異世界に転移したのは日本だけではなかった~SCP財団日本支部召喚~ 作:M6A1(晴嵐)
最近黄砂が凄いですね。お風呂を換気しようとしたら、次の日砂まみれでした…
それでは本編をどうぞ。
―サイト-8100 情報部門諜報課
「ほう、遂に気づいたか」
「はい、グラ・バルカス帝国情報局技術部のナグアノという情報技官がムーで入手した日本についての本を入手、上層部に提出したと。それがこの本です」
男が上司に渡した本には、『別冊宝大陸 日本とグラ・バルカス帝国が戦えばこうなる!』と書いてある。
本を開いてみると最初にグラ・バルカスの艦艇や装備、次に日本の護衛艦や装備について詳細に書かれていた。
そしてこれらが戦うとどうなるのかについても。
「対策を練られると多少面倒だな」
「どうも上層部は虚偽情報だとしてまともに読んでいないそうです。対策を練るにしてもまだ時間がかかるでしょう。まぁ対策を練ってもほぼ無意味だと思いますがね」
「彼らにとっても戦力不明の国より、戦力が分かっているミリシアルの方が脅威度が高いだろうな」
「それと、これはまだ不確定情報ですが…」
「…なるほど、分かった。上には私が伝えておくよ」
―神聖ミリシアル帝国 カルトアルパス
「トルキア王国、戦列艦21隻到着!また、アガルタ法国、魔法船団17隻到着!」
港湾管理責任者のブロンズは目の前の光景に感嘆する。
続々と港に到着する中央世界の主力艦隊、彼らはこの後マギラカイヒ沖にて第2文明圏の艦隊と合流、バルチスタ沖に西進する予定だ。
今回の艦隊は外務大臣を護衛する艦隊ではなく、グラ・バルカス艦隊を滅するための主力艦であるため、1国当たりの数も多く、港を埋め尽くさんばかりの艦隊に港湾職員やカルトアルパスの人々は圧倒される。
「すごい光景ですね。遂に奴らへ神罰を下す時が来たのです。中央世界でこれだけの艦隊、更に第2文明圏まで加わるので、グラ・バルカスも鎧袖一触、相手にならないでしょう」
職員の1人がブロンズに話しかける。
「そうだな。第3文明圏は今回参加しないとはいえ、世界連合ともいえる今回の艦隊は、第2文明圏も合わせると相当な数になるだろうな。圧倒的な数はそのまま力へ直結する。それに、この艦隊には戦艦を含む地方隊13隻がつき、更に別働隊として西部方面艦隊がつく。主力艦隊のうち、3艦隊もグラ・バルカス帝国討伐に加わるらしいぞ」
「なんと!皇帝陛下が本気になられたのですね」
「それにしても、このような大艦隊は古の魔法帝国…ラヴァーナル帝国戦でしか発生しないと思っていたのだが…」
港湾管理者のブロンズは、今なお終結し続ける雄々しい艦隊らを眺めるのだった。
―グラ・バルカス帝国 帝都ラグナ
軍本部の会議室にて、帝国軍の幹部が集まり会議を行っていた。
その中には、帝国の3将と言われる、帝都防衛隊長 ジークス、帝国海軍東方艦隊司令長官 カイザル、帝国監査軍司令 ミレケネスも参加している。
特にカイザルは『帝国の軍神』という二つ名を持っており、彼の一言一言に軍部が注目するほどの影響力を持っている。
若手幹部が説明を始める。
「お手元の資料の通り、スパイからの情報ですが異世界の連合艦隊が集結しつつあります。数日後、正確には2、3日後には出港するもようです。カルトアルパスから旧式艦約250隻、そして神聖ミリシアル帝国の首都の港にて空母含む多数の艦隊が準備中とのことです。またムー国など第2文明圏各国も動いているようで、艦隊総数は数倍に膨れ上がると予想されます。敵艦隊はレイフォル沖に向けて進軍すると思われます」
「遂に奴らが本気を出してきたか」
説明を聞いた1人の幹部が少し険しい顔でそう答える。
相手は戦列艦等の木造の旧式艦が8、9割近くを占めているが、如何せん数が多すぎる。
ミレケネスが手を挙げ発言を始める。
「本来ならば帝国監査軍が対応すべき事案ですが、敵の量は多く、更に神聖ミリシアル帝国の艦隊も向かってきている。神聖ミリシアル帝国は先の戦い*1にて、老朽艦とはいえオリオン級戦艦を撃沈しているし、重巡や駆逐にも被害が出ている。監査軍だけでは荷が重いでしょう」
「フフフ…」
会議室に似合わぬ笑い、両肘を机に置き顔の前で手を組んだカイザルが話し始める。
