異世界に転移したのは日本だけではなかった~SCP財団日本支部召喚~   作:M6A1(晴嵐)

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M6A1 晴嵐です。

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

早速本編をどうぞ。

追記)
島津の役職を変更しました。


復活

「これ以上は財団の活動に支障をきたします。無理です」

「機動部隊を再編すればどうにかならんか?」

「もし収容違反が発生したら()()の攻撃前に日本が滅びますよ。駄目です」

「じゃあ呼び戻すのは?」

「連日働きづめの彼らをですか?疲れは作戦に支障をきたします」

 

パーパルディア皇国と講和してからまもなく1週間、ようやく終わった…と安堵していた日本にとある要請が入ってきた。

それはトーパ王国から「魔王が復活したので救援が欲しい」と言ったものだった。

 

政府は自衛隊を派遣することを決定したのだが、魔王なんてそれこそ財団のような異常を取り扱っている所の仕事では?と、アドバイザーとして財団にも同行をお願いしてきたのだ。

 

ただ、機動部隊はデュロを中心にパーパルディア皇国の復興を援助しており、国内の機動部隊をこれ以上出動させればもしもの時に対応出来ない、という状態だった。

 

「研究者だけ送るか?」

「護衛なしでですか?自衛隊がいるので大丈夫だと思いますが、彼らが機密を抱えている以上、何かあれば洒落になりません」

 

軍事部門長の松本と話し合っていると、扉がノックされた。

どうぞ、そう言われ入ってきたのは、秘書 有田だった。

 

「有田か、どうした?」

「先ほど受付に島津様がいらっしゃいました」

「島津さんが?応接室に通しなさい」

 

「新藤管理官、お久しぶりです」

「こちらこそお久しぶりです、島津さん。GOC極東部門事務次長補局が直々にいらっしゃるとは何かご用件が?」

 

GOC(Global Occult Coalition)、世界オカルト連合…財団が異常存在を確保、収容、保護、するのに対し、異常存在を()()することに重きを置いている、財団のライバル的存在。「連合」ということで、世界中のオカルト組織が所属している。異常存在から一般社会を守る、という目的は財団と一緒であるため、合同作戦を行う事も少なくない。

 

「ええ、単刀直入に申し上げます。魔王の件を我々に任せては頂けませんか?」

「…それは薩摩奇跡論研究所*1としてですか?それとも極東部門としてですか?」

「もちろん極東部門としての、です」

 

新藤の目を見てはっきり答える島津。

周りに居たもの達は、時が止まったような気さえするような静けさが訪れた。

 

「…そうですか。理由をお尋ねしても」

「魔王はこの世界でも異常存在と言っても過言ではないでしょう。そんな異常存在と戦えるのは、我々かあなた方財団しかいません。そしてあなた方は破壊することに慣れていない。我々の方が適役でしょう」

「……」

「それに機動部隊もパーパルディア皇国に投入し限界なのでは?無理してあなた方が崩壊されたら、元も子もありません。…転移後、可能な限り協力すると言ったではありませんか。この状況でいがみ合っている場合ではありませんよ」

「…」

 

新藤は静かに島津の話を聞いていた。

その様子を有田は後ろから内心びくびくしながら見ていた。

 

「…分かりました。政府には財団ではなく、GOCが協力してくれるとお伝えしておきます。魔王は任せました」

「ご理解ありがとうございます」

「ただ一つだけ、お願いしたいことがあるのですが、宜しいですか?」

「何でしょう」

「数人程研究者を同行させても宜しいですか?決して作戦の邪魔はさせません」

「なるほど、情報は必要ですもんね…車一台分ぐらいなら良いですよ」

「ありがとうございます」

 

「管理官、GOCに任せて良かったんですか?」

「いいさ。我々に余裕が無いのは事実だ。お言葉に甘えようじゃないか。それに島津さんは若干嫌みったらしく言っていたけど、財団の事を心配していたのは本当の様だよ」

 

「まさか財団がOKするなんて思いませんでした」

「そうか?別に財団は話が通じない相手じゃない。むしろ通じる方だぞ」

「というか何で『我々の方が適役』とか、財団を少し煽るような言い方だったんです?素直に心配だったから、で良いじゃないですか」

「その言い方だと、いつも財団の事意識してるみたいじゃないか。というか、そんな素直に言えるわけないだろ!」

「冗談ですよ~」

 

かくしてGOCによる魔王討伐が始まった。

 

 

―1週間後 舞鶴

「ここが京都ですか」

「と言っても古都らしさはあまりないですけどね」

 

そう話すのは、研究者の伊吹と杉田だった。

この2人の所属する研究室は転移後に魔素を中心とした研究を命じられており、以前使用された魔信ジャミングシステムや魔素攪乱ミサイルを開発したのは、彼らだったりする。

 

「それにしても凄い荷物ですね。こんなに必要なんですか?」

 

そう尋ねたのは2人の護衛任務を受け持っている機動部隊隊長 長野だった。

 

「相手は数万年前、人類をあと一歩で全滅させる所までいった魔王だ。ということは、我々の想像を超える魔法を使えるに違いない。それを観測するためだからね」

「強力な魔法は魔素を大量に消費する。空気中の魔素に影響が出るに違いない。その影響を調べればより魔素について更に理解出来るからね」

「な、なるほど」

 

早口でまくしたてる2人に若干引きながらも長野は頷いた。

 

「あなた方が財団の研究者ですか?」

 

ふと、横から声がかかる。

声のした方向を見ると、トランクケースを1つ持った中年と、その後ろに息を切らせながら大荷物を持った若い男性がいた。

 

「もしかして横田研究員ですか?」

「ふむ、私を知っているんですか」

「ええ、GOC、いえ薩摩奇跡論研究所の屈指の研究員と聞いています」

「流石財団。優秀な情報網をお持ちの様で」

「いえいえ、そんな事ありませんよ。で、そちらの方は?」

「こっちは私の助手の落合です。まだ研究者としてはまだまだですが、その潜在能力はかなり高いと思っています」

「あ、ど、どうも、落合、です」

 

息も絶え絶えに彼は自己紹介をする。

 

「大丈夫ですか」

「は、はい。ご心配ありがとうございます。でもいつもの事ですから…」

 

彼がカバンを地面に置くと、ドサッと重そうな音が聞こえた。

 

「そういえばあなた方は…?」

「自己紹介が遅れました。私はSCP財団魔素研究室の伊吹です。こっちは相棒の杉田です。今回はよろしくお願いします」

「ああ、あなたが伊吹先生でしたか。これは失礼を」

「横田教授、知っているんですか?」

「財団一の研究員だよ。転移後は魔素の研究を中心に行い、魔道具を無力化する魔素攪乱という技術の生みの親だ」

「そうなんですか!?失礼しました…」

 

完全に萎縮する落合、そんな彼に伊吹は声をかける。

 

「気にしないでください。偶然発見しただけですよ」

「偶然でも発見したのは事実です。今回は一緒に行動出来る事、誇りに思います」

 

そう横田が答えた。

GOCと財団、屈指の研究員が出会った瞬間であった。

*1
GOC極東部門所属のオカルト研究所。今作品オリジナルの団体です。




次はグ帝編と言ったな、あれは嘘だ。

今後のパーパルディアは?

  • 原作通りに敗北
  • 更に大敗北を喫す
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