異世界に転移したのは日本だけではなかった~SCP財団日本支部召喚~   作:M6A1(晴嵐)

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M6A1 晴嵐です。

間もなくパーパルディア編も終了です。長かったです。

それでは本編をどうぞ。


第3段階-1

―サイト-8100

「ということで、明日からSCP第3段階に移行します」

「そうか、パーパルディアは降伏しなかったか…それにしてもよく倫理委員会が許可出したな」

「民間人、軍人を可能な限り殺傷しない、との条件でしたが」

「殺傷せずにって無理難題だな…もしかしてまさかアレを?」

「はい、試作品ですが実践投入します」

「MPミサイルか…分かった。全員生きて帰ってくるんだぞ」

「了解しました、新藤管理官」

 

 

―同時期 皇都エストシラント 皇城

皇帝 ルディアスは、皇国の政治について絶大な権力を誇り、圧倒的な外交能力と先見の明を持っている相談役 ルパーサと、日本について話し合っていた。

 

「では、お前は日本が陸軍基地やデュロに行ったような空からの攻撃を皇都に対して行う事はないと考えているんだな」

「はい、皇都には各国の外交官とその家族が住んでおります。また、外国の商人もおります。日本は今まで軍事拠点にのみ攻撃を加えております。我が国に対する要求も、侵攻に対する賠償と日本人虐殺の関係者の引き渡しのみだけでございます」

「関係者の引き渡しには我も含まれるのか?」

「陛下は虐殺の事後報告を受けただけですので、全く問題ないでしょう。ただ、レミール様はどうしようもございません。日本国大使の前で死刑執行宣言を行ってしまいましたので。まぁ、最悪の想定ですが」

「その際、レミールは切り捨てるか」

 

ルディアスは思考する。

 

「では、アルタラスを含めた73ヵ国の反乱についてはどう見る?」

「もともと統治軍が抑えていた土地、連合を組んだところで統率はおろか、まともな武器もないでしょう。皇国の町が落ちる事はございません」

「反乱は脅威ではないと申すか」

「はい。ただ、これらの国を抑える力は我が国には現在ございませんので、食料の確保と税収が厳しいものになるかと」

「食料は向こう十数か月は大丈夫だろう。いずれにせよ打って出ず、亀のように籠っていれば、皇国が落ちる事はあるまい」

「そうですな。ああ、あと今後は陸軍基地を分散させる必要がありますな」

 

皇帝たちは今後について考察する。

 

 

―パーパルディア皇国 軍務局

最高司令アルデは執務室で頭を抱えていた。

日本を初めて認知したのは、ロウリア王国が敗れたという報を受け取った時だ。

文明圏外国家同士の戦いだったため、分析せずにアルデの頭から消えた。

 

次に意識したのは、監査軍が追い返された時だった。

監査軍は旧式艦の集まりであり数も少ないため、性能差を覆す程の物量をもって対応されたのかと分析した。

しかし、それでも皇国軍が一時的とはいえ押し返されたのは驚きだった。

 

その後、主力海軍は9割以上、3大陸軍基地は全て壊滅し今に至る。

 

「日本を…見誤ってしまった…」

 

文明圏外の蛮族が列強に勝つことなど、歴史上1度もなかった。

あってはならない事、しかしそこにあるのは『現実』。

 

最新の対魔弾鉄鋼式装甲を施した150門級戦列艦、ワイバーンオーバーロード、ほぼ全ての戦列艦と竜母を投入した。

その戦力は皇国歴史上最大であり、世界的に見ても途轍もなく大きい戦力だった。

しかし、日本の艦を一隻も撃沈することは出来ず、奴らの被害は0である。

しかも、皇都上空を警戒飛行していたワイバーンオーバーロードを撃墜し防衛網を突破、凄まじい量の爆弾を投下し、陸軍基地を消滅させた。

 

こんな規格外な敵に、全く対策が思いつかない。

更に日本(財団)は降伏するように毎日ビラを撒いており、ビラと共に数字が書かれた紙も撒いている。

1日ごとに数字は1つずつ減っており、今日は「1」と書かれていた。

つまり、明日何か起こる可能性がある。

だが、止める手段はない。

 

執務室のドアがノックされる。

 

「入れ!」

 

部下が青い顔で入ってくる。

 

「報告します!全ての属領が落ちました。また、反乱軍は互いに通信し、73ヵ国連合軍を名乗り、パーパルディア皇国に宣戦布告してきました。これについては、元々軍が抑えていたため、侵攻してきても現有兵力で対応可能と思われます」