「確かにな…帝都の防衛は帝都防衛隊、西部方面艦隊に任せ、帝国海軍東方艦隊の力をもって一気に叩き潰すとしよう」
彼はこの戦いで一気に敵の主力を殲滅するつもりだった。
「東方艦隊が出撃するのであれば、ムーもミリシアル帝国の主力も本戦いでいなくなるでしょうな」
「久々の東方艦隊の全力出撃、前世界以来初ですね」
幹部たちが感想を述べる。
「そういえば我々と同じく異世界からの転移国家と思われる日本国は、敵艦隊に混じっているのか?」
ふとカイザルが尋ねる。
「いえ、今回は確認されておりません。仮に参加していたとしても、大きな影響はないと思われます」
「そうか…」
少しだけ日本のことが気になるカイザルであった。
―ムー国 マイカル港
港近くの海岸には、出港する姿を一目見ようとする人々でにぎわっていた。
軍人の家族と思われる人たちが心配そうな面持ちで艦隊を眺めており、中には不安から泣き出す者もいた。
5隻ある空母の上には、ムーの最新鋭の艦上戦闘機:マリンが所狭しと並んでいる。
空母5隻、ラ・カサミ級戦艦4隻、装甲巡洋艦8隻、巡洋艦12隻、軽巡洋艦16隻、補給艦5隻で構成された計50隻の艦隊は、世界連合艦隊と合流するためマイカル港から出港した。
―神聖ミリシアル帝国 ルーンポリス海軍基地
首都防衛を担う国防の要、ルーンポリス海軍基地。
普段から魔導艦隊が停泊し、国民に安心を与えている存在である。
だがこの日は様子が違った。
「第1艦隊、出撃準備完了!」
「第2艦隊、同じく出撃準備完了!」
「残るは第3艦隊か」
レイフォル沖に展開しているグラ・バルカス帝国艦隊を滅するために構成された魔導連合艦隊、その艦隊司令を務めるレッタル・カウランは報告を受けた。
「レッタル司令が指揮されるとは、本作戦はかなり重要ですな」
ミスリル級戦艦『カレドウルフ』~第1艦隊旗艦であり、今回は魔導連合艦隊旗艦も務める~、その艦長を務めるタグスが話しかける。
「アグラ国防長官が立案された作戦だからな。神聖ミリシアル帝国の顔に泥を塗った国、野蛮なグラ・バルカスを必ずやここで滅さなければならん」
「それにしても第1~3艦隊を投入とは…過剰戦力ですな」
「それほどこの作戦に力を入れている、ということだ。相手はこちらの艦隊を撃破した、その力は本当だからな。油断できんよ」
タグスに対しそう答えるレッタル。
「第3艦隊準備完了!艦隊司令、全艦隊出撃準備完了しました!」
「分かった」
レッタル・カウランが魔信を手に取る。
「こちらは艦隊司令 レッタル・カウランである。本作戦は神聖ミリシアル帝国と文明圏外国家の戦いではない、我らが帝国を愚弄したグラ・バルカス帝国を滅するための戦いである。野蛮な国だがその力は本物だ、だが私は貴君らが厳しい訓練を乗り越えた精鋭であることを知っている。必ずや敵を滅し、我ら神聖ミリシアル帝国の力を今一度知らしめるのだ!」
「「「うおおおーー!」」」
艦内から、いや艦隊から鬨の声が上がる。
「全艦出港せよ!」
神聖ミリシアル帝国の威厳も乗っけて魔導連合艦隊は出港した。
―神聖ミリシアル帝国 カルトアルパス
中央世界の各国が派遣した艦隊が揃った次の日、遂に準備を終え出港する。
街中が喧騒に包まれ、港に力強い音楽が響き渡る。
「出港!」
スピーカーから魔力によって増幅された声が響く。
中央世界の艦隊は、第2文明圏の艦隊と合流し、西方に展開するグラ・バルカスの艦隊を滅するため出撃した。
「戦列艦など超旧式艦艇とはいえ、こんなにいると流石の迫力だ…果たして彼らのうちどれだけが戻って来れるのだろうか」
カルトアルパスで諜報を行っている財団のエージェントが呟く。
彼は直ぐに上へ写真を添えて報告するのだった。
カイザルはゲンドウポーズが似合いそう。
今後のパーパルディアは?
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原作通りに敗北
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更に大敗北を喫す
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