である。
会議メンバーは以下の通り
・皇帝 ルディアス
・皇族 レミール
・皇軍最高司令 アルデ
・第1外務局長 エルト
・第2外務局長 リウス
・第3外務局長 カイオス
・臣民統治機構長 パーラス etc
会議に先立ち、第3外務局によって作成された現在皇国が知っている日本についての資料が配布された。
時系列を追って記載された資料を要約すると、
○中央歴1639年1月、ロデニウス大陸のクワ・トイネ公国と日本国が初めて接触した。同接触以前、どの国も日本国を認知していない。同接触後、日本国はクワ・トイネ公国から大量の食糧を輸入した。
○同年4月、当時ロデニウス大陸最大の勢力であったロウリア王国がクワ・トイネ公国に侵攻、戦争状態となった。同戦争にて、日本はクワ・トイネ公国に味方し参戦。ロデニウス沖大海戦で、ロウリア王国海軍は1500隻超の船が撃沈され、更にワイバーン部隊が大打撃を受けた。
○クワ・トイネ公国の城塞都市エジェイ西側の戦いにおいて、ロウリア王国陸軍は壊滅した。
○方法は不明だが、その後ロウリア王(ハークロウリア)は日本に身柄を確保された。
○フェン王国懲罰のため出撃したパーパルディア皇国監査軍東洋艦隊は、ワイバーンロード部隊が撃墜され、戦列艦も日本軍に追い返された。これが皇国と日本国の初の軍事衝突となった。
○アルタラス王国を落とした後、皇軍はフェン王国制圧のため転進、フェン王国のニシノミヤコを陥落させ、同所にいた日本人223名を捉え、皇族レミールの名において殺処分を行った。この行為に怒り狂った日本軍の攻撃により、皇国は海軍総兵力の1/3が失われた。
○皇帝陛下が日本国に対する殲滅戦を指示、対し日本国は個別的自衛権の発動を通告してきた。ここにおいて、パーパルディア皇国と日本国は本格的な戦争状態となった。
○日本国はアルタラス王国に駐在していた在アルタラス皇軍を攻撃、これを壊滅させ属領アルタラスは独立した。
○更に日本軍は皇都エストシラント北方、皇都防衛隊陸軍基地を飛行機械を用いて攻撃し、防衛隊は壊滅した。
○一方、海上では日本国の攻撃により、皇国主力海軍が全滅。海軍本部と湾岸施設は完全に破壊された。
○日本は自ら異世界もしくはこの世界の別惑星から転移してきた国家と名乗っており、文明圏外国家としては考えられないほどの戦績を重ねている。歴史上我が国がこれほどの国家を認知していなかった現状を考えると、突如現れた国であることは間違いない。
各員は配布資料を読み上げ顔を上げたが、その顔は一様に暗い。
軍の最高指揮官アルデが席を立ち、説明を始める。
「まずは軍の現状から説明いたします。海軍の状況については現在情報を精査していますが、残存戦力は第1級艦30隻、これは竜母7隻を含んだ数です。また、第2級艦の監査軍東洋艦隊22隻、西洋艦隊13隻、計65隻であり、その戦力は日本との戦い前と比べて、1/10以下、正確にいえば8%ほどとなっており、大幅に縮小しています」
アルデの額には汗が滴る。
残存艦のみであっても、第3文明圏周辺国の海軍よりも戦力は上…と言いたいが、正直余裕はあまりない。更に、主力をあっさりと葬ってしまった日本軍と対峙することを考えた場合、その戦力はあまりにも少ない。
「次に陸軍の状況について説明いたします。皇軍3大基地の1つ、皇都防衛隊が全滅いたしました。空からの攻撃にしては、その爆弾投射量はあまりにも規模が大きく、今まで全く想定しておりませんでした。今後基地を作る際は戦力を集中しすぎないないように配慮する必要が生じましたが、本戦いには間に合いそうにありません。皇都防衛に大きな穴が開いてしまったため、属領統治軍を撤収し、皇都防衛の任に当たらせます。本件は皇都防衛といった最重要課題であり、緊急を要したため、軍最高司令の権限により既に撤収指示は出しております。なお、属領統治軍を全て撤収したとしても、攻撃を受ける前の皇都防衛隊の戦力ほどにはなりません」
「ちょ…ちょっと待ってください、アルデ殿!」
臣民統治機構長パーラスはアルデの話に割って入る。
「属領統治軍を撤収する!?そんな事をすれば反乱が起こりかねません!他の2大陸軍基地から引っ張てくることは出来ないんですか?」
「無理だ。他の陸軍基地も重要だからな」
「臣民統治機構は、反乱を起こさせないために存在してるのでしょう?属領は既に牙を抜かれているし、属領同士の繋がりはない。そこまで心配いらないでしょう。万一、反乱が起こり属領を失ったとしても、皇都防衛の重要性を考えると天秤にかけるまでもないと思うけど」
レミールがそう言った。
