異世界に転移したのは日本だけではなかった~SCP財団日本支部召喚~ 作:M6A1(晴嵐)
連日暑いですね。外に出たくないです…水分補給は忘れずに。
ネットで見かけたんですが、湯舟に浸かった方が熱中症対策になるのだとか。
それでは本編をどうぞ。
―ムー国 キールセキ陸軍基地
「ではバルクルス基地攻撃作戦、並びに同基地占領作戦の会議を始めます」
カルトアルパス攻防戦、そしてバルチスタ沖海戦、どちらも大きな打撃を受けて敗北した。
そしてグラ・バルカス帝国陸軍が集結しているという情報が入った時、大規模侵攻が行われることは予想されていた。
ムー国外務省が日本国に必死の要請をした結果、日本は邦人の保護を名目に先遣隊を派遣してくれた。
そして彼らはアルーを攻撃しようとしていたグラ・バルカス帝国の陸軍をあっという間に葬り去り、更にバルクルス基地にも攻撃しこれを壊滅状態まで追い込んだ。
グラ・バルカス帝国が降した国では、彼らが散々好き勝手やっていると聞く。
奴隷の様に昼夜問わず働かされ、逆らえば暴力を振るわれたり酷い目にあっているらしい。
この情報で危機感を覚えた第2文明圏各国は、今回の基地攻撃作戦をムー国が提案した時、少しでもムー国との関係を強化を図るため参戦を申し出た。
ムー国の意地とプライドをかけた作戦である、グラ・バルカス帝国最前線基地の壊滅。
第2文明圏どころか世界初の反攻作戦、列強 ムー国としても気合が入る。
「既に一時的な空爆で破壊されているバルクルスに対し、第1段階として日本国航空自衛隊によるバルクルスの残存航空機及びレーダー施設、対空砲施設、弾薬庫、燃料タンクに対する空爆を実施。第2段階として、ムー国が残っている施設や建物、軍の駐留施設及び人員への徹底破壊を行います。この空爆は内陸部からも航空機をかき集めて行います。バルクルス周辺の友軍基地と連携した同時爆撃となりますので、ムー国歴史上最大規模の空爆になると思われます。第3段階として、日本国陸上自衛隊第1空挺団及び特殊空挺団*1、そしてムー国がこの度新設した特殊作戦部隊が空挺降下を実施、基地西側に建設されている要塞にある司令部を制圧し、残存部隊の指揮系統を遮断。最終段階として、第2文明圏連合竜騎士団700騎(ワイバーンロード300騎、ワイバーン400騎)、それに加え大型火喰い鳥1600羽に騎士と兵士計4名が騎乗し、運搬された兵士計6900人がパラシュート降下、増援部隊として展開し、竜騎士団は支援火力として導力火炎弾による上空支援を行います。増援部隊6900人は、ワイバーンはあまり重い物を運べない為、比較的体重の軽い者を選出しマギラカイヒ共同体の開発した小銃を携行します。火喰い鳥については運搬後、各基地に帰投します」
歴史上経験したことのない大規模作戦に場がざわつく。
ムー国陸軍航空隊の幹部が手を挙げた。
「質問であります!」
「どうぞ」
「大型火喰い鳥は文明圏外国家ですら火力支援としては一線を退きつつある航空戦力です。このレベルの戦いについて来れないと思うのですが」
この世界の火喰い鳥は、人を乗せて飛ぶことが出来る程大型の鳥類であり、口から炎を吐くことが出来る為、太古の時代から長く空戦の主力として君臨していた。
ワイバーンに比べると速度も遅く、火炎放射の範囲も遥かに少ない。
そのためワイバーンを空戦に使用する国が現れると火喰い鳥では戦えず、毒を以て毒を制す、もといワイバーンを以てワイバーンを制す、と変化していった結果、火喰い鳥は軍事では使用されることは無くなっていった。
世界のあちこちに存在している火喰い鳥だが、約1400年前に南方の島々にて従来の火喰い鳥よりも大きいものが発見された。
生態や見た目等、どれを見ても火喰い鳥と同じだった為、大型火喰い鳥と命名された。
大型であるため勿論翼面積は広く、戦場に登場したこともあった、が使い勝手が悪く小回りが利かないため、ワイバーンに再び場所を奪われていった。
空中運搬能力は高めであるため、現在は商用の輸送用として各国に使用されている。
