異世界に転移したのは日本だけではなかった~SCP財団日本支部召喚~   作:M6A1(晴嵐)

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M6A1 晴嵐です。

WEB版ではチラッとしか登場しなかった本戦いですが、書籍版には書かれているらしいので(とはいえ金欠で買えなかったです)非公式wikiを参照に書き上げてみました。
書籍読んだ事ある人には、物足りないかと思います。

それでは本編をどうぞ。


マイカル沖海戦

―ムー国 マイカル港

いつもは大型タンカーや輸送船が行き交い賑わいを見せているマイカル、しかしこの日は様子が違った。

 

「総員配置に着け!これは訓練ではない!繰り返す、これは訓練ではない!」

「副長、付近に早期警戒機は?」

「オタハイトの空港にE-007が1機あります。現在応援を要請しています」

「そうか。対潜哨戒機は?」

「アイナンク空港にP-010がいます」

「そちらにも直ちに援護を要請」

 

17護衛隊 旗艦 きたかぜ型護衛艦 きたかぜのCICは普段より騒がしい。

昨日、ムーの首都 オタハイトにグラ・バルカスの艦隊が来襲、ラ・カサミ改と日本国海上自衛隊第4護衛隊群が共同して撃退した。

だが、構成は空母1、戦艦1を含めた8隻であり、残りの16隻は確認されなかった。

残りの艦隊がマイカルに向かっている可能性があると判断した財団本部は、直ちに17護衛隊に連絡を入れたのだった。

 

「全艦準備完了しました」

「よし、全艦最大船速!ここから東に100kmの海域まで移動する」

 

 

17護衛隊が出撃していく様を、港で何人かが監視していた。

 

「あれが日本の駆逐艦。大きいですね」

「だが大きいだけだ。主砲は豆鉄砲が1門や2門。それにあんなに甲板が広いのに何も設置されていない。スペースの無駄だ」

 

彼らはグラ・バルカスの諜報員たち、普段は市内に潜み様々な情報を掴んでいるが、今回彼らの艦隊を迎撃するのが日本だと聞いて、わざわざ港に赴いたのだ。

彼らがこそこそ話している間に、17護衛隊はあっという間に海の向こうへ消えていった。

 

「機動力は素晴らしいな。我が国の駆逐艦とも張り合えるかもしれん」

 

まさか自国の艦艇より遥かに優れているとは思わない彼らは、加速や速力が帝国の駆逐より速いことに気づかない。

 

「写真も撮れたしそろそろ撤収するz…」

「ガッ…」

 

急に隣にいた諜報員が倒れる。

事態を認識する前に、彼も気を失った。

 

「グラ・バルカスの諜報員5人、全員制圧しました」

「連れていけ、くれぐれも怪我をさせるなよ」

 

1分後、そこには誰の姿もなかった。

 

 

―マイカル東100km 海域

「早期警戒機が間もなく追いつきます。対潜哨戒機により近くに潜水艦がいないことは判明しています」

「レーダーに感あり。東に250kmの海域に艦隊を捕捉。数16、速度30kt前後」

「無線は通じるか?」

「通じますが何をするんです?」

 

通信士が不思議そうに尋ねる。

 

「勧告はしないといけないからな。戦わなくて済むなら、そっちの方がありがたい」

 

そう言いながら、通信士から無線を受け取ると地方隊へ無線を繋げた。

 

「こちらe…日本国海上自衛隊第17護衛隊、グラ・バルカス艦隊聞こえるか。応答せよ」

 

一瞬何か噛んだ艦長だったが、直ぐに言い直す。

暫く繰り返した後、向こうから無線が返ってくる。

 

「こちらグラ・バルカス帝国海軍地方隊イシュタム司令 メイナードだ。日本国海上自衛隊、とか言ったな。何の用だ」

「その海域から先はムー国の同盟国、並びに外交官を乗せた艦艇以外は侵入を許可されていない。それ以上の進行はムー国への攻撃の意思ありとみなし、ムー国の邦人を守るため攻撃を行う。直ちに針路を変更して頂きたい」

