異世界に転移したのは日本だけではなかった~SCP財団日本支部召喚~   作:M6A1(晴嵐)

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M6A1 晴嵐です。

日曜日に投稿出来ず誠に申し訳ございませんでした!!!┏○┓
言い訳をさせて頂くと先の展開が上手く想像出来なかったからです……

それでは本編をどうぞ…


作戦開始

―トーパ王国 城塞都市 トルメス

騎士モアと傭兵ガイの2人は騎士団の命により、トルメス南門で間もなく到着する日本軍の案内に来ていた。

この2人は元々、トーパ王国の北東部にあった「世界の扉」と呼ばれる、魔物ひしめくグラメウス大陸とフィルアデス大陸の境に位置し、魔物の侵入を何百年、何千年も防いでいた要塞に務めていた。

だが魔王軍の侵攻により世界の扉は陥落、その前に2人は騎士長の命令でトルメスに連絡へ向かっていたため助かっていた。

 

「なあモア、俺たちが案内する日本軍ってどんなだろうな?小隊規模しか来ないらしいが、そんな少数の援軍が魔王軍に意味があるのか?」

「日本軍ではなく、日本国自衛隊というらしいな。確かに大規模な援軍なら嬉しいが、小規模な部隊、しかも指揮権が異なっているなら混乱を招きかねない…だが、彼らの実力が噂通りなら凄いことだな」

「噂って何だよ」

「ロデニウス大陸戦争で、ロウリア王国の大軍をたった数分の猛烈な爆裂魔法で全滅させたとか、列強パーパルディア皇国との戦争では空と海から爆裂魔法を放ったとか。その全ての戦いで自衛隊には死者がいないらしい」

「うーん、そりゃ嘘だな。パーパルディアとの戦争に勝利したのは事実だから実力はあるんだろうが、死者がいないなんてありえない。自国を強く見せるための情報操作だろうな」

「やっぱりそう思うよな」

 

歴戦の猛者である傭兵のガイはそう断定する。

 

「俺は数多の戦場を見てきた。圧倒的に強い軍もいたが、どれだけ武具や戦略、策略が優れていて、死者数に大きな差が出る事はあっても、死者数0人だなんて聞いたことが無い。どんな技術や戦略であっても、最前線で兵が死なないなんてありえない。列強に勝つだけでも凄まじく強大な国家だが、1人も死ななかったなんて盛りすぎだ。そんな国は嫌いだな。どうせ先遣隊も煌びやかで豪華な鎧で来るんじゃないのか?」

「そうか…しかし国賓の様なものだから、嫌いでも失礼のないようにな」

「ふん、分かってるよ」

 

と、城門の衛兵から声がかかる。

 

「モア様、日本軍の方々が来られました!」

 

その声と同時に「ブオオォォォォ」と、聞いたことのない音が聞こえてきた。

目を凝らすと深緑色の何かが近づいてくる。

それが近づくにつれ地響きがする。

前を先導している王国軍の兵たちも顔色が優れていない。

 

「何だ!?この世のものと思えない化け物は!?」

 

2人の前で一団は停止する。

自衛隊を先導してきた王国軍の騎士が馬から降りてモアに近づく。

 

「こちらが自衛隊の方々だ。後の案内は頼む」

「は、はい!」

 

話しをしている間に1番前の鉄の地竜の扉が開き、中から変な格好をした者が降りてきた。

ただ丸いだけの何の装飾もついていない兜を被り、緑の斑模様の服を着ている。

鎧は着ていないが、戦になったら装着するのだろう。

モアの想像する騎士としての華のある姿はない、蛮族である。

その蛮族はモア達へ近づき、敬礼をした。

 

「日本国陸上自衛隊トーパ王国派遣部隊先遣小隊小隊長の百田太郎です。ご案内感謝致します。よろしくお願いします」

 

2人は面食らった。

目の前にいる装飾もない冴えない姿をした男が先遣小隊のトップだと!?

だが流石は騎士、取り乱さずに挨拶を返す。

 

「トーパ王国世界の扉守護騎士のモアです。これよりトルメス城にご案内します。その後、あなた方自衛隊へ同行致します。よろしくお願いします」

 

と、モアの視線が一瞬何かを捉えた。

その視線の先には白地に赤丸の模様が描かれていた。

(どこかで見た気がするな…思い出せない)

少し気になるモアであった。

 

 

―トーパ王国派遣部隊 最後尾装甲車

「ここが城塞都市 トルメスですか。中世ヨーロッパって感じがしますね」

「町の中は石畳で舗装されているあたり、ある程度の技術力はあるみたいですね」

「気になるのは分かりますが窓を閉めて頂きたい。寒いんですよ」

「ああ、すいません」

「良いじゃないですか横田教授、こんな機会滅多にないんですから」

「確かに散策する時間はないだろうから、移動中に見物したいのは分かるが寒いものは寒い」

「いえ、換気ですよ換気。密閉空間じゃ息が詰まります」

「…あと1分だけですよ」

 

そんな呑気な会話をする4人であった。

 

 

―トルメス城

城内に車両は入れない為、百田達幹部4人と伊吹と横田、護衛として松永ら4人が下車しトーパ王国軍魔王討伐隊長の元に挨拶に行くことになった。

本来ならば断るのだが、百田がどうしても、とお願いするので渋々行くことになったのだ。

少し離れた場所が最前線であるため、武器は携行することになった。

 

モアの後をついて廊下を進んで行くと、暫くして隊長の部屋に到着した。

その重厚な扉をモアはノックする。

 

