異世界に転移したのは日本だけではなかった~SCP財団日本支部召喚~   作:M6A1(晴嵐)

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M6A1 晴嵐です。

5月に入り、遂にGWです。皆さん楽しんでいるでしょうか?
お出掛けもよし、家でゴロゴロするもよし、ゲームに勤しむもよし、楽しんだ者勝ちです!

それでは本編をどうぞ。


バルチスタ沖海戦 中編

―サイト-8100

「簡易的な報告です。空中戦艦 パル・キマイラは少なくとも対空砲を6基搭載、性能は1980年代のCIWSとほぼ同じと思われます。命中率に関しても現代程には及びませんが、この世界にしてはかなり高性能です」

「1基だけならまだしも6基、つまりフル稼働だと1分間で18000発…対艦誘導弾どころか、対空ミサイルも撃ち落とせるかもしれん」

「再装填にどれくらいの時間がかかるのか、それも気になります。性能によってはミサイルの波状攻撃を行う必要があり、数で来られると厳しいかもしれませんね」

「それに空中戦艦というからには、装甲も思ったよりあるかもな。戦艦クラスの装甲があれば、それこそ14式対艦誘導弾でも駄目かもしれん」

 

解析班からの簡易的な報告を受けて議論していると、オペレーターが声を上げた。

 

「ほ、報告!空中戦艦 パル・キマイラがグラ・バルカスの第1打撃群(ミリシアル艦隊に向かっていた艦隊)に無線を繋ぎました!」

「何だと!?スピーカーへ!」

 

普通戦場で敵に無線を繋ぐなどあり得ないこと、流石に新藤らですら驚いた。

 

『貴君は誰だ?所属と階級、氏名を述べよ』

『やっと無線に気づいてくれたのか。君たちは魔信が使えないので大変だよ…私は神聖ミリシアル帝国対魔帝対策省古代兵器戦術運用部、空中戦艦 パル・キマイラ艦長メテオスという』

『我々に何の用だ?』

『君たちに忠告しようと思ってね』

『忠告だと?』

『私はね、弱きものを一方的に虐殺するほど趣味は悪くないのだよ。全滅する前に尻尾を巻いてとっとと帰りたまえ。この君たちにとって救いともいえる言を本隊にも伝え、レイフォル地区からさっさと逃げるんだよ。もう一度言おう、私はね弱きものを一方的になぶる程悪趣味ではない』

『…我々がそんなこけおどしで撤退すると思っているのか』

『私が今乗っているのは、古の魔法帝国…かつて恐怖により全世界を支配下に置いたラヴァーナル帝国の船なのだよ。君たち文明圏外国家の猿どもでも、その意味は分かるだろう?それとも君たちは力の差すら理解できない愚か者なのかね?君たちの飛行機械はあれだけの数が揃っておきながら、我が艦1隻に損傷を与えられず全滅したのだよ?』

 

「このメテオスとかいう艦長、煽っているのか?」

 

思わずオペレーターの1人が呟いたのだろう、そんな台詞が聞こえた。

 

『過去の遺物を信仰し、未来へ目を向けぬ貴様ら等に負けはせぬ』

『魔力を持たぬ君たち如きが我が帝国に食い下がったのは褒めてやる。だがこれまでだ。魔力無しでは決して届かぬ領域に我らはいるのだよ。神聖ミリシアル帝国に逆らった愚か者よ、私の最後の慈悲だ、撤退したまえ』

 

少しの沈黙が支配する。と、

 

『馬鹿め!』

 

グラ・バルカスの通信士が吼えた。

 

「通信終了しました」

「…大した自信ですな、メテオス艦長」

「全くだな」

 

若干田島が呆れたように言う。

(煽りスキル高すぎるだろ…あれは誰だって怒るわ)

そう思いながら新藤は頭を掻く。

 

「田島室長、解析班からです」

「おう、ありがとう」

 

田島は主任オペレーターから報告書を受け取ると、机に広げた。

報告書には、偵察機から送られたデータが詳細に書かれていた。

 

「ふむ、装甲は思ったよりガチガチではありませんね。対空ミサイルでもある程度有効打になりそうです」

「だが、魔素を使って装甲を強化できるようだからな…そこそこ硬くなるだろう」

「主機は…ん?類似するデータあり。それは…反重力タービン」

 

新藤達は顔を見合わせる。

 

「反重力タービンって…反重力浮遊戦艦 レガシーの!?」

「おいおいマジか…思ったよりやばい物使ってるじゃないか」

「ですが、レガシーと比較すると出力はかなり低いですね。流石に我々には追いつけないようです」

 

魔力を使わず科学でも戦艦を浮かせられる、それもパル・キマイラより強力かつ大きいものを。

もしそのことをメテオスが知れば、泡を吹いて卒倒してしまうだろう。

 

「GOCに協力を要請して、反重力タービンの情報を集めた方がいいかもな」

「うーん、レガシーはもうないとはいえGOCの元切り札。そう簡単に情報を開示してはくれないでしょう」

「じゃあ私が極東部門本部に直接行って、頭を下げてこよう」

「「( ゚Д゚)ハァ?」」

 

ポカンとした顔で新藤の顔を見る2人。

まさかこの後本当に直談判しに行きデータを得られるとは思ってもいなかった。

 

「グラ・バルカス、主砲をパル・キマイラへ指向、砲撃しました」

 

オペレーターの報告で、報告書からモニターに目を向けた。

 

グラ・バルカス艦隊から無数の砲弾がパル・キマイラへ向かって飛んで行く。

1分後、上空で爆発が発生する。

 

「パル・キマイラ被弾なし」

「パル・キマイラの主砲が指向、砲撃を開始しました」

 

主砲は下部についているため、映像には映っていない。

だが財団の誇る対アノマリー用超高性能レーダーは、パル・キマイラの主砲まで完全に捕捉していた。

 

「グラ・バルカス重巡洋艦に3発発射…全弾命中。更に砲撃続行…重巡洋艦9発の直撃で撃沈」

「パル・キマイラ、グラ・バルカス艦隊から一定の距離をとりつつ砲撃を続行中」

 

どうやらあの艦長は慎重派のようだ。傷つくのを恐れているのか…?