「ふん、そのような脅しで我が帝国艦隊が引き下がると思うのか?」

「あなた方の艦隊は既に捕捉している。空母1、重巡3、軽巡1、駆逐8、補給艦3、艦隊構成や陣形も全て把握している。こちらとあなた方では技術が違いすぎる。もう1度言う。直ちに転進、または反転しなければ攻撃を開始する」

「戯言を抜かしおって…貴さまの名は?」

「これは失礼、17護衛隊旗艦きたかぜ 艦長の東雲だ」

「東雲、か…ここまで我々を馬鹿にしたのは君が初めてだ。君が捕虜になった暁には、私の手で殺してあげよう」

 

「無線、終わりました」

「総員戦闘用意!対艦誘導弾、並びに対空ミサイル発射用意!」

 

無線機を通信士に渡しながら東雲が叫ぶ。

 

「E-007とレーダーリンク。目標捕捉しました」

「レーダーに感あり。空母から艦載機が出撃した模様。数50。速度450km/h」

「ジャミングシステム起動。相手の目を奪え」

「システム起動。正常に作動中」

「よし、全艦攻撃始め!盛大におもてなしだ!」

 

17護衛隊4隻が一瞬光ったかと思うと、炎を上げながら十数もの物体が高速で飛翔していく。

更に各艦のVLSからもミサイルが飛び出していった。

E-007のアシストもあり、50発の対空ミサイルは正確に飛んで行く。

 

「間もなく第1波が命中します…命中、命中…駆逐艦5、軽巡1、重巡2、撃沈。更に第2波続きます…駆逐3、重巡1、補給艦3、空母1、撃沈。艦隊全滅しました」

「対空ミサイル、全弾命中。敵航空隊、全機撃墜」

 

その報告でCICの空気がほっとした雰囲気に変わった。

 

「状況終了。皆、お疲れさま。本部へ連絡。グラ・バルカス艦隊、いや地方隊イシュタムの全滅を確認」

「本部より連絡。マイカル港に帰港後、3週間は休暇とする。存分に休め、とのことです」

 

おおっ、と歓喜した彼らだったが、3週間後連日作戦が続き、当分休みが無いことを知るのはまだ先の話。

 

 

―ムー国 某所

「…うう」

 

頭がぼんやりとする。

右半身が冷たい、どうやら寝転がっているようだ。

 

「…はっ!?」

 

気を失う直前のことを思い出し、反射的に体を起こそうとする。が、何故か起き上がれない。

手脚が上手く動かせない、どうも縛られているようだ。

少しの間縄と格闘してみたものの、全くほどける気配がない。

諜報員ということで、様々な訓練を行ってきた。

訓練では手錠や縄から抜け出す方法も学んだのだが、縛り方からして相手の方が数枚上手の様だ。

幸い猿轡はされていない為、声は出せる。

武器も隠し持っていたはずだが、ちゃんと回収されてしまっているみたいだ。

 

「おっ、気づかれましたか」

 

ふと誰かの声が聞こえた。

顔だけ向けると黒い防具を身に着けた男がしゃがみこんでこちらを見ていた。

 

「…お前は誰だ」

「ふむ、特に後遺症もなさそうですね。安心しました」

 

こちらの質問に答える気はないようだ。

 

「これから尋問でもするのか?無駄だ。何も答えんぞ」

「まぁそう言うと思いましたよ。ですが、質問には答えて頂きます」

 

男は淡々とそう言う。こちらは拷問されても何もしゃべら…

 

「あなたはグラ・バルカスの諜報員ですね?」

「ああ、そうだ」

 

!? 何故か喋ってしまう。口が勝手に動く。

 

「あなたは何を命じられていますか?」

「ムー国と日本国がどれほどの実力を持ち、どのような国なのか、帝国の脅威になるのか、それらについて調べている」

 

何故だ!?何故喋ってしまう!?

