異世界に転移したのは日本だけではなかった~SCP財団日本支部召喚~   作:M6A1(晴嵐)

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M6A1 晴嵐です。

4月に入り、桜が綺麗に咲き始めました。
日により暑かったり寒かったりで、体調管理が大変ですが…

それでは本編をどうぞ。


各国の準備-2

―中央世界 アガルタ法国

魔法研究において、神聖ミリシアル帝国と肩を並べるほどの質を擁する国、アガルタ法国。

神聖ミリシアル帝国が古の魔法帝国の遺跡解析に重きを置くのに比べ、アガルタ法国は人間や亜人が使える魔法の研究が盛んであり、また個人の魔法能力育成にも力を入れているため、同じ魔法研究が盛んな国といっても中央世界の中でもその分明形態はかなり異なる。

 

そんなアガルタ法国の首都 オシアトスで、法王の前で国家の行く末を左右する会議が行われていた。

 

「では神聖ミリシアル帝国は、世界の主力ともいえる中央世界と第2文明圏の総力を結集し、旧レイフォル沖合に展開するグラ・バルカス帝国の海軍に対し、総攻撃を行うと。我が国にも海軍の派遣を求めているのだな」

「そうでございます。我が国は外交官の護衛艦隊がグラ・バルカス帝国によって沈められておりますゆえ、これは良い弔い合戦となりましょう」

 

護衛艦隊はグラ・バルカスの奇襲によって敗れた。が、今回行われたのは奇襲であり、更にミリシアル帝国は地方隊しかいなかったため凄惨な被害が出たが、中央世界の強国たちが準備に準備を重ねた主力艦隊で挑めば負けるはずがない。

そのような認識が会議場に広がる中、魔導技術大臣が話し始める。

 

「しかし大丈夫なのでしょうか…奇襲とはいえ、グラ・バルカスは我が国を含めた強国の艦隊を殲滅しています。第2文明圏の列強、ムー国でさえ空母機動部隊が敗れています。ムーの艦隊は神聖ミリシアル帝国ほどではないですが、他の文明国と比べて圧倒的な強さを誇っていたにも関わらずです。我が国の海軍の主力である魔法船団も、ムーやその他の国があまりにもあっさりと沈んでしまったため、やむを得ず試作段階の艦隊級極大閃光魔法を使用せざるを得ませんでした。今は亡きパクタール艦隊司令があの魔法の使用に踏み切ったのは、それ以外の対空兵器ではグラ・バルカスの飛行機械を落とすことは出来ないと考えたからだと思います」

 

艦隊級極大閃光魔法…カルトアルパス攻防戦において使われた対空魔法で、艦隊で六芒星を描き、中心から巨大な光線を発射して攻撃する魔法。グラ・バルカスの航空機を2機撃墜しており、凄まじい戦果を挙げている。たかが2機と思うかもしれないが、ミリシアルの艦隊ですら1桁、よくて10機程しか撃墜出来てないことを考えると、その戦果は素晴らしい。

 

魔導技術大臣の言葉を聞いた外務大臣が手を挙げた。

 

「魔導技術大臣殿、確かに彼らは侮れない。強いだろう。だが彼らの要求を、屈辱的な要求を戦わずに飲むわけにはいかんのだ。今回の戦いは、圧倒的侵略者と世界の戦いなのだ…ここで勝てねば、この程度の敵に勝てねば、来るべき古の魔法帝国が復活した時、我らは家畜へとなり下がるだろう。それに今回の戦いに仮に参戦しなければ、世界は我が国を弱小国とみなすだろう」

 

議論がなされた結果、アガルタ法国は神聖ミリシアル帝国と共に戦うことを決定した。

 

 

―日本 呉造船所

「まさか自分が三笠…いやラ・カサミの修理をすることになるなんてな…」

 

カルトアルパス攻防戦、フォーク海峡海戦において、唯一生き残った戦艦、ラ・カサミ。

ムー国からの技術支援と修理の依頼を受けた日本国は、今後更に脅威を増すであろうグラ・バルカスをムーで防ぐため、これを受諾、呉造船所にて改修工事を受けていた。

ラ・カサミの修理受け持った造船所の統括責任者 東は毎日現場で指揮を執っていた。

 

「それにしても上(政府)も無茶言うよ…非常事態だから技術流出防止法が一部緩和されているとはいえ、積める装備には限界あるしな…」

 