「おっしゃる通り、空戦能力は期待していません。本来であればワイバーンやワイバーンロードが良かったのですが、バルチスタ沖海戦にて多くのワイバーンが撃破されてしまい、数が足りません。ですが竜騎士の多くは生き残っており、そして竜騎士は火喰い鳥を操る事が出来ます。火喰い鳥に求めるのは単純に輸送能力です。よって本作戦が立案されました。なお、ワイバーン及び火喰い鳥が到着する頃には、敵の反撃能力はほとんど残されていない予定となっております。残骸の上に立ち特にする事は無いだろうと予想していますが、残存兵力の排除と迅速な塹壕等による防御力の確保、そして敵の援軍が来た場合の一時的防衛を担当します」
「分かりました。ありがとうございます」
「他に質問がある方はいらっしゃいますか?…居ないようですので、説明を続けます。制圧後の流れですが―」
会議はこの後詳細を詰めながら、遅くまで続いた。
―サイト-8100
机の上には大きな紙が広げられ、そこに大小様々な部屋が詳細に記されている。
「これがバルクルス基地の設計図か」
「はい。正確に言えばレーダーを照射して構造を調べました。現在諜報員が目視確認中です」
「まさに地下要塞だな…ん?この通路は何だ?」
新藤が施設の外にまで長く伸びた廊下を指差す。
「これはおそらく非常時の脱出経路かと思われます。この様な通路が何か所か確認されています」
松本が幾つかの廊下を指差した。
新藤は考えるしぐさをする。
「基地を攻撃する時は、この通路も見張っておかないとな…」
「それについてはご安心を。既に部隊を編成しております」
「なら大丈夫だな。懸念事項はあるか?」
「今回は自衛隊やムー国のおかげで、人員や戦力に関してはなんら問題ありません。必ず成功します」
「ならばヨシ」
自信をもって答える松本に、新藤は安心を覚えた。
だが、まさか誰も想像していない事態が発生するとは、この時知らなかったのである。
―グラ・バルカス帝国 レイフォリア飛行場
バルクルス基地が空爆を受けてから約1週間後、同飛行場に1台の中型レシプロ機と数台の戦闘機が着陸した。
レシプロ機はぱっと見、外見は普通の航空機だが、内装は豪華な装飾が施されている。
レシプロ機がゆっくりと停止すると、機の出入り口にラッタルが取り付けられる。
ラッタルの先には赤色のマットが敷かれ、更に外務省や軍の幹部立ち、その後方には3000人ものの陸軍兵が片膝をついている。
軍の音楽隊が優雅な演奏を奏でるのと同時に、ゆっくりと扉が開き1人の男が現れた。
眼光は鋭く、身長は185cm以上もあるであろう大柄、威厳を持って堂々とした姿、グラ・バルカス帝国の皇族であり第1の皇位継承権を持つ男、グラ・カバル。
あまりの威光に陸軍兵の中には、嬉しさのあまり涙を流す者もいる。
「出迎えご苦労!」
機から降りたグラ・カバルは一言発するとラッタルを降り始めた。
目の前には高級車が用意されている。
「さて、向かおうか」
グラ・カバルが乗り込むと、車は静かに発進する。
前方では軍のオートバイが先導し、後ろには外務省の車が並ぶ。
彼らが通る道の両端では、住民たちが膝をつき頭を垂れている。
ある程度復興されているものの、建物等は壊れているものも散見できた。
(いつ見ても気持ちがいい光景とはとても言えんな…だが、帝国の更なる繁栄には必要な犠牲だ)
少しだけ心に生じた不快感を、帝国の為だと打ち払う。
その日グラ・カバルはレイフォル出張所で説明を受けた後、レイフォルの各地を視察した。
運命の日は明日に迫っていた。
今後のパーパルディアは?
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原作通りに敗北
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更に大敗北を喫す
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