 

「今あなたは…」

「貴さま、一体何をした!」

 

思い当たるのは目の前のコイツだけだ、何かしたに違いない。

目の前の男は肩をすぼめるふりをする。

 

「いやぁ、何か普通に聞いても答えてくれなさそうだし、とはいえ拷問は最終手段なので、仕方なくちょっとだけ、ね」

「……」

「さて質問を続けます。今あなたは我々、いやムーと日本についてどれくらい知っていますか?」

 

これ以上喋ってはいけない。喋っては…

 

「ムーは機械文明だが、我々より総合的には50年程の技術格差がある国である。飛行機械も20~30年程遅れている為、帝国の敵にはならないと判断している」

 

と、男が何故か若干首を傾げた。

 

「50年の開きがある、ですか」

「そうだ、ムーでは我々に勝てん」

「それでは日本は?」

「日本は一部技術では帝国よりも一部勝っているが、戦艦も作ることが出来ない文明である。時間をかければ脅威になると推測している」

「…なるほどなるほど」

 

男は何か満足げに頷いた。

 

「それではもっと詳細に話せる場所に移動しましょうか」

「ま、まだ何か聞くつもりか?」

「あたりまえでしょう。貴重な情報源をこのまま解放するわけにはいきませんし…それに諜報員として相手に情報をばらすのは大問題、国から消されてもおかしくないです。安心してください。命の保証はしますよ」

 

と、どこからともなく男の部下らしい者たちが現れて、自分の手足の縄を解き、代わりに手錠をかけると連行される。

十分喋ってしまったが、これ以上機密情報を喋るわけにはいかない、いっそ…

 

「あ、そうそう言い忘れてましたが舌を噛み切ろうとしても無駄ですよ。こちとら捕虜の扱いには慣れているので」

 

…思考が読まれているかのようだ。

連行されて暫く歩くと、広い部屋に連れてこられ、真ん中には比較的大きな車…確かバンだったか?が待機しており、中には何人かが目隠しをされて座席に座らせられていた。

自分も目隠しをされ座らせられる。

 

暫くすると振動が伝わってきた。どうやら走り始めたようだ。

どれくらい走っただろうか、ふと車が止まった。 

 

「今から1人ずつ順番に連れていく。肩を叩かれた者は静かに立ちなさい」

 

そう告げられると同時に肩を叩かれた。

静かにその場から経つと、背中を押され誘導される。

コツコツと足音が響く中、遠くから何か低音が聞こえる。

(もしかしてここは船か?)

少しの間歩かされると、ガチャガチャという音が聞こえ、目隠しと手錠を外された。

目の前には独房の扉が開いていた。 

 

「この中で暫く生活して頂く。食事は1日3食、この部屋の中なら基本何をしても構わない。用がある時は扉横のボタンを押せば職員がやってくる。廊下に面した小窓から用件を伝えてくれ。故意に備品を傷つけたり、脱走しようとしたら容赦のないペナルティが発生する。気を付けたまえ」

 

そう言われ独房に押し込まれると、扉に鍵をかけられる。

部屋を見渡すと小さい机にベッドや洗面所、部屋の奥に設置された仕切りの向こうにはトイレがあり、廊下から見られる心配はなさそうだ。

試しに壁を軽く叩いてみるが、ちょっとやそっとでは壊れないほど頑丈なようだ。

ふと壁に備え付けられたテレビが目に入る。ボタンを押すと画面が明るく光りニュースが流れ始めた。

これで時間を潰しつつ、情報を集めるとしよう。

 

 

その後、収容艦 すわ(CC-8111)により日本国に送られた彼らはそこで日本の実力を知ることになるのだが、帝国に伝える術はなく、火蓋が切られることとなる。




通算UA 4万を超えました!(結構前に突破してたみたいです)本当にありがとうございます!
今後とも日本支部召喚を宜しくお願いいたします!

今後のパーパルディアは?

  • 原作通りに敗北
  • 更に大敗北を喫す
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