「そ…それは…」
「それに先ほどの説明通り、既に指示は出している。各統治軍は皇都に向かう準備を開始しています。また、既に皇帝陛下と経済担当局長には事前連絡しご了承を頂いてますが、工業都市デュロの武器工場に対し武器弾薬の量産を指示し、補給に穴が無いようにいたします」
アルデが話し終わった後、第3外務局長カイオスが手を挙げて発言する。
「現在の軍の状況から、日本国は決して侮ってはいけない存在であり、脅威であるということは皆さま認識されたと思います。ここで問題となるのですが…」
カイオスは一呼吸置く。
「今回の戦争の終わらせ方、落としどころです」
「「「!!!」」」
一同に衝撃が走る。
会議に参加している誰もが感じているが、皇帝陛下の前で最も口に出しにくい話しをカイオスは話し始める。
「アルデ最高司令にお尋ねする」
「何だ!」
「残存戦力で日本国に上陸し、皇帝陛下の御指示である日本人の殲滅をなすことは可能か?」
「陛下の御意思達成のため、全身全霊をかけて取り組む所存だ」
「精神論など聞いていない。現戦力で可能なのかどうかを聞いている」
「…現戦力では不可能だ。達成のためには兵の数を揃え、もっと船を作る必要がある。時間が必要だ」
「日本国は待ってくれないだろう。それでは、今回戦端を開いた第1外務局長のエルト殿」
「…何だ」
「今戦争、どのように収束させるおつもりか?」
エルトは皇帝ルディアスに目線を走らせる。
「国家として既に日本殲滅を表明している今、皇国が意志を変更すれば他国や属国に示しがつかない。国益を考えたとしても、このまま進むしかあるまい」
「エルト殿はそれが可能だと思っておられるのか?」
「最高司令のアルデ殿が時間をかければ可能だと言っている。軍事における戦略的な事に私は口を出せる立場にはない」
「では日本国が我が国に何を求めているのか、お尋ねしたい」
「日本国は…フェン王国において我が国が行った日本人の殺処分についての公式な謝罪と、賠償、首謀者並びに参考人の身柄の引き渡し。また、フェン王国に対する謝罪、賠償、物品と人員に対する賠償、これらを求めている」
「首謀者というのは具体的に日本国から伝えられていますか?」
「首謀者の名は日本国から受け取った書類に記されています」
「では答えて頂きたい」
「…レミール様です」
一同の視線が彼女に集中する。
カイオスは彼女に近づくと、
「レミール様、自身の身柄が交渉条件であるということをご存知でしたか?」
「わ、私は…」
「もう良い、カイオス!」
レミールの発言に割って入る怒声、その場にいた全員はその声を誰が発したのかを理解し、黙り込む。
皇帝ルディアスはカイオスに顔を向ける。
「カイオス、お前は何が言いたい!この列強たるパーパルディア皇国、その皇族であるレミールを日本に差し出すといった屈辱的な完全敗北がお前の望みか!」
「いえ、決してそのようなことはございません。ただ私は外交官として、日本国が何を求め、我が国がどのような対策が出来るのか、あらゆる可能性を模索したいのです」
一言でも間違えれば一族全員の首が飛びかねない状況下で、カイオスは言葉を選ぶ。
「日本国は強い。私は本当に危機感を覚えているのです。このままではもしかすると、皇国が倒れてしまうかもしれないと、危惧を感じているのです」
「ほう…確かに日本は強い。海軍を滅し、陸軍基地の1つをつぶした。しかし、未だ2つの大規模基地が健在であり、しかも我が国の武器弾薬を支える工業都市デュロも健在だ。武器が尽きる事はない。これらがある限り、奴らは陸軍を上陸させられんだろう。更に地の利を生かした列強国の大陸を制圧するとなると、途轍もない量の人員が必要だ。しかし、日本は軍の数が少ない。陸の広大な面積は、質では補いきれないだろう」
ルディアスはそう答えた。
皇国崩壊に関するカイオスの懸念はそこではないのだが、皇帝の言葉に逆らえるわけもなく、現時点の意見具申は本当に首が刎ねられかねないため、彼は言葉をのんだ。
だが、日本の軍事力は自衛隊だけでないことを彼らは知らない。
そして、皇国の頼みの綱が既に切れていることにもまだ気づいていないのだった。
今後のパーパルディアは?
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原作通りに敗北
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更に大敗北を喫す
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