異世界に転移したのは日本だけではなかった~SCP財団日本支部召喚~ 作:M6A1(晴嵐)
折角バレンタイン時期だったのに、何故自分はTaleを書かなかったのか…惜しいことした。
それでは本編をどうぞ。
先進11ヵ国会議―この会議は2年に一度開催される会議であり、参加国は世界に多大な影響を持つ大国のみで構成される。世界中の国々が同会議に注目しており、日本国が出席すれば世界に大国として認識され、国益にもかなうと予想される。第3文明圏については、固定参加1ヶ国、持ち回り参加1ヶ月の計2か国であり、今回は固定参加国として日本国を招待したい。
この様な説明を神聖ミリシアル帝国の使節団から受けた日本政府は、会議への出席を正式に決定した。
この発表は世界各国、特に第3文明圏、文明圏外国家で大きな話題となった。
もちろんこの発表が影響を与えたのは、各国だけではなかった。
―サイト-8100
「先進11ヵ国会議…地球でいえば、G7サミットとか常任理事会みたいなものか」
「そうですね。前回までは列強5ヶ国、神聖ミリシアル帝国、ムー国、エモール王国、レイフォル国、パーパルディア皇国でしたが、レイフォル、パーパルディアはグラ・バルカス帝国と我々がそれぞれ潰しましたので、そこと入れ替わるようです」
「グラ・バルカス帝国か…様子はどうだ?」
「未だに周辺国へ侵攻を続けています。戦列艦やワイバーンロードの戦力じゃ、第二次世界大戦クラスの技術力には勝てませんね」
「以前の調査報告書では対空砲はレーダーを用いた近接信管と書いてあったな。艦艇建造技術は日本、電子技術はアメリカ、いい所どりだな」
「諜報部が頑張っていますが、なにせ相手は近代国家。ロウリアやパーパルディアのように簡単にはいきませんな」
「その上中央世界挟んで反対側だからな…遠いし大変だな」
「偵察衛星は24時間365日張り付いてますので、動きは筒抜けですが…油断できません」
そう新藤と有田が話していると、ドアをノックして松本が入ってきた。
「管理官、週末はお疲れ様でした」
「松本もお疲れさま。ゆっくり休めたか?」
「はい。重大プロジェクトが一つ終わったんですから…とはいえ、試験航海の結果を見るまでは不安ですが」
「それにしても研究費、建造費ともに桁違いだな。これでは妹たちの建造が認可できんぞ」
「それについてですが、新型機関と
「うーむ、そうか。この調子で建造するわけにもいかないしな…後でその案をパソコンに送ってくれ。検討しよう」
「了解しました。それともう一つ、政府より生活艦の貸出要請です」
「生活艦を?何に使うんだ?」
生活艦とは、財団保有の艦艇(SCPS)のうちの一種類であり、海上における財団職員の生活の場として利用されている艦艇。現在は海上サイトとの長時間移動や、民間へクルーザーとして貸出をしている。
「来年行われる先進11ヵ国会議、その会場まで外務省職員を運ぶのに使用したいそうです」
「なるほど、だが港にはどうやって運ぶんだ?衛星からの情報で一番小さい生活艦であるおなはま型ぐらいしか停泊させられないが、神聖ミリシアル帝国まで船では1ヶ月かかる。そんな長期間職員を宿泊させるなら、よこて型以上でないと不便をかけてしまうぞ」
「それについては海上保安庁の巡視艇が港まで運ぶそうです」
「そうか、なら大丈夫だな。世界の大国が集まるらしいから、保有しているなかで一番大きいのを手配しなさい。海自から護衛隊は付くのか?」
「いえ、会議は神聖ミリシアル帝国がプライドを持って警備しているようなので、刺激しないよう護衛隊は付かないそうです。その代わり巡視艇『しきしま』が警護につきます」
「護衛隊をつけない?その判断大丈夫なのか…?」
「『しきしま』は巡視艇でも最大のもので、大きさであればこんごう型護衛艦とほぼ同等ですよ」
「海賊相手には十分だろうが、周辺各国は戦列艦や戦艦を保持しているんだぞ。ムーは305mmだが、ミリシアルは381mm、グラバルカスは460mmだ」
「まぁ撃ちあいをするわけではないんですから。大丈夫ですよ」
そういう2人に新藤は厳しい顔をする。
「この世界は地球とは違う。砲艦外交だっておかしくない。だが財団の一存では決められないな…そうだ、調査艦を派遣しよう」
「調査艦をですか?」
「この世界に来てから仕事があまりないだろう?丁度いいじゃないか」
「…分かりました、派遣しましょう。で、派遣するにもどこにです?」
「グラバルカスでいいだろう。特にグレードアトラスターは絶対だ」
―神聖ミリシアル帝国 情報局
局長室では、局長アルネウスと日本国へ派遣されたライドルカ、グラ・バルカス帝国レイフォル領へ派遣されたザマスの3人が話していた。
何故グラ・バルカス帝国の本土ではなく、レイフォル領なのか?
