異世界に転移したのは日本だけではなかった~SCP財団日本支部召喚~ 作:M6A1(晴嵐)
間もなく4月も終わり、来週は皆さんお待ちかねのGWです。
今年は長い人は11連休らしくとても羨ましいですね。(もはやプラチナウィークでは)
それでは本編をどうぞ。
連合艦隊とグラ・バルカス帝国海軍が衝突した頃―サイト-8100 総合管制室
「グラ・バルカスの偵察機と連合艦隊 ムーの偵察機すれ違います。グラ・バルカスから142km、連合艦隊から108kmの地点です」
「ムーの空母が増速、迎撃隊発艦します。数12、会敵までおよそ12分」
管制室に報告が響く。
前方モニターにはバルチスタ沖とその周辺の様子が映っている。
管制室の後ろでは、田島管制室長や新藤らがモニターを見ながら議論していた。
「今後の戦闘予測は?」
「おそらくグラ・バルカスは航空戦力を反復させつつ、連合艦隊の数が多いため艦隊も派遣して全滅を狙うかと」
「神聖ミリシアル帝国は?」
「バルチスタ沖の北方に展開しつつ、偵察機を各方面に向かわせています。グラ・バルカスを捕捉するのも時間の問題でしょう」
「ミリシアルとグラ・バルカスの艦隊が戦ったらどうなる?」
「航空機の性能ではグラ・バルカスが上、対空性能もおそらくグラ・バルカスが上でしょう。航空戦ではかなりの被害が出ると思われます。艦隊決戦の場合、マグドラ沖海戦でグラ・バルカスの戦艦1隻が撃沈していることを考えると、お互いかなり被害が出るでしょう」
「艦隊決戦は互角の殴り合いになるだろうな…あの巨大航空機は?」
新藤はエリア48から出撃した巨大航空機(パル・キマイラ)について尋ねる。
「現在バルチスタ沖北方450kmを時速200kmで移動しています。あと2時間と少しで到着するでしょう」
「果たしてどれくらいの戦力となるのでしょうか…これらの性能によっては、もしかしたら戦況が書き換わるかもしれません」
「そうだな。既に彼らには伝えているんだよな?」
「情報は送ってあります。あれらが戦場に到着したらデータをとれるでしょう」
現在バルチスタ沖上空にはRM-007偵察機が3機飛行していた。
1機目はグラ・バルカス、2機目は連合艦隊、3機目はミリシアルの上空に張り付き、管制室に映像やデータを送っている。
更にそれぞれの艦隊の直下やバルチスタ沖の海中には調査艦が展開、宇宙からは人工衛星が偵察しておりデータを収集している。
勿論連合艦隊やミリシアル、グラ・バルカスが気づくわけがなかった。
「グラ・バルカスの偵察機、迎撃隊を振り切り連合艦隊上空に到達。グラ・バルカス艦隊に動きあり。空母増速、攻撃隊発艦するもよう。20、30、50…計108機です」
「ふむ、確かグラ・バルカスの空母は翔鶴型が主流だったな。ということは、大体空母1.5隻分ぐらいか」
「空母は9隻、直掩や緊急用として1隻温存しても8隻、およそ600機出せますね」
「とりあえず第1次攻撃隊で様子見、といった所でしょう。第2次から本気を出してくるでしょうね」
「ムーの迎撃隊がグラ・バルカス 第1次攻撃隊と会敵、全滅しました」
「ムーの空母とニグラート連合の竜母より迎撃隊出ます」
オペレーターから報告が入る。
「魔信傍受。第2文明圏連合竜騎士団が陸上基地より援護に来るもよう。到着まであと20分」
「ムーとニグラートの迎撃隊全滅。第1次攻撃隊に被害なし」
「連合艦隊対空攻撃を開始……」
オペレーターが沈黙する。
連合艦隊はムーの様な鋼鉄艦もあるが、9割が木造の戦列艦や帆船で構成されている。
爆弾が直撃せずとも船が消し飛び、中には機銃掃射だけで撃沈する船もある。
とてもじゃないが、報告が追い付かない。
「後でまとめて報告しなさい」
「了解」
田島の指示でオペレーター達が情報をまとめていく。
15分後―
「連合艦隊65隻に被害発生、うち31隻撃沈」
「無線傍受。グラ・バルカス、第2次攻撃を行うもよう」
「ミリシアルの偵察機がグラ・バルカスの上空に到達。魔信入ります」
「偵察機撃墜されました。ミリシアルの空母から艦載機出ます」
次から次へと情報が入ってくるため、オペレーターたちは必死に整理を続ける。
「ミリシアルより攻撃隊出撃、数106。時速400km」
「グラ・バルカスより迎撃隊出ます。数94」
「管理官、ミリシアル艦隊の位置まずくないですか?」
モニターを見ていた有田が新藤に尋ねる。
「近くに潜水艦隊がいます。ミリシアルは潜水艦を知らないでしょうから、大打撃を受ける可能性が」
「艦隊司令の腕が問われるだろうな」
もちろん調査艦により潜水艦も位置がバレている。
「ミリシアルの攻撃隊全滅。グラ・バルカスより攻撃隊発艦…数150」
「150…奴ら本気ですな」