「くそ、次から次へと!」

 

アルデは皇国を守るため、策を練る。

 

 

―パーパルディア皇国 属領統治軍簡易基地

財団の攻撃により吹き飛んだエストシラント陸軍基地、その付近に設置された新たな基地である。

基地と言っても簡易的なテントが立ち並ぶ、あまりにも貧相なものなのだが。

とあるテントで会話する者たちがいた。

 

「十兵長!エストシラント陸軍基地のあった場所をもう見られましたか?」

「いや、まだだが…どうした?」

「私は先ほど見てまいりましたが、想像できないほどの猛烈な爆発が起こったという事は分かりました。十兵長、私はこの戦いにより皇国が滅亡に向かって突き進んでいるように感じます」

 

それを聞いた十兵長は驚きの顔を浮かべた。

 

「君は皇帝陛下の命に疑問を持つのか?」

「いえ、決してそのような…いや、十兵長を信じ本音をお話しします。我々一般兵の間では、現在動揺が広がっております。相手の戦力を分析せず、自らの考えを押し通したい。ただそれだけの理由で、多くの兵が散っていっていると。我々は皇国臣民のために命を投げ出す覚悟はありますが、無意味な死はしたくありません。兵にも家族がいるのです。この戦い、未だ敵を1人も打ち取れていないではありませんか!上の考えが全く分からず、皆疑問を持っています」

 

そこまで聞いた十兵長の顔がにやける。

 

「よく本音を話してくれた。では私も本音を話そう。今、皇帝陛下はご乱心しておられるらしい。第3外務局長のカイオス様は知っているか?」

「名前だけなら聞いたことあります」

「実は先日密かに呼び出しがあってな。そこで色々話を聞いた。今、カイオス様は独自に日本とパイプを開こうとしておられる。このままでは国が滅んでしまうからな。皇国の為に力を貸して欲しい。時が来たら私と一緒にカイオス様の指揮に入ってほしい」

 

一瞬、沈黙が支配する。

 

「そ、それは真ですか?」

「ああ、今決めなくてもよい。考えておいてくれ」

 

少しずつ、だが着実に、カイオスの息がかかった者は増えていった。

 

 

―パーパルディア皇国 北方都市 アルーニ

属領カースの近くにある都市 アルーニ、73ヵ国連合の宣戦布告により最前線となった。

アルーニにある基地で、慌ただしく兵が走り回っていた。

 

『敵の数が多すぎる!総数5千は超えていると思われる。至急応援求む!』

「了解、竜騎士21騎を派遣する」

 

本土を防衛するために死力を尽くすパーパルディア皇軍。

だが、73ヵ国連合に加担した第3文明圏国家 リーム王国の援護により、アルーニ防衛軍は壊滅。

同日午後、アルーニは陥落した。

 

 

―SCP第2段階 6日後 23:50

「全員最終確認。もうすぐ作戦開始だ。気を引き締めろ」

「対地レーダーに問題なし。敵影見られず」

「MPミサイル、基地より発射。起動まであと600」

 

デュロ南方50km海域、揚陸艦で10個機動部隊が護衛艦2隻の援護を伴い、上陸準備をしていた。

 

「まさか、戦争状態の敵国に上陸作戦を行うことになるとは…財団に入った時は予想していませんでした」

「私もだ。地球だったら絶対にありえないな。だが、これも訓練だと思え。相手は人型アノマリー、破壊してはならない。そういう訓練だ」

「アノマリーより相手が弱いんですが…」

「とんでも異常がない分、マシと思え。お、飛んできたぞ」

 

隊長が目を向けた先、上空に小さい明かりが見える。

それは急速に接近してくると、上空10kmで炸裂した。

 

「作戦開始!上陸を開始せよ!」

 

0時きっかりにSCP第3段階作戦が始まった。

 

パーパルディアの運命は決まろうとしていた。




MPミサイル…魔信や魔導砲は魔素、という物質で動いており、魔場を発している。この魔場を乱し、魔導具を使えなくするため、電磁パルスの要領を用い、魔素版の電磁パルス(魔素パルス?ダサくない?)を展開するために作られたミサイル。

いいネーミングを思いついた方は、是非メッセージを送ってください。
魔素パルスでいいって方は感想欄で一言加えてください。

今後のパーパルディアは?

  • 原作通りに敗北
  • 更に大敗北を喫す
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