ミリシアルも本来であれば帝国本土に向かいたかったのだが、グラバルカスが「レイフォル領での会議をしたい」と意向を示してきたためである。
話を戻そう。
「…というわけで、先進11ヵ国会議の概要は伝えましたが、帝国は終始素っ気ない態度であり、本土の位置や首都名を極秘情報であるとして教えない、という国際関係上信じられない態度でした。今後も旧レイフォルの首都レイフォリアを窓口にするとのことです。会議に参加するのかも怪しい状況であり、間違いなく要注意国家です。なお、レイフォリアの上空を飛んでいた飛行機械はムーのものよりも速く、我が国の制空型天の浮舟に匹敵する速度でした。総力は全く分かりませんが、少なくとも技術力は侮れません」
報告を受けたアルネウスは考え込む。
「では、帝国本土の位置は不明のままか」
「はい、申し訳ありません…」
部屋の中を沈黙が支配する。
すると、ライドルカが様子を伺いながら話し始めた。
「局長、日本国に関する報告の前に1つよろしいでしょうか」
「何だ?」
「実は…」
ライドルカは手に持っていた地図を机上に広げた。
「なっ!」
「これは!」
それを見た2人は驚愕する。
その地図は見たことのないほど精巧に描かれており、山の高さ、谷の位置、主要な川、主だった街の詳細な位置など極秘にしてきたものも描かれていた。
「我が国が精巧に描かれている事に驚くのも分かりますが、こちらをご覧ください。ここに描かれていつのがグラ・バルカス帝国です」
ライドルカが地図の一点を指差す。
ムー大陸から西方約5000kmの位置に、島と言うには大きく、大陸というには小さい陸地が描かれている。
その場所も山や湖の位置が精巧に記されており、更に主だった街の位置も記されている。
「こ、この地図はどうしたんだ…?」
「実は日本国と先進11ヵ国会議について話しをした際、この地図を持参しどの海域を通過して神聖ミリシアル帝国へ向かえばいいのか、と尋ねてきました。他国の領海や聖域指定されている箇所を避けて航行するためだと。私もこの地図を見た時驚愕しましたが、領海等を調べて回答するため地図を持ち帰っていいか、と尋ねたところ問題ないとの回答でしたので持ち帰りました。まさか、通常であれば極秘事項として扱われている地図をあっさりと入手出来るとは思いませんでした…。担当者は先進11ヵ国会議に関係する国が記された地図を持ってきます、と言っていた為、グラ・バルカス帝国の位置も記載されたものを持ってきたのでしょう」
アルネウスの質問にライドルカが答える。
その回答にアルネウスとザマスは絶句した。
一時の沈黙の後、アルネウスが口を開いた。
「色々聞きたいことがあるが、まず日本国がどんな国だったか話してくれ」
ライドルカは2人に説明を始めるのだった。
SCPSについては以下からどうぞ。
http://scp-jp.wikidot.com/about-scps
「財団艦艇(SCPS)概要紹介」は‘‘Ueh-S‘‘作「財団艦艇(SCPS)概要紹介」に基づきます。
http://scp-jp.wikidot.com/about-scps
ライセンス:CC BY-SA 3.0
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