「戦闘機はさっきの迎撃隊をそのまま流用するのであれば、全部が雷撃機や爆撃機で構成されてるかもな。これは相当な被害が出るぞ」
新藤の読みは正しかった。
数分後、ミリシアルの艦隊に150ものグラ・バルカスの攻撃隊が殺到、大きな被害を受けることとなる。
「ミリシアル艦隊戦艦1隻撃沈、他巡洋艦、駆逐艦多数に撃沈、中破等被害」
「グラ・バルカス攻撃隊、被撃墜6」
「…グラ・バルカスの圧倒的勝利ですな。おそらく魚雷の存在が大きいかと」
「ああ、魚雷は喫水線を攻撃する兵器。だからこそ喫水線の装甲を厚くしたり、隔壁や注水システムを用いて浸水に対処する。魚雷の存在を知らない彼らは、砲撃戦に必要な装甲厚だけを確保しているのだろう。だからこそ、魚雷の圧倒的破壊力に耐えられなかったんだ。それにミリシアルは浸水への対処法は知っているだろうが、あくまでも座礁や被弾で発生する軽微なものだろう」
「それもありますが、ミリシアルはグラ・バルカスの航空隊の位置を掴めておらず、迎撃が後手に回っています。やはり魔導レーダーしか搭載してないのでしょう」
田島や新藤が被害の原因を話し合っていると、オペレーターから報告が入る。
「グラ・バルカス艦隊が3つに分かれました。連合艦隊とミリシアルに1艦隊ずつ、大半は現海域に残りました」
「やはりか。想定通りだな」
「グラ・バルカスの航空隊がミリシアルの巨大航空機へ向かいます」
モニターには十数の光点がミリシアルの航空機へ向かっている。
「RM-002-βへ。ミリシアルの巨大航空機を追尾、データを収集せよ」
「こちらβ、了解」
田島がミリシアル艦隊の上空に展開している偵察機へ指示を出す。
「魔信傍受。巨大航空機からミリシアル艦隊へです」
「スピーカーに繋げ」
オペレーターがキーボードを操作すると、スピーカーから魔信が流れる。
『軍の諸君、君たちは少し苦戦しているようだね…』
軍の諸君…?新藤は疑問に思う。まるで自分たちは軍所属ではないような言い方だ。
『あ、あなた達は…何の御用でしょうか』
『レッタル・カウラン司令、これは皇帝陛下の御慈悲だよ。おっと、自己紹介が遅れたね…私は対魔帝対策省古代兵器戦術運用対策部運用課 メテオス。古の魔法帝国の遺産である、古代兵器 空中戦艦 パル・キマイラ、2号機の艦長だ。今回、諸君らが苦戦をするかもしれないと予想された皇帝陛下から直接、派遣を命ぜられた。空中戦艦『パル・キマイラ』は今回2隻派遣されている。内1隻、我々の船は間もなく諸君らの空域に到達するだろう』
『パ、パル・キマイラ!?』
驚愕の声がスピーカーから響く。
『へ、陛下が援軍を…しかもパル・キマイラを送って下さるとは…』
『フッフッフ…軍の諸君、我々は間もなく貴君らの艦隊上空を通過する。攻撃しないでくれたまえよ、陛下の大切な剣なのでね…ところで、今貴君らに向かっている艦隊があるようだね。貴君らの針路の邪魔だから彼らは我々が片付けよう』
『なっ!?』
『それでは失礼するよ。準備をしないといけないのでね』
「魔信終了しました」
「どうやらあれは航空機ではなく、空中戦艦というらしいな」
「古の魔法帝国の遺産…ラヴァーナル帝国の兵器ということでしょうか。ということは、将来あれと戦うことになるでしょうね」
「どんな兵器なのかはもうすぐ分かる」
グラ・バルカスの第18航空隊(無線封鎖をしていなかったので、特定は容易だった)は、巨大航空機…もとい、空中戦艦 パル・キマイラに接近、攻撃を開始する。
と、パル・キマイラが僅かに針路を変更した次の瞬間、外周が光る。
「な…」
モニターにはパル・キマイラから白い光弾がシャワーのように撃ちだされる様子が映る。
僅か数秒でグラ・バルカス 第18航空隊が全滅した。
「…これは…凄まじい対空性能ですな」
田島が目を見開いて呟く。
オペレーター達も驚いた様子で、普段静かな管制室が多少ざわつく。
「…はっ、さっきの映像と、送られたデータを直ちに解析班に回せ!」
我に返った田島が急いで指示を出す。
「あとは対艦性能ですね。それによっては、間違いなく戦況が変わるでしょう」
「ああ、そうだな」
有田の言葉に反応を返す新藤、その顔は険しかった。
パル・キマイラによるミリシアルの反撃が始まる。
RM-007…偵察(Reconnaissance)、監視(Monitoring)の頭文字から。ステルス機。
今後のパーパルディアは?
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原作通りに敗北
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更に大敗北を喫す
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