勿論だが30.5cm砲という大口径なんて作れないわけで、だからと言って主砲がないわけにもいかないため、その代わりとなる代替え品を検討し、対空兵器を充実させ、更に主砲の代わりとなる打撃力が必要…89式長距離魚雷はよし、だが10式対艦誘導弾などはダメなど注文が多い。

さらにさらに納期は僅か5か月未満というむちゃぶり。

どれくらいのむちゃぶりかというと、戦艦 三笠の場合、当時の技術で3年、戦艦 大和は4年かかる。

作り直した方が良いと言われる程ボロボロに大破した戦艦を、僅か4、5ヶ月で修理しろ等むちゃぶりである。

 

「もうあと3ケ月…何が何でも間に合わせてやる…ああ、横になりたい…

 

目の下にクマを作りながらも頑張る東だった。

 

 

―サイト-8100 総合管制室

「まだいるのか?」

「はい、非常に低速で移動しています」

 

総合管制室長 田島は前方のモニターを見ながら報告を聞く。

数日前、日本近海で騒音潜水艦の反応が確認された。

念のため音紋照合したものの財団や自衛隊の持っている潜水艦ではなかったため、対潜哨戒機を派遣し航行性能を詳しく調べた結果、日本が昔使用していた伊号型潜水艦のデータとそっくりだった*1

 

「現在海自の第2護衛隊群所属 たかなみが接近しています」

「そうか、何が起こるか分からん。警戒状態は維持…」

「報告!注水音を探知、発射管開きます!」

「なに!」

 

管制室がざわつく。

 

「たかなみ速力上げます。魚雷のスクリュー音を探知。たかなみに向かいます…たかなみ回避に成功、短魚雷を投下…注水音確認、潜水艦潜航します。魚雷追尾中…命中した模様、機関沈黙、圧壊、沈んでいきます」

「ふむ…付近の海上サイトからサルベージ船を派遣せよ。政府には財団がサルベージすると連絡を」

 

後日、サルベージが行われ、この潜水艦がグラ・バルカスのものと判明することとなる。

この報告を受けた財団は対潜哨戒機を多数建造、また固定型ソナーを日本近海や第3文明圏、ムーまでのシーレーンの各地に設置し、対潜網を強化することを決定した。

 

 

―神聖ミリシアル帝国 帝都ルーンポリス

世界の中心ともいえるルーンポリス、その中心部にある六角星の建物、ミリシアルの国防省の一室で、連日国のプライドをかけた作戦の会議が行われていた。

その作戦は、第2文明圏のレイフォリア、その沖合に展開しているグラ・バルカス艦隊の撃滅である。

世界最強と言われる神聖ミリシアル帝国にとって、本作戦は決して失敗が許されないものであり、会議にも熱が入る。

 

「第1~3艦隊の派遣を予定しているが、本当に3艦隊だけで戦力は足りるだろうな?失敗は許されんぞ」

「我が軍の算出によれば、第1、2艦隊だけでも十分です。第3艦隊も加われば必ずや撃滅できます」

 

国防省長官アグラの問いに、西部方面艦隊司令長官クリングが答える。

 

「しかし、もし相手の戦力が想定を上回っていたら?我々が認知している範囲外にも敵がいる可能性もある」

「それも含めて3つの艦隊の派遣で十分対応可能です。ついでに申し上げるなら、あまり役に立たないでしょうが、各国の連合艦隊の数も多いです。これには、第2文明圏やムー国が参加するため、相当な大艦隊です。更に各国の艦隊には地方隊…魔導戦艦3、魔導巡洋艦6、小型艦4、計13隻がおもりをします」

「そうか」

「まとめますと、地方隊を含む各国連合艦隊を先行させ、レイフォリアに向かわせます。おそらく敵は第2文明圏の北側、バルチスタ海域で迎撃してくるでしょう。この時点で相当な被害が出ると予想されますが、敵が使用する飛行機械による第1次攻撃隊の帰艦を狙い、敵艦隊の位置を割り出し、第1~3艦隊で攻撃、その後レイフォリア沖合へ展開、商船を含む敵を攻撃し滅します。勿論戦場では状況が変化するため、現場に指揮権を委ねます」

「では、このような場合は…」

 

グラ・バルカスを滅するために会議は続く。

*1
Q.何でそんな昔のデータがあるのか?

A.財団だから。正確に言えば、当時の記録が本部のデータベースに残っており、転移前に機密情報以外のデータを許可を得たうえでコピーしていたため。




設定集の反ミームを一部解除しました。

今後のパーパルディアは?

  • 原作通りに敗北
  • 更に大敗北を喫す
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