異世界に転移したのは日本だけではなかった~SCP財団日本支部召喚~   作:M6A1(晴嵐)

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M6A1 晴嵐です。

あと4回投稿したら今年は終わりです。
…パーパルディア編終わらないよおおおお!

それでは本編をどうぞ。


綻び

財団によりパーパルディアがフルボッコにされてる頃、アルタラス女王 ルミエスがパーパルディアの属領72カ国へ蜂起するように、魔信を使い呼びかけていた。

パーパルディアの統治に鬱憤が溜まっていた属領は、この呼びかけに応え、続々と反乱を起こしていた。

本来ならば属領統治軍が駐在しているため反乱は成功しないのだが、財団の攻撃で属領統治軍を皇都防衛のため引き上げさせていたため、残った統治機構だけでは抑えることが出来ず、次々と陥落していた。

 

 

―パーパルディア皇国 皇城

御前会議は、休憩を挟みながらも深夜にまで及んでいた。

会議は日本に対して徹底抗戦する方向で話が進んでおり、この事にカイオスは焦りを持っていた。

これほどの国力を誇り、この世界で5本の指に入った列強 パーパルディア皇国が滅んでしまう。

 

「それでは纏めますと、皇国は現在危機的状況下であるため、経済担当局による大規模支出をもってデュロで徹底した兵器の量産を実行、更に属領から徴兵を行い再軍備を実施、今までの皇国主力軍の3倍の規模を作り出し、夜襲と物量で日本の首都沖合に大船団を送り込み、火の海にします。このような方向性で行こうと思いますが、皇帝陛下、よろしいでしょうか」

 

軍最高司令のアルデが再建計画を発表している。

日本が暫くの間、何もしてこない事を前提とした完全な机上の空論に、カイオスは頭が痛くなった。

カイオス以外の会議に出席している全員は皆、自信を取り戻したような顔をしているが、彼には現実から目を背け、馬鹿が雁首を並べているようにしか見えない。

 

「会議中失礼いたします。アルデ様、緊急のお話が…」

 

と、軍幹部が入室してきた。

だが、その顔は焦りに満ちており、急いできたのか息が上がっている。

そしてアルデの横まで行くと、コソコソと耳打ちをする。

すると、アルデの顔がスーッと青くなっていった。

 

「?どうしたアルデ、何かあったのか?」

 

一瞬、答えに窮した様子だったが、アルデが震える声で答える。

 

「…こ、皇国の工業都市デュロが、日本の攻撃を受けました。民家に被害はありませんが、全ての工場と陸軍基地が壊滅いたしました…」

「な、なんだと!?」

「そんな馬鹿な…!」

 

衝撃のあまり会議室が沈黙する。

しんとしたその場所に、音を立てて扉を開けながら、別の幹部が室内に飛び込んできた。

 

「今度は一体なんだ!アルデに耳打ちせず、お前がこの場で申せ!」

「は…はっ!」

 

幹部は皇帝に平伏すると、報告を始めた。

 

「属領のクーズ、マルタ、アルーク他、計15箇所が反乱を起こしました。既に同15箇所の統治機構は壊滅、反乱軍の手に落ちました。更に23箇所の属領が反乱を起こし、統治機構は劣勢です。アルタラス王国のルミエス女王が、皇国の属領に反乱を起こすよう魔信で呼びかけています。今回の反乱はその呼びかけに呼応したものと思われます。今後、更に属領が独立した場合、加速的に他の属領も反乱を起こすことが予想されます!」

 

会議室にいた面々は絶句した。

パーパルディア皇国は武力を用いた「恐怖」によって他国を属領とし、支配して富を吸い上げてきた。

しかし、その恐怖の元が日本国によって砕かれてしまった。

恐怖による支配の脆弱性が最悪の形となり、彼らに返ってくる。

属領軍を再派遣することも可能だが、それでは皇都の防衛が不可能となってしまう。

 

「お、おのれえええ!」

 

怒りの言葉を吐き出すことしか出来ない皇帝たち、会議は深夜まで続いた。

 

 

―皇都 エストシラント カイオス邸

会議は結局誰も解決案を出せず、空論が続いた。

このままでは皇国の将来は絶望的だと判断したカイオスは、ある決心をした。

このままでは皇国は滅んでしまうだろう。

この行動が失敗したら、カイオスを含めた一族郎党全員皆殺しだろう。

しかし、成功すれば少なくとも国は残る。

 

彼は書斎から隠し部屋に移動すると、そこに設置された物に手をかける。

そこには、日本の無線機が設置されていた。

レミールが日本の外交官に宣戦布告を告げた後、カイオスは帰路についていた彼らを引き留め、日本と秘密裡に関係を持っていた。

魔信では誰かに盗み聞きされる可能性もあったため、日本製の無線機を設置し、部屋自体も改造を施し、防音性が高くなっている。

 

「…やるしかない」

 

カイオスは無線機の通信ボタンを押し込んだ。

 

「反乱か…皇国の裏切り者としての汚名を背負わなければ皇国を救えないとは…皮肉な事よ…ん?」

 

日本から渡された無線機に全く反応がない。

 

「な、なんで反応しない!?まさか故障か?」

 

ボタンをカチカチ押したり、押し続けたりするが、それでも反応がない。

 

「じょ、冗談じゃない!こんな事で皇国の未来が潰されてたまるか!」

 

カイオスの気持ちと裏腹に、無線機はうんともすんとも言わない。

 

「こんな事で皇国が滅びるのか!」

 

カイオスの目に涙が浮かび、肩を落とすとボタンから手を離した。

 

『こちら日本国外務省、応答願うどうぞ!』

「え!?」

 

ふとカイオスは最初の説明を思い出す。

(無線は話すときはボタンを押し、聞く時は離してください)

カイオスは赤面すると、日本とやり取りを始めた。

 

―数時間後

日本とのやり取りを終えたカイオスは、自室にて考え事をしていた。

(反乱を起こすには、軍部の方に協力者が必要だ。誰か目ぼしい者はいないだろうか…)

と、誰かが扉をノックした。

 

「入れ」

 

顔を出したのは、私設秘書のブアンだった。

 

「失礼します、カイオス様。こちら第1外務局からの書留郵便です」

「第1外務局から?」

 

疑問に思い、郵便を受け取る。

中には数枚の書類が入っていた。

一番上の書類には、『第3外務局長カイオスに1週間の自宅謹慎を命ずる』という文が書かれていた。

 

「な、何だこれは!」

 

急いで他の書類を確認する。

送ってきたのは第1外務局だが、書類を作成したのは外務局監査室のようだ。

外務局監査室は皇族のみ所属している。

 

「まさか昨日の会議のことか!」

 

会議でレミールを問い質したことを思い出す。

狂犬だと思っていたが、まさかこれほどとは…

 

「くそっ、予定が狂ってしまった…」

 

監査室の警告を破ればどうなるのか、容易に想像がつく。

カイオスは頭を抱えるのだった。

 

この1週間が運命を変える事をまだ誰も知らない。

 

今後のパーパルディアは?

  • 原作通りに敗北
  • 更に大敗北を喫す
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