「入れ」

「失礼します。日本の方々をお連れしました」

 

中には円卓があり、1番奥にいた男が立ち上がった。

年齢は40程、身長は180cm程で筋肉質、白色短髪、白い髭、銀色の鎧を装着して赤いマントを羽織っている。

 

「おお、日本の方々、よくぞ来てくださった。私はトーパ王国魔王討伐隊隊長のアジズです」

「日本国陸上自衛隊トーパ王国特別派遣部隊先遣小隊小隊長の百田太郎です。よろしくお願いします。そしてこちらが魔王討伐のアドバイザーとして随伴して下さっている伊吹先生と横田教授です」

「「よろしくお願いします」」

「アドバイザーですか。よろしくお願いします」

 

挨拶を交わすと一同は円卓に座り、状況確認を開始した。

要約すると、

・魔王軍は約2万の大軍である

・世界の扉を落とした後、城塞都市 トルメスの北側に位置するミナイサ地区に侵攻し、これを落とす

・現在はミナイサ地区にトーパ王国軍の援軍が到着し、これから先への侵攻を被害を出しながらも食い止めている

・ミナイサ地区にいた逃げ遅れた市民約600名は中心部の広場に集められており、毎日数人が餌として連れていかれている

・魔王軍に与えた被害はゴブリン約3000体、オーク10体、対しこちらの被害は騎士2000名が死亡している

・3回ほどミナイサ地区人質救出作戦が立案、実施されたが、広場に至る大通りには必ずレッドオーガかブルーオーガのどちらか1体がおり、多大な損害を受けて撤退している

・人質は毎日食されている為、早急な救出が必要である

 

説明を聞き終えた一行は、改めて事の重大性を理解する。

 

「なるほど…事態は一刻を争いますね」

「そうなのだ。オーガさえ倒せればどうにかなるのだが」

「オーガ?」

「力は強く、人間の何十倍もある。1番の問題は彼らが疲れを知らないことだ。食事がある限り永遠に力が落ちず、動き続けられる。更に奴の毛は針金のようになっていて、剣や槍が効かんのだ。バリスタは通るだろうが、素早く動くため彼らに当たらんのだよ」

「急いで鬼退治をする必要がありますね」

 

百田は民間人救出には本隊を待っている時間はないと判断、小隊長の権限をもって、オーガ討伐を決意する。

 

「とりあえず準備が整い次第、私たちは鬼退治を行おうと思います」

「おお、パーパルディアに勝利したあなた方が動いてくださるとは、百人力、いえ万人力です。同時に騎士団も出しましょう」

「それでは作戦の協議を行いましょう」

「そうですな。地図等準備するものがあるので、1時間後協議を行おうと思う」

 

そうアジズが言った瞬間であった。

 

 

―伊吹視点

パリン!

窓が割れると同時に黒い影が飛び込んでくる。

その黒い影はスッと円卓の上に立ち上がった。

 

「ま、魔王の側近のマラストラス!?何故!?」

 

誰かがそう叫ぶと、騎士たちは剣を一斉に抜いた。

 

「ホホホ、人間の頭を討ち取るため、わざわざ我が足を運ばねばならんとは…随分と強くなったようだな人間よ」

 

伊吹はこそっと魔力カウンターをポケットから取り出す。

カウンターには「30」と表示されていた。

(この世界の住人が平均10…かなり強い魔物だ)

伊吹がそう考えている間に、マラストラスはアジズに向かい手を向ける。

その手から黒い炎が生み出されていく。

 

「死ね、ヘル・ファイa…」

 

ダダダダダ

マラストラスが言い切る前に部屋の中に小銃の音が響き渡る。

 

「射撃やめ」

 

マラストラスが円卓の上に崩れ落ちると、号令がかかった。

撃ったのは松永の部隊であった。

 

「百田さん、申し訳ありません。危険と判断したので目標に攻撃を行いました」

 

松永が百田に頭を下げた。

 

「いえ、判断が早くて助かりました。自衛隊の特殊部隊と聞いていましたが、流石ですね」

「私からも礼を言う。マラストラスはとても凶悪な魔物だ。あなた方がいなければ、我々は全滅していたに違いない」

 

アジズが松永にそう言った。

 

(判断が早いな…財団だったら無力化して捕獲するのを試みたに違いない。やはりGOCに頼む判断をした最高管理官は正しかったな)

 

「伊吹さん、データ取れました?」

 

横田が話しかけてくる。

 

「一瞬だったので、保有魔力を測ることしか出来ませんでしたが…」

「後でそのデータくれませんか?」

「いいですよ」

 

この状況下でもデータを集めたがる2人であった。

 

 

―翌日

トーパ王国特別派遣部隊先遣小隊は、ミナイサ地区に進撃した。

 

「遂に奪還作戦ですか…戦場はあまり行ったことないので緊張しますね」

「この装甲車には念の為、魔素攪乱機を搭載しています。仮に魔法が飛んできても大丈夫です。その上、この装甲車はGOCが使用している物ですから防御力は段違いですよ」

 

松永が伊吹にそう答える。

 

「そういえばGOCは参加しないんですか?」

「我々の任務は自衛隊の援護と魔王討伐ですから…奪還作戦は自衛隊に任せます」

 

残った200名の市民の命を守るため、そして魔王軍の侵略を止めるため、ミナイサ地区奪還作戦が始まる。




今後も日曜日に投稿出来なかった場合、水曜日に投稿しようと思います。

本当にすいませんでした。

今後のパーパルディアは?

  • 原作通りに敗北
  • 更に大敗北を喫す
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