 

「命中率は高いですね。演算装置は優秀な様です」

「そのようだな…おや?」

 

数隻を撃沈した頃、モニター内でパル・キマイラが針路を変え、艦隊へ突撃していく。

 

「パル・キマイラ、対空砲圏内に入ります」

「目標は…旗艦でしょうか」

 

どうも艦隊中央に陣取る戦艦に向かっているようだ。

 

「グラ・バルカスの対空砲は効いていないようですね。機関砲は跳弾しているみたいです」

「高角砲は?」

「1発も当たってないですね。当たれば効果はあるかもしれませんが…」

 

田島の質問に主任のオペレーターが答える。

対空砲について話している間に、パル・キマイラは主砲を戦艦へ指向した。

 

「パル・キマイラ、旗艦へ向けて砲撃を開始…20発が命中」

「なかなか爆炎が晴れませんね。風向きの問題でしょうが」

 

少し経った頃、煙が晴れてラス・アルゲティの姿が現れた。

 

「流石長門型船体に酷似してるだけはありますね。頑丈だ」

 

ラス・アルゲティは対空砲や脱出ボートなど甲板にあった比較的軽装甲なものは消し飛んでいたが、主砲や艦上構造物などは健在であり、小破程度のダメージのようだ。

 

「戦艦にしては主砲のレートが高く、威力が弱いな。一体何インチなんだ?」

「パル・キマイラがどんな戦闘に用いるための兵器なのか分かりませんが、もしかしたら対地用に設計された可能性がありますね」

「確かに対地戦闘に関してはかなり強そうだな。陸には強力な砲もないだろうし」

 

パル・キマイラの性能から本来の使用方法について議論がなされる。

 

「パル・キマイラ、グラ・バルカス旗艦上空で静止しました」

「止まればいい的になるぞ。通常弾の高角砲や、最悪駆逐艦、巡洋艦の主砲で撃ち抜かれかねない危険な行為だ」

「いくら魔力で装甲を強化出来るとは言え、203mm砲を防げるかどうか…」

 

と、その時だった。

 

「パル・キマイラ、何かを投下しました」

 

パル・キマイラの下が一瞬光ったかと思うと、大きな爆発が発生した。

少し経つとキノコ雲が上り始めたのが確認できた。

 

「……」

「…一体何が起こったんだ?」

 

管制室が静寂に包まれる。

 

「…どうやら爆弾の様ですね。現在放射線は確認されていません」

 

主任オペレーターが報告する。

神聖ミリシアル帝国の超大型魔導爆弾 ジビルは、パル・キマイラの中央から投下されたため、レーダーには映っていたが、映像では捉えられなかった。

 

「放射線が確認出来ないということは、あれは通常爆弾なのでしょうか」

「かもしれんが、念のため放射能対策をした調査艦を周辺海域に派遣しよう。放射能の有無と環境への影響を調べるように」

「は、直ちに」

 

ミリシアルの核兵器保有、並びに開発の可能性大を危惧した財団は、神聖ミリシアル帝国の注意度を1段階上げる事を決定した。

 

その後パル・キマイラは40分かけて、グラ・バルカス第1打撃群を全滅させた。

 

「損害なく打撃群を全滅…圧倒的勝利ですね」

「そうだな。だが、戦艦に対する打撃力が少ないというのは致命的だな」

「これまでパル・キマイラを実戦で使用したことがないようなので、火力不足に気づかなかったのでしょう」

「グラ・バルカス第8打撃群へ第2文明圏連合竜騎士団300騎が向かっています。グラ・バルカスの戦闘機36機が迎撃…87騎が撃墜されました。が、第8打撃群へ213騎が到達…第8打撃群の被害は軽微。連合竜騎士団全滅しました」

「連合艦隊に航空隊が殺到、被害拡大中。更に第8打撃群、連合艦隊へ砲撃を開始」

 

全く撃墜されない航空隊、連合艦隊のアウトレンジからの砲撃、時間が経つにつれどんどん連合艦隊の被害は甚大なものになっていく。

傍受している魔信からは悲惨な報告が聞こえてくる。

 

「神聖ミリシアル帝国の空中戦艦 パル・キマイラ、連合艦隊上空に到達」

 

連合艦隊と(一方的な)戦闘を行っているグラ・バルカスの航空隊と第8打撃群、そこに登場したパル・キマイラ。

パル・キマイラは連合艦隊を攻撃していた航空隊をあっという間に撃墜すると、第8打撃群と交戦、これを撃滅した。

 

「グラ・バルカス第8打撃群全滅しました。パル・キマイラに損害確認されず」

「予想通りだな」

「パル・キマイラ移動開始。おそらく本隊に向かっているものかと」

 

第1、第8打撃群計78隻を海の藻屑と変えた空中戦艦 パル・キマイラ2隻、迎え撃つはグラ・バルカスの技術の結晶、戦艦 グレードアトラスター、決戦の時は迫る……

今後のパーパルディアは?

  • 原作通りに敗北
  • 更に大敗北を喫す
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